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sapphism_no_gensou:4751

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[Narration] 主に集会やイベントにおいて使用される大講堂は、あとわずか1週間ほどに迫ったガラ・パーティーの準備を着々と進めていた。

[Narration] パーティーの趣旨はビジターズクラスの送別会。体験入学ともいうべき彼女らはもうすぐ学園とお別れなのだ。

[Narration] コーは準備に忙しく動き回る人の輪を抜けて、大講堂の隅にちょこん、と立ち止まった。

[Narration] そろそろ最後のチャンスがくる。しっかり計画しなければ。

[Narration] ビジターズクラスに入学する学生の大半は、正式の学生として入学できるほど金や力がない場合が多い。

[Narration] コーの家も裕福ではあったが、ここで学生をしている人間の実家と比べれば、天と地ほどの差があった。

[Narration] はたして父親の年収では、ここの1日分の学費さえ払えるものかどうか……。

[Coe] あーぁ、もう終わりかぁ……。

[Narration] つぶやいて、普段は決して見せない微笑みを見せる。

[Coe] けど、おもってたよりたくさんのおかねもちと知り合いになれて、ラッキーだったわぁ。

[Coe] やっぱり世のなかコネだもの。みかたは多いにこしたことないよね。

[Coe] それにしても、ウッド家のおねーさんもゲイツ家のおじょーちゃんも、コーのみりょくにメロメロだったわ、しめしめ。

[Narration] くふふふふ、と笑い声をもらす。

[Narration] 自称3人娘のリーダーたるコーは、将来のことを考えて、この体験入学のチャンスを最大限活かすことを考えていた。

[Narration] 少しでも仲良くなり、体験終了後も文通などしつつ、できれば卒業後も会える仲になり……。

[Coe] さいしゅーてきには、しゃこうかいデビューも飾って……。

[Coe] あぁ、コーのばら色の人生……。

[Clare] ねー、コー!?

[Narration] クレアの呼び声を聞いて、コーはぱっと表情を変えた。

[Coe] んー、どーしたのクレア?

[Clare] パルナ先輩が、お茶でもどう……って誘ってくれてるんだけど。

[Coe] わーい、コーも行くぅ!

[Narration] お友達になりたいランキング13位のお誘いとあっては、断るわけがない。

[Clare] じゃあ、行こ。

[Coe] うん。

[Narration] あぁ、いつかこの愛らしさで世界の頂点へ……。

[Narration] コーの誰にも知られていないささやかな野望は、めらめらと燃えていた。

sapphism_no_gensou/4751.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)