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okujou_no_yurirei-san:1702

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遠見結奈

比奈? 宿題、出てるんでしょ。見てあげるわよ、やっちゃいなさい。

お風呂から上がって、私は自分の部屋に戻ってきた。声をかけた比奈は、ベッドに横になって、持参したマンガを読んでいるところ。

狛野比奈

ん、もう終わってる。

遠見結奈

え、ほんと?

狛野比奈

ん。ちゃんと、家に帰ってからやっといた。

遠見結奈

そ、そう。めずらしいこともあるものね。

悪気があってそう言ったわけじゃない。比奈は宿題をわざとやらずに放っておく子じゃないけど、家に帰ってすぐにとりかかるほど熱心というわけでもなくて。

今日みたいに、夕ご飯をうちで食べた日はたいてい、そのあとで私と一緒に宿題をするのが当たり前だったから。

狛野比奈

結奈ねぇは? 宿題、もうやっちゃった?

遠見結奈

ええ、一応……。

grpo_bu0

今日は、私の両親も、比奈の両親も帰ってこない。

私のお父さんも比奈のお父さんも、泊まりがけの出張に出ている。二人とも、普通のサラリーマンだから、こういうこともある。

そして、お母さんたちは、二人ともそろって夜勤。病院の看護師だから、夜勤は普通にある。

そして、たまたま、その全部が重なってしまっていた。めずらしいことではあるけど、今までなかったわけじゃない。

私も比奈も中学生だったころまでは、なるべくこういうことがないように、お母さんたちが夜勤のシフトをずらしてくれていた。

でも、私が城女に入ったころから、そういう調整は無理にしなくなった。親が誰もいない時は、どちらかの、たいてい、私の家に、泊まるようになった。

そう、今日も比奈は、うちに泊まる。さっきまで、一緒に夕ご飯を食べて、先に比奈がお風呂を使って、今、私が戻ってきたところ。

そっか……、もう、比奈、宿題、終わらせちゃってるんだ。すごい、気合いの入りよう。

気合い、なんの? なんのって……。

それは……。

grpo_bu0

遠見結奈

ふぅ……。

ちょっと、頭を振って、考えそうになっていたことを追い出す。乾かしたばかりの髪が揺れる。まだ、ちょっと水気が残ってて重い。

私は、料理関係の雑誌、なんでもよかったから、適当にラックから引き抜いて、テーブルの上に広げる。

遠見結奈

………………。

一応、載っている記事を、ながめる。あんまり、頭に入らないけど。

狛野比奈

結奈ねぇ。

ベッドの上から、比奈が、声をかけてくる。

遠見結奈

……なぁに?

狛野比奈

んっと……。

遠見結奈

………………。

狛野比奈

……なんでもない。

遠見結奈

……そう。

はぁ、ちょっと意地が悪いこと、してるかも。

比奈が、なにを言い出そうとしていたのかは、わかる。私だって、さっきから、ずっと……。

この部屋に戻ってきた時から、そうかなって思ってる。この時が来ちゃったかなって。

その、今日はチャンスなんだってこと。

比奈と、その。

遠見結奈

(は、初体験の、やり直しの……)

grpo_bu0

この間、私と比奈は、確かにその、体を重ねたわけだけど。Hしたわけだけど。初体験になってしまったわけだけど。

でも、その時は、サチさんと恵が、私たちに憑依していた。私たちは、二人に体を貸した状態だった。

確かに、そんな状態だったけど、サチさんと恵はうまくいったみたいで、つまり、女同士だけど、ちゃんとHはしちゃったわけで。

でも、私も比奈も、その時のことはよく憶えていない。幽霊に深く憑依されていたから、ずっと寝ていたみたいになっていて。

私がはっきり憶えているのは、サチさんが私に憑依する直前まで。

次に目が覚めたのは、終わってから。体がちょっと火照っていたけど、なにをしてたかよく憶えてないし、その、体の方にも変化があったとも思えなくて。

その……、ちょっとだけ、跡みたいなのはあったけど。朧気な、記憶と。そう、それだけ。

そんなわけだから、ちゃんとした初体験をやり直そうって気持ちはある。私にも、比奈にも。

よく憶えてなくても一度、やってしまっているんだし。だったら、もう一度、自分たちでやり直してみたい。

ちゃんと、比奈と話して、そういう約束をした。チャンスがあったら、そうしようねってくらいで。

grpo_bu0

遠見結奈

(それで、今日がその、チャンス、なのよね……)

