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sapphism_no_gensou:2082

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[Narration] ──数分後。

[Helena] あ……、だ、だめ……。

[Narration] 杏里に覆い被されるように、ヘレナは床に横たえられる。すぐに杏里はヘレナの股を割り、脚を絡めてくる。

[Narration] 髪留めは、そう狙ったのか、絶妙のタイミングではずれ、まとめられていた銀の髪が波をうって広がる。

[Narration] 人気がまるきり無いとはいえ、いつ、誰が来てもおかしくはないこの場所で、自分の身体が開かれようとしている。

[Narration] ヘレナの心に強い拒絶が生まれる。しかし、それをはるかに上回る大きな波が、杏里によって押し寄せようとしていた。

[Helena] だめ……、う、うあぁ……!

[Narration] もはや遠慮もなくなった杏里が、はずれたカラーの隙間からのぞく喉に唇を押し当てた時だった。

[Narration] 杏里の体を押し戻そうとしたヘレナの腕から力が抜けていく。

[Helena] あ、杏里……、だめ、やめて……、お願い……。

[Anri] そんなことできないよ、ヘレナ。だってそれは裏切りだよ。キミの身体と心に対する、ね。

[Helena] う……。

[Narration] 杏里の言葉に唇をかみしめて首を振る。拒絶の中から生まれてくる、認めたくない事実と、絶望。

[Narration] すでに、杏里はそれを突き止めていた。今だけではない、初めて身体を重ねた時に現れた、変わることのない、事実を。

[Helena] ふぅ! う、あ、あぁ!

[Narration] 杏里の手が足が、触れるすべての場所から、声を抑えようもない快感が湧き起こる。

[Anri] ほら、ヘレナ。気づいている?キミがどんどん素敵になっていくのが。

[Helena] ん、あ、あぁ……、んん……!

[Anri] たまらない幸せだよ。こうして変わっていくキミの姿を見ることができる。

[Helena] や、やめ……、あ、ん……!

[Narration] 杏里の身体を押しのけようとする手はあやすようにかわされ、その合間にも、上着、ブラウス、スカートを次々とはがされる。

[Narration] ヘレナの頑なな意思とは裏腹に、身体はまるで、杏里を求めるかのようにくねる。まるで、着ているものを進んで脱ぐかのように。

[Narration] 抵抗と甘受がすでに溶けあっていることに気づけないほど、ヘレナは杏里に支配されていた。

[Helena] う……、いや……、だめ……。

[Narration] 儚く抗いながらも、肌を指でたどるほどに、弱々しくも艶を含んでくるヘレナの声に、杏里も引き込まれていく。

[Anri] 忘れてしまったのなら、何度でも思い出させてあげるよ、ヘレナ。ボクがどれだけキミが好きなのか。そして、キミがどれだけ応えてくれるのかをね。

[Helena] う、うぅ……、いや……、だめ……、ちが、ちがうの……。

[Narration] 杏里の指に踊りながら、加熱する思考のままに、ヘレナは喘ぎ泣く。

[Narration] 杏里とのセックスはいつもこうだ。自分の中の拒絶を遙かに越える快楽。それを与えているのは杏里だが、産み出しているのは確かに自分自身だ。

[Narration] 嫌悪で泣きたくなる。かなうものなら声をあげて。今、流れている喜悦のものとは別の涙と一緒に押し出したい。でも。

[Anri] 大好きなヘレナ……。

[Helena] ……うぁ……!

[Narration] その言葉、声、顔、指、舌、腕、髪、匂い、杏里のすべてにヘレナ自身が呼応する。どれほど強く叱咤しても舌を出し、尾を振って飛び出していく獣がいる。

[Helena] あ、あは……、あ、あぁ……!

[Anri] ふふ……。

[Narration] レースで飾られた、白く清楚なブラがずらされ、すでに色づき硬くなった突起が露わになる。

[Helena] ふぅ……! う、はぁ……、い、や……、あ、あぁ!

[Narration] 杏里がそれを口に含み舌で転がす。その刺激にあわせて、ヘレナの頭が揺れ、髪が波うつ。

[Helena] あ、あぁ……、あぁ……。

[Anri] いいよ、ヘレナ、すごくいい……。

[Helena] ふぅ、あぁ……、だめ、杏里……。やめて……。

[Anri] 言ったろ、やめられないよ。今のヘレナの顔を見たら。

[Helena] あぁっ!

