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sapphism_no_gensou:2331

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[Anri] あれ、イライザ?

[Narration] アルマの部屋の前までくると、そこには先客がいた。

[Eliza] あ、杏里様。申し訳ありません、仕事中で。

[Eliza] アルマ様、ではクリーニングは承りましたので。

[Alma] はい、よろしくお願いします。

[Alma] まあ、杏里様。

[Anri] やあ麗しき我が月の女神。かわりないか、様子を見に来たんだけど。

[Alma] わたしの方は何もありませんわ。

[Anri] それはよかった。これから、何か用事が?

[Alma] 用事というか……クラスの方とお勉強会をする約束が。

[Anri] そうか……邪魔しちゃ悪いし、ボクはあまり、他の学生と顔をあわせない方がいいだろうな。

[Alma] 申し訳ありません。

[Anri] いや、変わりなければいいんだ。それじゃ、一応身辺には気をつけて。

[Narration] アルマが部屋に戻ったのを確認して、杏里は他の場所に行こうと歩き出した。

[Narration] つ……と、その前にイライザが進み出る。

[Eliza] わざわざ、アルマ様のご様子を見に来られたんですか?

[Anri] うん、物騒だからね。

[Eliza] ……お優しいですね。

[Anri] え、何か言った?

[Eliza] いいえ、別に。……アルマ様って……。

[Anri] かわいいよね。

[Eliza] まるでお人形さんのように、ですか?

[Eliza] そういう意味では確かに可愛らしい方だと思います。

[Anri] なにか含みのある言い方だね?

[Eliza] そんなことはありません。ただ、アルマ様って危うい方ですから。

[Eliza] 無知は罪なり──を地でいくような。

[Anri] 誰にだって欠点はあるさ。ボクだって、早起きに弱いよ?

[Eliza] 欠点というか……私、考えないで他人の言いなりなる方は尊敬する気になれないだけです。

[Anri] いつになく手厳しい。優しいからな、イライザは。

[Eliza] ………………。

[Anri] アルマはそんな子じゃないよ。これまでの生活が、ちょっと人と変わっていただけさ。

[Eliza] 杏里様は、私の千倍はお優しいですものね。

[Eliza] それでは、仕事に戻りますので……。

[Narration] 杏里はイライザに軽く手を振って別れた。

[Anri] ……なんだろう?

[Anri] イライザがやきもち?まさかねぇ……。

[Anri] メイドになってから、イライザが誰かを批判するのって、はじめて聞いたな。

sapphism_no_gensou/2331.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)