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sapphism_no_gensou:6420

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[Narration] ランプの灯りが、部屋の壁に人影をわずかに揺らめかせながら、映しだしていた。

[Narration] 深夜、H・B・ポーラースターの現在位置の時間帯で表すなら、午前2時。

[Narration] 部屋の主、クローエ・ウィザースプーンは、シャワーからあがった時に着た寝間着のままで、室内で唯一の照明のランプが置かれたテーブルについていた。

[Narration] 肘をつき、その上に顎を載せる。空いた手は、一冊の革張りの冊子に置かれていた。視線を落としていた表紙を持ち上げて、めくる。

[Chloe] 『8月22日。アレキサンドリアから、この船に乗った。お父様とお兄様が造りあげたこの船に、ついにわたしも足を踏み入れることができた』

[Narration] それは日記帳だった。一番古い日付は、クローエが新入生として、この船に乗り込んだ時のものだった。

[Narration] クローエは特に字を追うでもなく、ただ、ページを繰っていく。

[Chloe] 『お父様は10年以上、お兄様も3年の月日を、この船の設計に費やしている。完成した時は、一族で造りあげた傑作だと笑っていたのを憶えている』

[Chloe] 『でも、特にどうという期待もなかった。設計者の娘というだけでの優待生的な扱い。案内された部屋も、設計当初から盛り込まれたわたし専用の部屋らしい』

[Chloe] お兄様……。

[Narration] ただ、視線を本に落としながら、クローエはそうつぶやいた。

[Chloe] 『一目見て、お兄様の設計だとわかった。突然、いなくなってしまったお兄様。優しい顔、低い声……。あの強い腕の力、荒げた息、この部屋に入った瞬間に思い出す』

[Narration] クローエの指が、寝間着の上着の、2番目のボタンをはずす。その隙間から手を差し込み、なだらかな胸を掌でおおった。

[Chloe] ん……。

[Chloe] 『ベッドは暖かくて柔らかかった。それだけがひどく違和感を憶える。固くて痛みが残るようなベッドに変えてくれないだろうか、そんなことを考えて眠りについた』

[Narration] 胸を掌で包みながら、クローエは日記のページをめくっていく。

[Chloe] 『9月8日。三日続きの入学式典が終わって、ようやくクラスメートの顔と名前も覚えられるようになってきた。もっとも、目立つ人しか憶えてないけど』

[Chloe] 『ヘレナ・ブルリューカ。少し騒がしい人。TPOはわかっているみたいだけど、かっとなると忘れる。自分が正しければ、大声をだしてもいいわけじゃないのに』

[Chloe] 『イライザ・ランカスター。クラスの中で取り巻きをつくっている。あまり高尚なことをやっているとは思えない』

[Chloe] 『杏里・アンリエット……』

[Chloe] ん……!

