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sapphism_no_gensou:4731

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[Narration] 体験入学の卒業まであと少し。

[Narration] クレアは思い出を求めて船内をうろついていた。

[Clare] ……あー、学園長をはじめて見たの、あそこだったなあ。

[Clare] そうそう、ひとりだけ違う制服の人がいるなあと思ったら、船長だ、とか言い出して。

[Clare] もうすぐ卒業かぁ……。

[Narration] ポーラースターでの生活は、何から何まで目新しかった。

[Narration] いいことばかりではなかったが、きっといつまでも忘れられない思い出になるだろう。

[Clare] ミリエラやコーとも、もうすぐお別れなんだな……。

[Narration] 船を下りても、互いに連絡を取る約束はしていた。

[Narration] だが、やはり寂しい。

[Clare] それに、ミリエラったらひとりで大丈夫なのかな?

[Clare] コーだって、ちゃんと見てないと何をはじめるかわからないし。

[Narration] 自称3人組のリーダーであるクレアに、心配のタネはつきない。

[Clare] ほんとに、わたしがついてないとダメなんだから……。

[Mirriela] ……何がダメなんだよ?

[Narration] クレアの背後から駆け寄ってきたミリエラが、ぽんと肩を叩いた。

[Narration] ひゃっ、とクレアが身をすくめる。

[Clare] もう、びっくりさせないでよ!

[Mirriela] またぼけーっとした顔して歩いてるからさ、心配になったんだよ。

[Mirriela] 悪い先輩に、部屋に連れ込まれちゃうぞ!

[Narration] にやっとしたミリエラの忠告に、クレアはぷうっ、とふくれた。

[Clare] そんなこと言って、ミリエラこそ素行不良で生活指導倶楽部に参加させられるよ!

[Mirriela] ──いいよ、どうせ1週間に1回しかないんだから。

[Mirriela] もう、すぐ卒業しちまうんだし。

[Clare] あ……そうだね。

[Narration] ミリエラの冗談の中に一抹の寂しさを見つけて、クレアは怒るのをやめた。

[Clare] そうだよ……だから、こんなことしてる場合じゃないや。

[Mirriela] 何するのさ?

[Clare] 思い出をつくるの!

[Narration] ミリエラはきょとん、とした顔をした。

[Mirriela] なにそれ、何すんの?

[Clare] えーと、えーと……決めてない。

[Mirriela] なんだよ。

[Narration] 笑い出したミリエラの手をクレアが掴んだ。

[Narration] いいから、行こう!これだって思い出なんだから!

[Narration] クレアはそのまま、あわてるミリエラと一緒に走り出した。

sapphism_no_gensou/4731.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)