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sapphism_no_gensou:1081

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[Anri] ひとつ、ひとよりレズが好き〜♪

[Anri] ふたつ、フランスあとにして〜♪

[Anri] みっつ、みだらな放蕩三昧♪

[Narration] 泡の立つバスタブに漬かりながら、杏里はまた枚挙に暇のなかった一日を回想する。

[Narration] バスグッズの籠の中から、適当につかんだ入浴剤は、浴室を緑萌ゆる森へと変貌させた。

[Anri] はぁ〜〜森の香りか〜〜

[Anri] ポーラースターの森とは、全然違うや。

[Anri] すっかり潮の香りが身に着いて、本当の森の香りを忘れてしまいそうだね。

[Anri] おっと、そういや手紙が───

[Narration] 脱ぎ捨てたスラックスに手をのばし、純白の封筒を取り出した。

[Narration] 封筒は、封蝋も、家紋のエンボス印もなく、小さくイニシャルが記されているのみだ。

[Anri] 差し出し人「I.L」……って、イライザ本人じゃないか。

[Anri] 中味は……写真? プリントアウトか?どっちでもいいや。

[Anri] これは……

[Narration] キャビネ版の写真を手元に寄せると、ひたっていた爽快感が一気に失せた。

[Narration] 郵便配達員姿のイライザから手渡されたのは、レイプ被害者のあられもない姿だった。

[Anri] なになに……「PSの撮影した現場写真です」?

[Anri] なにも、こんな絵を撮らなくてもさ……確かに事件解決には役立つかもしれないけど……

[Anri] 鎖と目隠しで自由を奪われて……ひどいな、正視できない……

[Anri] かなえさんに判定してもらおう。

[Narration] 杏里は、逃げるように私信へと目を戻した。見慣れているイライザの筆記体は、杏里を落ち着かせた。

[Anri] 「一日も早く、杏里様の疑いが 晴れることを祈っております。        あなたのイライザ」

[Anri] ありがとう、イライザ。ぼくも今夜は、きみの夢を見ながら眠るよ。

[Narration] 杏里は封筒のイニシャルにそっと口づけした。

sapphism_no_gensou/1081.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)