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sapphism_no_gensou:2151

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[Anri] ふん、ふん、ふふ〜ん、せ〜え、ぷっくぅよ〜!

[Narration] ──その夜。

[Narration] 杏里は日課のひと風呂を浴びながら、今日の出来事を思い返していた。

[Anri] ……アルマの無知ぶりには参った。

[Anri] あれはもう、箱入りとかそういうレベルの問題じゃないぞ。

[Anri] 今の世の中、人里離れた山奥に監禁でもしない限り……あんな人間、作ろうとしてもできるもんじゃない。

[Anri] さすがのボクも、これまで見たことがないタイプだ。

[Anri] かわいいし好みなんだけど、それだけじゃなくて……。

[Anri] 心配……そう、心配だ。あの、知識のアンバランスさが、すごく危うい。

[Anri] ボクの私見だけど、彼女はそれほどおかしな娘じゃない。

[Anri] ……多分、いろんな事に興味のある、ごく普通の女の子だ。

[Anri] けど、歪められた知識の分、好奇心が先走っている気がする。

[Anri] そんなにアルマに色々教えてあげるのはとても楽しそうだけど……。

[Anri] 連続暴行犯がうろついてる今は、心配でならないよ。

[Anri] ……とか考えていたら、本気で心配になってきたな。

[Narration] 杏里は鼻歌もやめて、しばらく考えたが、いい事を思いついたように浴室備え付けのハンディホンに手を伸ばした。

[Anri] なにも直接会わなくても、電話って手段があるじゃないか!

[Narration] 意気揚々とアルマの部屋の内線番号をプッシュする。

[Narration] トゥルルル……トゥルルル……

[Narration] ガチャン

[Anri] あ、アルマかい?ボクだよ、杏里・アンリエットだよ。

[Wells] お嬢様は就寝の準備中です。

[Narration] 受話器の向こうから不機嫌な声が返ってきた。

[Wells] では、失礼!

[Narration] 乱暴に受話器を置いた音が耳に響く。

[Narration] ツー……ツー……ツー……

[Anri] ………………。

[Anri] 手ごわいなぁ、あの人は。

[Narration] ため息をついて、杏里はハンディホンを戻した。

[Anri] それにしても……。

[Anri] この学園に来る前は、どんな生活してたんだろう?

[Anri] 捜査ってだけじゃなく……時々、会いに行くようにしようかなァ。

[Narration] ポツリと呟いて、杏里は湯船に身をひたした。

[Narration] なんとなく、あのアルマの困った顔がまぶたに浮かんできて、可笑しくなった。

sapphism_no_gensou/2151.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)