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okujou_no_yurirei-san:1605

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阿野藤

おはよ~、結奈。どう? 今日は忘れ物、ない?

遠見結奈

あ、うん、平気よ。

そんな、ちょっと前とはまったく逆になってる阿野とのやりとりにも、なにも言い返す気力がない。

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もう、いろんなことが重なってきて、いくら考えてもまとまらない。

比奈への返事はもちろんだけど、それに加えて、恵から聞かされたお願い。

それに、どんどん心配してくれてるまわりの人のこととか。ああ、阿野もそうだ。今みたいに声をかけてきてくれる。

なんでも相談してほしいって言ってくれる。

でも、私はなんにも答えなんか出せなくて。

まだ、迷ってる。比奈のこと、好きなのかどうか。どんな好きなのか、好きだとしたら答えていいのか、まわりの人がどう思うか、それに対してどうするのか。

恵とサチさんに、協力するのか、断るのか。あんなこと、こんなこと、誰かに相談できるのか。いつまでも、心配かけてていいのか。いろいろ、いろいろ。

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阿野藤

ねぇ、結奈。

遠見結奈

ん、なに……?

阿野藤

もうすぐテストだけどさ。今回はどうする?いつもみたいに勉強会する?

遠見結奈

あ、そっか……。テスト、あったっけ……。

忘れていたわけじゃない。授業とかでも、テスト範囲の話とかされてるし。

うわ……、テスト、あるんだ……。

どうなるんだろう、私。こんな状態で、まともにテスト、乗り切れるのかな。

テストを受けてる間くらい、集中できるだろうけど、テスト勉強とか、ちゃんとできるのかな。

遠見結奈

そうね……。

阿野藤

結奈、調子悪いなら、今回はやめとく?

遠見結奈

え……。

ああ、ほんとに阿野に心配されてる。こういうイベント、すごい楽しみにする子なのに。

遠見結奈

ううん、やりましょ。比奈の勉強も心配だし。阿野は、いつならいい?

阿野藤

ん~、じゃ、今週末でいいんじゃない? 土曜日とか。

遠見結奈

土曜日ね、いいわ、それで。比奈も大丈夫だと思うし、伝えておくわね。

阿野藤

ほいほい。

遠見結奈

そうだ……、音七さんはどうする? 夏休み前のは来てたけど。今回は声、かける?

阿野藤

あ~、ねなはうみちゃんたち、いつものメンツでやるってさ。こないだ、そう言ってた。

遠見結奈

そうなんだ。じゃ、阿野と比奈の二人だけね。

阿野藤

おけおけ。結奈、今回も夕ご飯、作ってくれる?

遠見結奈

当たり前でしょ。

阿野藤

やた、勉強会のお楽しみなんだよね~。今回も期待してますよ~?

遠見結奈

はいはい。

勉強会、か。料理、なに作るか考えておかなきゃ。あと、比奈にも声をかけておいて……。

今週末、それまでに、答え、出たりするのかな……。それとも、まだ、悩み続けているのかな……。

阿野藤

お邪魔していい時間、決まったら教えてね?

遠見結奈

うん……。

阿野藤

結奈?

遠見結奈

あ、うん……。午後だったら、いつから来てくれてもいいわよ。

阿野藤

……うん。

阿野藤

ねぇ、結奈?

遠見結奈

……なに?

阿野藤

あ、あのさ……。あ、えーと、いいや、なんでもない。

遠見結奈

……そう。

なにを言おうとしたのかな……。気になるけど、それ以上に。

少し、会話が途切れると、また、頭の中、いろんなことが湧いてきて、回っちゃって。

どうしよう……、しばらく、テストのことに集中した方がいいのかな。でも、そうすると……。

比奈を、もっと待たせちゃうし……。

ほんとに、どこに頭を集中させていいかわからない。考えてるのに、ぼーっとしてる感じ。

そんな時。

「結奈ちゃーん! 遠見結奈ちゃん、いる?」

遠見結奈

え!?

