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okujou_no_yurirei-san:2613

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はぁ、やっと終わった。センセが教室を出た瞬間に、オレは立ち上がってた。タテマエで広げておいたノートをカバンに突っ込んで、教室を出る。

目指すは星館の大座敷! 愛来との待ち合わせ場所!

なんで補習授業、3階の教室でやるんだよ。階段、降りるのがメンドークセェ。

一気に駆け下りて、2階へ。このまま直線ストレートの廊下を突っ走ってから曲がれば、大座敷って……。

ストレートに入ったところで、オレは愛来の姿を見つけた。

古場陽香

お!

一気にブレーキ! お? 愛来だけじゃない。もう一人。こっちもオレの大事なトモダチだ。

古場陽香

愛来! お、結奈も一緒なんだ。めずらしいなってゆーか……、愛来と結奈ってトモダチだったのか?

遠見結奈

え? えっと。

二人とも、クラスとかちがうよな? でもなんか、話してるみたいだったし。

有遊愛来

ああ。合宿に入ってから、よく私や園生先生の仕事を手伝ってくれるんだ。

遠見結奈

え、ええ。

へぇ、そうだったんだ。結奈って愛来やセンセのシゴトも手伝えるのかよ。

古場陽香

ひょー、すげーな、結奈、ボランティアかよ。そのためにガッコー来てるのか?

遠見結奈

ちがうわよ。ちょっと頼まれて、陸上部の食事当番やってるの。時間が空いた時に手伝っているだけよ。

陸上部の食事当番!? おいおい、シゴトもできて、リョーリもできんのか。

古場陽香

それもすげーな、サイコーなボランティアソウルじゃねぇか!

遠見結奈

ボランティア精神のことよね? 変な言い方しないでよね。

なんで? 別に意味、まちがってねーべ?

古場陽香

あ、一昨日、愛来が言っていた、合宿対策本部のクールな助っ人って結奈のことか?

有遊愛来

ああ、そうだよ。本当に助かってる。

古場陽香

やっぱすげーな、結奈! さすがオレのマスター導師だ!

遠見結奈

いや、ちょっとやめて。有遊さんにほめられるのはうれしいんだけど、陽香のはなんだか、バカにされてるみたい。

古場陽香

バカにするわけねーべ! いや、すげーだろ、愛来! 結奈ってほんとにクールなんだぜ!

マジ、そう思ってる。テバナシで、オレは結奈のこと、ショーサンするぜ?

なんたって、オレと愛来をトモダチにしてくれたし、ラブロックの歌詞も見てくれる。

昨日なんか、学園祭のステージに立てないってキキを救ってくれたんだしな!

有遊愛来

ああ、そうだな。

遠見結奈

いや、ほんとやめて……。

ケンソンすんなよ。結奈がいるから、オレ、今サイコーにハッピーだし、未来も明るいんだぜ?

遠見結奈

それじゃ、私、そろそろ陸上部のみんなの夕ご飯、作らなきゃいけないから。

古場陽香

おう、がんばれよ、結奈!

有遊愛来

お疲れ様、結奈。

遠見結奈

え? あ、うん。それじゃ、またね。

はぁ、夏休みだってのに、合宿に参加して、陸上部の飯作って、おまけにセンセとかのシゴトの手伝いまでしてるのか。

古場陽香

結奈ってほんと、働き者だなー。

有遊愛来

ああ、そうだな。それに、仕事の進め方もとてもうまいぞ。

古場陽香

へぇ。

有遊愛来

全体をつかんで、準備と手順をしっかり考えてから取りかかるタイプみたいだな。うん、陽香とは正反対だと思う。

古場陽香

んー、そうか?

有遊愛来

陽香は、とりあえず始めてから考える方だろう?

古場陽香

そうかも。うん、ナットク。

やってみないとわかんないことってあるからな。申請書の書き方とか。

結奈と別れてから、愛来と二人で大座敷へ。一日、マジメに補習を受けたゴホービタイムの始まりだ。

ほんのちょっとの間だけど、愛来とテキトーに話ができる。昼飯と並んで、オレの毎日の楽しみだ。

古場陽香

でも、結奈って料理うまいのか?

有遊愛来

うまくなかったら、料理当番なんて引き受けないだろう。

今の話題は、さっきまで話してた結奈のこと。

古場陽香

そういえば、中学の時、料理部の部長だったっけ。なんか、大会で優勝とかしてたな。

有遊愛来

そうだったのか。部長までやってたなら、仕事の手際のよさも納得できるな。

有遊愛来

差し入れをもらったことがあるが、簡単なものだったけど、おいしかったよ。

古場陽香

へぇ。なに食ったんだ?

有遊愛来

おにぎりとか、サンドイッチだな。シンプルだが、手が込んでいた。

古場陽香

ふーん、なんかうまそうだな。そういや、愛来ってなんか好きな食べ物ってあるのか?

