User Tools

Site Tools


okujou_no_yurirei-san:3043

Place translations on the >s

阿野藤

夏休みの予定? うーんと、やっぱり今年もお盆のまわりは東京だね。イベントに行かなきゃだから。

遠見結奈

毎年恒例なんでしょ。

阿野藤

そそ、コミケね~。結奈は? 去年はどっか行ったって言ってたよね。

遠見結奈

行ったって言っても、地元のお祭りぐらい。後はだいたい家でぼーっとしてたかな……。

遠見結奈

あ、阿野も一緒にプールに行ったでしょ。

阿野藤

あう、あれはもう忘れたいんだけど~。

阿野藤

とにかく、若い女の子がそれじゃもったいないよ~。せっかくの長い休みなんだし、色々イベントがあったほうがいいよ?

阿野藤

あ、このイベントっていうのは、催しに行くって意味じゃなくてね。えーと、普段とちがう特別な出来事っていう意味で……。

うう。ついついゲーム用語で話しかけちゃうのがあたしのアレなところだ。わかってる相手にならいいと思うんだけど。

あたしはといえば正真正銘の催しのイベントに行く予定。コミケ。毎年の、恒例行事。

結奈はと言うと、家族旅行とかもないみたい。まぁ、デートとかもないだろうな、まかり間違っても、絶対。

と、思ったのに。

遠見結奈

あ、でも、今年はちょっとあるかも。イベント?

阿野藤

え! そうなの?

遠見結奈

うん。陸上部の夏合宿で、ちょっと手伝いをね。合宿中の食事を作るの、頼まれたから。こっちもお盆前後だったわね。

阿野藤

うええ。それってけっこう大変なんじゃ……。

遠見結奈

まあ、大人数分の料理するのって、なかなかないわね。でも楽しみ。普段とは献立の考え方もちがうし。

遠見結奈

それで、いくつか事前に試しておきたいレシピがあるのよね。今日から、いろいろと試してみるつもり。

阿野藤

あ、そうなんだ。がんばってね~。

阿野藤

あ、えっと、ほら、試食が必要ならいつでも呼んでいいからね?

遠見結奈

うん。うまくいったレシピがあったら、阿野と比奈にも試食してもらうわね。

阿野藤

おお、期待しちゃうからね~。

遠見結奈

うん。それじゃ、私、もう行くね。

阿野藤

はいはい、じゃね~。

教室を出て行く結奈に手を振りながら、あたしは、やっぱり気付いてしまう。

結奈は、基本的には、周囲とは距離を置きたがっていた。一年ずっと近くで見てきたからそれはわかってた。でも。

変化、っていうのかな。合宿のお手伝いか。去年の結奈だったら断っていたと思う。

阿野藤

(……これも、幽霊絡み、かな)

それが結奈に変化をもたらしているのは、たぶん、確実なことだと思う。春以来、幽霊さんが結奈と一緒にいるのを見たのは一度や二度じゃない。

最初に見たのは、オレンジ色の光だったけど、青い光も見たこと、ある。その二つが同時に結奈のそばにいたことも。

そして、結奈があたしになにかをたずねてくることがぐっと増えてる。たとえば、そう、ねなのこと、とかね。誰かについて聞いてくるなんて前にはなかったのに。

あたしは気付かないフリをして、あたしのわかる範囲で結奈に答えてる。それが、結奈のやろうとする「なにか」への手助けになればと思うから。

結奈はあんまり交友関係が広いほうじゃないからね。浅く広く付き合いのあるあたしが役に立つこともあるし。

だから、あたしはなるべく自然に、結奈の質問に答えてあげる。

……それぐらいしか、できないしね。

阿野藤

でも、夏合宿かぁ……。

阿野藤

あたしは東京の親戚の家に泊まりがけだから、あんまり手助けはできない、かなぁ。

イベント参加のための上京は、一応、両親も一緒だから、中止にもできない。さて、そうなると、どうしたものかな。

うーん、と腕を組んで考えてみる。と……。

三山音七

う~。悪い、阿野~。隠れさせて~。

阿野藤

ありゃりゃ、ねな? また?

