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okujou_no_yurirei-san:3091

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「キュウセイ・ラジ・オ~」

いつも通り、あたしまで巻き込まれたタイトルコールで始まった、お昼の番組。水曜日を担当してる、あたしたち三人の番組。

一木羽美

毎日、雨ばっかりでいやになっちゃいますね!わたしなんかもう、くせっ毛なんで、この時期は毎年、髪の毛2びゃい増量キャンペーン中です。早く梅雨終わってほしい!

双野沙紗

ほんと、毎年言ってるよな、それ。あと、噛むな。

一木羽美

サラサラ黒髪ストレートの沙紗には絶対わからない悩みにゃの! くせっ毛に悩むみんな、わたしはみんなの味方だからね!

双野沙紗

うわ、ロコツに味方、増やしてる……、ウゼ。

ん、まぁ、いつも通りの入り方かな。羽美って、フリーでしゃべらせると、ほんと無難な話題ばっか。まぁ、安心できるんだけどさ。

沙紗はもう、これでいいやって感じ。最初のころは、ウザいとか死ねなんて校内放送で言っていいのかって心配したんだけど……。

羽美のトークとはうまく噛み合ってるし。羽美ってほんとにちょっと、ウザいとこあるから、ちょうどいいんだよね。

羽美と沙紗の最初のトークの終わりに合わせて、1曲流して、それからはお便り読みのコーナー。

めずらしく、おもしろいのが来てたけど、二人とも、ちゃんとうまくやってくれるかな。

ちゃんとやってくれるなら、あたしの出番もないし。少しくらい、ウトウトしてもいいかなぁ。

一木羽美

では、お便り紹介のコーナー! 今週はなんと、ちゃんとした悩み相談が来てます!

双野沙紗

あたしらに相談してどーすんだって。

一木羽美

ちょっと、そんな言い方ないでしょ? いつだって、わたしたちはみんなの悩みに答えます! どんどん、お便りで相談してください!

双野沙紗

ウザ。いいからさっさと読めって。

一木羽美

はいはい。えっと、二年の匿名希望さんのお便りです。

一木羽美

「今、バイト先に好きな人がいるんです。休憩時間とかに、話とかして仲良くなりたいんだけど、どんな話をふったらいいのかわかりません」

一木羽美

……だって。す、好きな人、かぁ……。

双野沙紗

そ、そっか……。あー、それは、また、なんと言うか……。

ん? どうした、二人とも。

一木羽美

え、えっと、好きな人に、どんなふうに話しかけていいかわかんないんだよね?

双野沙紗

そ、そうだな。そういうことだな。

ん? なんでそんな、どうにもなんないつなぎ方してんのさ。

一木羽美

え、えっと、そうそう。それじゃ、わたしたちでちょっとやってみようか!

双野沙紗

あ、ああ、そうだな。

一木羽美

それじゃ、わたしが恋する女の子の役ね?沙紗が相手の気になる人ってことで!

双野沙紗

あ、ああ。わかった。

んー、なんか変な調子だな。どうしたんだろ、二人とも。先週、それ、箱に入ってた時、すごい盛り上がってたじゃん。

ノリノリでコントの内容、決めてなかったっけ?

一木羽美

え、えっと……、その、ちょ、ちょっといいですか?

双野沙紗

あ、う、うん。なに?

待て、羽美、なんだその、宗教の人みたいな話しかけかたは。沙紗も、なんか、返し方おかしいし。

一木羽美

えっと、その、あの……。あ! ゆ、指!指、きれいですね!

双野沙紗

え、ええ!? あ、う、うん、ありがと……。

おいおい、そんなのあるか。まるで変な人じゃん、羽美。沙紗もお礼言わないでよ。いつもなら、死ねとか言って切り捨てるとこでしょ?

なんだろ、どうしたのさ、二人とも。

一木羽美

し、白くて、細くて。ピ、ピアノとかやってたんですか?

双野沙紗

い、いや、別に。う、生まれつき。

白くて細いのは沙紗の指でしょ? ねぇ、なにやってるの、二人とも。

一木羽美

ほ、ほんと、きれい……。え、えっと、さわってみても、いいですか?