古場陽香

お気に入りのパン屋の話は知ってっけどさ。

有遊愛来

そうだな。料理というわけじゃないが、アイスが好きだな。

古場陽香

へぇ。

うん、これはいいこと聞いた。しかし、ちょっと意外な組み合わせだな。愛来ってなんか、味の薄そうな和食とか好きそうなイメージでさ。

有遊愛来

アイスクリームも好きだし、シャーベットも好きだ。時間を作って、おいしい店を回ったりするのが楽しいんだ。

有遊愛来

学校の帰りに、コンビニで新商品を買って食べるのもな。

古場陽香

そ、そうなんだ。

うれしそうにアイスを食べる愛来って想像つかねぇよな。でも、見てみてぇ。

今度、一緒にアイス食べに誘ってみようかな。ちょっと、おいしそうな店、調べておくかな……。

有遊愛来

意外か?

古場陽香

うん。……あ、いや、そんなことない!

有遊愛来

ふふ、顔に出ている。まぁ、自分でもそう思われるだろうとは予想していた。

古場陽香

い、意外だけど悪くねぇよ。キュートでいいと思うぜ、オレは。

有遊愛来

ありがとう。

古場陽香

そのさ、アイスの店まわりってさ、友達とかと一緒に行ってるのか?

お、そうだ! この際、聞いておかなきゃ。

有遊愛来

いや、友達と行くことはないな。いろいろ気にすることもあるだろう? アイスはなかなかカロリーが高いからな。

古場陽香

愛来でも気にするのか? そういうの。

有遊愛来

それなりに。やはり、太って不健康に見えるのは嫌だしな。

古場陽香

そ、それじゃ、さ。

あくまで、さりげなく、だ。なんでもないって感じで聞かないとな。

古場陽香

そ、その、あの、さ。

重要なリサーチだからな、これは。だけど、愛来には気付かれないように、さりげなく、さりげなくだ。

だって、オレは愛来をコイビトにしたいんだぜ? すでに愛来に誰か好きな人がいたら、そいつから奪い取らないといけねぇ。

愛来にケーカイ心を持たれないように、ちょっとした会話のついでってことにしなくちゃな。

古場陽香

コ、コイビトと、い、一緒にいったり、するのか?

有遊愛来

恋人……?

古場陽香

あ、ああ。えっと、ほら、コ、コイビトとかいたら、そういうの一緒に行くもんじゃね?その、デ、デートってことでさ。

有遊愛来

デート、ね……。

だいじょぶだよな? オレ、不自然なとこないよな? アクマデサリゲナク、聞けているよな?

有遊愛来

ふむ……。

ど、どうなんだ? 愛来、もうすでに恋人とかいるのか? オレはチャレンジャーなのか?

アキラメルって選択肢はねぇ! だけど、いたらやっぱすっげぇショックだよなぁ……。

有遊愛来

私に恋人がいるとして、陽香になにか問題があるか?

古場陽香

ええ!?

そ、その切り返しはソーテーしてなかった!

古場陽香

あ、い、いや、その……。問題ってのはその、えっと……。

オオアリだけどさ! あるって言ったらバレちまうだろ?

オレは学園祭のステージで愛来にコクハクしたいんだ。その時まで、トモダチ以上にはなれねぇ!

古場陽香

あ、あるわけじゃねぇけど……。

有遊愛来

………………。

古場陽香

その、ないってことなんだけど……。いや、そういうわけじゃねぇんだが……。

有遊愛来

……くっ。

古場陽香

!?

有遊愛来

ふふ……。

古場陽香

な、なに?

ヤベ!? なんかフシンな態度あったか、オレ! 冷静に対処できてなかったか? してたつもりだったぞ?

なんで陽香、笑ってんだ!?

古場陽香

あ、あの、愛来?

有遊愛来

ふふ……。いや、恋人はいないよ。

古場陽香

そ、そうか!?

そうなんだ……。あー、よかった。すげぇあせったけど、聞いてみたかい、あったぜ。

有遊愛来

誰かと付き合ったこともない。安心したか?

古場陽香

ああ……。い、いや、安心とかじゃなくてだな!?

有遊愛来

恋とかは……、どうかな? したことがあるのかな。

古場陽香

え?

有遊愛来

私はどうも特殊みたいでな。いや、なんでもない。

古場陽香

お、おう……。

と、とりあえず、愛来はフリーだってことはわかった。この上なく、キチョーな情報ゲット。

これで、オレのステージの成功はヤクソクされたようなもんだな!

有遊愛来

そろそろ、帰ろうか。あまり、用もないのに学校に残っているわけにもいかない。

古場陽香

あ、ああ。そうだな。

愛来が立ち上がる。オレもそれについていく。大座敷を出て、階段下りて、玄関ホールで靴履き替えて、正門まで。

そこで、愛来は柿坂の方へ。オレは椿小路。そこまで、ちょっとだけど一緒に歩いて、別れる。

今日だけでも、愛来のいろんなことを知ることができた。昼飯の時と、補習が終わった後の少しだけのダベりタイム。

夏休みだけでも、けっこう愛来のこと、知ることができた。でも、なんでだろうな。

知れば知るほど、もっと愛来のこと、知りたいって思うんだ。やっぱり、愛来のこと、好きだからかな。

好きだから、もっともっと、知りたいって思うんだ。どんなに知っても、愛来ってどんどん、知りたくなるようなとこが残ってるからさ。

ミステリアスなオンナだよな。そこがまたいいんだけどさ。

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okujou_no_yurirei-san/2613.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)