三山音七

いつもの~。

阿野藤

そっか、いつものかぁ。

よろよろと教室に入ってきたのは、ねな。疲れたような眠い顔、をしてるのはいつも通りだけど。様子は最近に共通して挙動不審。

ねなは、ここのところずっとこんな感じ。うみちゃんやささちゃんを避けて、逃げ回っているみたいで。

阿野藤

(最初は、仲良し三人組がケンカしたかと思ったけど)

阿野藤

(逆っていうのが、なんだかだよね)

最初はほんとにケンカでもしたのかなと思っていたんだけど。話を聞いてみたら「逆」とのことでびっくり。過剰に仲良しを強要されて逃げているらしくて。

なんだそれと思ったものの、これも、あたしは変化のひとつだと納得することにしてる。結奈を中心とした変化の一つ。

結奈は変化してる。周囲も。そこにあたしなんかがいたところで、なにができるとも思わないけど、とにかく、さ。

なにかしてあげられたらいいとは思う。

たぶん、自己満足のお節介だよ。でも。それでも……。

三山音七

阿野~。

阿野藤

はいはい、とりあえずあたしの隣で顔隠して寝ちゃいなさい。

三山音七

恩に着る~。顔隠さずにどうやって寝るんだってのは置いといて~。

こそこそと言われた通りにあたしの席の隣で机に突っ伏す、ねな。ほんとにこのまま寝ちゃったりして?

……ねなは、夏休みの予定はどうなんだろ。

阿野藤

ねぇ、ねな。

阿野藤

ねなは、夏休みの予定ってある? どこかへ旅行するとか……。

三山音七

まさか~。ずっと寝て過ごすよ~。後は、夏合宿とかあるけどね~。

阿野藤

そっか。

うん。そっか。それは好都合。そう言えば、放送部なんだし、当然か。それじゃあ、思い切って、頼んでみても、いいかな?

阿野藤

あの、さ。結奈がね、陸上部の夏合宿で料理当番とかになるみたいなの。それで、さ……。

阿野藤

もし結奈がなにか困るようなことがあったら、その……、えっと……。

三山音七

ん~?

阿野藤

助けてあげてほしいな、とか……。

三山音七

………………。

あれ。返答がない。なんだろう。いつも眠そうだけど、ねな、無視したり黙ったりすることはないのに。

やっぱりあたしが言い出したのは変なことだったのかなと、多少怖くなりながら、あたしは隣で丸くなったねなをのぞき込む。

三山音七

………………。

目が合った。顔を上げて、不思議そうな顔であたしを見ている、ねなの瞳と。

阿野藤

え、えーと……。

三山音七

いいけどさ、別に。

阿野藤

そ、そう、なの?

三山音七

どこもかしこも、めんどくさいなぁって思っただけだよ~。

あ、あれ、案外すんなりOKしてもらえた。でも、どこもかしこもってなんだろ?

三山音七

阿野も遠見さんも、似たもの同士だね~。

阿野藤

へ?

……あたしと、結奈が?

阿野藤

な、なにからなにまで正反対だと……、思うんだけどな……。

三山音七

面倒だから説明しないよ~。誰か来たら起こして~。

阿野藤

な、なんだよー。言ってよう。

三山音七

やだ。おやすみ。zzz……。

阿野藤

言えよぅ~。

な、なんだろこれ。すごい恥ずかしい! 似たもの同士、な、なにその響き!

恥ずかしすぎるんだけど、な、なんで!? でも、ちょっとうれしい!?

どういうことだってばよぅ! ねな、起きて説明してよぉ~!

grpo

grpo_ef

grpo_bu0

grpo_bu0

grpo_bu0

grpo_bu0

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

okujou_no_yurirei-san/3043.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)