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okujou_no_yurirei-san:2222

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一木羽美

ねぇ、音七、音七! ほら、ポテチの新商品、たくさん買ってきたんだよ! 一緒に食べよ!

三山音七

はぁ~? あのさぁ、今、お弁当食べたばっかなんだよ?

一木羽美

デザートだってば!

三山音七

そんな油っこくてしょっぱいデザートやだよ~。もうお腹いっぱいだってば。入るわけないよ~。

一木羽美

なに言ってんのよ! わたしたち、まだまだ若いんだから、食べられるって!

三山音七

あたしゃそんなに食欲旺盛なタチじゃないってば~。

むむ、ちょっと手強い。新商品のポテチの力は絶対だっていうのに。少なくとも、わたしだったらこれで三日分の怒りは収まるのに。

……やっぱり、ポッキーの方がよかったかな?でも、そっちはいいのがなかったんだよね。

三山音七

お弁当のあとくらい、ゆっくり寝させておくれよ~。

一木羽美

寝る前にちょっとだけ、食べてみなって! ほら、一袋全部、食べちゃっていいからさ!

三山音七

寝る前にそんなに食べられるわけないでしょ~。もう、羽美、そんなんだから、ダイエットに挑戦しなきゃいけなくなるんだよ~。

一木羽美

ななな、なんてヒドいこと言うのよ、音七~!

三山音七

あ~もう、うるさいなぁ。沙紗、なんとかしてよ~。

双野沙紗

え、えっと……。おい、羽美、あんまり……。

一木羽美

なに、沙紗、邪魔するの? だって……。

音七をもっと大事にするって言ったじゃない!協力してくれるんでしょ!

双野沙紗

あー……。まぁ、音七、一口くらい食べてもいいんじゃない?

三山音七

はぁ~? ちょっと、沙紗までどうしたのさ~。

よしよし、ちゃんと沙紗もわかってくれてる。

音七、わたしたちは絶対、音七にさびしい思いなんてさせないからね!

絶対に、この友情、守ってみせるんだから!

三山音七

ちょっと羽美? ここんとこ、おかしいよ?なんでそんな、毎日毎日、お菓子買ってきたりしてるのさ。

一木羽美

え? だ、だって、新商品だったから……。みんなで一緒に食べたかったし……。

三山音七

じゃ、沙紗と二人で食べればいいじゃんかさぁ。なんで、あたしにばっかり押し付けてくるのさ~。

一木羽美

だ、だって、音七にも食べてほしいし……。

三山音七

あたしゃ、羽美ほど食い意地はってないんだよ~。

一木羽美

わ、わたしだってそんなに食い意地はってないもん……。

それに、これ、全部一人で食べたら、太っちゃうし……。

三山音七

もうちょっと考えて買ってきなよ。どうすんのさ、袋、三つとも開けちゃって。

一木羽美

ど、どうしよう……。沙紗、食べる?

双野沙紗

え、あたし? あたし、そんなにたくさんいらないって。

三山音七

ほら~。

一木羽美

だ、だって!

これは音七のために買ってきたんだし! 音七のためなんだし!

一木羽美

そ、その、わ、わたしたち、もっとチームワークをよくしなきゃいけないと思うんだよね!

三山音七

チームワークぅ~?

一木羽美

だってほら! もうすぐ夏休みでしょ! 夏合宿があるじゃん!

わたしは、さっき、先生からもらってきた紙をバンって机の真ん中に出す。

一木羽美

夏合宿の申請、通ったんだよ? わたしたち放送部は、夏合宿に参加します!

こないだ、もらってきた夏合宿参加の申請書。すぐに先生に提出して、今日、それが認められて。

双野沙紗

あ、申請通ったんだ……。

三山音七

放送部で参加するの、あたしたち三人だけなのにね~。

一木羽美

三人でも放送部だよ!

ほんとは、放送部は別に夏合宿に参加するほど、休み中に部活することないんだけど。

でも、わたしたちには、夏合宿中に作りたいものがあった。

一木羽美

前から言ってたけど、この夏合宿中に、ラジオドラマの制作に取りかかるんだから!

双野沙紗

あー、あれ、ほんとにやる気だったんだ……。

三山音七

夏休みはずっと寝ていようと思ったんだけどなぁ……。

一木羽美

そんなのダメ! 学園生活での夏休みはたった三回しかないんだよ!? 今年をムダに過ごしたら、残りはもう一回!

一木羽美

貴重なチャンスを逃したらいけない! わたしたちの友情で、最高のラジオドラマを作ろう!