両親はいない。今日は帰ってこない。比奈のうちもそう。

そして、比奈は今日、うちに泊まっていく。なんにもごまかすことなく、一緒にいられる。

そう、こんなチャンス、滅多にやってこない、と思う。

遠見結奈

(でも……、なんて声をかければいいんだろう)

わからない。サチさんたちとちがって、そういうの見てきたわけじゃないんだから。

なんにも知らないんだから。

どうやって誘えばいいかなんて、わからない。

遠見結奈

………………。

仕方ないから、私は雑誌をただ、ながめてる。そのうち、眠くなったタイミングで、一緒にベッドに入ればなんとかなるのかな、なんて考えていたんだけど。

狛野比奈

……ん。

比奈、寝ちゃったらどうしよう。今日も部活があったから、疲れてるだろうし。

狛野比奈

結奈ねぇ。

まぁ、その時はその時、かな。あせることでもないし……。

狛野比奈

結奈ねぇ!

遠見結奈

ひっ!? え? な、なに、比奈。

び、びっくりした。振り返ったら、比奈がベッドの上に座ってた。何回か、呼んでた?気付かなかった。

狛野比奈

……結奈ねぇ。ちょっと、こっち来て。

遠見結奈

え? う、うん……。

どうしたんだろう。私は立ち上がって、比奈が座ってるベッドのそばに、テーブルの反対側から、歩いて。

遠見結奈

なに? どうしたの……。

狛野比奈

ん!

遠見結奈

……え!?

ぐるっと視界が一回転。

比奈が、私の手をとって、思いっきり引き寄せたから。

遠見結奈

うわっ!

勢い余って、私はベッドの上に転がった。びっくりするくらい、強い力だった。比奈に、こんな力があるなんて思わなかった。運動部ってすごい。

狛野比奈

よ、いしょ……。

仰向けにベッドに転がった私の上に、比奈が乗っかってくる。

遠見結奈

ちょ、ちょっと比奈……。

狛野比奈

………………。

遠見結奈

ど、どうしたの、いきなり……。

押し倒すなんて。ベッドの、上に……。

遠見結奈

あ……。

そこでやっと気付いた。私、ベッドの上で、比奈に押し倒されたんだってこと。

そして、比奈は私の手をつかんだまま、まっすぐに見つめてきていて。

狛野比奈

結奈ねぇ。

遠見結奈

う、うん……。

その声にも、目にも、しっかりとした意志が感じられて。私の両手をきゅっと握った、比奈の両手にも。

狛野比奈

しよう!

遠見結奈

っ……!

