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sapphism_no_gensou:1091

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[Narration] バスタブにつかる杏里が、陽気な歌声を響かせる。

[Narration] 手には電話の受話器が握られている。

[Anri] よっつ、よいよいよいではないか♪

[Anri] いつつ、いつでも恋煩い♪

[Anri] むっつ、ムラムラするときは〜杏里はドバーっと丸裸〜♪

[Narration] 「…………」

[Anri] て〜んて〜ん天下のォ〜〜♪

[Narration] 「…………切ってもいい? 杏里」

[Anri] ヘレナ!ずっとコールしてたんだよ!……もう寝てた?

[Helena] 「起きていたけど、 入浴していたから……」

[Anri] わっ、じゃあもしかして今、裸なの?ボクもなんだ! ちょっと秘密の関係みたいだね?

[Helena] 「誰かさんのように、息するみたいにおふろに入ったりしないわ。清潔であれば、それでじゅうぶんです」

[Anri] ああん。そんなの不幸だ、ヘレナ。今度ボクが直接、清く正しくいやらしいバスタイムを───

[Helena] はやく用件を……はっ……言って……───っくしゅん!

[Anri] あ、ごめん。実はね───

[Narration] 杏里は今日、ニコルから手に入れた写真のことをヘレナに告げ、ポーラースターの裏社会で、まことしやかにPSの情報が漏れていることを示唆した。

[Helena] ……なんてよこざまな話!あんなに厳格な人たちが……

[Anri] ヘレナはPSの肩を持つの?

[Helena] そういうわけじゃないけれど……それでもショックは受けたのよ。

[Anri] ふうん。じゃあさ、証拠品の横流しをしそうなPS職員って、見当つかないかい?

[Helena] ……まさか、私にその人間を見つけて、ゆすれというつもり?

[Anri] 冴えてる。ご名答。

[Helena] 冗談はやめて!

[Anri] 別に金品をゆすって、なんて言うわけじゃない。少しでも証拠品が欲しいんだよ。きっと他にも───

[Helena] お断りです! とんでもないわ、私に横領の片棒をかつがせるなんて!

[Anri] 手に入れてくれたら、ボクはいっそうヘレナに惚れ込んでしまうだろうなァ……

[Anri] ああ、湯上がりで上気したきみの肢体が目に浮かぶよ。さぞかし美しく輝いているんだろうね……

[Helena] ……っまたそんなことばかり!怒るわよ、杏里!?

[Anri] そっか、もともと心配すること無かったかな。うん。

[Anri] だって、ヘレナ・ブルリューカはこれまで一度だって、ボクの期待を裏切ったことはないものね。

[Helena] ……ば、馬鹿っ! 知らないわ、もう!

[Helena] 駄目ですったら、駄目なの!もう切りますからね。おやすみなさ─────っくしゅん! くしゅん!

[Narration] くしゃみの音を最後に受話器は沈黙した。

[Narration] またもや深く浴槽へと体をしずめながら、杏里はにんまりと微笑んだ。

sapphism_no_gensou/1091.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)