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sapphism_no_gensou:2411

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[Anri] あれ……いまのは?

[Narration] こそこそと人目を避けるように、アンシャーリーの部屋へすべり込む影を認め、杏里は眉をひそめた。

[Anri] いまの……イライザだったけど……。様子がおかしかった……。

[Narration] いつもメイドとして堂々と歩いている彼女が、あんな行動を取る、いったいどんな理由があるものか。

[Anri] しかも、アンシャーリーの部屋……。

[Narration] 気になって、杏里はいつものようにアンシャーリーの部屋へいきなり踏み込んだ。

[Anri] お邪魔するよー。

[Eliza] あ、杏里様!?

[Eliza] あ……えっと……。

[Anri] ん、何か隠さなかった?

[Eliza] いいえ、別に。それではアンシャーリー様、私はこれで。

[Anri] ……あっ?

[Narration] そそくさと、イライザは部屋を出ていってしまった。

[Anri] ……どうしたっていうんだ?

[Anri] ねえ、アンシャーリー?

[Narration] アンシャーリーはぼーっ、としている。

[Anri] う……ヘンな匂い。また妙な香を焚いてるな。

[Anne Shirley] 杏里……取り引き現場を見られたからには、あなたにこれを。

[Narration] いきなり、アンシャーリーは杏里にクスリの包装紙を押しつけた。

[Anri] なんだい、これ?

[Anne Shirley] いい夢が見られるおクスリよ。1日3回、食後に服用。

[Anri] 食後にいい夢見てどうするんだ……。

[Anne Shirley] 1回に17錠。

[Anri] 多いし。

[Anri] それより取り引き現場って何さ?

[Anne Shirley] 知らない。イライザが勝手にそう言ってるんだもん。

[Anri] イライザに何を渡したの?

[Anne Shirley] ただのおクスリよ。

[Anri] キミのクスリが、ただの……であるとは思えないんだけどな。

[Narration] 逃げるように仕事場に戻ってきたイライザは、杏里が追ってきていないのを確認して安堵の息を洩らした。

[Narration] 別にわざわざ逃げる理由はなかったのだが、小遣い稼ぎの元手をタダでもらっているのは、やはり格好悪い。

[Eliza] さて、お仕事に戻りましょうか。

[Narration] 何事もなかったかのように、イライザは仕事に復帰した。

sapphism_no_gensou/2411.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)