教室中に響き渡る声で名前を呼ばれて、私は慌てて頭を上げて、声のした方を見る。ドアの方、網島先輩の姿。

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網島茉莉

あ、いたいた。

私の方を見た先輩が、教室の中に入ってくる。いきなり三年の先輩が教室に入ってくる、そんなクラス中の注目なんかものともしない感じで。

網島茉莉

や、結奈ちゃん、久しぶり。

遠見結奈

あ、はい。

網島茉莉

悪いんだけどさ、今日の昼休み、時間ある?

遠見結奈

え? だ、大丈夫ですけど。

網島茉莉

そう、よかった! それじゃさ、ちょっとうちの部室まで来てくれない?

遠見結奈

え? あ、はい……。

網島茉莉

悪いね! そんじゃ、またお昼に。待ってるからね!

そう言って。網島先輩、行きと同じような注目を浴びながら、教室を出て行ってしまった。あっという間。用件だけを告げて。

遠見結奈

な、なんだろ……。

網島先輩がいなくなってしまうと、当然、好奇心の視線は私に向かってくるんだけど、こっちもちょっと、どういうことなのかわからない。

阿野藤

さ、さぁ……?

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とにかく、昼休みになったら、陸上部の部室に行ってみよう。

もしかしたら、稲本先輩との間に、またトラブルがあったのかもしれない。

そうしたら、お手伝いしなきゃいけないのかな。サチさんとか、もう見たって言ってたから、もうしなくていいのかな。

いや、アフターフォローって必要かな。とにかく、なにかあったのなら、聞いてみないと。

お手伝いで忙しくなることだったらいいな。そうでなくても、料理当番みたいなことでもいい。

その方が、それだけに集中できるし……。

遠見結奈

(いや……、ちょっと待って、そうじゃない)

目を逸らしてどうするっていうのよ、今の自分のことから。

目の前の悩み事ほっぽって、先輩たちになにかあった方がいいとか考えるなんて……。

遠見結奈

(追い詰められすぎじゃないかしら、私……)

午前中の授業、身が入らないのをなんとか、乗り切って、お昼休み。

私は、陸上部の部室に急ぐ。急ぐ必要、ないと思うんだけど、早く呼び出された理由を知りたくて。

そのことを聞いて、早く比奈のことを考えたいから? それとも、比奈のことからちょっと頭を切り離したいから?

ああもう、どっちでもいい。

遠見結奈

……うわっ!

「……え? きゃ!」

あ、また、ぼーっとしてた。階段のところで曲がろうとして、ちょうどそこから出てきた人に気付かなくて。

慌てて、体をひねる。その人には、ぶつからずにすんだ。でも、私の体は、壁に。

遠見結奈

いた!

ちょっと、肩を打った。少し、痛いだけ。

相原美紀

ごめんなさい、大丈夫?

あ、相原先輩……。

私がぶつかりそうになったのは、相原先輩だった。

遠見結奈

あ、大丈夫です……。すみません、ちょっと急いでて……。

相原美紀

こちらこそ、ごめんなさい。平気? 怪我してない?

遠見結奈

ええ……。

相原美紀

あら……、あなた、遠見さん?

遠見結奈

あ、はい。

さすがに、憶えられてた。ちょっと気まずい。

前に一度、先輩の仕事を手伝った時、最後にいろいろひどいこと、言ってしまったから。

それ以来、ちょっと顔を合わせたことはあったけど、ちゃんと話したことはなかった。その時のことを、あやまることもできなかったわけで。

相原美紀

久しぶりね。

遠見結奈

え、ええ……。あ、その……。前は、すみませんでした……。

相原美紀

え?

遠見結奈

その、いろいろ失礼なこと、言っちゃって……。

相原美紀

……ああ。

今さら、あやまることでも、あやまるタイミングでもないと思ったんだけど。

でも、この場でなにも言わないで、あとで改めてあやまりにいくのも変だし。

相原美紀

気にしないでいいのよ。

遠見結奈

……でも。

相原美紀

いいの。遠見さんが言ってくれたこと、いろいろわたしにとっても考えさせられることだったから。

相原美紀

言ってくれてよかったって思ってるから。

そう言って、相原先輩、笑った。私の言ったことで、先輩がどういうふうに考えたんだろう。

そこまではわからないけど。その後、先輩と牧さんとの間のことは、ちょっとは知ってる。

学園祭前の牧さんのこととか、その時の先輩の言葉とか。

遠見結奈

………………。

相原美紀

……どうしたの?

