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sapphism_no_gensou:4761

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[Narration] その鼻歌は、電算室の一番奥の端末から聞こえてきた。

[Narration] 端末を使用しているのはレイチェル・フォックス。どうやら何かのデータを閲覧しているようだ。

[Rachel] まさか画像データまであるとはねぇ、さすがは天下のポーラースター。

[Narration] レイチェルが開いているのは、ポーラースター学生の身体データ、身長体重座高胸囲などなど、女の子の秘密が画像と一緒に記録されているものだ。

[Narration] 杏里はその様子を少し離れたところから眺めていたが、レイチェルはまったく気が付いた様子がない。

[Narration] 少女のセミヌード(何故か何人かはポーズを取っていた)が表示される度に手を叩いてきゃっきゃと喜ぶ。

[Narration] 画面に出ているのがサードクラスの学生であることを確認して、杏里はうさんくさそうにレイチェルを見た。

[Anri] (何が面白いのか……へんな人だ)

[Anri] ──はぁ、レイチェル先生もその娘に目をつけたんですか。

[Narration] レイチェルの肩越しにディスプレイを覗き込んだ杏里は、そこに表示された学生の個人データを見て言った。

[Anri] そうそう、ここのあごのラインがちょっとニキに似ていて。

[Anri] 一年後が楽しみな娘ですよね。

[Rachel] いや、その見方は少し甘いわね。彼女の美しさは今がピークでしょう、まさに旬って感じ……?

[Rachel] ──って、杏里・アンリエットさん!!いいいいいつからここにっ!!

[Anri] さすがは天下のポーラースター、のあたりからですが、それが何か?

[Rachel] それが何か、じゃないですよ杏里さん!

[Rachel] 駄目じゃないですか、人の端末を勝手にのぞいちゃ。

[Anri] それは失礼しました、レイチェル先生。でも、先生にそういう趣味があるとは思いませんでしたよ。

[Narration] 特に非難するでも感心するでもなくそう言った杏里だったが、レイチェルはきっとなった。

[Rachel] そういう趣味?どうやら杏里さんは何か誤解しているみたいね……。

[Anri] そうなんですか?まあ、どうでもいいんですけれど。

[Rachel] なんか、どーでもいいと言われるのは逆に心外だわ。

[Rachel] あのね、杏里さん。先生はクラスの子の事を職務上知っておく必要があるの。

[Rachel] 成績とか悩みとか、学生同士の相性とか、もちろん、健康面もそう。

[Rachel] みなさん、私の大事な子ですからね。

[Anri] そうですか……でも、教え子にもいまが旬とかあるんですねー。

[Rachel] ……いや、まあ、先生、かわいい女の子は好きだし。それは認めるけど。

[Rachel] 私からすれば、杏里さん。あなただって、ちょっと中性的なところがかわいいと思うわ。

[Anri] えー、先生いくつですか?

[Narration] にっこりと笑いかけたレイチェルの笑顔はそのまま凍りついた。

[Rachel] ま……まだ女ざかりのつもり……。

[Anri] 年齢ですよ、ボクより下?

[Rachel] ……う、上……。

[Anri] ほらダメだ。

[Rachel] ダメってなにが!?

[Anri] もうダメということですよ。

[Rachel] ほ……ほほほ、あら、こんな所にPS直通電話が。

[Anri] あっ、先生、ボクを売る気ですか?

[Rachel] なに言ってるの。……でも、杏里さんがあまり好き勝手に出歩いているようだと、先生も考えちゃうわよ?

[Anri] わかった、わかりましたよ……。

[Narration] いまは立場的に弱い。杏里はすごすごと退散した。

[Rachel] まさかそんな。私が可愛い杏里さんを売るなんて!

[Rachel] おほほ、でもポチッとな。

[Narration] その瞬間、風のように杏里は教室を飛び出していった。

[Narration] とりあえず、今回の事件のおかげで逃げ足だけは鍛えられているらしい。

[Rachel] ──ちちぃっ!

sapphism_no_gensou/4761.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)