それは、単刀直入に。すごく、比奈らしく。

遠見結奈

あ、あの、比奈……。

狛野比奈

約束、してたよね。

遠見結奈

う、うん……。

していたけど。私も、比奈とちゃんと、やり直したいって思っていたけど。

でも、心の準備は、この期に及んでまだ、できてなくて。ただ、どうしようってばかり、考えている。

狛野比奈

あたし……。

だって、いざとなったら、やっぱり恥ずかしい。比奈と裸になって、抱き合って、その、いろいろするなんて……。

狛野比奈

結奈ねぇと、したい。

でも。

遠見結奈

比奈……。

これからすることに想像して、恥ずかしさを覚えているのは、私だけじゃない。

比奈だって、そうなんだ。頬を真っ赤にしている。私だって、真っ赤だ。一緒なんだ。

それなのに、私だけ、心の準備とかいって、ごまかしていたんだ。

うん、覚悟、決まった。

遠見結奈

……うん、いいよ……。

そっと、比奈の手を握り返す。

顔がもっと、熱くなる。でも、比奈の目をまっすぐに見つめ返して、そう、答えた。

狛野比奈

結奈ねぇ……。

見上げている比奈が、にっこりと笑う。それは、とても、うれしそうに。

狛野比奈

……やった。

私も、笑えればよかったんだけど。まだ、緊張が解けてなくて、ただ、比奈の顔を見つめたままだった。

比奈がキスしてくる瞬間も、まだ、硬直したままで。

狛野比奈

……んは。結奈ねぇ……。

遠見結奈

ん、はぁ……。

唇が離れると同時に、比奈が私にさわってくる。

遠見結奈

あっ……。

服の上から、胸に手を置かれた瞬間、息が詰まった。ただ、比奈の手が、胸に乗っかっただけなのに。

遠見結奈

ん、はぁ……。

ゆっくりと、比奈の手が、胸に沈み込んでくる感じ。そんなに、強くないんだけど。

息が、熱くなる……。

狛野比奈

結奈ねぇ……。

遠見結奈

う、うん……。なぁに……。

狛野比奈

もっと、さわっても、いい?

遠見結奈

う、うん……。

もっとって、もっと? これ以上、強く? それとも、もっといろいろってこと?

遠見結奈

んぅ……!

強く、の方だったみたい。比奈の指が、軽く握るみたいになって、私の胸を押し包む。

狛野比奈

……平気?

遠見結奈

うん……。

たぶん、まだ、平気。すごい、ドキドキしてるけど。

狛野比奈

もっと、いい?

遠見結奈

うん……。比奈の、好きなようにして、いいよ……。

狛野比奈

……ん。

遠見結奈

あっ……!

今度は、いろいろの方で。比奈の手が、私のシャツの裾をあげる。

遠見結奈

はぁ……。

シャツの内側に、火照った体からの空気がこもっていて、それが出て行くと同時に、ちょっとした涼しさが感じられて。

遠見結奈

あっ……、比奈……。

狛野比奈

ん。さわる。

遠見結奈

んっ、はぁ……。はぁ……。あ……。

比奈が……、私の胸にさわってる。比奈の手のひらが、直接。

比奈の手のひらの熱が、直接、感じられる。

遠見結奈

あ、ん……。んん、はぁ……。んぅ……!

何度も、体を抱き締めたこと、あったのに。ふざけてのスキンシップでこのくらいのこと、あったのに。

遠見結奈

はぁ……、あ、んっ……! ふぁ……。

こんなに、ドキドキしたこと、なかった。心臓が、壊れそうなくらい。

遠見結奈

あ、んん……。ひ、比奈ぁ……。はぁ、あ、あん……。

泳ぐように、手を伸ばす。比奈の、たぶん、膝、そこにつかまる。たぐるように、比奈の太ももにさわる。

狛野比奈

っく……。

遠見結奈

あんっ! んっ、くぅ!

比奈の指が……! 胸の先を、かすめた。痛みにも似たショックがあって、息が詰まって、体が震えた。

遠見結奈

ひっ、んんっ! あっ、はっ、やぁっ!

また。そして、また。震えるのが、止まらない。

狛野比奈

……結奈ねぇ、えと……。

狛野比奈

……気持ち、悪い?

遠見結奈

う、ううん……、ちがう……。ちょっと、すごくて……。ビリッとして、びっくりして……。

狛野比奈

痛かったり、気持ち悪かったりしたら、しないよ?

遠見結奈

ううん……。平気……。ほんとに、びっくりした、だけだから……。

少し……、比奈が手を休めてくれたから、熱が、ひいた。

そして、ほんとにびっくりしてる。体の刺激だけじゃなくて。

遠見結奈

……比奈に、押し倒されるなんて、思わなかった。

狛野比奈

ん、そう?

遠見結奈

うん……。こんなふうにされるなんて。

狛野比奈

そう、かな?

遠見結奈

勝手に、思ってただけみたい……。私が、比奈をリードしてあげなきゃって。

狛野比奈

だって……。

遠見結奈

え?

狛野比奈

だって、あの時は、ずっと結奈ねぇがあたしのこと、さわってたでしょ?

遠見結奈

え? あの時って……?

狛野比奈

……最初の時。

遠見結奈

最初って……。

それって、サチさんと恵に体を貸してあげた時のこと?

遠見結奈

比奈、あの時のこと、憶えてるの?