[Narration] すでに隠すところのできなくなった自分の獣性に絶望して、顔を覆う。しかし、杏里の動きは無情にヘレナをかき立てる。

[Helena] あ、んん、あ……!

[Narration] 杏里の唇が胸を離れ、腹の稜線をゆっくりと降りていく。喘ぎに激しく上下する腹部を、まるで波に乗るように、よどみなく伝いおりていく。

[Helena] あ、あぁ、ん、い、や、あぁ……。

[Narration] 薄く白い腹部の筋をつたい、くぼんだ臍をなぞる。ヘレナの中で燃え上がる炎に薪を投げ込みながら、なだらかな下腹をたどっていく。

[Helena] あぁ、杏里、だめ……、だめよ……。

[Narration] つたいおりていく杏里の舌が向かうその先で待ち受けている刺激と、それに支配された自分の痴態を思いやって、ヘレナが拒絶の声をあげる。

[Anri] 拒むことなんてないんだよ、ヘレナ。

[Narration] 杏里はそうささやくと、ヘレナの淡い叢へともぐり込んでいく。

[Helena] ふあぁ! あ……、はぁ……はぁ……。

[Narration] ヘレナが叫び、大きくのけぞる。杏里が一度、顔を離したので、それは一度ですんだ。その場は。

[Anri] さ、一緒に行こう、ヘレナ。

[Helena] あぁ……。

[Narration] 荒い息をつく姿を見て満足げに笑む杏里の言葉に、ヘレナは絶望とも観念とも、期待ともとれる声をもらす。

[Narration] そして、再開された杏里の攻めに、ヘレナの身体は、文字通りの歓呼をもって応えた。

[Helena] あ、はあぁ! あ、はぅ、あうぅ!

[Narration] 杏里の舌が、ヘレナの中に割り入ってくる。蜜を存分に味わい、熱く潤む襞をなぞる。

[Helena] ふぅ、うん、あ、あぁ……!

[Narration] 乳房はすくうように持ち上げられてからこねられる。乳首はつままれ擦りあげられる。

[Helena] ひぁ、あ、あ、ん、ふぅ、うぅ……!

[Narration] クリトリスが甘噛みされ、陰唇には指が踊る。褐色の蕾にさえ指はのび、切なくももどかしい刺激を加えてくる。

[Helena] はぁ、あぁ、あぁ……、あぁ……。

[Narration] 求めて手を宙に漂わせれば、指をからめてすくってくれる。息の切れ間に背を丸めれば髪をなでてくれる。

[Narration] 身体のすべての場所に杏里が現れる。奔流の中にもまれるヘレナが望めば、すぐに、そこに。

[Narration] いっそう流れが激しいものになるとわかっているのに、呼ばずにはいられない。今のヘレナにはそうすることしかできない。

[Helena] あ、あぁ、ああぁ……!

[Narration] そして否応なく高みへと押し上げられる。今まで幾度となく経験し、そのたびにこれ以上なく昇りつめる。

[Narration] それは、そこから墜ちるという恐怖ともろともに。

[Helena] あぁ……! あ、杏里……、い、いや、だめ……、もう……!

[Anri] ……いいよ、ヘレナ。どこに行っても、ボクが抱きとめていてあげるから……。

[Helena] う、あぁ、いやぁ……!

[Narration] 求めていたのは同意のはずではなかった。しかし、行為を身体は受け入れる、応える。よりいっそう、激しく、迎え入れ、走りだす。

[Narration] 止めることなどできるはずはなかった。

[Helena] あ、ああぁ! ん、はぁ、あっ、ああっ!

[Helena] ……ん、だ、だめ、杏里、……わ、私、もう、もう……!

[Helena] い、いや、ぃやぁ……。

[Anri] ためらわないでいいよ、ヘレナ。さあ、その瞬間をボクに見せて。

[Helena] い、あ、あぁ、……だめ……、あ、ふぁ、あ、あ……!

[Helena] あ、は、あ、ぅあああぁーーーー……!

[Narration] 今までいちばん高い声をあげると、ヘレナは杏里の腕の中で力を失っていった。

sapphism_no_gensou/2082.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)