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sapphism_no_gensou:3032

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お願い、杏里、やめて……

じゃ、やめてあげる

[Anri] ……じゃ、やめてあげよう。

[Helena] ……あ……。

[Narration] 杏里が耳元でそう囁くと、ヘレナは小さくあえいで、その場に座り込んだ。

[Narration] しばらくうつむいたままで身体の震えをおさめると、はずれた胸元のボタンをあわせ、そして立ち上がる。

[Helena] 杏里……。

[Narration] まだ、わずかに赤みが残ったままの顔で杏里をにらみつけるヘレナ。

[Anri] さ、約束だよ、ヘレナ。情報を教えて。

[Helena] ……あなたって人は……!

[Anri] 約束を守ってもらえないのかな?

[Helena] ……く、わかったわよ。

[Helena] これは……、杏里、あなたが現在、犯人として疑われていることとも関係があるんだけど……。

[Helena] PSでは、犯人が必ずしも男性であるとは思っていないのよ。

[Anri] え? どういうこと?

[Helena] その、今回の事件は、連続レイプ事件であるわけだけど、その犯人像として、男性である確率は低いと考えられているってことよ。

[Anri] ……なんで?

[Helena] さ、さぁ。そこまでは知らされてないわ。私だって、PSの人達の経過報告を聞いただけですもの。

[Anri] そっかぁ。しかし、レイプ犯だってのに、男じゃないかもなんて……。確かに、ボクが疑われるなんておかしいとは思ってたんだけどさ。

[Helena] あなたはただ単に、日頃の行いが悪いからよ! さっきだって……。

[Anri] ひどい言い方だな、ヘレナ。なんなら、続きをしてあげようか?

[Helena] 杏里!

[Anri] はいはい、冗談だってば! ありがと、ヘレナ!きっとこの情報は、かなえさんの推理に役立つよ! じゃあね!

[Helena] あ、……もう!

[Anri] 続きは、また、今度ねー!

[Helena] しなくていいのよ!

やめない☆

[Helena] あ、杏里、ほんとうに教えてあげないわよ……。

[Anri] いいや、ヘレナはきっと教えてくれるさ。だって、これからすごく素直な女の子になるんだからね。

[Helena] あ、や、や……!

[Helena] あ、杏里、ほんとうに教えてあげないわよ……。

[Anri] いいや、ヘレナはきっと教えてくれるさ。だって、これからすごく素直な女の子になるんだからね。

[Narration] 覆い被さるように杏里はヘレナを床へと押し倒していく。

[Helena] こ、こんな……、いつ人が来るのかわからないところで……、学園の共有の場所で……。ふしだらだわ、破廉恥な……。

[Helena] 杏里、お願い、やめて!

[Anri] もう、遅いよ。

[Narration] その言葉の通りだった。すでにヘレナの手足は絶妙の力加減で押さえ込まれ、髪も服も乱れている。

[Narration] そして、杏里の責めはもう始まっていた。

[Helena] あ、はぁ、……いやぁ!

[Helena] や、やめて、いやぁ……! あ、ひぁ、杏里、おね……お願いだから……、んあぁ!

[Narration] ヘレナの哀願を無視して、杏里は身体を貪る。そして、ヘレナにとって認めがたい感情の暴走が始まる。

[Helena] あ、あぁ、ん、そ、そこは……、あぁ!

[Helena] い、いやぁ……、だめ、だめよ……! ふぅん、あ、あん、うあぁ……!

[Narration] 舌技に応えて跳ねる腰を押さえるのに杏里が苦労するほど、ヘレナの身体は激しく反応する。

[Anri] さ、ヘレナ、もうすぐだよ。また、素敵な世界を見せてあげる。

[Helena] いや、いやぁ……、あぁ、うあぁ、あ、あん、あんん……!

[Helena] 杏里、お願い、もうやめて……。あぁ! そ、そこは……、あん、あぁん、うぁ! ああっ!

