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sapphism_no_gensou:2493

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[Narration] 夜になってから、杏里は昼間の秘事をにやにやと思い出しながら、ひと風呂あびていた。

[Narration] こういう時の杏里は、あまり品がいいとは言えない顔つきなのだが──。

[Narration] 余裕のある表情のせいか、とことん下品というほどでもない。

[Anri] ──おぉ、アルマのあの初々しさよ。彼女の可愛らしい鳴き声が、まだ耳に残っているようだ。

[Anri] またいずれ、アルマにゴルフを教わるとしてボクはアルマに、愛し合う素晴らしさを教えてあげよう!

[Narration] この次はどんな風に押し倒すか……楽しい空想にふける杏里は、この上なく幸福な気分だった

[Narration] ゆえに、その頃、船内の別の一角でいかなる事件が起きていたか、彼女は想像することさえなかった……。

[Narration] アイーシャ・スカーレット・ヤンは暗闇の中に、ぐったりと横たわっていた。

[Narration] 濃密な汗の匂いが、つい先ほどまで行われていた情事を連想させる。

[Narration] 陵辱者はいきなり襲いかかり、彼女をさんざん辱めたのち、また唐突に行為をやめた。

[Narration] 拘束された痛み、敏感な部分をなぶられたショック、そして圧倒的な疲れが全身を覆い、彼女の気力を根こそぎ消滅させていた。

[Narration] ──カシャッ!

[Aisha] ──!?

[Narration] 身じろぎひとつしなかったアイーシャの身体が、機械音に反応してビクッと震える。

[Narration] ──カシャッ! ──カシャッ!

[Narration] それがカメラのシャッター音であることを理解して、アイーシャは必死に身を隠そうとよじった。

[Narration] だが、拘束されたままの彼女には、手で隠すことひとつ、自由にならない。

[Narration] ──やがて、彼女が絶望に低い嗚咽を洩らしはじめたころ……。

[Narration] 何者かの気配は、彼女ひとりを残して消えていた。

[Narration] ──カメラからメモリーカードを取り出し、そいつはほくそ笑んだ。

[Narration] またひとつ脅迫のネタが手に入った。有効に活用すれば、そいつの目的に大いに役立つだろう。

[Narration] PSの目は杏里・アンリエットに向かい、杏里の目はまったく自分を向いていない。

[Narration] 杏里の退学でコトがうやむやになるまでは、自由に行動できるだろう。

[Narration] ──まったく、杏里さまさまだ。そいつは、もう一度笑った。

[Unknown] ……何がおかしいのかな?

[Narration] 笑いを凍り付かせたそいつの前に、天京院鼎が静かに立っていた──。

sapphism_no_gensou/2493.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)