三山音七

あ~……。

前からずっと、チャレンジしてみたかった、ラジオドラマ制作。

台本から自分たちで作って、構成考えて、収録して、編集して……。

うまくできたら、放送部の大会にも参加できる! 学園祭で公開してもいい!

わたしたちの友情パワーを見せつけるのに、これほどのチャンスはない! はず!

一木羽美

そのためには、わたしたち、より一層のチームワークを育てなきゃいけないんだよ!

三山音七

それが、このポテチ?

一木羽美

これはその第一歩に過ぎないの! わたしたち、仲がいいのは友達なんだから当たり前! だけど、お互いが最高の力を発揮するためには!

一木羽美

今よりももっともっと、親睦を深めなきゃいけないの! そのための夏合宿なんだよ!

双野沙紗

うーん、さすがにちょっとウザくなってきた……。

一木羽美

沙紗、なんか言った?

双野沙紗

あー、なんにも。

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よろしい。沙紗はちゃんとわかってくれてる。あとは、音七をしっかりとつかまえて離さないようにしないと!

ああ、でも、夏合宿か。楽しみだな。毎日一緒に、三人で寝泊まりして、部活して……。

うん、これなら絶対、音七もさびしくないはず!

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一木羽美

ね、沙紗、とりあえず、どんな内容にしよっか。

双野沙紗

内容って、ドラマの?

一木羽美

そう! 声は演劇部にお願いするから、本格的なドラマにできると思うんだよね。

双野沙紗

うわ、そんなとこまで、手を回してたんだ……。

一木羽美

うん! だから、わたしたちはいい台本を作らないとね! ね、どんなテーマにする? ジャンルはどうする?

双野沙紗

あー……、そんなすぐに思いつかないってば。

一木羽美

ラブロマンスがいいかな? 定番で、ホラーもの? やっぱり学園ものがいいよね!

双野沙紗

もう、SFとかでもアリなんじゃない?

一木羽美

うん、それもいいよね!

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うわ、なんか楽しくなってきた! 夏合宿は8月、8日間!

あ、沙紗ともその間、ずっと一緒なんだ。沙紗とこの放送室で一緒?

台本作りだから、内容の相談はほとんど、沙紗とするんだよね。台本書くのは、わたしがやるんだろうけど……。

やだ、な、なんかそれって、ドキドキする……。

……いや、音七、音七のこと、考えてあげなきゃ!

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一木羽美

ね、音七? 音七はなんかアイデアある?

沙紗から視線を外して、音七の方を振り返ったんだけど。

一木羽美

あれ? 音七?

そこには、さっきまでいたはずの音七はいなくて。

一木羽美

え、いない? 沙紗、音七、どこに行ったの?

双野沙紗

え? あ、ほんとだ、いない……。

一木羽美

えー!?

い、いつの間に音七、いなくなったの? ぜ、全然気付かなかった!

一木羽美

な、なんでいなくなってるの!?

双野沙紗

え、さ、さぁ……。

一木羽美

もう! 音七のこと、ちゃんと二人で見てようって言ったじゃん!

双野沙紗

そ、そうだけど……。

双野沙紗

羽美がずっと話しかけてくるから、つい……。羽美のことばっか見てて……。

一木羽美

え……。や、やだ。なにそれ、もう……。

わ、わたしも沙紗のこと、考えてて、ちょっとドキドキしてて……。だから、沙紗のこと、責められないんだけど……。

その間に、いちばん、目を離しちゃいけない音七がいなくなっちゃった……。

やっぱり音七、わたしが沙紗とばっかり話してたから、さびしくなっちゃったのかな……。それで、出て行っちゃったのかな……。

一木羽美

と、とにかく、音七を捜しに行こう?

双野沙紗

う、うん……。

わたしと沙紗、一緒に立ち上がろうとした時に。

昼休みの終わりの予鈴が鳴って。

一木羽美

あ……。

双野沙紗

あ……。

もう、教室に戻らなきゃ……。

双野沙紗

……ま、まぁ、音七も授業サボってまで、あたしたちから離れようとしないだろ。

一木羽美

う、うん……。

双野沙紗

教室、戻ったらきっとそこで寝てるって。

一木羽美

うん、そうだけど……。

ほんとに音七、どうしてなにも言わずにいなくなったりするんだろう……?

もしかしたら、音七……。

双野沙紗

教室、戻ろう。

一木羽美

うん……。

音七がいなくなっただけで、すごくさびしい。

でも、そのさびしさを、わたしたちも音七に与えているのかと思うと……。

すごく、気持ちが重くなる。苦しくなる。音七、ごめんね……。わたし、もっと気をつける。音七をほったらかしになんてしないからね、絶対。

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okujou_no_yurirei-san/2222.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)