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sapphism_no_gensou:3631

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[Narration] 灯りもつけないまま、杏里はベッドの上、壁に背を預け、片膝を抱えていた。

[Narration] 暗闇の中、じっと見つめる手を、時折、開き、また握りしめる。

[Narration] ゆっくりと、今日までのことを思い浮かべながら、また握りしめる。唇も、きつく噛みしめたまま。低く、息を吸い、吐きながら。

[Narration] 灯りもつけない暗闇の中、杏里はベッドにいた。毛布を頭から被り、体を丸く抱え込んでいる。

[Anri] 嘘だよ、嘘だと言ってよ、かなえさん……。

[Anri] ひどいよ、そんなの……。

[Narration] 杏里の声だけが響いていた。泣き出しそうな声が。

[Anri] 疲れた……。うん、でも、一生懸命、捜査しなきゃ……。

[Anri] ヘレナが状況を整理してくれたのは、非常にわかりやすかったな。

[Anri] そっか、ボクはあの時、全然気づかなかったけど、犯人には、海へのあの窓以外、逃げ道はなかったのか……。

[Anri] じゃあ、犯人は海の藻屑……かな?

[Anri] あれ? そうすると、ボクの容疑はどうやって晴らすんだ?

[Anri] まあ、考えるのはかなえさんにまかせよ。

[Anri] イライザの話だと、土曜日の夜には、職員も動員されて、ほとんどの通路に警備がしかれていたってことだ。

[Anri] そして、不審な人物、警備箇所で質問を受けた後、行方がわからなくなった人物はいなかったってこと。

[Anri] その中には、ボクだって入っているんだよな。

[Anri] しかし、犯人はどこにいるんだろう?

[Anri] なんか……、犯人って入り口も出口もないところで犯行を起こしてないか?

[Anri] あれ〜?

[Anri] それにしても、ニコルがあんなものを手に入れてたとは驚いた。

[Anri] しかし、実際見ると、けっこう凶悪なもんだな、ディルドゥって……。

[Anri] ちょっと使ってみようかな……。

[Anri] いや、いやいやいや!

[Anri] そして、またまた美少女探偵団か。

[Anri] うん、とにかく、クレアが無事でよかった。絶対にあの窓から逃げるのは自殺行為以外の何ものでもないな。

[Anri] ふぅ……。

[Narration] 息をついて、杏里は考えすぎでのぼせた頭を振ってから、湯船に沈み込む。

[Anri] さて、今日はもう寝よう……。

sapphism_no_gensou/3631.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)