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sapphism_no_gensou:1263

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[Tenkyouin] ふぅ、それでは───

[Tenkyouin] 新たな情報については、だいたい出きったようだね。

[Tenkyouin] 例によって、あたしの推理を述べて、この場をまとめるとしよう。

[Tenkyouin] 犯人像とその手段は非常にはっきりしてきた。

[Tenkyouin] 犯人は我々の裏をかくに充分な賢さを持ち、肉体的にも優れている。

[Tenkyouin] こと体力に関しては、怪物的だ。そういった人物を我々は船内に知らない。

[Tenkyouin] ゆえにかなり極端な二面性を持つ人物であろうと推測する。

[Tenkyouin] また、コンピューター知識についても非常に明るい。

[Tenkyouin] これまでの犯行の手段については、潜水服の発見が決定打となった。なるほど、我々の誰も、いやPSすら、思いもよらない手段だった。

[Anri] ボク、ボク。ボクはちょっと考えていました!

[Soyeon] すごいです、杏里さん!

[Tenkyouin] …………同類?

[Anri] し、失敬な!

[Tenkyouin] ……犯人の行動力は、すさまじい。

[Tenkyouin] きみらが持ち帰ったデータを洗ってみたのだが。PSの内報を調べたところ───

[Tenkyouin] アイーシャは劇薬を使用され、精神にも深い傷を負っていた。これまでの事件には無いパターンだ。

[Tenkyouin] これまで暴行以外の犯行には及んではいなかった。

[Tenkyouin] おそらく犯人は、正体を知られたためにそのような凶行に及んだのだろう。

[Tenkyouin] つまり、我々ポーラースターの学生にとっても、顔見知りである可能性が高い。

[Tenkyouin] 犯人リストから、船員は除外してもいいだろう。

[Soyeon] ほっ……

[Tenkyouin] となると、問題は動機だ。動機だけが置いてけぼりになっている。

[Anri] ……こんな言い方は無いかもしれないけど、レイプに動機なんてあるの?分かりきっているんじゃないのかなァ?

[Tenkyouin] 人に性欲があるからだ───では、お話にならない。犯人を特定できなければ、身の守りようがないだろ。

[Soyeon] でも、犯人が海に面した窓から侵入するんでしたら、内側の部屋なら安全ということでしょうか?

[Soyeon] ビジターたちの個室は内側だし、安全ですよね? ……ね?

[Tenkyouin] 以前まではそうだったが、もはや、そうは言い切れなくなった。

[Tenkyouin] ソヨン、きみの部屋に侵入しているところを犯人は見つかっている。これ以降の侵入方法を変化させてくる可能性もある。

[Soyeon] そうですか……

[Tenkyouin] とにかく、これで外堀は埋まった。杏里、動機をさぐれ───!それで最後のピースが埋まる!

[Anri] 了解したとも!

[Anri] それで今週のボクらの評価は……?

[Tenkyouin] は? そんなのが欲しいって?

[Anri] だって楽しみにしていたんだもの。

[Anri] わくわく。

[Soyeon] どきどき。

[Tenkyouin] そうだな……

[Tenkyouin] 『まあまあでしょう』

[Tenkyouin] 悪くはない。あたしとしては、これだけの情報があれば問題はないさ。犯人を完全に特定するのも時間の問題だ。

[Anri] そっか。

[Soyeon] が、がんばります!

[Tenkyouin] あと少しだ。二人ともうまく協力できているようだし、あたしとしてはご満悦だ。そうだね……今週の評価としては、

[Tenkyouin] 『とってもよくできたでしょう』

[Tenkyouin] ……かな?

[Soyeon] わっ、やりましたね、杏里さん!

[Anri] うん、ソヨンのおかげさ!

[Tenkyouin] ふたりにはささやかながらご褒美を。

[Anri] なにこれ。

[Tenkyouin] 餅、じゃなくて天京院鼎特製入浴剤だ。これで連日の疲れを癒したまえ。

[Soyeon] コーヒーみたいな匂いがします。

[Tenkyouin] そりゃあ原料コーヒー100%だもの。……なんだ、その目は。疲れもとれるし、肌にいいんだぞ?

