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okujou_no_yurirei-san:3071

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一木羽美

Fu~! Fu~! Ha~a~a~!Fu~! Fu~! Ha~a~a~!

MP3プレイヤーから流れてくる音楽に合わせて口ずさみながら、わたしはタウン誌をめくって、目に付いた記事に付箋を貼っていく。

一木羽美

あ、これ、おもしろそう。あ、こっちも!

パッパッパ~とページをめくっていく。こういうイベント情報のチェックってほんと楽しい。

一木羽美

あ、これって、こっちのにもっと詳しい情報、載ってたっけ。

もう一冊、カバンから取り出して、すでに付箋の貼ってあるページを開く。

一木羽美

あったあった。お、こんなのもあるんだ。チェックチェック。

三山音七

羽美~、来週使う曲のチェックしてくれてる?

一木羽美

今やってるよ~。

MP3プレーヤーでかけてるのは、音七からもらったデータ。来週の放送で使う曲の下聞き。一応、どんな曲か聞いておかないと、紹介できないもんね。

一木羽美

沙紗~、こっちのはチェック終わったよ~。

双野沙紗

ん。……なんだこれ、付箋貼りすぎだろ、羽美。

一木羽美

だって、おもしろそうなのがいっぱいあるんだもん。

双野沙紗

全部、紹介できるわけないだろ。どうすんだよ、これ。

一木羽美

うまく構成して、ね? お願い、沙紗。

双野沙紗

……わ、わかったよ、仕方ないな。

お願い成功! わたしがチェックした情報を、沙紗が番組中に伝えやすいように構成してくれる。

わたしたちのチームワークは完璧だよね!

さて、次の作業はっと……。

剣峰桐

ごめんくださーい。数理部の剣峰だけど。

一木羽美

お?

放送室のドアが開いて、誰か入ってきた。キョロキョロって廊下の方、見てから、ささっと中に。

剣峰桐

一木さん、いる?

一木羽美

はいはーい。

なんだろ。確か、数理部の部長さんだよね、剣峰さんって。まぁ、数理部って部員一人しかいないってことだけど。

剣峰桐

あのさ、こないだ言ってた、部長インタビューのことなんだけどさ。

一木羽美

うん。

わたしたちのお昼の放送のコーナーの一つ、部長インタビュー。確か、剣峰さんにも、来週にお願いしてたはずだけど。……それがどうしたのかな?

剣峰桐

悪いんだけど、延期させてもらえないかな?ちょっと、来週は都合悪くなっちゃって。

一木羽美

ほほう!

双野沙紗

なんでテンションあがってんだよ、羽美は。

一木羽美

だって、こういうトラブルってワクワクしてこない? こういうのをささっと解決するのって、デキる女って感じじゃない?

双野沙紗

半分は同意するけどさ。テンション上がってるとこでダメだろ。デキる女ってんなら、もっと冷静に対処しな。

一木羽美

えー、そうかなぁ。

剣峰桐

あ、あの、延期してくれるのかな?

一木羽美

あ、ゴメンゴメン、延期はいいよ。録り溜めしてるのもあるしね。それで、いつなら大丈夫そう?

剣峰桐

できれば、来月までスパっと飛ばしてくれると助かるんだけど。

一木羽美

来月? いいよいいよ、問題なし。夏休み入っちゃうともったいないから、7月の11日か19日の放送に合わせてでいい?

剣峰桐

う、うん。

一木羽美

それじゃ、10日くらいでどう?

剣峰桐

10日……、うん、それならなんとか。うん、そこまでにはなんとかなるかも。

一木羽美

ん? なにが?

剣峰桐

あ、こっちの話。うん、10日でお願い。

一木羽美

はい、りょーかい。

剣峰桐

ごめんね、こっちの都合で。

一木羽美

いいっていいって~。

双野沙紗

気にすんなよ。羽美、楽しんでるからさ。

剣峰桐

う、うん……。

三山音七

羽美~、チェック終わった?