遠見結奈

え……?

相原美紀

あの時も思ったんだけどね。遠見さんの顔、つらそうだなって。

相原美紀

あの時のわたしと、もしかして同じようなことで悩んだりしていたのかなって思ったの。

相原美紀

……今も、その時と変わらない顔してるなって思って。

遠見結奈

………………。

相原美紀

あ、ごめんなさい、変なこと言って。

遠見結奈

いえ……。

相原美紀

ちょっと、気になっちゃって。なにも知らないのに、余計なこと言ったかしら。ごめんなさいね?

遠見結奈

いえ、いいんです。ごめんなさい、失礼します。

そう言って、ちょっとだけ頭を下げる。

これ、前と同じかな。また、逃げ出してるみたい、相原先輩から。陸上部に行かなきゃいけないのは確かだけど。

相原美紀

………………。

ちょっとだけ後ろを振り返ると、先輩が私を、心配そうな顔で見てる。ちょっと、心が痛む。気持ちが、重くなる。

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牧聖苗

あ、美紀さーん!

私が下りる階段の下から、牧さんが登ってきた。相原先輩に声をかけながら、私とすれちがう。

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牧聖苗

道具、借りてきましたー! すいません、お待たせしちゃって!

相原美紀

いいのよ。さ、行きましょうか。

牧聖苗

すみません、わたしが頼まれた仕事なのに、手伝ってもらっちゃって。

相原美紀

ううん。今まで、聖苗がわたしのこと、手伝ってくれたんですもの。喜んでお手伝いさせてもらうわ。

そんな会話、聞きながら。

私は、もう少し足を速めて、陸上部の部室に向かった。

遠見結奈

えっと、失礼します……。

網島茉莉

お、来たね、結奈ちゃん。

稲本美夕

わざわざ、来てもらって悪いわね、結奈ちゃん。

陸上部の部室の中、網島先輩だけじゃなくて、稲本先輩までいる。他の部員の人はいないみたい。

比奈もいない。ちょっとほっとする。

遠見結奈

それで、あの……。

網島茉莉

あ、うん、ちょっと話があってね。さ、適当なとこ、座って。

遠見結奈

あ、はい。

薦められた通り、私は部室の中に入って、空いている椅子に腰を下ろす。話って、なんだろう。

稲本美夕

ごめんなさい、ほんとならこっちから出向く内容なんだけど、ここしかゆっくり話できるとこ、なくって。

網島茉莉

ほんとはさっさと話、したかったんだけどさ。国体とかあってね。

稲本美夕

それが終わったら、引退と、部長副部長の引継ぎがあってね。ちょっと遅くなってしまったの。

遠見結奈

はぁ……。

網島茉莉

お昼、まだでしょ? さっさとすませちゃうからさ。えーと……。

そう言って、網島先輩は一度、稲本先輩と目を合わせて。

網島茉莉

せーの……。

「「ごめんなさい!」」

同時にそう言って、頭を下げた。

遠見結奈

え、え……?

な、なんで? なんで先輩たちが私にあやまってるの? そんなことされる憶え、ないんだけど……。

遠見結奈

あ、あの……。

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網島茉莉

ほんと、ごめん。ご迷惑おかけしました。

稲本美夕

ごめんなさいね、結奈ちゃん。

遠見結奈

あの、なんで……?

網島茉莉

いや、学園祭の話。そのちょっと前からさ、あたしと美夕、ケンカしててね。

そ、それは知ってたけど……。

稲本美夕

そのケンカに、比奈を巻き込んじゃったでしょう? ずいぶん、振り回しちゃって。そのことをずっと、あやまろうと思ってたの。

遠見結奈

で、でも、なんで私に……。

網島茉莉

え? だって、結奈ちゃん、比奈の保護者でしょ?

