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sapphism_no_gensou:4591

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[Nicolle] なーっ、もう出ていい……?

[Nicolle] なあったら、ヘレナ?

[Collone] オン、オン!

[Helena] ──駄目よ、いい機会だから芯まで暖まりなさい。

[Narration] サウナの熱気にあてられてフラフラのニコルは、恨めしそうにヘレナを睨んだ。

[Narration] 杏里を追いかけてサウナまで来たのに、狙った当人はすでにいなく、ニコルはヘレナに捕まってしまった。

[Narration] どうやらこの前、ヘレナの「アノ時」の真似をやって見せたのがそうとう頭に来たらしく、これは意趣返しというところだろうか?

[Helena] いつもバタバタしているから、たまにはこんな静かな時間もいいでしょ?

[Nicolle] 地獄だね……あっ、もうあがるの、クローエ?

[Chloe] ……ええ。

[Nicolle] もっとのんびりしてけばいーじゃん。

[Nicolle] ひとりだけ逃げるなよー。

[Narration] クローエは眉をひそめて首を振った。

[Chloe] 別に一緒に出る必要はないでしょう。あなたは好きにして。

[Nicolle] ヘレナ、好きにしてってさ。

[Helena] 駄目だってば。お風呂だってろくに入ってないんでしょう!?

[Helena] お肌の手入れだっていいかげんだし。

[Helena] 新陳代謝が悪いと、生活習慣病にだってなりやすいんだから。

[Narration] ニコルが妙なものを見るような目つきをしているのに気がついて、ヘレナは怪訝な顔をした。

[Helena] どうかしたの?

[Nicolle] ……いや、ひょっとしてヘレナ、本気であたしのこと心配してるの?

[Helena] ……何を言ってるの?当然じゃありませんか。

[Narration] ──がっくりとうなだれたニコルは、妙におかしそうに笑い出した。

[Nicolle] 参った、参りました、あんたホントにいい奴だよ!

[Nicolle] なんか、親の干渉から逃げてたあの頃を思い出しちまうぜ。

[Narration] と、どこか懐かしそうに呟く。

[Nicolle] おぉ、はるかなるフィレンツェよ!我が故郷!

[Narration] ニコルはうーん、と伸びをした。

[Nicolle] 貴族なんてクソ食らえ──だ!

[Narration] 遠くなった過去に罵声を浴びせ、ニコルは「いま」に笑いかけた。

sapphism_no_gensou/4591.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)