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okujou_no_yurirei-san:3163

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あー、体がだるい。

そして、お腹が痛い。

毎月一回、なんでこんなのくるかな。カンベンしてほしいんだけど。しょうがないってわかってるんだけど。

先月はそんなでもなかったんだけど、なんで今月だけ、こんなに重いかなぁ……。

昨日から始まっちゃったんだけど、今日はもう、特にひどくて、朝からずっと熱っぽい感じするし、体はだるいし、お腹は痛いし。

もう、ちょっと耐えられなくて、3時間目にギブアップして、ずっと保健室で寝させてもらうことにした。

ああ、ほんと、だるいし痛いし、いやになる。女だからしょうがないんだけど……。

でも、トイレ行った時、汚れたナプキン見ると、もうあっという間に力が抜けてくる。痛みも増してくる感じで。

横になってるとちょっとは楽なんだけど、痛いのはそんなに変わんないし。ああもう、だるいんだってば……。

なにを考えても、最後には痛いとだるいに戻ってきちゃう。はぁ、いやんなる……。

そんなふうに、生理のつらさに振り回されながら、ずっとうとうとしていたら……。

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園生月代

桐……?

剣峰桐

ふぇ……?

ベッドのまわり、閉じていたカーテンが開いて、ひょこって感じで、月代ちゃんが顔を出してきた。

園生月代

あら、起きてたの?

剣峰桐

あ、月代ちゃん……。

園生月代

具合、悪いんだって? 大丈夫?

剣峰桐

うん……、ちょっと生理、来ちゃってて……。

園生月代

そうだったんだ。あ、起きなくていいのよ。寝てなさい。

剣峰桐

うん……。

あー、いつもだったら、月代ちゃんの顔、見ただけでテンション上がるのになぁ。

今日はもう、起き上がる気力もない。もちろん、抱きつきにいくことだって。く、生理の重い今の自分が憎い。

園生月代

保健の先生、今はちょっと外されてるみたいなの。

剣峰桐

あ、そうだったんだぁ。

気付かなかった。だから、月代ちゃん、桐って名前で呼んでくれたんだ。二人っきりの時じゃないと、呼んでくれないもんね。

剣峰桐

月代ちゃん、授業は?

園生月代

今は空き時間。だから、様子、見に来ちゃった。

剣峰桐

そっかぁ……。

園生月代

そばにいていい? それとも、寝るのに邪魔?

剣峰桐

ううん、邪魔じゃない。いてくれるの、うれしい。

園生月代

そう、よかった。それじゃ、お邪魔するね。

剣峰桐

うん……。

月代ちゃん、椅子を持ってきて、私の寝てるベッドの隣に座る。

園生月代

手、握ってあげようか?

剣峰桐

うん……。

ああ、なんか幸せ。布団の端っこから出した手を、月代ちゃんに握ってもらう。

園生月代

ふふ、前にもこんなこと、あったよね。あの時は、私が熱を出した方だったけど。

剣峰桐

そだね……。

夏合宿の時だったよね。がんばりすぎた月代ちゃんが、熱出して寝込んだの。

あの時は、寝てる月代ちゃんの手、私が握ってたんだっけ……。私も途中で寝ちゃったけど。

園生月代

眠たくなったら、寝ていいからね?

剣峰桐

ん、そうする……。

あの時の月代ちゃんもこんな気持ちだったのかなぁ。なんだか、手を握ってもらうと、すごく安心する。

それに、ずっと握っててほしいなぁ、なんて、甘えたい気持ち、すごく強くなっちゃって。体調悪い時って、心細くなるんだなぁ。

園生月代

んー……。

剣峰桐

ひあっ!?

園生月代

熱はそんなにないのね。

い、いきなりおでこに手を当てられて、びっくり。そこは、おでこ同士で熱計ってほしかったなぁ、なんて。

でも、ちょっと冷たい月代ちゃんの手のひらも、気持ちいいなぁ……。

剣峰桐

う、うん……。ちょっとだるいだけだから。

園生月代

まぁ、しょうがないよね。こればっかりは。

剣峰桐

月代ちゃんも、大変?

園生月代

んー、まぁ、それなりに。でも、慣れちゃったのもあるし、仕事してるとそうも言ってられないし。

園生月代

先生なんだからね。みんなのためにがんばらなきゃって思うと、なんとか乗り切れちゃう。

剣峰桐

ほんとに仕事好きなんだから……。

がんばりすぎちゃうと、熱出しちゃうくせに。でも、がんばってる月代ちゃん、かわいいしなぁ。最近は、かっこいいって思うようにもなったし。

園生月代

眠い? 子守歌でも歌ってあげましょうか?

剣峰桐

ええ? いいよ、もう……。

なんでそんな扱いになるのかなぁ。私が、寝込んでる月代ちゃんに歌ってあげるならまだしも。

園生月代

ふふ……。

ちょっと憮然としちゃった私の顔をのぞき込んで、月代ちゃんが笑った。

剣峰桐

なに?

園生月代

なんだか、桐、かわいい。私、ずっと、こんなかわいい妹がほしかったのよね。

剣峰桐

えー、妹って……。

恋人に向かって、そんなこと言わないでよ。なんだか、ランクダウンしてるみたいじゃん。

園生月代

桐って恋人ができて、その上、妹みたいな桐も見られるなんて、私ってお得だな。

剣峰桐

……もう、私が妹みたいなんて、ないでしょ、そんなの。

園生月代

あら、なんで?

