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sapphism_no_gensou:2111

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[Narration] 杏里が図書館へやって来たのを見て、珍しい事にクローエが彼女の方から近づいてきた。

[Chloe] 杏里、ちょっといい?

[Anri] もちろん、キミの誘いを断るなんて真似をボクがするはずもないじゃないか。

[Chloe] その場かぎりの適当な発言を連発するのはやめた方がいいと思うけど……。

[Chloe] まあいいわ。……あなた、アンシャーリー・バンクロフトが妙なことをしているって話、知っているかしら?

[Anri] 妙なことって?

[Chloe] 例の事件の現場を回って、そこでブツブツ呟いたり、へんな声をあげたりしてるらしいけど。

[Anri] ああ……。

[Narration] 杏里はアンシャーリーに会ったときのことを思い出した。

[Anri] それは、あれだよ。おそらく、昏い炎のボゲードンと相談してたんじゃないかな?

[Chloe] 昏い……なんですって?

[Narration] クローエは眉をひそめた。

[Chloe] 杏里……大丈夫、あなた?

[Anri] ぜんぜん問題ないさ。

[Narration] まだ納得しかねる様子だったクローエは、やがてため息と共に肩をすくめた。

[Chloe] そうね、彼女の奇行を今更どうこう言っても仕方ないものね。

[Chloe] 図書館で騒がれないだけ、感謝すべきなんだわ。

[Anri] そうそう。

[Narration] 杏里はいい加減に同意した。

[Anri] ところで、クローエ、いまヒマかい?

[Chloe] 忙しいわ。それじゃ。

[Anri] ………………。

[Narration] 立ち去るクローエを見送って、杏里は所在なげに辺りを見回した。

[Narration] 知った顔はいない。

[Anri] ……仕方ない、他をあたろう。

[Anri] アンシャーリーが妙なことをしていないって話こそ、聞いたことがないね。

[Chloe] ……ごめん、話を端折りすぎたみたい。

[Chloe] わたしの言いたいのは、つまり、彼女が例の事件の現場になった場所を回って、何かしているという噂なんだけど。

[Anri] 例の事件って、ようするにレイプ事件だよね。

[Chloe] ええ。

[Anri] 彼女にもボクの無実を証明する手伝いをして欲しいとは頼んだから……それで、じゃないのかな?

[Narration] アンシャーリーの奇行はとにかく目立つ。特別あやしげなことをしていなくとも、妙な噂が立つことぐらいあるだろう。

[Anri] そんなに妙なことをしてるの?

[Chloe] いつも通りみたいだけど……ひとりでブツブツ呟いたり、へんな声を出したり。

[Anri] うーん……。

[Chloe] 図書館で騒がれないから、わたしは助かってるけど……。

[Chloe] それとなく注意した方がよくない?先生やPSの目に留まらないうちに。

[Anri] そうか、ありがとう。アンシャーリーに会ってみるよ。

[Narration] 杏里はクローエに頷いて見せた。

[Anri] ところで、クローエ、いまヒマかい?

[Chloe] 忙しいわ。それじゃ。

[Anri] ………………。

[Anri] 他をあたろうかな。

sapphism_no_gensou/2111.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)