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sapphism_no_gensou:3521

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[Nicolle] よぉ、杏里! こっちだこっち!

[Collone] オンオン!

[Narration] 海の見えるカフェテリアのテーブルの一つに、ニコルが手を、コローネが尾を振って杏里を迎える。

[Anri] ……やあ、ニコル、コローネ。

[Narration] 二人に軽く手をあげて応え、杏里は席につく。離れたカウンターにいるマスターに大声で注文を告げる。

[Anri] エスプレッソ。

[Narration] やがて、テーブルにエスプレッソのカップが運ばれてくる。

[Narration] 午前の授業がある時間帯。当然、カフェテリアはガラガラで、店主も開店休業状態に店の奥へと引っ込んでしまった。

[Anri] ……で、なんだい、ニコル。なにやら、いいものが手に入ったって言ってたけど。

[Nicolle] へへ、これこれ。

[Narration] ニコルは笑いながら、テーブルの上に無造作に油紙に包まれた棒状のものを放り出す。長さは五十センチを軽くこえる。

[Anri] ……なんだい、これ。

[Narration] 杏里は油紙を丁寧にはがす。その下のものはもう一重、透明なビニール袋に包まれていた。

[Anri] ……ニコル、これは!

[Nicolle] 見ての通りさ。

[Narration] それは、ディルドゥだった。男性器を象った黒く光沢を帯びた硬質の棒。しかも、男性器の先端は、両はしにそれぞれ作られていた。

[Narration] いわゆる、ハードレズ用の双頭のディルドゥだった。

[Anri] ニコル、これ、もしかして……。

[Nicolle] ビンゴ! レイプ事件で使われてきた凶器さ。

[Anri] こんなもの、いったいどうやって……。

[Narration] この禍々しい物体を、杏里は一度だけ見たことがあった。

[Narration] アイーシャが襲われた夜、力無く倒れた彼女の足下に転がっていた。

[Narration] 犯人を追おうと、すぐに部屋を飛び出した杏里が戻ってきた時には、もうすでになくなっていた。PSが持ち去ったものだと思っていた。

[Nicolle] たぶん、PSの誰かが流したんだろうね。そう、賭場絡みの場所で手に入れたのさ。まきあげたって言う方が正しいかもね。

[Anri] 驚いたな……。

[Nicolle] だろ? そこでだ、杏里、こいつにいくら出す?

[Anri] なんだって!?

[Nicolle] え、なんだい、いいだろ、このくらい。あたしだって、杏里の力になりたいし、退屈したくないからあんたに退学してほしくない。

[Nicolle] でもさ、これを手に入れるためには、ちょっとしたリスクを負ったんだぜ。それなりの報酬はもらってもいいよな。

[Anri] ……わかったよ。いくらだい?言い値を聞くよ。

[Narration] ため息をつく杏里と対照的に、ニコルの顔は輝き出す。

[Nicolle] そうこなくちゃ。じゃ、5000ニコルってとこだね。

[Anri] ……わかった。

[Nicolle] おいおい、ビタ一文まからないからなって、ええ!?

[Nicolle] どうしたんだい、杏里! あんたが値切ってこないなんて!

[Narration] ニコルは立ち上がって杏里の顔をのぞき込む。

[Nicolle] ……杏里、どうした? 何かあった?

[Anri] ……ううん、別に。

[Narration] 杏里は立ち上がると、ディルドゥを油紙ごとつかみあげた。

[Nicolle] あ、おい!

[Narration] ニコルが声をあげて止める暇もないほど、一瞬の動きで、杏里はそれを海へと力一杯放り投げていた。

[Nicolle] なに考えてんだ、杏里! 大事な手がかりを海に捨てちまうなんて!

[Anri] ごめん、ニコル。せっかく手に入れてくれたのに……。

[Nicolle] そうじゃないだろ! どうしたってんだよ、杏里!

[Anri] ごめん、あんなもの、見たくなかったんだ……。

[Narration] そう言うと、杏里はそのままカフェテラスを出ていく。

[Narration] 後に残されたニコルは、コローネと一緒にその背中を黙って見送るしかなかった。

[Nicolle] よぉ、杏里! こっちだこっち!

