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sapphism_no_gensou:3391

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[Anri] ごめんなさい。

[Narration] アイーシャが電話に出た瞬間に、杏里は頭を下げて謝った。

[Aisha] え?

[Anri] その、今日は忙しくて、会いに行けなくて。

[Aisha] あ、いいんです、そんな。無理しなくて……。

[Anri] お詫びに何かできることがあればなんでもするけど。

[Aisha] いいんです。そんなに気にしないでください。

[Narration] アイーシャの口調には困惑が浮かんでいる。

[Anri] アイーシャ、約束を守らなかったボクが悪いんだから、そんなに気を使わなくていいんだけど。

[Aisha] そういうつもりじゃ……。

[Anri] ねえ、アイーシャ、別にボクに丁寧な言葉を使わなくてもいいんだよ?

[Aisha] え、でも、杏里は年上だし……。

[Anri] 当たり前だよ。キミの年上じゃなきゃ、ボクは絶望で死んでしまう。いや、そうじゃなくて。

[Anri] 年下のボクの友達で、敬語使ってくれる子なんていないよ。イライザは、まあ、職業上って感じだけどさ。

[Aisha] でも……。

[Anri] 親しい友達に話しかけるように、ボクに言葉をおくれ。そうすれば、ボクとキミはもっとずっと近くにいることができるよ。

[Aisha] 杏里……。

[Anri] ね、さあ。

[Aisha] 急には……、無理……です。

[Narration] その返事には戸惑いの他に、微笑が混じっているように感じられた。少しづつときほぐれていく電話の向こうの言葉、心。

[Aisha] でも、ちょっと……頑張って……みるわ。

[Anri] うん!

[Narration] 受話器を持ちながら、困ったような、照れたような笑いを浮かべているアイーシャを思い浮かべて、杏里の顔にも笑みが浮かぶ。

[Anri] 会えなかった埋め合わせはしたいなアイーシャ。明日はいつごろが空いてる?

[Aisha] ええと……、午前中は授業が……あるの。午後なら……。

[Anri] わかった。午後に会いにいくよ。

[Aisha] はい、待って、る……。

[Narration] 通話を切ると、杏里はシャボン載せに子機を置いて、あごがひたるほど、湯船に体を沈めた。

[Anri] ふぅ、今日も忙しかったな。まじめに捜査すると大変だ。

[Anri] でも、犯人が学生はほとんど知らない通路を使ったっていうのは、きっと重要な情報に違いないぞ。

[Anri] 教えてくれたイライザに感謝しなくちゃ。

[Anri] おまけに素敵なチップももらえたし……。あ、ボクが払ったのか

[Anri] とりあえず、他にもいろんな人に情報を集めてくれるよう頼めたから今日は上出来だな。

[Anri] しかし、ビジターズの子達、頑張るのはいいけど……。

[Anri] 今日見かけた様子じゃ、ちゃんと手がかり探しができてるのかどうか……。

[Anri] まあ、かわいい子が頑張ってるんだ。暖かく見守ってあげよう。

[Anri] ビジターズのあの三人はちょっと危なっかしいけど。

[Anri] 金曜日にまとめて教えてくれるって言ってたっけ。うん、少しは期待してあげなきゃかわいそうかな?

[Anri] まあ、かわいい子達だし、楽しみにしておこっと。

[Anri] しかし、アンシャーリーの捜査は、さすがに彼女らしい……、とは思うけど、ちょっと問題ありだなぁ……。

[Anri] まあ、捜査方法がばれたりすることはないと思うけど。

[Anri] まあ、先生達の日曜夜の動向がわかったんだからいっか。

[Anri] いいんだよな、きっと。アンシャーリー、副作用なんかでないよね……。

[Anri] あ、そうだ。明日あたり、ヘレナがソヨンの話を聞いてきてくれるかな?

[Anri] ……うん、明日も頑張ろ。

sapphism_no_gensou/3391.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)