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okujou_no_yurirei-san:3093

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へぇ、こんなとこにいるんだ。

それが、最初の感想。屋上で、結奈の姿を見つけた時の。

昼休みも半分を過ぎたころ。ちょっと授業が始まるまで、一眠りでもしようとここまで上がってきた。予想以上に暑いんで、どうしようかと思ったけど。

教室に戻るのも、ちょっとかったるかった。学園祭が近いからさ、教室の中もちょっと慌ただしくて。

日陰で横になろうか、ちょっと暑くてもいいからベンチで横になろうか、考えていたら、端っこのベンチに座ってた結奈を見つけた。

どうしよっかな……。まぁ、別に用もないのに声、かけなくてもいいか。

結奈もわざわざ一人でこんなとこにいるんだし。きっと、話しかけなくてもいいかなって思って。

ん、でも。

結奈、一人でいるんだよな。なんか、時々、うなずいたりしてる。考え事でもしてるのかな?

ん~、それよりも、なんだ、あれ。誰かの話を黙って聞いてるって感じ。あれが結奈の考え事の時のクセなのかな?

まぁ、どうでもいいかぁ。さて、どこで寝よっかな……。

遠見結奈

……あ、音七さん?

三山音七

ん?

あ、見つかったか。結奈が、こっちを見てる。

向こうから、声、かけられちゃったら仕方ないか。あたしは、結奈の方に歩いていく。

三山音七

や、こんちは~。

遠見結奈

こんにちは。どうしたの?

三山音七

ん~、ちょっと授業始まるまで、横になろうと思ってさ。

遠見結奈

そう? それじゃ、声かけない方がよかったかな。

三山音七

いや、別に気にしなくていいよ~。ここ、いい?

遠見結奈

ええ、いいわよ。

そう言って、結奈は立ち上がって、フェンスに寄りかかった。わざわざベンチを空けてくれたってことは、ここで寝ていいってことかな? そういうつもりじゃなかったんだけど。

まぁ、好意には甘えることにしよ。

三山音七

結奈、昼休みは屋上にいたんだ~。

遠見結奈

え? あ、うん。

三山音七

ふ~ん、そうだったんだ。そう言えば、去年も昼休みにはいなかったっけ。

遠見結奈

え、ええ、そうね。

去年はそんなに仲がよかったわけじゃない。話すこともほとんどなかったし。

ただ、毎日、昼休みになると教室から出て行って、終わる間際に戻ってきていたっけ。

ということは、ずっと屋上に通ってたわけだ。阿野以外に友達がいたようにも見えなかったから、ずっとここでお昼、食べてたってことかな。一人で。

三山音七

それじゃ、あたしらの放送も聞いたこと、ない?

遠見結奈

あ、うん。ごめんなさい。

三山音七

いいっていいって。お昼に屋上にいる人は、わざわざ放送聞きたいとも思わないでしょ。

遠見結奈

そういうつもりじゃないんだけど……。

三山音七

いいってばさ。

結奈って呼べるほど友達になってからを考えると、ちょっと不思議な気もする。

けっして、積極性のない人間とも思えない。行動力や状況への対処能力も高いと思う。

阿野の友達なんだから、他人への寛容性も十分にあると思うし……。それなのに、一人で屋上でお昼?

そういうタイプにも思えないんだけど……。

遠見結奈

今日は、一木さんたちとは一緒じゃないの?

三山音七

さっきまでは一緒にお昼食べてたよ。

三山音七

ちょっと眠たかったからね。あたしだけ、断ってここに来たのさ~。

三山音七

そのくらいは、できるようになったってこと。ま、あまり変わんないけどね~。

沙紗のことで、ちょっとだけ話したこと、ある。

沙紗の羽美への片思い、気付いていたフシがあるってのには、驚いた。自分以外にも気付いている人がいるなんてさ。

それも、全然、その時のあたしらには関係ない結奈が。どういうことだろう。いまだにわかんないんだけど。

ああ、この際だから聞いておくか。

三山音七

ところでさ~、結奈。

遠見結奈

え? なに?

三山音七

なんで結奈は、沙紗のこと、気付いてたわけ?沙紗と羽美のこと、くっつけようとしてた感じだったけどさ。

遠見結奈

え? あ、えっと……。

さすがに、ダイレクトに聞きすぎたかな?それも答えにくいことだよね、これ。

遠見結奈

たまたま、かな。

三山音七

たまたま、ね。

質問、一つにしとくべきだったな。

たまたま気付いたのか、たまたまくっつけようとしてたのか。全部ひっくるめて、たまたまなのか。

不思議な存在だな、結奈は。ちょっと合理性に欠ける気がする。

沙紗のことに気付ける人間なんて、すぐそばにいたあたし以外にあり得ないと思う。

しかも、気付いてて、沙紗と羽美をくっつけるように行動する? だって、結奈と沙紗には特に親しい関係はないはず。羽美にも。

なんのメリットがある? 二人をくっつけて、結奈になんの得がある?

損得じゃないにしても、沙紗と羽美、女同士なんだよ? 普通、わざわざ、助けてあげようと思うかな?

沙紗のことに気付けた情報、あと、くっつけようとした行動の動機。その二つが、結奈からは見えてこない。

……不思議なヤツ。なんかあるんだろうけど、まぁ、それはどうでもいいや。知ってどうなることでもないし。

それに、沙紗と羽美はうまくいったんだしね。あたしにとって、結奈は不利益な存在じゃない。不思議なとこもコミで。

三山音七

ま、いいや。ふぁ……。

これ以上、考えても仕方ないや。そんなことを気にかけるより、ゆっくり寝る方がいいに決まってる。

三山音七

ごめん、変なこと聞いた。寝る~。

遠見結奈

あ、うん。どうする? 予鈴が鳴ったら起こそうか?

三山音七

いいよ、別に~。適当にほっといて……。

一年の時は、ほんとになんの関係もない、ただのクラスメイトだったのにな。

こんなふうに友達になるとは思わなかった。そして、こういう人間だってことも、知らなかった。

おもしろいな、結奈って。その気になれば、羽美以上に他人を巻き込んだりできるんじゃないかな。

そんだけの行動力、ありそう。対処能力も、ありそう。総じてリーダーシップ、ありそうなんだけど。

なのに、よっぽどのことがない限り、前に出てこないみたい。こんなとこで一人でお昼食べてるなんてさ。

まぁ、それも結奈が自分で望んだスタンスなのかね。だったら、あたしは別にどうこう言わない。

三山音七

おやすみ~……。

遠見結奈

うん、おやすみ。

友達に対して、あんたはこうするべきだなんて、言いたくないからね。あたしも言われたくないから。

それじゃ、お互いを尊重するってことで。なんかあったら、適当に声をかけあうってことで。そんなもんでいいかい? いいよね。

んじゃ、ゆっくり寝させてもらうかね……。

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okujou_no_yurirei-san/3093.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)