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sapphism_no_gensou:4611

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[Narration] ノックもなしに、突然ドアが開いた。ニキが驚いてそちらを見る。

[Anri] ああ、驚かしてすまない、子猫ちゃん!

[Anri] PSの奴らに追われているんだ、ちょっとの間、ボクをかくまってくれないか?

[Niki] …………!

[Narration] 一瞬驚いた表情を浮かべたニキだったが、すぐに小さく頷いた。

[Anri] ありがとう、ボクのかわいいニキ。

[Anri] ……はっ、PSがもう来たみたいだ。すまないけど、ベットの下に隠れさせてもらうよ。

[Narration] 杏里がそういってベットの下にもぐりこむのと同時に、ニキの部屋のドアが大きな音を立てて開く。PSだ。

[P.S.] 杏里・アンリエット!おとなしくすれば、お上にもお慈悲というものが……あれれ? 杏里は?

[Narration] PSはきょろきょろと部屋を見渡した。しかし、その部屋に杏里の姿はない。

[Narration] 代わりにニキ・バルトレッティが、驚いた顔でPSをみているだけである。

[P.S.] ニキ・バルトレッティ、ここに例の暴行犯人がこなかった?杏里・アンリエットのことだけど。

[Narration] ニキはプルプルと首を振ると、両手をあわただしく動かした。

[P.S.] ええい、隠し立てするとためにならないわよ!?

[P.S.] それとも私たちの迫力に震え上がってるわけかい、小鹿ちゃん?

[Narration] ニキの態度がPSの嗜虐心をくすぐるのか必要以上に彼女を小突き回す。

[Anri] (むぅ、威張り屋のPSめ、 ボクを追いまわすだけならまだしも、 子猫ちゃんにまで手を出すなんて)

[Narration] ベットの下で歯軋りする杏里。自分のためにニキが犠牲になるなど、杏里にはとても耐えられなかった。

[Anri] ええい、そこまでだ、不逞役人ども

[P.S.] だ、誰だ!

[Anri] おとなしいニキの性格をいいことに傍若無人の振る舞い、これ以上見過ごすわけにはいかない!

[P.S.] むむぅ、誰だ!姿をあらわせ!

[Narration] PSが叫ぶ

[Narration] するとベットの下から、ずりずりと見覚えのあるショートカットの少女が這い出してきた。

[P.S.] 誰だ君は?

[Anri] ボクは……ええっと、ポーラースターの平和を守る、仮面学生ポーラーレディだ!

[P.S.] 仮面学生って、あんた、メチャメチャ素顔じゃん。

[Anri] あ、しまった

[P.S.] …………。

[Niki] ……………………。

[Anri] ………………………………。

[Anri] さらば!!

[Narration] 杏里は脱出口を作るため、手近な椅子を窓に叩きつけた。

[Narration] ガーン! という音とともに、椅子が跳ね返る。

[Narration] 学生個室は喫水線からも50メートル以上の高さ、しかも下は海だ。

[Narration] 事故防止のため、窓は強化ガラスになっていた。

[Anri] …………。

[Narration] しばらく椅子を眺めていた杏里は、脱兎のごとく入り口から逃げ出した。

[P.S.] ああっ!! 逃げたぞっ追えっ!

[P.S.] くそう、ポーラースターの悪魔めぇぇぇぇぇ!!!

[Narration] PSはぞろぞろとその後を追って、ニキの部屋から飛び出していった。

[Niki] ……………………

[Niki] (……杏里……どうか、ご無事で……)

[Narration] 走り去る杏里の後姿に向かって、ニキはジェスチャーを送るのだった。

sapphism_no_gensou/4611.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)