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sapphism_no_gensou:2712

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[Narration] 部屋の中はしん……と痛々しいほどの静寂に包まれた。

[Narration] 杏里も、そしてアルマも、この静けさを破るのをおそれるように、じっと口をつぐんでいた。

[Narration] ──それから、どれほどの時がたっただろう。

[Narration] ついに何かを決心した表情で口を開きかけたアルマを遮るように、杏里は自嘲めいた笑いを漏らした。

[Anri] はは……参ったなあ……。

[Narration] いつになく弱々しい声。アルマは、はっとして拳を握った。

[Anri] 考えてみたらさ、かなえさんって、ボクにとっては唯一の友達だったのかもしれない。

[Alma] ……え?

[Anri] ボクが大切に思っている人も、ボクを大切に思ってくれる人もいるけど……。

[Anri] 好きとか嫌いとか……寝たいとか、寝たくないとか……そういうのを無視してさ、対等につきあっていられた相手って……。

[Anri] ひょっとしたら、かなえさんだけだったかもしれないなあ……って、ね。

[Alma] ……杏里様……。

[Anri] ああっ、参ったなもう!自分で思ってたより、ずっとショック受けてるみたいだ。

[Alma] 杏里様、どうか無理しないでください。

[Narration] 陽気をよそおう声に無理を感じ取って、アルマは悲しそうに言った。

[Alma] 何か……何かの間違いかもしれないじゃありませんか。

[Alma] さきほどの天京院様の態度だって、きっと何か勘違いがあって……。

[Anri] ──いいんだ、アルマ。

[Narration] 静かな、しかし断固とした口調に、アルマはぴくりと震えた。

[Anri] 慰めてくれなくていいよ。かなえさんは、ハッキリと自分で言ったんだ。

[Anri] 自分が犯人だ……って。

[Alma] でも……でも、杏里様……。

[Anri] いいんだよ、本当に。慰めてくれなくて。

[Anri] 真犯人は見つかったんだ。これを報告すれば終わる。かなえさんが……。

[Alma] 杏里様……。

[Anri] かなえさんが、ボクを裏切っていたと、そう学園長に報告すればいいんだ。

[Narration] 最後の方は、消え去りそうなつぶやきになった。

[Anri] そうすればボクは、晴れて自由の身になれる。

[Alma] 杏里様、あの……わたし、思ったのですけれど……。

[Anri] 事件は解決。真犯人のかなえさんは……きっと……。

[Alma] あの、杏里様、聞いてください……。

[Anri] かなえさんはきっと退学になって、そして──。

[Alma] 杏里様!

[Narration] 彼女にしては珍しい強い口調にびっくりして顔をあげた杏里のもとへ、アルマは意を決して近づき──。

[Narration] 自分から、そっと唇を重ねてきた。

[Anri] ────!

[Narration] ややあって、アルマはぎごちなく身を離した。そのまま、吐息を感じるほど近くから杏里の顔をのぞき込む。

[Alma] ……わたし、そんな杏里様を見るのは嫌です。とても辛いです……。

[Anri] アルマ……。

[Alma] 杏里様はいつもニコニコと笑ってらして、いつも自信たっぷりで……。

[Alma] わたしにないものをたくさん持っているかっこいい人で……。

[Alma] わたし、そんな杏里様に、いつも憧れていましたのに……。

[Alma] だから、せめて……。

[Narration] 呆然と告白を聞く杏里にもう一度おずおずと口づけをして、アルマは震えながら言った。

[Alma] せめて、わたしにお慰めさせてください。

[Alma] わたしは、いつも杏里様にいただくばかりだったから。元気も、勇気もなにもかも。

[Alma] 今度は、わたしが杏里様に元気を……少しでも、お渡ししたいんです。

[Anri] けどアルマ、キミは……。

[Alma] いいえ、大丈夫。……もう、杏里様となら愛を交わすのも怖くありません。

[Narration] アルマはゆっくり杏里を押し倒していった。

[Alma] 杏里様……、アルマは杏里様をお慕いしております……。

[Anri] アルマ、ボクもキミのことが……ううん、これまでよりもっと、好きだよ……。

[Narration] ふたりのシルエットはそのままベッドに倒れ込んだ。

[Narration] おぼつかない手つきで杏里の胸元をはだけさせたアルマは、そこでいったん動きを止めた。

[Narration] どうしたらいいのか……という不安そうな目つきで杏里を見る。

[Anri] アルマ、なんにも難しいことなんかないから。

[Anri] キミの、好きなようにしてみて。

[Narration] アルマはしばらく考え込み、震える手で杏里の乳房をすくいあげるように揉み、やがて意を決したように口をつけた。

[Anri] あぁ……。

[Narration] 杏里から柔らかいため息がもれる。

[Alma] んっ……あむ……ぴちゃ……ちゅぷ……。

[Narration] とても愛撫とは呼べない稚拙さであったが、アルマは懸命に杏里の胸先にキスを続けた。

[Narration] それはしかし、テクニックとは別の面で、杏里にゆるやかな快感をもたらせつつあった。

[Anri] 気持ちいいよ、アルマ……。

[Narration] 杏里の手がアルマの耳元をくすぐる。

[Alma] ──あっ!