一木羽美

あと1曲~。沙紗、こっちのヤツ、もうちょっとで終わるから。

双野沙紗

はいはい。

剣峰桐

はぁ~……。

一木羽美

ん? どうしたの、剣峰さん。

剣峰桐

いや、なんかすごいなって思って。音楽聞きながら、雑誌のチェックしてるの?

一木羽美

そだよ?

剣峰桐

両方とも、なんかチェックしてるんだよね?よく、耳から聞いてることと、読んでること、同時にできるね。

剣峰桐

私、そういうの苦手でさ。どっちかに意識がいっちゃうんだよね。音楽の方かな、やっぱ。気が散っちゃってさ。

一木羽美

あー、そうかもね。でもね!

わたしは、ちょっと胸を張る。ふふふ、密かに自慢できることだったのだ。

一木羽美

放送番組を制作する者として、これはできて当然のことなんだよ!

剣峰桐

え、そうなの?

一木羽美

そう! だって、ラジオ番組とかってさ、別に正座して聞くようなものじゃないじゃん?

剣峰桐

う、うん、そうだね。

一木羽美

ラジオってさ、普通、他のことしながら聞くでしょ? つまり、ラジオってのは、他のことと時間を奪い合わない、「ながら」のメディアなの!

一木羽美

主役は他に譲りつつも、ちょっとしたタイミングで印象づける必要があるんだよね!

一木羽美

そういう感覚を養うためにも、普段からこうして、ながら作業をしてるの、わたし!

これも、よりよい番組を作るためにね! おお、さすがわたし、放送部のエース! 次期部長!

剣峰桐

は、はぁ……。

双野沙紗

ああ、聞き流していいよ。こいつ、昔から得意なんだよ、これ。

双野沙紗

ラジオとか、後付けだから。関係ないない。

一木羽美

ちょ、ちょっとひどい、沙紗! 確かに昔から、ながら作業、得意だけどさ! 今はわたし、ちゃんと使命を感じながらやってるんだから!

これでも、放送部のエースって自覚、あるんだから! 次期部長だってちゃんと狙ってるし!

……まぁ、放送部の二年生、わたしたちしかいないから、たぶん、部長回ってくると思うけど。沙紗も音七も、やりたくないって言ってるし。私はやりたいしね!

剣峰桐

あ、それじゃ、私、もう行くね? 邪魔してごめん。

一木羽美

いいよ、気にしないで。またなにかあったらよろしくね!

剣峰桐

うん、それじゃ。

そう言って、剣峰さん、出て行っちゃった。出てく時、また、廊下をキョロキョロ見てた気もするけど。

一木羽美

あ、曲、終わった。音七~、チェックしたよ!問題なし!

三山音七

………………。

一木羽美

ちょっと音七! 寝るなぁ! チェック終わったぞぉ!

三山音七

あ~……、問題ないなら、それでいいよ~。

一木羽美

もう、目を離すとすぐに寝るんだから。

一木羽美

……あ。

ん、ちょっと……。体に異変を感じる。これは、さっき、ジュース、ガブ飲みしたのが原因かな? トラブル発生!?

一木羽美

えっと、沙紗、音七! その、おトイレ行かない? 行こう! ね!

双野沙紗

やだ。

三山音七

眠い。

一木羽美

えー! ひどいよ、マイフレンズ!

双野沙紗

トイレくらい、一人で行きなよ。

三山音七

寝させとくれ。あたしゃ眠いんだ。

一木羽美

ダメ! 一緒に行こう! あ、ついでにこっちの雑誌もチェックしとこ。

双野沙紗

トイレでまで、「ながら」は止めとけよ……。

一木羽美

だってわたし、放送部だからね!

二人の手をつかんで引っ張る。さぁ、行こう!ついでに、チェックしたい本も、脇に抱えて。

だって、1秒だってムダにしたくないじゃない、この時間を!

わたしたち、親友三人で過ごす時間をね!

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okujou_no_yurirei-san/3071.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)