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sapphism_no_gensou:3541

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[Mirriela] だいじょぶか、クレア?

[Coe] あ、危ないからやめようよぉ!

[Anri] ……あれ、あれは……。

[Narration] 甲高い、少女達の声が響いてくる。杏里が、行き止まりになっている通路に足を踏み入れた時だった。

[Narration] 開け放たれた窓があった通路。そこに、体験入学コース、ビジターズの制服をまとった二人の少女がいた。

[Unknown] きゃあ!

[Mirriela] わ、わあ!

[Coe] ひやぁ!

[Narration] 姿の見えないもう一人の悲鳴が響いたかと思うと、ミリエラとコーの二人が窓に駆け寄る。

[Clare] あー、怖かった……。

[Narration] やがて、窓枠に手をかけて、クレアが姿を現した。ミリエラ、コーの背後にいた杏里は、クレアと目が合う。

[Clare] あー! 杏里先輩!

[Narration] その声に、残りの二人も振り返る。

[Mirriela] ほんとだ。

[Coe] 杏里さんだぁ!

[Anri] キミ達か。……なにやってるの?

[Clare] なにやってるのじゃありません!

[Clare] 杏里先輩がいつまでも犯人を捕まえないから、また新しい被害者が出ちゃったじゃないですか!

[Anri] ………………。

[Clare] だから、今度こそ、わたし達の手で、犯人を捕まえるんです!

[Anri] それはわかったけど……、ここで何をやってるの?

[Mirriela] いやさ、犯人が逃げるならここからしかないから……。

[Coe] 実際に、ここからどこへどうやって逃げれるか試してみようってクレアが言ったんですぅ。

[Anri] そりゃまた、危なっかしいことを……。

[Anri] ……やめなよ。危なすぎる。そういうことしないって約束しただろ?

[Clare] だって! 杏里先輩にまかせてたら、ソヨンちゃんの仇をとれるかどうかわかんないもん!

[Mirriela] 犯人は簀巻きだー!

[Coe] 夜中にこっそり海にすてちゃえー!

[Anri] だめだよ。こんな危ないことしちゃ。

[Clare] だって! 杏里先輩にまかせてたら、ソヨンちゃんの仇をとれるかどうかわかんないもん!

[Mirriela] 犯人は簀巻きだー!

[Coe] 夜中にこっそり海にすてちゃえー!

[Anri] ……その気持ちはよくわかるけどね。さ、今、クレアが海に落ちかけただろ。ここから外に出るのは危ないってわかったんだから、もう実験はお終いだよ。

[Clare] まだまだぁ! 今は海におりようとして、足を滑らせただけだもん。今度は、上に登っていく方法を試さなきゃ!

[Anri] 余計、危ないって……。

[Clare] コー、ロープ!

[Coe] はぁい。

[Clare] ほら、ミリエラ、ちょっとわたしの足、押さえといてよ。ちゃんとよ!

[Mirriela] はいはい。

[Clare] まずは、こっからロープを投げて上にひっかけて……、きゃあぁっ!

[Anri] うわぁ、危ない!

[Narration] ロープを投げようと振りかぶったクレアがバランスを崩す。クレアの腕が二、三度中を泳ぐと、その体は重力に引かれだした。

[Narration] とっさに駆け寄った杏里が、窓の外に浮いたロープをつかむ。ミリエラも、窓枠に体を乗り出して、クレアの足を両腕で抱える。

[Anri] クレア! ロープを離すな! 絶対に!

[Clare] ミ、ミリエラ! 足、離しちゃやだよ、うわ、うわぁ!

[Mirriela] バカ、暴れるなってば!

[Coe] きゃーきゃー! 誰かぁ! 誰かぁ!

[Narration] 窓から頭と足を逆さまにしてぶら下がるクレアは、ほぼ一分後、無事に救出された。

[Anri] ……もう、絶対に、こんなこと、しちゃダメ、だからね!

[Clare] は、はは……、はいぃ……。

[Narration] クレアは恐怖に顔を引きつらせながら、ミリエラとコーに抱えられて、腰を抜かしたまま、医務室へと向かった。

[Narration] 杏里は、三人の姿が通路の向こうに消えた後、窓枠から身を乗り出した。

[Anri] 下は……、海、だな。当たり前だけど。海面まで、きっと何十メートルってあるな。飛び込むなら、よっぽどの準備とかがいるだろうな。

[Anri] 上は……、やっぱり十メートル以上を登らなきゃならないのか。しかも、オーバーハング。

[Narration] 果たして、低気圧の中に船がいたあの日、ここからの脱出は可能だっただろうか。

[Anri] いっそのこと、ここから、誰かが逃げ出せればよかったのに……。

[Narration] 杏里はそうつぶやくと、その場を後にした。

[Mirriela] だいじょぶか、クレア?