狛野比奈

ん、なんとなくだけど。

遠見結奈

そ、そうだったの……? 私、全然、憶えてないんだけど……。

少しだけを、ちょっとごまかした。でも、裸の恵が目の前にいたことくらい。ほんと、それくらいだから。

狛野比奈

ほんとに、なんとなく。でも、あとで何回も、夢で見た。だから、憶えてる。

遠見結奈

夢……!? そ、そうだったんだ……。

夢? 私、全然、見てない。ほんとに、あの時のこと、憶えてないのに。比奈は、ちゃんと知ってたんだ……。

ちょっと……、不公平?

狛野比奈

だから、次は、あたしからさわろうって思ってた。いっぱい、結奈ねぇにさわろうって。

遠見結奈

そ、そう……。

うん、でも、いいか。比奈がそう思って、そうしてくれるんだから。それは、うれしい。

狛野比奈

さわりたいとこ、さわる。

遠見結奈

うん、いいよ……。比奈の好きなとこ、さわって。……あっ、んっ、はぁ……。

また、比奈の指が、手が、私にさわってくる。

狛野比奈

でも、結奈ねぇがイヤだったら、やめるね。ガマンしなきゃいけないんだって。

遠見結奈

いけないって……。んんっ! だ、誰が……、そんなこと、言ったの……?

狛野比奈

先輩たち。

遠見結奈

な、なにを聞いてきてるの……。あっ、んんっ、はぁ……。

先輩たちって、網島先輩と稲本先輩? いったい、どんなアドバイスを聞いてきたっていうの? ああ、でも、問い詰めてみたいけど、そんなこと……。

遠見結奈

っく、あっ、はぁ……! んんっ! や、そこ……!

考え、られない。比奈の手のさわるとこが、すごく熱くなって、考えるってことを邪魔する。すごい、かき乱されてる。

遠見結奈

あっ、ひ、比奈ぁ……! んっ、ふぁ、あああっ!

私は、ただ、比奈にしがみつくようにしているのが精一杯で。体の中にたまる熱を、口からただ、吐き出しているだけで。

遠見結奈

あっ、あん! ふぁ、あっ、ああぁ……! あぅん!

こんな声、自分が出せるなんて、知らなくて。胸をさわられるたび、ちょっと強くされるたびに、体が震えて、いやじゃないのに、身をよじる。

自分の体が、全然知らない反応をしている。比奈に、さわられているから。それだけで、自然と声が出る。熱くなって、震える。

狛野比奈

結奈ねぇ……。キス……。

遠見結奈

うん……。ん、んん……。んふ……。ちゅ……。

狛野比奈

ん……、ん、ちゅ……。

唇を重ねただけで、舌が、伸びる。比奈の舌と、ぶつかって、少しずつ、触れ合って。

狛野比奈

……んは、はぁ……。ん、はぁ……。

遠見結奈

はぁ……、はぁ……。

唇が離れていくのが、さびしくて。こわいくらいに、比奈が好きで。

狛野比奈

……ねぇ、結奈ねぇ……。

抱き締めたくなる。ぎゅっと、強く。抱き締める。キスのために重なってきた比奈の体を。

狛野比奈

……あ、あたし……。

狛野比奈

ん……、あ、う……。ダメ……。結奈ねぇ……、体、ジンジンする……。

遠見結奈

うん……。

熱い、比奈の体を。少し、力の抜けた、その体を。

狛野比奈

もう、ダメ……。結奈ねぇ……。

遠見結奈

うん……。わかった……。

胸の中で、抱き締める。今度は、私ががんばる番、だね……。

狛野比奈

んっ、んくっ……! んっ、はっ、んんっ……!

すごい。

狛野比奈

……ぁ、んっ、くぅん……! んはっ、ん、んんっ! ゆ、結奈ねぇ……!

すごい、すごい。

遠見結奈

ん……、比奈……。

狛野比奈

んくっ! ん、んんっ!

裸になった比奈を、同じように裸になった私が抱き締めている。比奈の、背中側から。

狛野比奈

んんっ! ぁ、んっ! 結奈ねぇ……! んっく、んっ、んんぅ!

そして、抱き締めながら、うなじとか、耳とか、首筋とか、背中とか、いっぱいに、キスをして。

遠見結奈

比奈……。ん、ん……。

いつの間にか、大きくなっていた胸に、さわっている。

狛野比奈

んっ……、ぁ……、ん、んは……!

