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okujou_no_yurirei-san:3034

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狛野比奈

うわ、わ、わ……。

自分の部屋に戻ってから、急に顔が熱くなってきた。

どうしよう、というより、さっきまでどうして、あんなに平気だったんだろう。

狛野比奈

言っちゃった……。

ついに、言っちゃった。今日。

学校を出る直前、正門で。学園祭の二日目だった。もうすぐ、学園祭も終わるって時に。結奈ねぇに……。

狛野比奈

好きだって……。

狛野比奈

う、うわ、うわわわわっ!

顔が熱くなっていくのがこらえきれなくて、たまらずベッドに飛び込んだ。布団に受け止められて、そのまま、枕に顔を埋める。

それでも、顔の熱いのがおさまらない。

狛野比奈

な、なんで、あんなこと言っちゃったんだろう。

直前に、茉莉先輩と美夕先輩、二人と話したから?

その時、二人が恋人同士で付き合ってるってこと、聞いちゃったから?

二人とも、女の先輩なのに、それでも恋人同士なのがアリだって知ったから?

狛野比奈

それだけじゃ、ない……。

最近、結奈ねぇと話していると、落ち着かなくなってる自分を感じていた。

うれしくて、楽しくて、でも、ちょっと胸が詰まるような感じ。思わず、胸を押さえたくなるような。

結奈ねぇがいない時も、今、どこでなにをしているのか考えると、やっぱり同じ気持ちになる。

楽しくて、うれしくて、でも、むずむずするような気持ち。

廊下で時々、結奈ねぇを見かけて、その時、結奈ねぇが誰か他の人と話してると、胸が締め付けられる。相手がアノちゃんでもそう。知らない先輩でも。

結奈ねぇがその人と笑いながら話してると、声がかけられなくなるほど、胸が詰まる。笑ってる結奈ねぇを見るのはうれしいのに。

狛野比奈

ずっと、なんでだろうって、思ってた……。

茉莉先輩、美夕先輩と話して、その正体がわかった。先輩二人も、同じ気持ちを感じてたって。お互いに。

恋人同士の先輩、二人が。じゃあ、これは。

この気持ちは。

狛野比奈

あたし、結奈ねぇが、好きだったんだ……。

わかった。だから、先輩たちと別れて、正門で待ってる結奈ねぇを見た時、うれしくて。

やっとわかった気持ちの正体を、そのままにしておけなくって。

それを、そのまま結奈ねぇに伝えた。

狛野比奈

伝えちゃった……。

言っちゃった。結奈ねぇが好きだって。恋人にするなら結奈ねぇがいいって。

結奈ねぇを恋人にしたい、それがあたしの気持ちだったんだ。

狛野比奈

ううううう……。

でも、言ってから、気付いた。すごいことを言ってしまったんだって。

ずっと、大好きだった結奈ねぇ。小さいころからずっと一緒で、いつもあたしの面倒を見てくれた結奈ねぇ。お姉さんみたいだって思ってた。

大好きだから、結奈ねぇが元気がなかった時は、心配だった。でも、なにもできない自分が残念だった。

あたしが城女に入学してからちょっとたって、結奈ねぇは少しずつ変わってきたと思う。前みたいなかっこいいところが戻ってきた。明るい顔が増えてきた。

学校で会った時も、家と同じような顔をしてることが多くなった。

なにがあったんだろう、どうしたんだろう、あたしはずっと、そう思ってた。

結奈ねぇが元気がない時も、元気になっていった時も。

そして、前の結奈ねぇに戻ったかなって思った時、自分の中にこれまでの好きとはちがう気持ちがあることに気付いて。

夏休みの途中からずっと、それが気になって。

やっと伝えることができたんだけど。

狛野比奈

どうしよう、明日から、どうしよう。