[Helena] いやぁ、つ、強くしないで……、あ……、だめ……。あん! あん、あぁ……!

[Helena] ふあぁ、あ、あ、だめ、いく、いくぅ……!ふ、うぅ、あ、あ……!

[Helena] ああああぁっ……!

[Narration] まだ荒く息をつきくずおれたままのヘレナの横で、杏里は体を起こす。

[Anri] あれ?

[Narration] 常に好奇心を優先する杏里の視線が、さきほどの情事の勢いそのままに散乱している、ヘレナが持っていた荷物の中から一束の書類をとらえる。

[Anri] これ、なんだろう……?

[Narration] 指先でつまみあげる。それは、数枚の診断書と部外秘扱いを示す印の入った書類で構成されていた。

[Anri] ……すべての被害者から共通する点は、会陰及び膣に、裂傷以外の、性的暴行を示す痕跡が見られないことである……?

[Helena] あ、杏里! あなた、何を見てるのよ!

[Narration] 服を整え起きあがったヘレナが血相を変えて、杏里が手にしている書類へと手を伸ばす。杏里はそのヘレナの手を書類ごとかわす。

[Anri] ヘレナ、これ、なに?

[Helena] なんでもありません!

[Anri] なんでもないわけないだろ?

[Helena] ……杏里、お願い、返して! それは警備関係者以外、見てはいけないものなの!

[Anri] ということはつまり、ボクにとって重要な手がかりかもしれない、そうじゃないかな?

[Helena] ………………。

[Anri] ああ、ひどいな、ヘレナは。ボクの無実を証明できる情報を持っていながら、教えてくれようとしないなんて! そんなにボクを退学にしたいのかい?

[Helena] そんなわけないじゃない!

[Anri] じゃ、どうしてこのことを内緒にしてたんだい?

[Helena] だって……、それは部外秘扱いのものなのよ。

[Anri] ひどいな、ボクとキミとの間で隠し事?

[Helena] そういうものじゃないのよ!

[Anri] ねぇ、ヘレナ。

[Helena] 何よ! 早く返しなさい!

[Anri] 結局、これ、どういうことなのかな?

[Helena] ……はあぁ……。

[Narration] 書類に目を向けたままそう尋ねた杏里の言葉に、ヘレナは脱力して、取り返すべく伸ばしていた腕を力無くおろす。

[Helena] つまりね、その、被害にあった人達には、その、そういった痕跡がなかったってことで……。

[Anri] だから、その痕跡ってなに?

[Helena] あ、あの……、その……、せ、精液とか、皮膚の破片とかよ……。

[Narration] ヘレナは顔を赤くし、声を小さくさせながら答えた。

[Anri] ……それって重要なことなの?

[Helena] そうね……。つまり、犯人は被害者をなんらかの方法で暴行した。その、膣に何かを挿入して傷つけた形跡はあるわけ。

[Helena] でも、その挿入したものが、その、だ、男性器である痕跡が認められないってことなのよ……。

[Anri] えーと、つまり?

[Helena] つまり、犯人は必ずしも男性であるとは限らないのよ。犯人は器具を使って被害者を傷つけていたってことなの。

[Anri] なるほど……!

[Narration] 手を打つ杏里を見て、ヘレナは大きな息をつく。

[Helena] 杏里、あなた、レイプ事件なのに、なんで女性の自分が疑われているのかという理由を考えたことなかったの?

[Anri] まあ、変だとは思ったけど、こんな理由があったとはな。

[Anri] うん、ヘレナ、ありがとう! これはけっこうすごい情報だと思うよ。きっとかなえさんの推理の役に立つにちがいない!

[Helena] も、もう、勝手なことを。

[Anri] ボクは一歩、無実に近づいたと見たね!じゃあね、ヘレナ! この勢いでたくさんの手がかりを集めなきゃ!

[Helena] あ、待ちなさい、杏里!その書類は持っていってはダメだってば!

sapphism_no_gensou/3032.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)