肩越しの比奈の顔を見ながら。

狛野比奈

んんっ! んはっ! ……ぁ、ん、んん……!

こんなに、自分の体が。手が、指が、動くなんて知らなかった。こんなふうにできるなんて。

遠見結奈

あ……、はぁ……。比奈……、好きよ……。ん、ちゅ……。

こんなふうに比奈にさわるなんて、知らなかった。でも、なぜか、とても自然に、体が動く。

狛野比奈

んんっ! ん、ん! 結奈ねぇ、す、好き……! んっ、んくぅ!

比奈が好き。その想いのままに、比奈にさわってる。キスをしてる。

狛野比奈

ん、んふ、ふぅ……。んぁ……、ぁ……、んは……。

胸にも、背中にも。頬とか、足とか、お尻とか。比奈のつく息の音、聞きながら。

狛野比奈

……ぁ……、ん、んんんっ!

そして、あそこにも。

遠見結奈

比奈……、こわい……?

狛野比奈

んっ……! ん、んーん……。平気……。んんっ!

遠見結奈

痛かったら、言って? 気持ち悪かったら、言ってね?

狛野比奈

ん、ん! んはぁ、ぁ、……ぁ、ん、んんっ!へ、平気……!

狛野比奈

結奈ねぇ、だから……、気持ち、いい……!んんっ、ん、んはぁ!

私は、比奈の手を取る。

狛野比奈

……ぁ……。ん、んふ、んんっ!

そして、ちょっと体勢、苦しそうだけど、その手に手を添えて、じぶんの、あそこへ。

狛野比奈

ぁ、あ……、ゆ、結奈ねぇ……。

遠見結奈

うん……。

すごい、体の芯が熱くなってる。比奈の指を、溶かしてしまうんじゃないかと思うほど。

遠見結奈

熱く、なってるの……。比奈と、一緒よ……。

狛野比奈

んっ! んんぅ!

あ、比奈の体が跳ねる。抱き締めてる私の腕の中で。

狛野比奈

んっ、ゆ、結奈ねぇ……! んっ、す、すごい……! んんっ!

こんなこと、できたんだ、私。

狛野比奈

んっ、ぁ、熱い、よ……!

遠見結奈

うん……、熱い……。私も、熱い……。比奈も、熱い……。

狛野比奈

んんっ! ぁ、ん、んく……!

変な言い方だけど、体が憶えているのかも。サチさんの時の記憶が、残っているのかも。

狛野比奈

んっ、あっ、んあっ……! ゆ、結奈ねぇ……! あ、あたま、ダメ……!

遠見結奈

はぁ……、はぁ……。比奈……。

狛野比奈

い、いっぱいに、なっちゃう……! んんっ!んっ、んくっ……! んんぁ……!

遠見結奈

うん……、すごい、ね……。はぁ……、ん、んん……。

とけそう、もう、とけてしまいそう。比奈と一緒に、なくなってしまいそう。頭の中、体の中、みんな。

好きで、好きで、たまらない気持ちがみんな、とかしてしまいそう。比奈を、私を。

遠見結奈

比奈……!

だから。

狛野比奈

ゆ、結奈ねぇ……!

手を、握って。比奈の手を、握って。離さないように、握って。

遠見結奈

ん……! ひ、比奈……!

狛野比奈

んんんっ……! ……ぁ……、ぁ……、ん、ん……、はぁ……。……ぁ、ん……。

まっしろになっても、離れないように。一緒に、とけて、いく……。

遠見結奈

はぁ……、はぁ……。

狛野比奈

……ぁ、ん……。ん……。

比奈の、息する音が、聞こえる。

手のひらにしっかりと握った、比奈の手。握り返してくれている、比奈の手。

そこだけが、確かで、つないだ手から、少しずつ、意識が、白から戻ってくる。

遠見結奈

比奈……。

大好きな、その名前を呼ぶと……。

狛野比奈

結奈ねぇ……。

大好きな声で、私の名前を呼んでくれる……。

まだ、白く霞んで、よく見えないけど。手に伝わる感触だけを頼りに、その体を抱き締めて。

遠見結奈

比奈……。ん……。

キスを。

狛野比奈

ふぅ、ん、ん……。……結奈ねぇ……。ん、んん……。

した。何度も、何度も。

狛野比奈

んー……、眠い。

遠見結奈

眠くてもダメ。ちゃんと着替えなきゃ。

ようやく、頭がはっきりとしてきた。さっきまでは、もう、自分が起きてるかどうかさえ、わからなかったけど。

もしかしたら、少しだけ、眠っていたのかもしれない。意識が、落ちていくってあんな感覚だったんだ。

そんなことをぼんやり、思い出して、そして、自分がさっきまでなにをしていたのか、思い出して。

遠見結奈

(うわ、か、顔から火が出そう……)