立ち上がって、部屋中歩き回ってみるけど、どうしたらいいかなんてわからない。

狛野比奈

明日から、どんな顔して、結奈ねぇに会えばいいんだろう。

さっきまでだって、ううん、学校から一緒に帰る間もずっとそう。夕ご飯を食べてる時も、後片付けを手伝ってる時も、おやすみって言って結奈ねぇの家を出た時も。

ずっと、ドキドキしてた。顔が真っ赤になりそうなのを、こらえてた。

うれしくて笑い出しそうになるのと、恥ずかしくて変なこと言い出しそうなのを、一緒にガマンしてた。

狛野比奈

だって、好きだって言っちゃったんだし……。

うん、言ってしまった。後悔なんてしてないし、取り消すつもりもぜんぜんない。

だって、結奈ねぇのこと、好きなんだから。

狛野比奈

ん、結奈ねぇのこと、好き。ん、大好き。

繰り返して口に出すと、なんか、すっとした。ちょっと落ち着いた。まだ、顔は真っ赤なままだけど。

しっかりしなきゃ。言っちゃったんだから、覚悟、決めなきゃ。

言われた結奈ねぇはもっと、びっくりしてるんだから。さっきまでずっと、どっか上の空みたいな感じだったんだし。

あんだけ結奈ねぇを驚かせておいて、あたしがオロオロしてられない!

狛野比奈

ん、おっけ。

狛野比奈

ふぅ……。

あとは、顔の熱いのを冷ますだけ。ベランダに出て、深呼吸。そろそろ、夜はちょっと涼しくなってきたから、ちょうどいい。

ベランダ、すぐ隣は結奈ねぇの家のベランダ。ううん、結奈ねぇの部屋。

狛野比奈

まだ、電気、ついてる。結奈ねぇ、起きてるんだ。

うわ、またなんか、顔が熱くなってきた。ベランダ越しに何度も結奈ねぇと話したことがあるの、思い出しちゃった。

狛野比奈

すぅ……、はぁ……。

もう一回、深呼吸。うん、落ち着いた。

狛野比奈

あ……。

目の前で、ふっと隣のベランダに漏れていた明かりが消えた。

狛野比奈

結奈ねぇ、もう、寝ちゃうんだ……。

まだ、10時にもなってないのに。いつもより、ずっと早い時間。

狛野比奈

結奈ねぇ、やっぱりまだ、びっくりしたままなのかな。

好きって伝えた帰り道、結奈ねぇはずっとぼーっとしたままで、返事はすぐにもらえなかった。

別に、あたしもすぐに返事がほしかったわけじゃない。それよりなにより、好きだって伝えたかっただけだから。

だから、返事はいつでもいいって言っちゃった。

それは別にいい。結奈ねぇ、ほんとに驚いてたから。結奈ねぇの気持ちが落ち着いてから、ゆっくり考えてほしい。そして、答えが出たら教えてほしい。今はそれだけ。

あたしは、結奈ねぇの返事を急がない。そして、どんな返事であっても、結奈ねぇのくれた答えなら、それを受け入れる。

だって、大好きな結奈ねぇが考えてくれた答えだもの。もちろん、結奈ねぇもあたしを好きだって言ってくれたら、すごくうれしいけど。

そうでなくても、いい。

狛野比奈

ん。

大丈夫、覚悟はできてる。あたしの気持ちは今日、伝えたんだから。どんな答えが返ってきても大丈夫。

狛野比奈

驚かせて、ごめんね、結奈ねぇ。

明かりの消えた隣の部屋に向けてつぶやく。

狛野比奈

おやすみ、結奈ねぇ。

口に出した瞬間、また顔が熱くなった。心臓がドキドキしてきた。

おやすみってこうして言うだけで、こんな気持ちになれるんだ。あたし、ほんとに結奈ねぇが好きなんだ。……よかった、うれしい。

あたしも今日はもう寝よう。

ちょっと、眠るまで時間がかかりそうだけど。でも、ドキドキがおさまったら、ぐっすりと眠れそう。

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okujou_no_yurirei-san/3034.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)