遠見結奈

ほ、保護者ってわけじゃ……。

稲本美夕

あら、比奈のお姉さんだと思ってたけど。

遠見結奈

ま、まぁ、そんなとこもありますけど……。

稲本美夕

でしょう? だから、ちゃんと結奈ちゃんにもあやまっておきたかったの。私たちのケンカに巻き込んじゃったこと。

確かに、ちょっと巻き込まれてたけど、それは先輩たちの知らないとこでお手伝いをしてたから。

比奈については……、ちょっとハラハラしてたけど、それで直接迷惑とか受けたわけじゃないし。

網島茉莉

人様をケンカに巻き込むなんて、申し訳なくってさ。こっちの気がすむから、あやまらせてよ。

遠見結奈

は、はぁ……。

網島茉莉

まぁ、もう結奈ちゃんには言っちゃうけどさ。あたしと美夕、付き合ってるんだよね。もうずっと前からだけど。

稲本美夕

比奈からは聞いてない?

遠見結奈

あ、いえ……。比奈からはなにも……。

稲本美夕

そう? まぁ、そういうことなの。そのケンカに巻き込んじゃったから、悪いなって思ってて。

知ってましたとはいえないけど。さっきからちょっと呆然としっぱなしだったので、驚いたふりをする必要はなかったみたいで。

稲本美夕

あ、私と茉莉のこと、一応、秘密にしてるの。他の人には話さないでくれる?

遠見結奈

は、はい……。

網島茉莉

隠れてこそこそって、あんまり好きじゃないんだけどね。ずっと美夕と一緒にいたいんだ。この先、ずっとね。

稲本美夕

だから、二人とも自活できるようになるまでは、内緒にしておきたいの。

遠見結奈

は、はい。わかりました。

網島茉莉

ん、ありがと!

そうだったんだ。付き合ってることを秘密にしてるのは知ってたけど、理由までは知らなかった。

先のことまで、考えてのことだったんだ。自活できるようになるまで。それくらいにならないと、大変なのかな、女同士の恋愛って。

稲本美夕

よかった。これで、話したいことの半分は片付いたわ。

遠見結奈

半分?

網島茉莉

そ。もう一個、あってさ。結奈ちゃん。

遠見結奈

あ、はい。

網島茉莉

比奈からもう、告白された?

遠見結奈

……ええ!? な、なんでそれ……。

それを、網島先輩が知ってるの? 網島先輩が知ってるってことは、稲本先輩も知ってるってこと? 比奈、二人には話していたの?

稲本美夕

茉莉、ストレートに聞き過ぎよ。

稲本美夕

あ、比奈から聞いたわけじゃないの。別に比奈、なにも言ってないから、疑ってあげないで?

遠見結奈

あ、はい……。

それは、安心したけど……。それじゃ、なおさら先輩たちが知ってる理由がわからない。

網島茉莉

そっか、もう告白してたんだ。やっぱ比奈だね。行動が早いや。

遠見結奈

あ、あの、なんで……。

稲本美夕

カン、かな。比奈に好きな人ができたのはわかってたの。まぁ、誰かっていうのもね。

遠見結奈

カ、カン……。

網島茉莉

ま、こういうの、わかっちゃうんだよね。自分たちがそうだからかな? なんとなくね。

あ、侮れない……。そして、最初にあんなにびっくりしちゃったから、もうごまかすこともできない。

網島茉莉

結奈ちゃん、比奈から告白されてびっくりした?

遠見結奈

え、ええ……。

稲本美夕

もう返事はした?

遠見結奈

い、いえ、まだ……。

稲本美夕

みたいね。なんだか、ずいぶん、悩んでるみたい。

……どんどん、見抜かれていってる気がする。この人たち、ちょっと鋭すぎる……。

話のもう半分ってこのことだったんだ。

なにを言いたいんだろう、先輩たち。やっぱり、比奈と付き合うように言ってくるのかな。

稲本美夕

ちゃんと、考えてあげてね。話ってそのことなの。

遠見結奈

え?

