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sapphism_no_gensou:7014

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[Soyeon] じゃあ杏里ちゃん、なにして遊ぼっか?

[Anri] ウン、せやなぁ。えっとな、ボクなあ───

[Nicolle] …………

[Nicolle] ……なんかさあ。誘拐犯みたいだよね。

[Soyeon] ええ〜ッ!?ひどーい、ニコル!

[Soyeon] その……でも……ちっちゃい頃の杏里さんがこんなに可愛かったなんて……

[Nicolle] 禁断の趣味に目覚めてしまいそー。ってか。

[Soyeon] そう、禁断の趣味に……もうやだ! ニコルったら

!!

[Nicolle] げぶっ

[Collone] ウォッ

[Narration] 愛犬の上にぶっ倒れたニコルを、心配そうに杏里がのぞきこむ。

[Anri] ニコル、生きとる?

[Nicolle] …………死んでる。

[Nicolle] ……へっへっへ、お嬢ちゃん、アタシがイイとこ、連れてってあげよう。

[Nicolle] オトナの遊びって奴を教えてやるぜ。

[Anri] オトナの遊び?そんな面白いの?

[Nicolle] もう病みつき。

[Soyeon] 知らない人にぽこぽこついていっちゃだめーっ

!!

[Nicolle] げぶうっ

[Nicolle] うぐぐ、なんかハイになってる奴はいるし。

[Anne Shirley] おクスリは使用法を守って、楽しく遊びましょう。

[Soyeon] あれ、アン?どうしたの?

[Nicolle] ……常にハイなのが来た。

[Anne Shirley] アルマとアイーシャが杏里をさがしていたのよ?

[Nicolle] やっぱりねえ……

[Nicolle] さあ、各馬いっせいにスタートです!

[Anri] ほんま?

[Soyeon] え……でもあたしが……先に……

[Narration] ソヨンは瞳をギラギラさせてちいさな杏里にすがりつく。

[Soyeon] あ、杏里ちゃんっお姉ちゃんと一緒に遊ぼうねっ?なにか食べたいものないっ?辛いもの好きっ?

[Nicolle] 誘拐犯、誘拐犯。

[Anri] えっと、ボク……どないしょ……

[Nicolle] レースはなにやら争奪戦の様相を呈してまいりました!

[Nicolle] で、どないする杏里?……って伝染っちゃったよ。

[Anri] ソヨンやニコルと遊びたいよ。けど、アルマたちにも悪いんとちゃう?

[Nicolle] ふふっ。別にいまさら誰も怒りゃしないって。いいから、あんたの好きにしな?

[Anri] そう?なら、ボクなぁ───

[Soyeon] どきどき……

杏里ちゃーん遊び魔将(ギャグ)

ソヨンたちと遊ぶ!

[Anri] せっかくやしソヨンやニコルたちと遊びたいな!

[Anri] アルマたちとやっていつでも遊べるやろ?

[Soyeon] やっ──

[Nicolle] そーこなくっちゃ!

[Anri] わッ……!

[Soyeon] わぁッ!

[Soyeon] ……もうッさんざんあたしをからかって!ニコルだって期待してたんじゃない!

[Nicolle] アハハハ〜人生は抜けがけ自在の先手必勝なのさ〜

[Anne Shirley] ニコル、杏里はまだ何も知らない子供なのよ。いろいろな経験をさせてあげなくちゃ。

[Anne Shirley] 日焼け止めのクスリよ。杏里ちゃん。ハイ、あーん。

[Anri] アーン。

[Nicolle] アーンすなっ!そんな飲みグスリあるかっ!まったく油断もスキもないんだから。

[Anne Shirley] というわけなのであたしもついていくのだわ。

[Nicolle] ……脈絡ないのは今日に始まったことじゃないけどな。

[Soyeon] それで杏里ちゃん、なにしようっか?

[Anri] あのなー、さっき運動具屋さんでええもん見つけたてん。

[Nicolle] 運動具って……スポーツ用品店?やな予感。

アルマやアイーシャたちと遊ぶ!

[Anri] ……アルマのとこに行ってもええ?

[Narration] おずおずと杏里がたずねると、ソヨンは表情をこわばらせた。

[Soyeon] がーん!

