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okujou_no_yurirei-san:2402

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その日から、私は徹底的に、月代ちゃんから逃げ回った。

今、無理。ダメ、絶対ダメ! 今の私、月代ちゃんになにをするかわからない!

昼休みは速攻でお弁当を食べて、いつ月代ちゃんが来ても反対側のドアから逃げていけるように準備する。

放課後は、部活に出ない。部室にはできる限り近寄らない。

適当に月代ちゃんに会わないように校内で暇を潰してから、さっさと帰る。部活あるのに、毎日帰りが早いと、お母さんが妙な心配するから。

でも、私のそんな不審な態度は、すぐに月代ちゃんにバレてしまった。

週が明けるころには、月代ちゃんのマークが厳しくなって。

園生月代

剣峰さん、なにかあった? 最近、部室にあまりいないよね?

剣峰桐

うわああああああっ!

園生月代

あ、剣峰さん!?

なんて、一度、鉢合わせしてしまった時に逃げ出してしまったものだから、ますます月代ちゃんの疑念を深めてしまった。

月代ちゃん、なんとしても私と話をしたいって追いかけるようになってしまった。

園生月代

剣峰さん、なにか悩みがあるなら、先生、聞くから!

剣峰桐

い、言えるわけないいいいいっ!

ニアミスするたびに、私は逃げ出す。そのうち、月代ちゃんも本気で追いかけてくるようになって。

私も本格的に逃げ回るようになって。

部室には、隙を見て忍び込み、痕跡を残すようにした。月代ちゃんがまず、部室をチェックするようになるし、私が部室に戻ってくるかもと思わせられる。

そして、昼休み、放課後は徹底的に校内を動き回る。あちこちに適当な用を見つけては入り込んで、月代ちゃんをかわしまくる。

駆けっこになれば、年の差で勝てる! あとは、いつでも外に逃げ出せるように、靴を持ち歩くようになった。

そんなことを毎日、繰り返して。今日も。

放送部から、水曜のお昼の番組のコーナー、部長インタビューの依頼を受けていて、それの日にちをずらしてもらおうと頼むために、放送室に行って。

今、インタビューなんか受けたら、絶対にその時、月代ちゃんに捕まっちゃうから!

首尾よく、インタビューを来月まで延ばしてもらって、その後、適当に雑談して時間を潰して。

そろそろ、帰ってもいいかと、放送室を出た時だった。

遠見結奈

剣峰さん。

剣峰桐

ふぇ!?

だ、誰? 知らないよね、この人。なに、何の用?

すっかり私は、周囲に敏感な人間になっていて、声をかけてきた同学年の女の子に、ビクビクしながら、不審の視線を送っていた。

剣峰桐

あ、えっと、誰?

遠見結奈

あ、ごめん、私、A組の遠見結奈。

剣峰桐

とおみ……さん?

やっぱり、誰? A組って総合だよね?

遠見結奈

阿野の友達なんだけど。一度、会ったことなかったっけ?

剣峰桐

あ、ああ、阿野の。えっとごめん、憶えてない。

阿野藤は、私のゲーム友達。ゲームキャラのかわいい系で趣味があって、よく情報交換したりしてる。阿野の友達かぁ。それじゃ、どっかで会ってたかも。

遠見結奈

ううん、いいわ。私も阿野の隣にいただけだったし。

剣峰桐

えっと、それでなにか用?

私、さっさと帰りたいんだけど。時間かかる用事だったらやだなぁ。

遠見結奈

うん、園生先生に頼まれて。あなたを呼んできてほしいって。

剣峰桐

げげっ! 月代ちゃん!?

えええ!? 大本命なの!?

ていうか、月代ちゃん、こんな私をちょっと知ってるだけの人にも頼んじゃうほど、私を捜してるの!?

うわぁ、うれしい、愛されてる、私。ちょっと重いけど……、ってちがう!

剣峰桐

ご、ごめん、私、用があってさ、これからすぐに帰らなくちゃなんだ!

冗談じゃない、ここは逃げの一手!

遠見結奈

え、ちょっと。私も、先生に頼まれてるのよ。すぐすむって言ってたから、ついてきてくれない?

すぐすまないよ! 絶対、どうにかなっちゃうよ!

もしかしたら、2時間くらい! なんだその具体的な時間!

剣峰桐

え、でも、ほんとちょっとマズくってさぁ。なんとかごまかしといて、ほんと! 私、マジで今、月代ちゃんはちょっとマズイ!

遠見結奈

私も困るんだけど。園生先生に怒られたくないし。

剣峰桐

ええ!? 月代ちゃん、怒ってるの!? マジで?

ええ……、それはやだなぁ……。そんなに本気になっちゃうなんて……。

遠見結奈

マジ、かも……。だからさ、ちょっとだけでいいから。

剣峰桐

うぇ~……。うーん、そっかぁ……、怒ってるんだぁ……。

月代ちゃん、滅多に怒ること、ないのに……。

そうだよね……、逃げ回ってるの、私だもんね……。

遠見結奈

ほら、職員室、すぐそこだし、ね。

剣峰桐

う、うん……。

わかったよ……。ちょっと話、するよ……。その間、必死に我慢するよ……。

ところが。

遠見結奈

え、園生先生、今、いらっしゃらないんですか?

おおお!? 月代ちゃん、今、いないの? 留守!?

さっきまでの決心があっという間にどっかに飛んでいった。やった! 今なら逃げられる!

剣峰桐

あ、じゃあいいです。すいませんでした。失礼しまーす!

遠見結奈

あ、剣峰さん!? あ、失礼します!

私は、頭を下げて、職員室を飛び出した。

剣峰桐

えっと、遠見さんだっけ? ごめんねー! 月代ちゃんには適当にあやまっといて!

悪いけど、遠見さんには月代ちゃんをごまかしてもらおう。月代ちゃん、きっと関係ない人には当たったりしないもん。

私はさっさと玄関ホールへと走った。

ふぅ……、今日もなんとか、逃げられた……。

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okujou_no_yurirei-san/2402.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)