[Narration] アルマがびくっ、と反応した。

[Narration] 自ら愛撫を加えながら、彼女自身の性感も刺激されつつあるらしい。

[Narration] 杏里はゆっくり、アルマの身体を抱きしめるようにした。

[Alma] ……杏里様、わたし……。

[Anri] 大丈夫、続けて……。

[Alma] は、はい……。

[Narration] アルマは子犬のようにぴちゃぴちゃと舐めまわす動きを再開した。

[Alma] あ……!

[Narration] ふと、舌に異変を感じて、アルマが口を離した。

[Alma] 杏里様……あの、胸の先が……。

[Anri] うん、アルマがしてくれたから。

[Narration] 杏里の乳首が固くなったのを、アルマは赤くなりながら、どこか安心したように見つめた。

[Alma] よかった……わたし、こんなこと初めてだから……。わたし、ヘタですよね?

[Anri] ──まさか! アルマの気持ちが、すごく伝わってくるよ……。

[Narration] 褒められて、嬉しそうにアルマは行為を続けた。

[Alma] ん……んっ、んん……ちゅ……。

[Narration] 固くなった杏里の乳首を口に含み、舌で転がすようにする。

[Narration] もう片方の乳房へも、指を這わせ、ゆるやかな愛撫を続けていた。

[Anri] アルマ……もう少し、力を込めてもいいよ。

[Alma] あっ……はい。

[Narration] 杏里の要求を受けて、乳房を這っていた指がそこを掴むようにする。それでもまだ、その力は綿雪を握るかのようであった。

[Anri] アルマ、本当にもっと力をいれても大丈夫だから。

[Narration] 苦笑しつつ杏里が言うと、アルマは困ったように手元を見て、ぎゅっ、と力を込めた。

[Narration] わずかな痛みが走るが、いまの杏里にはその方がむしろ快感になる。

[Anri] ああ……いいよ、アルマ。

[Alma] あの、本当に……痛くないのですか?

[Anri] 平気さ。このぐらいの方がいい。

[Narration] アルマはまだ不安そうな顔をしていたが、杏里の要求に逆らわぬよう、力を込めた愛撫を続けた。

[Narration] 口づけを続ける方でも、強く吸い付いたり、乳首に軽く歯をたててみたりと色々と試し始めていた。

[Alma] ……あっ……!

[Narration] ぴくん、とアルマが震え、身を離した。

[Narration] 愛撫に──というより、一生懸命なアルマの姿に見とれてぼうっとしていた杏里の意識も現実に引き戻される。

[Anri] どうしたの、アルマ。

[Alma] いえ、あの、なんでもありません……。

[Narration] 焦ったように答える。

[Narration] いぶかしげな杏里の視線は、もじもじと太股をすり合わせるアルマの姿を見て妖しく光った。

[Anri] アルマも興奮してきちゃったのかな?

[Alma] ええと、あの、その……。

[Narration] 真っ赤になったアルマをぎゅっと抱きしめて、杏里は意地悪く耳元に囁いた。

[Anri] アルマの大事なところも、濡れてきちゃったんだね?

[Alma] あ、あの……あのあの……。

[Narration] アルマはパニックに陥ったように口をぱくぱくさせていたが、杏里に嘘をついてもすぐ見破られると悟ったのだろう。こくん、と小さく頷いた。

[Alma] はい……あの、濡れてきてしまったようです……。

[Narration] 密着した胸から、早鐘のように打ち続けるアルマの鼓動が伝わってきて、杏里は愛おしげに彼女を抱きしめた。

[Anri] かわいいね、アルマ……。

[Narration] 呟きながら、そっと片方の手をアルマの股間にすべり込ませる。

[Narration] スカートのうえから秘部を押さえられてアルマは慌てた。

[Alma] あっ……あっ、いけません!いまは、わたしが杏里様に、してさしあげようと──!

[Anri] ありがとう、アルマ。でも……。

[Narration] 杏里が股間に押しつけた手をぐりぐりと動かすたびに、アルマの抵抗は力を失っていった。

[Anri] どうせなら、ふたりで楽しもうよ。

[Narration] 熱くしめった吐息とともに囁かれる杏里の言葉に、アルマの抵抗は完全に終わった。

[Anri] ね、アルマ……?

[Alma] ……はい……。

sapphism_no_gensou/2712.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)