[Nicolle] まあまあ。一緒に行きゃいいじゃん。な?

[Nicolle] それで、アン。アルマたちは、どこさ?

[Anne Shirley] こんな暑い日は、キンキンに冷えたプールに限るって───

[Soyeon] プ……プール……ですか……

[Nicolle] あちゃ。

[Anri] ええなあ!ソヨンも行こな! な?

[Soyeon] う、ううう、うううう───

[Soyeon] 杏里ちゃんの意地悪コスミダ─────────ッ!

[Anri] あ、ソヨン!

[Narration] ダダダダダダダダダダダダ───

[Narration] ソヨンは涙をぶわわわっとまき散らしながら船中へ駆けていってしまった。

[Collone] ウォン! ウォンウォン!

[Narration] その後をなにごとかとコローネが追っていく。

[Nicolle] やれやれ。そんなに楽しみにしてたのか。

[Anri] ニコル! ソ、ソヨンが!どないしょ!?

[Anri] ボク、なんか悪いこと言うてもうたんやろか?

[Nicolle] あー、やっぱ知らなかった?

[Nicolle] んー、まだねープールとかは駄目らしいんだよ。

[Nicolle] まあ、気にすんな。

[Nicolle] ソヨンはあたしが適当になぐさめといてやるから、行って来い、行って来い。

[Anri] …………う、うん。

[Anri] ニコルもまた、今度遊ぼな?

[Nicolle] おう。オトナの遊びのほうをな。

………………?

[Anri] ボク……

[Anri] ……ボク、なんか忘れとらへん?

[Narration] 杏里は腕を組んで甲板を歩き始めた。

[Soyeon] 杏里ちゃん?

[Nicolle] おい、杏里!?

[Narration] 日差しを照り返す甲板を、てくてくとなかばまで歩いて来たところで、杏里はぽんと手を打った。

[Anri] せや!

[Nicolle] はあ。

[Anri] かなえー

[Nicolle] 邪魔するよ、カナエ。

[Soyeon] し、失礼します、天京院先輩。

[Narration] ごくゆっくりと振り向いた天京院は来訪者たちをするどい目つきでにらんだ。

[Narration] 目の下にはうっすらとクマがあり、黒く長い髪もどこか艶を欠いている。

[Nicolle] あ。やば。

[Narration] センサーに最大危険を察知したニコルは、杏里のサスペンダーを引っぱる。

[Narration] 杏里はおかまいなしでぐんぐんと天京院へ寄っていく。

[Nicolle] ちょっ、杏里……おいっ……

[Anri] あのな、かなえー!ボクいいこと思いついてん、このお船、おっきな煙突があるやろ?それでな?

[Nicolle] あ。

[Narration] ───ッパーン!

[Anri] わっぷ。

[Narration] ニコルの手が離れ、パチンコよろしく打ち出された杏里は天京院のへそに、ぼすんと鼻をぶつけた。

[Anri] いひゃい!なにふるん、ニコル!?

[Nicolle] 悪ィ。

[Tenkyouin] あたしは、忙しい。

[Narration] 天京院は目も合わせずに言い放った。

[Anri] それでかなえ、ずっと部屋にこもってばかりやろ?せやから───

[Tenkyouin] あたしは、いそが、しい。

[Anri] (びくっ)

[Narration] 重々しく扉を指さす。

[Tenkyouin] 五月蠅い。邪魔だ。外で遊べ!ここは喫茶室でも託児所でもない!

[Soyeon] あわわわわご機嫌ななめです。

[Nicolle] しまったな……かなえって重いんだ。

[Anri] …………

[Anri] かんにんえ……かなえ……

[Anri] せやけど……そない怒鳴らんでもええやろ!

[Narration] 唇を噛んで涙ぐむ杏里はばすばすと靴音を立てて、部屋を出ていった。

[Narration] 残る二人もすごすごと退散する。

[Tenkyouin] ………………

[Narration] しばらくしてから、閉じた扉をふりかえり、天京院はため息をついた。

[Tenkyouin] くそ……っ子供は……嫌いだ……

[Tenkyouin] ……子供は……

[Narration] かぶりを振り、取り組んでいた機械へと向き直る。

[Tenkyouin] おかしい……こんなはずじゃ……

sapphism_no_gensou/7014.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)