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sapphism_no_gensou:3101

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[Narration] ドンガラガッシャーン!

[Unknown] きゃあああああ!

[Anri] な、何事!?

[Narration] けたたましい騒音とともに、悲鳴があがる。大廊下を広場へ向かって移動していた杏里は、音のした方を振り向いた。

[Narration] そこには、教科書やら地図やら三角定規やらを床に散乱させたレイチェル・フォックスの姿があった。

[Rachel] ああああ〜〜。

[Narration] それだけ抱えていればひっくり返しもするだろうという量の教材が床に散らばっている。その前に、レイチェルは座り込んでいた。

[Alma] 先生、大丈夫ですか?

[Narration] そばにいたらしいアルマ・ハミルトンが駆け寄り、まずはレイチェルに手を差しのべる。

[Rachel] ああ、アルマさん、ごめんなさいね。

[Narration] アルマの手をとって、レイチェルは立ち上がる。

[Rachel] ありがとう。ああ、先生、恥ずかしいわ。何もないところでつまづいちゃって。

[Alma] お気になさらないように。わたしもよく、何もないところで転びますから。

[Narration] レイチェルに手を握られたまま、アルマはにこやかに答える。

[Rachel] あら、そうなの……。ああ、アルマさん、先生、次の時間、授業なの。よろしかったら出てみない?

[Alma] まあ、それは面白そうですね。

[Wells] いけません、お嬢様!

[Narration] その時、アルマとレイチェルのあいだに、アルマの付き人、クインシー・ウェルズが割って入る。

[Wells] 次の時間にそのような勝手な予定を入れられては困ります。

[Alma] でも、ウェルズさん、せっかくお誘いいただいたのに……。

[Wells] なりません! そういうわけで、フォックス様。

[Narration] アルマを説得していたウェルズがレイチェルに振り返る。レイチェルは絶妙のタイミングで、立たせていた中指を下げる。

[Wells] お嬢様のカリキュラムについては、旦那様からの指示をえて、私が管理させていただいております。

[Wells] 残念ながらフォックス様の授業を受ける余裕はお嬢様にはありません。おひきとりください。

[Rachel] あ、あら、そうなんですか。残念だわ。

[Alma] 申し訳ございません、フォックス先生。

[Wells] さ、お嬢様、行きますよ。

[Alma] それでは失礼します。

[Rachel] ………………。

[Narration] レイチェルは、立ち去るアルマとウェルズを見送った後、自分の足元に散らばった教材を集める。

[Narration] 再び、その教材を抱えて歩き出すレイチェル。しかし、しばらくすると急に足取りを乱し、またも足元にぶちまける。

[Narration] ドンガラガッシャーン!

[Rachel] きゃあああああ!

[Soyeon] あ、大丈夫ですか、レイチェル先生!

[Narration] その音に、近くにいたファン・ソヨンが気づき、レイチェルに駆け寄った。

[Rachel] ああ、ソヨンさん、ごめんなさいね……。

[Narration] ソヨンの手を借りてレイチェルは立ち上がる。十数分前のと同じその光景を杏里は半ば呆然として見ていた。

[Anri] ……何やってるんだ、あの先生は……。

sapphism_no_gensou/3101.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)