双野沙紗

え、ええ!? あ、う、うん……。いいけど……。

えええ~。さわるの? いいの?

一木羽美

……うわぁ、肌、すべすべ……。

双野沙紗

そ、そう? 別にそんなことないだろ、普通だろ。

なんで、羽美が沙紗の指、さわる必要あるのさ、今。てか、なにやってるの、二人とも。

一木羽美

……はぁ……。

双野沙紗

……う、うぅ……。

ちょっと、しゃべんなよ、二人とも。ほんとにどうしちゃったのさ。これ、おもしろおかしくいじるって決めてたでしょ?

なんで、音声だけの放送で、二人で手、握ってため息ついてんのさ。

一木羽美

………………。

双野沙紗

………………。

な、なんかしゃべれって~。うわ、完全に無音だ。なんでお昼から、手握り合ってる二人のかすかな息づかい、流さなきゃなんないのさ。

確かに、沙紗はこのコント、ちょっと嫌がってたのは知ってた。気持ちもわかる。コントでも、羽美に言い寄られるのが落ち着かないってのはさ。

でも、打ち合わせの時、おもしろがってた羽美まで、なんでこんなことになってんのさ。

……あれ、まさか、もしかして?

一木羽美

………………。

双野沙紗

………………。

あ、これ、完全にダメだ、二人とも。

三山音七

はい、カット~。参考になりましたか~。それじゃ、曲、入ります~。リクエストからで……。

あたしは、ため息ついて、用意しておいた曲をセットして、再生。ミキサーからボリュームを上げた。

同時に、二人のマイクのボリュームをカットする。

三山音七

はい、3分、曲流すよ~。てか、なにやってんのさ、二人とも~。ちゃんとトークつなげてよね~。

一木羽美

ご、ごめん。な、なんか急に……、あ、あがっちゃって……。

双野沙紗

う、羽美、もう手、離せよ!

一木羽美

あ、ご、ごめん……。

双野沙紗

はぁ……。

一木羽美

の、喉、かわいちゃった……。お、お水……。ん、んく……。

双野沙紗

羽美、それ、あ、あたしの。

一木羽美

んぐ……!? け、けほっ! ご、ごめん!あ、ご、ごめん……。

双野沙紗

い、いや、いいけどさ……。

……いや、なに、この空気。

なんで、羽美が沙紗のお水、飲んだくらいで真っ赤になってるのさ。というか、これって……。

一木羽美

え、えへへ……。

双野沙紗

……はぁ……。

あたしはなんとなく、状況、理解した。なんで二人がこんなになってるかって。

あー、沙紗、言っちゃったんだ。先週の金曜日、羽美と二人で帰った時に。

羽美、なんて返事したんだろ。でも、二人のこの反応、見た限りじゃ、悪い返事じゃないっぽい。

沙紗のこと、すっごい意識してるみたいな羽美。落ち込んでるわけじゃなく、前よりもはっきりとおかしい沙紗。

うまくいったってことなのかなぁ。

三山音七

あ、そろそろ曲、終わるよ~。二人とも、後半はちゃんとやってよね?

一木羽美

う、うん。

双野沙紗

わ、わかった。

あ~、なんか望み薄。かんべんして、後半もこんなグダグダやる気かね、あんたたちは。

確かに、沙紗のこと、見かねてけしかけるようなこと、しちゃったけどさ。こんなひどいことになるとは思わなかった。

うわぁ、これから、この二人と付き合うの?面倒だなぁ。やっぱ、あたしには恋愛なんてさっぱりわかんないや。なにがいいんだか。

まぁ、うまくいったんだったらそれでいいさ。でも、できるだけ、関わらないようにはしたいなぁ。

と言っても……、この二人、あたしの友達なんだよねぇ……。

どうしたもんだかなぁ……。

三山音七

曲、あけるよ~。はい、トーク、スタート。

二人のマイクのボリューム上げながら、まだまだ安眠できないなって思ったのだった。

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okujou_no_yurirei-san/3091.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)