[Coe] あ、危ないからやめようよぉ!

[Anri] あれ、あれは……。

[Narration] 甲高い、少女達の声が響いてくる。杏里が、行き止まりになっている通路に足を踏み入れた時だった。

[Narration] 開け放たれた窓があった通路。そこに、体験入学コース、ビジターズの制服をまとった二人の少女がいた。

[Unknown] きゃあ!

[Mirriela] わ、わあ!

[Coe] ひやぁ!

[Narration] 姿の見えないもう一人の悲鳴が響いたかと思うと、ミリエラとコーの二人が窓に駆け寄る。

[Clare] あー、怖かった……。

[Narration] やがて、窓枠に手をかけて、クレアが姿を現した。ミリエラ、コーの背後にいた杏里は、クレアと目が合う。

[Clare] あー! 杏里先輩!

[Narration] その声に、残りの二人も振り返る。

[Mirriela] ほんとだ。

[Coe] 杏里さんだぁ!

[Anri] やあ、キミ達。……なにやってるの?

[Clare] なにやってるのじゃありません!

[Clare] 杏里先輩がいつまでも犯人を捕まえないから、また新しい被害者が出ちゃったじゃないですか!

[Anri] う……。

[Clare] だから、今度こそ、わたし達の手で、犯人を捕まえるんです!

[Anri] それはわかったけど……、ここで何をやってるの?

[Mirriela] いやさ、犯人が逃げるならここからしかないから……。

[Coe] 実際に、ここからどこへどうやって逃げれるか試してみようってクレアが言ったんですぅ。

[Anri] そりゃまた、危なっかしいことを……。

[Anri] まったく、危ないことはしないって約束しただろ!

[Clare] だって! 杏里先輩にまかせてたら、ソヨンちゃんの仇をとれるかどうかわかんないもん!

[Mirriela] 犯人は簀巻きだー!

[Coe] 夜中にこっそり海にすてちゃえー!

[Anri] だめ、だめだめ! 犯人捜しはボクにまかせておいてってば!

[Clare] だって! 杏里先輩にまかせてたら、ソヨンちゃんの仇をとれるかどうかわかんないもん!

[Mirriela] 犯人は簀巻きだー!

[Coe] 夜中にこっそり海にすてちゃえー!

[Anri] ……その気持ちはよくわかったってば。さ、今、クレアが海に落ちかけただろ。ここから外に出るのは危ないってわかったんだから、もう実験はお終いだよ。

[Clare] まだまだぁ! 今は海におりようとして、足を滑らせただけだもん。今度は、上に登っていく方法を試さなきゃ!

[Anri] 余計、危ないって!

[Clare] コー、ロープ!

[Coe] はぁい。

[Clare] ほら、ミリエラ、ちょっとわたしの足、押さえといてよ。ちゃんとよ!

[Mirriela] はいはい。

[Clare] まずは、こっからロープを投げて上にひっかけて……、きゃあぁっ!

[Anri] うわぁ、危ない!

[Narration] ロープを投げようと振りかぶったクレアがバランスを崩す。クレアの腕が二、三度中を泳ぐと、その体は重力に引かれだした。

[Narration] とっさに駆け寄った杏里が、窓の外に浮いたロープをつかむ。ミリエラも、窓枠に体を乗り出して、クレアの足を両腕で抱える。

[Anri] クレア! ロープを離すな! 絶対に!

[Clare] ミ、ミリエラ! 足、離しちゃやだよ、うわ、うわぁ!

[Mirriela] バカ、暴れるなってば!

[Coe] きゃーきゃー! 誰かぁ! 誰かぁ!

[Narration] 窓から頭と足を逆さまにしてぶら下がるクレアは、ほぼ一分後、無事に救出された。

[Anri] ……もう、絶対に、こんなこと、しちゃダメ、だからね!

[Clare] は、はは……、はいぃ……。

[Narration] クレアは恐怖に顔を引きつらせながら、ミリエラとコーに抱えられて、腰を抜かしたまま、医務室へと向かった。

[Narration] 杏里は、三人の姿が通路の向こうに消えた後、窓枠から身を乗り出した。

[Anri] 下は……、海、だな。当たり前だけど。海面まで、きっと何十メートルってあるな。飛び込むなら、よっぽどの準備とかがいるだろうな。

[Anri] 上は……、やっぱり十メートル以上を登らなきゃならないのか。しかも、オーバーハング。

[Narration] 果たして、低気圧の中に船がいたあの日、ここからの脱出は可能だっただろうか。

[Anri] よっぽどのことがない限り、無理だろうな。

[Narration] 杏里はそう結論を出して、その場を後にした。

sapphism_no_gensou/3541.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)