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okujou_no_yurirei-san:3074

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「キュウセイ・ラジ・オ~」

一木羽美

涼しくなってきて、すっかり秋ですね。さて、今週末は「武者祭り」が開催されます。おなじみの仮装行列を目玉に、今年もイベントもりだくさん!

一木羽美

秋の味覚あふれる名産試食コーナーも人気です。みなさんも出かけてみてはいかがですか?

一木羽美

本日も、いろいろコーナー乱立でお送りいたします。お相手のパーソナリティは、一木羽美と双野沙紗。あと、ミキサー兼進行の三山音七、いつものトリオです!

双野沙紗

おお、すごい、羽美が噛まなかった……。

ふふん、どう? わたしもいつまでもカミカミじゃないんだから。ちゃんと成長しているんだからね。

最近は、沙紗とのトークもちゃんと合ってきたって感じ。音七を無理に引っ張り込まなくても平気になったし。

ま、まぁ、沙紗との息がピッタリなのも当たり前かもね! だ、だって、沙紗とは恋人同士なんだし……。

双野沙紗

………………。

あ、沙紗の視線が冷たい。これはきっと、マジメにやれって合図かな? あ、そろそろ最初の曲も終わりそうだし。

よし、次のコーナーの準備!

一木羽美

えっと、次はお便り紹介コーナーです。久しぶりにお便りもらいました! わたしたちへの相談です!

双野沙紗

まだいるんだな。あたしたちに相談するくらい、せっぱ詰まっちゃったのが。

一木羽美

そういうこと言わないの!

でも、これは大チャンス。この前、同じような相談が来た時は、全然まともに答えられなかったから。

今回は大丈夫! ちゃんと事前にリハもしたしね。

わたしは、打ち合わせの内容を思い出しつつ、お便りを読み上げていった。

一木羽美

「学園祭で、素敵な人と出会い、一目惚れしてしまいました。でも、初めての恋なので、どうしていいかわかりません。なにかアドバイスをください」

一木羽美

うわぁ、なんだか初々しくて素敵!

これこれ、こういうお便りが来るのを待っていたって、最初読んだ時、思った。

こういう相談にスマートかつ、親身になって答えられるの、憧れてたんだよね。

双野沙紗

……! う、羽美!

ん? なんだろう、沙紗が自分のマイクを押さえて、なんか合図を送ってきてる。

一木羽美

……なに?

双野沙紗

う、裏!

どうやら、手紙をひっくり返して、裏を見てみろってこと?

一木羽美

なに……?

わたしが、手紙をひっくり返してみると、その裏に。

一木羽美

……!

うわっ、あぶなっ! 危うく声が出るとこだった。慌てて、自分のマイクを、声が拾われないように押さえる。

手紙の裏、そこには。

「好きになったのは女の人です」って書いてあった。

一木羽美

………………。

双野沙紗

………………。

思わず、沙紗と顔を見合わせちゃった。ちょっと待って! そういう大事なことは、最初に書いておいてよ! こんな手紙の裏の隅っこに書かないでよ!

そう思っても、もう遅い。このまま沈黙してたら、また放送事故になっちゃう。

一木羽美

え、えっと。

ひと息だけついて、心を落ち着ける。突発的なアクシデントは放送にはつきもの。この程度で動揺していられない。……と自分に言い聞かせる。

一木羽美

なるほどー。

この手紙の裏の一言は読まない。きっと、書いてくれた人もこれを読んでほしかったんじゃないと思う。

でも、知ってしまったからには、事前の打ち合わせで用意しておいた答えはできないかな。

なんて答えよう。一目惚れで初恋をしてしまった子に。学園祭でってことは、相手はこの学校の人だよね。先輩? 同じクラスの子? それとも友達かな?

一木羽美

わたしだったら……。

ちょっと、悩んじゃうよね。どうしたらいいか、わかんないよね。だって、好きになったのは同じ女の子なんだもんね。でも。

一木羽美

あなたの気持ちを、直接、相手に伝えた方がいいと思うな。

一木羽美

わたしが相手の人だったら、それがいちばん、うれしい。やっぱり、好きって言ってもらえるのって、うれしいんだよね。

双野沙紗

……!

わたしの目の前で、沙紗がちょっと驚いた顔をして、それからどんどん赤くなってく。

思い出してるのかな? 沙紗がわたしに好きって言ってくれた日のことを。あの時も、沙紗、真っ赤だったよね。

一木羽美

断られるかもしれないけど、あなたが勇気を出さないと始まらないんだよ。

一木羽美

ね、沙紗はどう思う?

双野沙紗

え? あー、そうだな。

赤くなったままの沙紗が、マイクに向かう。

双野沙紗

まぁ、当たって砕けろってのも悪くないかもな。あとは、まぁ……。

沙紗、一瞬だけ、ミキサーの前の音七を見た。

双野沙紗

いるんなら、友達に相談してみるのもいいんじゃないかな。むずかしいかもしんないけどさ。

双野沙紗

でも、もし、その友達が背中、押してくれたら、これほど力強いもんないだろ。

わたしもちょっとだけ、音七の方を見てみた。音七はいつも通りかな? 顔は見えない。次にかける曲の準備してたから。

一木羽美

ま、がんばってほしいよね。

双野沙紗

ん、そうだな。

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三山音七

それじゃ、曲、入りま~す。ボーイズタウンギャングのカバーで、「君の瞳に恋してる」です。どうぞ~。

曲が入ってきて、こっちのマイクがオフになったところで、沙紗ががっくりと、力が抜けたみたい、顔を伏せて。

双野沙紗

羽美~。

双野沙紗

全然、打ち合わせとちがうだろ。おまけに、いきなりあたしに振ってくるしさぁ。

一木羽美

あ、あはは~。だってさぁ、打ち合わせでは女の子同士のことだと思わなかったしさ。

一木羽美

でも、いい答えだったよね?

双野沙紗

知るか。

沙紗の耳、真っ赤。音七も、ミキサーに突っ伏してる。でも、見えてるよ、耳、真っ赤。きっとわたしもだ。

もう一度、わたしは今週の月曜日、リクエストボックスの中に入ってたその手紙を読み直す。

下の方をちょこっとだけ折り曲げて、その最後の一文も一緒に。

一木羽美

うん、がんばれ。

この人は、好きになった人に告白できるかな。でも、がんばってほしい。もしかしたら、その勇気が、相手を幸せにできるのかもしれないんだから。

だから、がんばって。わたしたち三人は、応援してるよ!

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okujou_no_yurirei-san/3074.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)