[Collone] オンオン!

[Narration] 海の見えるカフェテリアのテーブルの一つに、ニコルが手を、コローネが尾を振って杏里を迎える。

[Anri] やあ、ニコル、コローネ。

[Narration] 二人に軽く手をあげて応え、杏里は席につく。離れたカウンターにいるマスターに大声で注文を告げる。

[Anri] エスプレッソ! あと、こちらの美しいお嬢さんにビーフジャーキーを山盛り。

[Nicolle] おいコラ、それはコローネへの注文じゃないか!

[Anri] あはは! 遠慮しないでいいよ、ボクのおごりだ。

[Collone] オンオン!

[Nicolle] ちぇ、こいつも調子がいいったら!

[Narration] やがて、テーブルにエスプレッソのカップとビーフジャーキーの皿が運ばれてくる。

[Narration] 午前の授業がある時間帯。当然、カフェテリアはガラガラで、店主も開店休業状態に店の奥へと引っ込んでしまった。

[Anri] で、なんだい、ニコル。なにやら、いいものが手に入ったってことだけど。

[Nicolle] へへ、これこれ。

[Narration] ニコルは笑いながら、テーブルの上に無造作に油紙に包まれた棒状のものを放り出す。長さは五十センチを軽くこえる。

[Anri] なんだい、これ。

[Narration] 杏里は油紙を丁寧にはがす。その下のものはもう一重、透明なビニール袋に包まれていた。

[Anri] ……ニコル、これは!

[Nicolle] 見ての通りさ。

[Narration] それは、ディルドゥだった。男性器を象った黒く光沢を帯びた硬質の棒。しかも、男性器の先端は、両はしにそれぞれ作られていた。

[Narration] いわゆる、ハードレズ用の双頭のディルドゥだった。

[Anri] ニコル、これ、もしかして……。

[Nicolle] ビンゴ! レイプ事件で使われてきた凶器さ。

[Anri] こんなもの、いったいどうやって……。

[Narration] この禍々しい物体を、杏里は一度だけ見たことがあった。

[Narration] アイーシャが襲われた夜、力無く倒れた彼女の足下に転がっていた。

[Narration] 犯人を追おうと、すぐに部屋を飛び出した杏里が戻ってきた時には、もうすでになくなっていた。PSが持ち去ったものだと思っていた。

[Nicolle] たぶん、PSの誰かが流したんだろうね。そう、賭場絡みの場所で手に入れたのさ。まきあげたって言う方が正しいかもね。

[Anri] 驚いたな……。しかし、これはすごい手がかりだよ、ニコル。

[Nicolle] だろ? そこでだ、杏里、こいつにいくら出す?

[Anri] なんだって!?

[Nicolle] おいおい、そんな意外な顔しないでくれ。

[Nicolle] それから、そんな恨みがましい顔も。

[Nicolle] あたしだって、杏里の力になりたいし、退屈したくないからあんたに退学してほしくない。

[Nicolle] でもさ、これを手に入れるためには、ちょっとしたリスクを負ったんだぜ。それなりの報酬はもらってもいいよな。

[Anri] ……わかったよ。いくらだい? 言い値を聞くよ。

[Narration] ため息をつく杏里と対照的に、ニコルの顔は輝き出す。

[Nicolle] そうこなくちゃ。じゃ、5000ニコルってとこだね。

[Anri] 高い! 1000ニコル!

[Nicolle] じょーだんじゃない! 4500ニコルだね。

[Anri] 暴利だよ、ニコル。1500だ。

[Nicolle] おいおい、首をくくらせる気かよ! 4200。これ以上はまからないね!

[Anri] 1800! ああ、すごい譲歩だ!

[Nicolle] 4100!

[Anri] 1850!

[Nicolle] 4008!

[Anri] 1994!

[Nicolle] はぁはぁ……、じゃあ、2613ニコルと、指相撲三回ということだね……。

[Anri] ぜぇぜぇ……、いいだろう。交渉成立だね。

[Narration] 二人は同時にテーブルの上に突っ伏した。交渉合戦に全勢力を傾けた結果だった。

sapphism_no_gensou/3521.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)