[Narration] クローエの身体が震えた。つまんだ胸の先端が、予想以上にしこっていて、強い刺激を産み出したためだ。

[Chloe] 『目を疑った。お兄様にそっくりだ。やめて、その顔でわたしの前に立たないで、笑いかけないで』

[Chloe] あ、はぁ……。

[Narration] 胸をなでさすりながら、クローエの上体が少しづつ傾いていく。

[Chloe] 『静かな場所がほしかった。雑音のない、厭わしさのない場所へ。自分の部屋はだめ。時折、伝声管がとてもうるさい』

[Narration] 半ば、机に伏すように、それでも指は日記帳をめくり続ける。

[Chloe] 『10月19日。図書室を見つけた。静かで落ち着けるところだ。本を読んでいるふりをしていれば追い出されない』

[Chloe] 『11月9日。ここでぼぉっとしてると、昔のことを思い出す。お兄様のことも……』

[Chloe] あ、はぁ……、ん……。

[Chloe] 『机の下や、書架の陰でこっそりと指を動かしているとたまらなく切なくなる。あれだけの時間がたったのに……。この船に来たせいだ、きっと……』

[Chloe] はぁ……、あ、ん、んん……。

[Chloe] 『3月7日。杏里に告白された。なんなのよ、それは……。図書館で何度か騒いでいた彼女を蹴り倒したのがいけなかったらしい』

[Chloe] 『お願いだから、その顔で愛してると同じ言葉を言うのはやめて。わたしを踏み荒らそうとしないで。ここでしずかに、一人でいさせてほしいのに』

[Chloe] 『3月18日。杏里に抱かれた。お兄様の腕とはちがった。華奢で柔らかかった』

[Narration] 胸を愛撫しながら、少しづつはずしていったボタン。手の動きが広がってくと同時に、はだけてく上着。

[Narration] すでに袖を通しているだけの上体で、クローエは自らの胸を揉み、さすっていた。

[Chloe] あ、ん、はぁ……、はぁ……。

[Chloe] 『3月26日。杏里に抱かれた。気持ちよかった、それは本当』

[Chloe] ふぅ……、んん……、あ、あん……。

[Narration] 小さな胸の桜色の突起を押し潰す。しこりが刺激を伝えてくる。顔を机に伏せ、吐息をもらしながら、夢うつつに胸をいじり、日記を繰る。

[Chloe] 『4月7日。杏里に抱かれた。指は……、痛くなかった』

[Chloe] はぁ、んん……、あ、あぁ……。

[Narration] 繰り返される日記の言葉と指の動きと喘ぎ声。

[Chloe] 『5月9日。たぶん初めて、声に出して杏里を求めた』

[Chloe] あ、はぁ……。

[Narration] かすかな水音が響いた。寝間着の下をおろしたクローエの指が、股間に伸びていた。下着の中にもぐりこんだ指が音をたてる。

[Chloe] 『5月17日。杏里に新しい恋人ができたのを知った』

[Chloe] ん、ん、んん……。

[Narration] 厭わしげに下着をおろす。すぐに指を這わせる。腕に残った寝間着の袖に、時折、唇を押しつけて、吐息をもらす。

[Chloe] 『6月21日。杏里に抱かれた。時折、ひどく彼女に抱かれたくなっていることに気づいた』

[Chloe] はあ、あ、ん、く、ん、んん……!

[Chloe] ふぁ、あ、はぁ……、ん、ん、んん……!

[Narration] 指が秘裂を出入りし、水音をたてる。あふれた蜜は椅子を濡らす。

[Chloe] 『9月3日。杏里がだんだんわかってきた。新入生が入ってきた。たぶん、杏里が私を抱く回数も減るだろう』

[Chloe] はぁ、はぁ……。……ん、ん……。

[Narration] 机の上に投げ出していた方の手が、何かをつかんだ。重そうに体を引き起こす。そのまま、椅子の背もたれまで体を投げる。

[Narration] 片手で休まず秘部をいじりながら、手にした万年筆を陶然と見つめる。ゆっくりとそれをおろしていった。

[Chloe] 『10月9日。杏里、抱いて……』

[Chloe] ……あ!

[Narration] なんの抵抗もなく、秘裂は万年筆を飲み込んだ。

[Chloe] あ、あ、あ……。

[Narration] 押し込まれていくほどに、クローエの身体が小刻みに震える。

[Chloe] ……ぁ……。

[Narration] 万年筆をおさめた秘裂を見下ろしながら、クローエは息をついて、身体を震わせた。中で、襞がかきわけられているのがわかる。

[Chloe] 『10月15日。杏里、抱いて……。そう言えば抱いてくれることを知った』

[Chloe] ……ふぁ、あ、あ、ぁん……!ふぅ、ううあ……!

[Narration] 秘裂と万年筆がたてる、くぐもった水音が部屋の中に満ちわたる。後は、吐息。

[Narration] 出し入れをただ見つめるクローエの瞳は陶然と潤み、顔は上気して熱い吐息をもらす。胸にも愛撫をくわえながら、高みにいたる瞬間を待つ。

[Chloe] はぁ、はぁ……、あ……、あ……。

[Narration] ついに、こらえきれなくなったクリトリスが包皮を割って顔を出す。クローエは、一時、他の動きを止めて、そこにおずおずと指を伸ばしていった。そして。

[Narration] つまみあげた。

[Chloe] んん――――――っ!!

[Narration] その刺激に、クローエは身体を折り曲げる。そして、息を一つつくと、両の指を猛然と動かし始めた。

[Narration] クリトリスを指で掻きだす。万年筆をより強く突き入れ、ひねって引き出す。

[Chloe] あ、あ、くぅ、ん、あ、ん、んあ、ぅあ、あっ……!

[Narration] 身体を曲げて、股間からわき上がる刺激を受け止める。額を机に押しつけ、何度も頭を振る。

[Chloe] ひぁ、は、あ、あ、ん、んくぅ、んぁ、あ、あぁ、あ、あぁ……!

[Narration] 激しい指の動きに応えて、感覚はどんどん昇りつめていく。背を震わせながら、崩壊を待つ。

[Chloe] ふぁ、あ、あ、杏里、あ、杏里……! く、ん、あ、はぁ……、杏里、杏里ぃ……!

[Chloe] もう、あ、はぁ……。だめ、だめよ……。杏里、あ、あなた、で、いかせて……。杏里、あ、いくの、杏里、あ、あ……。

[Chloe] 杏里、いくわ、あ、んぁ、あ、ふぁ、あ、あ、あ…………!

[Narration] クリトリスに当てた指、万年筆を持った指、両方を強く押し込んで、クローエは背をそらせて、身体を震わせた。股間を蜜がしとどに濡らす。

[Narration] 椅子にもたれながら、クローエは足を投げだしたまま、息をつく。首を気怠げにめぐらせ、机の上の日記を見つめる。

[Chloe] さよなら、お兄様。

[Narration] 小さく何かをつぶやいてから、手をのばし、その表紙を閉じた。

sapphism_no_gensou/6420.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)