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sapphism_no_gensou:3331

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[Visitors] ヘレナせんぱ〜い!

[Helena] ダメだったら、ダメなんです!

[Narration] 講義が終わったばかりの大教室から、ビジターズ三人とヘレナの声が続けて聞こえてくる。

[Narration] 杏里が大教室をのぞき込むと、退出しようとする学生の流れの真ん中で、ヘレナがクレア、ミリエラ、コーの三人に囲まれていた。

[Anri] なにしてるんだろ?

[Narration] すでに両手に荷物を抱えているヘレナは、ビジターズ達に囲まれて身動きができなくなっている。

[Helena] だから、そういうことを聞かれても答えられないんです!

[Clare] 教えてください! 犯人見つけるために必要なんだから!

[Helena] あなた達がそんなことをする必要はありません。危ないことしちゃいけません!

[Coe] 教えてくれないと、こちょこちょしちゃいますよぉ。

[Mirriela] そうそう、杏里先輩の真似してね。

[Helena] な、なにを言ってるんですか!

[Anri] ……あの子達、ずいぶんストレートなことするなぁ……。ヘレナもかわいそうに……。

[Narration] 少し同情を含んだ目で、杏里はビジターズに囲まれたヘレナを見る。その視線に、ヘレナが気づいた。

[Helena] あ、杏里! あなたね、この子達に変なことを吹き込んだのは! こんな小さな子達を巻き込むなんて、どういう了見なの!?

[Anri] ありゃ、見つかった。

[Helena] 杏里、答えなさい!

[Anri] ごめんね、ヘレナ。ボクもその子達の積極性にはちょっと手を焼いていたんだ。キミからもよく言い聞かせてやっておくれよ。

[Narration] 杏里はそう言うと、ヘレナ達にくるりと背を向ける。

[Helena] あ、ちょっと、杏里! こら、待ちなさい!

[Anri] じゃーねー☆

[Narration] ヘレナの声を背に、杏里は大教室を後にする。背中から、残されたヘレナとビジターズの会話が聞こえてくる。

[Clare] 教えてよー。

[Helena] できません!

[Coe] じゃあ、こちょこちょしちゃうよぉ。

[Mirriela] やっちゃえ!

[Helena] あ、や、やめなさい、あなた達……!あ、あゃ、や、ど、どこを触って……!あ、ふぁ! あ、はぁ!

[Anri] ……きっと、これもヘレナの運命なんだろうな。

[Narration] それから二時間後……。

[Anri] ……そろそろ、お昼にしよっかな。

[Anri] ……そろそろ、部屋に戻って、お風呂タイムにしよっかな。

[Anri] おや、あれは……。

[Visitors] イライザさ〜ん!

[Eliza] 申し訳ありません。ただ今、手が放せないものですから。

[Anri] おやおや、今度はイライザがターゲットか。ほんとにあの子達、熱心にやってくれてるんだなぁ……。

[Anri] それだけ、ソヨンに起こったことが許せないんだろうな……。

[Narration] 杏里の視線の先で、ビジターズの三人が、イライザにあしらわれながらも、必死に情報を引き出そうと苦闘している。

[Anri] 彼女達のためにも、頑張ろう。もちろん、ソヨンや、これまでの被害者のためにも……。

[Narration] 杏里はそうつぶやくと、その場から立ち去った。

[Clare] じゃ、これとこれを手伝ったら、お話聞かせてくれる時間ができますよね?

[Eliza] ええ、時間はできますけど……。

[Anri] ……おーい、イライザ?

sapphism_no_gensou/3331.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)