とんでもないこと、したと思う。なんで、あんなこと、できたんだろうって。

恥ずかしくなって、頭から布団を被ろうとした時に、ぼんやりとした目で、私を見てる比奈と目が合って。

急に、意識が覚めてきた。このまま、比奈を寝かせちゃダメだって。

遠見結奈

裸のままじゃ、風邪、ひいちゃうでしょ。

狛野比奈

ん……。そだね……。

遠見結奈

そうよ。ほら、服、着なきゃ。

狛野比奈

ん……。ねぇ、結奈ねぇ……。

遠見結奈

なぁに?

狛野比奈

………………。

遠見結奈

どうしたの?

狛野比奈

……恥ずかしい……。

まだ、裸のままの比奈が、顔を赤くしてそう言ったから。

遠見結奈

な……! う、うん……、そ、そうね……。

私の顔も、真っ赤になって。やっぱり、さっきまでのこと、思い出しちゃって。

狛野比奈

でも……、気持ち、よかった……。

遠見結奈

そ、そう……。

す、素直なのも、考えもの。

狛野比奈

気持ち、よかった?

遠見結奈

え? あ、え、えっと……。……うん……。

でも、この素直さが愛おしい。

遠見結奈

ほ、ほら、早く服、着て。いつまでも裸のままでいちゃ、ダメよ。

狛野比奈

ん……。

ほんとに、風邪、ひいちゃうから。エアコンあるけど、もう夜は冷えるんだし。それに。

遠見結奈

誰かに見つかったら、言い訳するの、大変じゃない。お母さん、朝には帰ってくるんだし。

狛野比奈

んー……。そうかな?

遠見結奈

まだ、心配かけられないでしょ。お父さんやお母さん、おじさんやおばさんに。

狛野比奈

ん。

比奈はうなずいてくれる。ちゃんとわかってくれる。

遠見結奈

ほら、もうちょっとがんばって。比奈のシャツ、どこいったっけ……。

狛野比奈

ん、こっちにある……。

遠見結奈

あ、ほんとだ。私のも、拾ってくれる。

狛野比奈

んー……。

遠見結奈

ありがと。ほら、ばんざいしなさい。着せてあげるから。

狛野比奈

んー……。結奈ねぇって、やっぱ大人っぽいね……。

遠見結奈

そ、そう? えっと、パンツは……。ああもう、私の替えのでいいわよね?

狛野比奈

ん。……しっかりしてるよね……。

遠見結奈

……そうでもないわよ。

狛野比奈

そんなことないよ……。いつも、すごいって思ってる……。

遠見結奈

比奈の方が、すごいって思うわ。時々、すごい勢いでひっぱられちゃうもの。

狛野比奈

……そう?

遠見結奈

そう。

私たちは、まだ、子供だ。年齢はそうでもないけど、まだ学生で。学ぶこともまだあるし、二人だけで生きていくには苦労する。

恋愛は、まだ、親に迷惑をかけない範囲でするべき立場なんだから。でも。

遠見結奈

はい、もう寝てもいいわよ。

狛野比奈

ん。結奈ねぇ。

遠見結奈

なに?

狛野比奈

大好き……。

遠見結奈

うん、私もよ。大好き、比奈。

比奈が好き。比奈も、私が好き。

比奈と一緒に、もっといろんな話をしたい、話を聞きたい。

比奈と一緒に、いろんなところに行ってみたい。

いろんなことをしてみたい。

そして、今は。こうして、同じベッド、同じ布団に入って。

遠見結奈

おやすみ。

狛野比奈

ん、おやすみ……。

一緒に眠りに落ちる。

これからずっと続く、二人の日々の次の朝を迎えるために。

手を、つないで。

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