剣峰桐

だってさぁ……。でっかくて、名前ごつくてさ。ビジュアル的にちょっと無理、ありすぎ……。かわいいとか、ないでしょ。

園生月代

あら、桐はかわいいわよ。

剣峰桐

そうかなぁ……。

私だって、鏡見たこと、あるんだよ? 背も高いし、顔も生意気そうだし。月代ちゃんの妹なんて、似合わないこと、この上ないってば……。

園生月代

ええ、ちゃんと説明してあげましょうか?そうねぇ……。

園生月代

まず、ぬいぐるみとか、小動物とか、かわいいものが大好きでしょ? いっつも、かわいいかわいいってそれを素直に出すところ。

剣峰桐

うーん、そうだけど……。

でも、私のかわいいって言い方、かなり変態っぽいって言われるんだよね。自覚もしてるんだけど。

園生月代

それから、自分のそういうとこや、ちょっと背の高いところとかに、コンプレックス持ってるとこ。

それ、かわいいとこなのかなぁ……。

そんな疑問も出ちゃうけど、まだまだ月代ちゃんの言葉は続いて、次々、私のかわいいところがあげられてく。

園生月代

私のこと、月代ちゃんって呼んでくれる声。とっても、かわいい。

園生月代

きれいな目元、涼しげなって感じよね。あと、背も高いけど、手足も細くて長くて、きれいなとこ。

園生月代

あ、背中もきれいよね。肌もまだピチピチだし。

剣峰桐

え、ちょ、ちょっと……。

そ、そんなとこまで踏み込むの?

園生月代

キスした時、必ず最初、びっくりして目を見開くとことか。あと、首筋弱くて、んって声が出ちゃうとことか。

園生月代

その声が出る唇も、かわいいかも。

剣峰桐

ちょっと、やめて、月代ちゃん、それ以上いけない!

な、なにを言い出すの、この先生! ここは学校! ここは保健室! そんなディープな話題はいけない!

というか、それは妹としてのかわいさの範疇を超えてるよね? 月代ちゃん、妹になにを求めてるの? もしかして妹萌えなの!?

ああ、頭に血が上って、クラクラする……。

園生月代

ふふ……。

剣峰桐

もう、月代ちゃ~ん……、そんなかわいさ、妹に求めちゃダメだよ……。

園生月代

そうかもね。

剣峰桐

全然、妹的かわいさの説明になってないよ……。

園生月代

そうね、途中から、桐のかわいさになっちゃったわね。

園生月代

でも、私の桐は、そういうところがすごいかわいいのよ。

剣峰桐

……!!

あああああ、なに、この人、私を茹で殺そうとしてる! だめ、萌え死ぬ。

園生月代

桐は、私のためだけにかわいければいいの。そんな桐が大好きよ。

だめ、殺される。私、月代ちゃんに殺される。うん、だめ、すごい本望。

園生月代

あら、顔、真っ赤ね?

剣峰桐

月代ちゃんのせいだよぉ……。

握ったまま、離してくれない手。仕方ないから、もう片方の手で、掛け布団、引っ張り上げて顔を隠す。

園生月代

ごめんね、ちょっといじめ過ぎちゃったかな。

剣峰桐

もう……。

園生月代

お薬、飲んだの?

剣峰桐

う……、けっこう前に飲んだ。

園生月代

それじゃ、もう一回、飲んでおきなさい。持ってきてあげる。

剣峰桐

うん……。

はぁ、やっと手を離してくれた。ちょっとさびしいけど、手もさっきから熱くて仕方なかった。

でも……、そのおかげで、ちょっとだけ、痛いのとだるいの、忘れてた……。

園生月代

はい。お薬とお水。

剣峰桐

うん……。……んく。

ちょっと体を起こして、お薬、飲んで。また、横になって。

園生月代

もう少し、横になってなさい。お薬、効いてきたら、きっと眠くなってくるだろうし。

剣峰桐

うん。

園生月代

授業あるから、もうすぐしたら、私行くけど、また後で様子を見に来るわね。

剣峰桐

うん……。

あ、なんだか、ほんとに眠くなってきた。頭に上った血がひいたからかな……。

園生月代

放課後になったら、私の車で家まで送ってあげるわ。

剣峰桐

え……、そんな、悪いよ……。

園生月代

気にしなくていいわよ。体調悪いんだから、無理しなくていいの。

剣峰桐

……うん。ありがと、月代ちゃん……。

園生月代

どういたしまして。あ、そうだ。

園生月代

ついでに、親御さんにご挨拶、しようかしら。桐さんの恋人ですって。そのうち、ちゃんともらいに来ますからって。

剣峰桐

ええ!?

園生月代

ふふ、冗談。

剣峰桐

つ、月代ちゃ~ん!

うわーん、この人、ほんとに冗談が大人だぁ。なんでそんなに、私を驚かせるわけ? しかも、今日に限って!

園生月代

そういうのは、もっと後にね。

剣峰桐

もう~!!

園生月代

はいはい、大人しく寝てなさい。おやすみ、桐。

そう言って、おでこにキスされた。

月代ちゃん、時々、こんなふうに私を手玉に取るんだから。ちっちゃいのに、かわいいのに。

恋人としては、私よりずっと大人で。私は、まだまだ月代ちゃんの前では子供で。

すごい恋人だな、月代ちゃんって。感心しちゃうけど……。

私がこんな時に限って、そういうとこ見せつけるのは、ずるいなぁ……。大好きだけど。

そんなことを思いつつ、私はゆっくりと眠りに落ちていった。意識が途切れるまで、月代ちゃんはずっと、手を握ってくれていた。

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okujou_no_yurirei-san/3163.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)