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sapphism_no_gensou:4771

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[Narration] 人気のない教室でひとりたそがれて、レイチェルはほう、とため息をついた。

[Narration] 教師生活うん年うんヶ月、色んな意味で情熱を傾けてきた彼女も、時に疲れを感じることがある。

[Rachel] ……あぁ、なんかむなしい。

[Helena] どうしました、フォックス先生?

[Rachel] まあヘレナさん、どうしたの?

[Helena] 以前お願いした、自習用のプリントをいただきに来たのですけれど……。

[Rachel] あぁ! ……そうだったわね、ちょっと待ってちょうだい……。

[Narration] 手元の資料をかきまわしながら、レイチェルはふとヘレナに話しかけた。

[Rachel] ねえ、ヘレナさん。先生のこと、どう思う?

[Helena] は……?どういう意味でしょう?

[Rachel] だからぁ、かわいい先生だなー、とか。一生懸命で素敵だなー、とか。

[Rachel] あの先生になら××されたいー、とか。もう奪ってー、とか。

[Rachel] ……ね、私っていい先生かしら?

[Helena] そうですね……。

[Helena] しばらく頭の中で文章を組み立て、ヘレナはしっかりした口調で言った。

[Helena] 先生は、学生の間でたいへん人気があります。

[Rachel] ──そう?

[Narration] レイチェルの顔がぱっと輝いた。

[Helena] しかしそれは、厳格な教師の多いこの学園では、フォックス先生のリベラルな雰囲気がつきあいやすいから……というのが最大の理由だと思います。

[Rachel] はぁ……。

[Helena] つまり先生の人気は教師としての力量によるものではなく、人間性によるものですね。

[Rachel] それはえーと……いい先生ってこと?

[Helena] いえ、舐められているのではないでしょうか?

[Helena] 学生のリーダーであればそれでもいいのでしょうが、やはり教師としてはもっと威厳が必要だと、私は考えますが。

[Rachel] そ、そう……?

[Helena] けれど、先生がご自分の評価を気にして精進しようと考えていらっしゃるのは、立派だと思います。

[Rachel] え……えへっ、そう?

[Helena] はい。……あ、それでは私は行きます。

[Rachel] えぇ、それじゃあ……。

[Narration] 退室するヘレナを見送って、レイチェルはため息をついた。

[Rachel] ……そーいうこと聞きたいんじゃなかったのにぃ……。

sapphism_no_gensou/4771.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)