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sapphism_no_gensou:2691

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[Narration] 杏里はベッドに横たわり、ぼんやりと壁を眺めていた。

[Narration] 昼間、イライザに聞いた台詞が頭の中をぐるぐる回る。

[Anri] かなえさんが、ボクのことを……?

[Narration] これまでも、年上の女性に告白されたことがないではない。

[Narration] その時は、いつも「興味ない」のひと言で終わらせてきた。

[Narration] それを後ろめたいと思ったことなど、一度もないのに……。

[Anri] かなえさんが……。

[Narration] それは、正直、どこか不快な感覚を伴っていた。

[Narration] 自分が天京院に抱いていた友情と、彼女が自分に抱いていた気持ちが、別のものである……。

[Narration] その考えは、えらく杏里を滅入らせた。

[Anri] かなえさんがボクを……。

[Anri] ははは、ボクを……。

[Anri] ボクを、ねぇ……。

[Narration] 結局、杏里は深夜まで、そのとりとめのない思考から逃れられなかった。

sapphism_no_gensou/2691.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)