[Tenkyouin] 間違っても飲んだりするなよ?……杏里、だからなんだその目は?

[Anri] …………

[Anri] ……それでさ。かなえさん、今夜から明日の晩にかけてのことなんだけど。

[Tenkyouin] うん、それは聞こうと思っていたんだ。どうする気だ? 君らは。

[Anri] それはもう、のんびりゆったり、ソヨンとデートを謳歌。

[Soyeon] …………えっ……

[Anri] ……ってわけにも行かないみたいなんだよね。

[Anri] ……かなえさん。

[Tenkyouin] うん?

[Anri] ソヨンを頼むよ。

[Tenkyouin] 何だって……?

[Anri] ボクは犯人と対決しようと思う。この土日を使って、隠れてプールで見張っていれば、きっと犯人に会えるはずだ。

[Tenkyouin] ……猫だけじゃ飽きたらず、ソヨンまで押しつける気なのか?猫だらけだ!

[Anri] かなえさん。今晩から行くつもりなんだ。

[Tenkyouin] 一応警告しておくが、無駄足になる可能性が高いぞ。

[Tenkyouin] 犯人の身になって考えれば、今動くのは賢明とは言えない。しばらく大人しくしてやりすごすだろうからな。

[Anri] …………いや、やるよ。きっと来る。

[Anri] ボクにはわかる。

[Tenkyouin] ……本気だな。わかったよ。

[Tenkyouin] ソヨン、今晩と明日の晩は、この部屋に泊まれ。なにしろ、その窓の外は海じゃなくて中央廊下だからな。

[Soyeon] あ、杏里さんっ!あたしも……っ

[Anri] ごめん、ソヨン。……目立ちたくないんだ。それにね、今回ばかりは一人の方がいいと思ってる。

[Soyeon] 杏里さん!

[Tenkyouin] ソヨン。こうなった杏里は、誰にも止められないんだよ。

[Tenkyouin] しかし杏里。もし暴力沙汰にでもなったら……。あたしは腕力はからっきしだぞ?ソヨンを護れる自身なんて無い。

[Anri] クローエに力を貸してもらおう。

[Tenkyouin] ほう? ……それは心強い限りだが。

[Soyeon] あたし、アルマさんが気がかりなんです。でしたら、アルマさんと一緒にいます!

[Anri] ウェルズさんが、それを許すとは思えないけど……

[Soyeon] では、クローエ先輩と一緒に、アルマさんを見張ります!

[Anri] そこまで言うなら……ソヨン、君の望むようにしていいよ。

[Anri] 必ず、かなえさんとクローエの言うことには従っておくれよ?

[Soyeon] ハイ、もちろんです!

[Tenkyouin] ふぅ……ずいぶんコーヒーが進んだ。もっとさらりと片づける予定だったんだが。

[Anri] ご苦労さま。

[Anri] まだ部屋の片づけが終わらないのかい?

[Tenkyouin] 猫だの何だのでな。

[Tenkyouin] どうも、奥に入り込んでしまったのか、みつからない発明品があってね。

[Soyeon] お捜し物でしたら、お手伝いしましょうか?

[Tenkyouin] ………………いや、いい。なんとなく、もっと混乱を招きそうな気がしてならない。

[Soyeon] ガーンっ……!

[Anri] あはははは。

[Tenkyouin] ───そういえば、ソヨン。子猫の名前を考えてくれないかな。

[Soyeon] えっ?

[Tenkyouin] きみが元凶……もとい、命の恩人だそうじゃないか。

[Anri] うん、いいじゃないかソヨン。いつまでも、子猫ちゃんじゃまぎらわしいものね。

[Tenkyouin] ……誰がだ?

[Soyeon] か……考えさせてくださいませんか?

[Tenkyouin] ……ああ、構わん。頼む。

sapphism_no_gensou/1263.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)