網島茉莉

OKしちゃえって言いたいんだけどね。こればっかりは結奈ちゃんの気持ちだからね、どうこう言えないし。

網島茉莉

でも、ちゃんと考えて、比奈に返事してあげてほしいな。

稲本美夕

わざわざ言わなくてもよかったみたいだけど。でも、あまり思い詰めちゃダメよ。

遠見結奈

は、はい……。

ちがうみたい。ちゃんと考えて、か。うん、考えてる、いつも考えてるけど……。

思い詰めちゃダメ、か。でも、考えれば考えるほど、わからなくなる。どんなに考えても、出てこない、答え。

網島茉莉

あたしたちとしては、せっかく比奈が告白したんだからね。結奈ちゃんにはちゃんと比奈に答えてあげてほしいって思ってるんだ。

稲本美夕

どんな答えでもいいのよ。それで、比奈の気持ちに決着がつくならね。

稲本美夕

結奈ちゃんの答えがイエスでもノーでも、ちゃんと考えての答えなら、比奈はちゃんと受け止めてくれるわよ、きっと。

遠見結奈

で、でも……。

ノーって答えたらどうなるんだろう。比奈は傷つくのかな。

逆にイエスって答えたら? そうしたら、比奈と恋人同士ってことになる。でも……。

私、先輩たちみたいに、先のことなんて全然考えてない。この先、どんなことがあるかわからないのに。

ずっと一緒にいるためには、先輩たちが考えるみたいに強さがいるかもしれないのに。そういうことなのに。

遠見結奈

わ、私、なにも考えてないし……。先のこととか、全然……。

遠見結奈

一緒にいたら、比奈のこと、守れるかどうかもわからないのに……。

網島茉莉

………………。

稲本美夕

………………。

先輩たちは、ちょっとだけ、お互い、目を合わせた。

私、なにを言ってるんだろう。自分でもわからない。先輩たちもそう思ってるのかな。

不安になったけど……、先輩たちの言葉は、どこか優しくて。

稲本美夕

まぁ、不安になる気持ちはわかるわ、結奈ちゃん。

網島茉莉

でも、そんな時は比奈に頼っちゃいな。比奈、結奈ちゃんに守ってもらいっぱなしなほど、弱い子じゃないからさ。

稲本美夕

そうね、芯の強い子だと思うわ。ね、結奈ちゃん。

稲本美夕

不安なことばかり考えない方がいいわ。それで出てくる答えってマイナスにしかならないと思うもの。

網島茉莉

そうそう。それより、比奈を見てあげなよ。それで結奈ちゃんがどう思うかってことの方が大事だよ、きっと。

遠見結奈

……比奈を……。

網島茉莉

そ。ま、アドバイスできることってこのくらいだけどね。あとは結奈ちゃん次第!

稲本美夕

時間取らせて悪かったわね。どうしても言っておきたかったの。比奈のこと、心配だったから。

稲本美夕

でも、話せてよかったわ。結奈ちゃんもなんだか、大変みたいだし。私たちの言ったこと、少しは役に立てばいいんだけど。

網島茉莉

これって、老婆心って言うのかな?

稲本美夕

やめてよね。なんだか急に年寄りになった気がするし、押しつけがましくなるじゃない。

強い人たちだな、この人。そう思った。

つい、この間までケンカしてたのに。仲直りして、前よりも強く結びついたみたいで。ほんとは、私たちのお手伝いなんか必要なかった気もするくらい。

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先輩たちだけじゃない。他のみんなも。

私のしたこと、どれくらい役に立っていたんだろう。しっかりと、好きな人の手をとって、隣に立っている。

私と比奈も、あんなふうになれるのかな。もし、私の今の気持ちが、確かなものなら。

考えなきゃ、比奈への答えを。

比奈に伝えられる、ちゃんとした私の答えを。

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okujou_no_yurirei-san/1605.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)