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okujou_no_yurirei-san:3073

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一木羽美

………………。

人影も物音もない奥校舎。

それはそうかも。今は夏合宿中、つまり、夏休み。学校に来ている人は、普段よりずっと少ない。

それに、合宿に参加している人は、部活やってる人が多い。だからだいたい、部室にいるし。

奥校舎は三年生の教室があるから。ここに用もないのに来る人はほとんどいない。いないはず。

そういう場所だと思って、わたし、ここに来たんだし。

一木羽美

………………。

それでも、一応、左右を確認する。うん、誰もいないみたい。話し声も、聞こえない。

ほんとに、誰もいないよね? いないよね?……よし。

一木羽美

……!

十分に、まわりを確認してから、しすぎるほどしてから、わたしは廊下の壁にしがみついた。同時に、膝からすごい勢いで力が抜けていく。

一木羽美

……ひ、ひあぁぁぁぁぁぁ……。

そのまま、廊下の床にぺたんと座り込む。なんか、腰からも力が抜けたみたい。ああもう、立ち上がれない。

一木羽美

び、びっくりしたぁぁぁ……。

す、すごい顔が熱い。心臓が、すごいドキドキ言ってる。でもそれは、ここまで走ってきたからじゃない。

ついさっきのこと。

夏合宿の最後の二日、今日と明日は遊ぼうって決めてたから、放送室で音七が持ってきた携帯ゲーム機で三人で遊んでいた。なんか、音ゲーみたいなので。

沙紗がゲームオーバーになったんで、わたしの順番になった。その沙紗からゲーム機を受け取る時。

沙紗の指がわたしに触れた。ちょっとだけなのに。それだけなのに。

その瞬間、昨日の夜のことを、すごい勢いで思い出しちゃって。

もう、まともに沙紗の顔、もちろん音七の顔も、見れなくなっちゃって。

慌てて立ち上がって、トイレ買ってきてジュース行ってくるなんて言って、放送室を飛び出してきちゃった。

とにかく、落ち着けるとこがほしくて、ここまで走ってきたんだけど……。

落ち着くどころか、鼓動の速さ、全然収まってくれない!

一木羽美

あうぅぅぅぅぅぅぅ……。

なんで? なんで?

今日の朝、手をつないで散歩した時は、ここまでひどくなかったじゃん!

音七が戻ってきて、みんなで朝ご飯食べた時もそう。沙紗と目があったりしても、こんなに変にならなかったじゃん!

さっきまでだって、三人で普通に遊んでいたのに。どうして、あの瞬間に、一気に思い出しちゃったんだろう。

一木羽美

ほぅぉぅぉぅぉぅぉぅ……。

昨日の夜……。

沙紗にジュースを薦めたの、きっかけに、キス、されて、もっかい、キス、されて、それから……。

お布団で二人で、ブラとって、抱き合って……。それから……。

一木羽美

きゃぁぁぁぁぁぁ……。

あ、あんなことや、こんなことをしちゃった……。細かいことまで思い出せないけど、すごいこと、しちゃった。

恋人になったんだから、いつかはこういうこと、するんだろうなって思ってはいたけど。でも、でも。

あ、あんなことするんだ。キスしたり、さわったり。女の子同士のやり方なんて知らなかったから、想像つかなかった。

いろんなとこ、キスされた。さわられた。な、なめられた……。

一木羽美

うわっ、うわわわわっ!

頭の中で昨日の夜のことがはっきりしてくるほど、顔が熱くなる。火が出そうってこういうこと?

沙紗がわたしのからだにさわってくるたびに、変な声出た。びくってなった。なにあれ。わたしって、あんなふうにさわられると、あんなふうになるの?

それとも、沙紗のさわり方が特別だったの?う、うまかったのかな? うまいって? 沙紗は経験あったのかな? あ、あるわけないよね? でも。

一木羽美

沙紗、きれいだったなぁ……。

白い肌、黒い髪、大好きな顔。あの細い指でさわられて、あの唇でキスされたんだ、わたし。

一木羽美

こ、今度はもっと……。

わ、わたしの方からさわってみよう。もっといっぱいキスしてみよう。沙紗も気持ちいいって言ってくれたし。

一木羽美

い、いや、今度っていつよ……!

今夜? いや、さすがに無理。音七もいるんだし。あんなの二日も連続で経験できない。

それじゃ、いつ? こ、恋人同士なんだし、いつでもいいの? いや、さすがにそれは。

こ、こんなことばっか、いつまでも考えてられない。頭が爆発しちゃう。と、とりあえず、早く落ち着かなきゃ。

放送室に帰らないと、二人に心配されちゃうし……。捜しに来られて、こんなとこ、見られたら……。

相原美紀

どうしたの? 大丈夫?

一木羽美

ひわっ!? し、城女の聖女、相原先輩!?なんでここに!?

相原美紀

え? きょ、今日は花壇の世話に来たんだけど……。

相原美紀

大丈夫、顔、真っ赤みたいだけど……。熱中症かしら。保健室、行きましょうか?

一木羽美

ななな、なんでもないです~!!

叫んで、わたしはその場から逃げ出した。力が抜けたと思った膝も、ちゃんと動いてくれた。

ああもう、まるでわたし、変な人だ。顔は真っ赤だし、変な声出してうめいてたし、先輩に見られちゃうし。

沙紗があんなことするから。わたしにいっぱいさわって、いっぱいキスして、いっぱいさわらせてくれて。

こんなに、わたしに好きってことでいっぱいにさせるなんて。

もう……。

みんな、全部、沙紗のせいなんだから!

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okujou_no_yurirei-san/3073.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)