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okujou_no_yurirei-san:1405

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合宿五日目。今日は日曜日。

私は昼ご飯まで用意してから、一度、家に帰ってきた。

もともとその予定で、合宿中、一日だけ家に帰って、洗濯とか着替えを取ってきたりとかするために。

夕ご飯の支度までには戻らないといけないから、家にいられるのは4時くらいまで。でも、やることすませたら、学校に戻ろう。

洗濯機を回したけど、乾燥が終わるまでは待ってられないかな。

テーブルにお母さんへのメモを残しておこう。乾燥が終わったら洗濯もの、取りこんでおいてほしいって。

学校に戻る時に、隣に寄って、比奈に頼まれた着替えを預かっていこう。あの子は学校に残って部活してるから。

自分の部屋で、持っていく着替えをまとめてきた後、メモを残すためにダイニングのテーブルに戻ってきたら。

遠見結奈

あ、暑中お見舞い。

今朝、届いたのかな? 私宛の分が、テーブルに上にまとめてあった。一番上は。

遠見結奈

阿野からだ。

去年までもらっていた暑中お見舞いを思い出して、ちょっと覚悟を決めてから、ひっくり返す。

遠見結奈

やっぱり……。

うちの両親も楽しみにしている、阿野からの暑中見舞い。いったいどこで、こういうの手に入れるんだろう。

きれいなことはきれいなんだけど、そこには、なんて言えばいいのかな、ピンクの髪の女の子のイラスト。

阿野は年賀状もこういうノリ。だから、両親もいつも、阿野からのハガキを見せろと言ってくるくらい。

「今年も大漁でしたー!」なんて書いてある。これ、きっと、コミケのことなんだろうな。あの子、コミケのために毎年、親戚の家に行ってるのかしら。

遠見結奈

まぁ、阿野らしいんだけど。

あと二通、これは中学時代の先生からの返事。それをまとめて、一度、部屋に戻って置いてくる。

さ、学校に戻ろう。その前にちょっとだけ。合宿対策本部への差し入れ、作っちゃおう。

一木羽美

遅くなりましたぁ……。

双野沙紗

あぁ、やっとご飯だ……。

三山音七

うぅ、眠い……。

一木羽美

ああもう、音七、起きて! ご飯だってば!

遠見結奈

あ、やっと来たの?

陸上部のみんなが夕ご飯を食べ始めてから、30分くらいたって、放送部の三人が食堂に入ってきた。

遠見結奈

よかった。なかなか来ないから、呼びに行こうと思ってたの。

一木羽美

ごめんごめん。

双野沙紗

羽美が悪いんだよ……。いつまでも台本、直し続けてんだからさ……。

一木羽美

だってぇ……。どうしても、ピッタリこなかったんだもん……。

三山音七

………………。

一木羽美

ちょっと音七、起きてる!? ご飯だよ!

三山音七

もういい……。ご飯いらない……。寝る……。

双野沙紗

食べてから寝ろってば!

三山音七

わかったよぅ~。

遠見結奈

……大変みたいね。

三人分のお茶碗にご飯をよそいながら、私は一木さんに声をかける。本来なら、ご飯をよそうのはセルフサービスでお願いしてるんだけど、さすがにつらそうだから。

一木羽美

うん、合宿始まってから、あんまりわたしら、寝てなくってね~。

遠見結奈

え? なんで?

一木羽美

いや、ラジオドラマの内容が決まらなくって。ああだこうだ言ってたら朝になってたりしてさぁ。

遠見結奈

……無茶するのね。

一木羽美

あはは……。でも、あとちょっとで台本もできるから、もう大丈夫~。

遠見結奈

せめて、ご飯はしっかり食べてね。もたないわよ?

一木羽美

うん、そうする。今日の夕ご飯、なに?

遠見結奈

豚の生姜焼き、ほうれん草のおひたし、冷や奴、千切り野菜のサラダ、お味噌汁、杏仁豆腐。定食風にしてみたの。

遠見結奈

生姜焼きの方は、大人気でおかわりがもうないんだけど。

一木羽美

うわぁ、うれしい。いいよ、わたしたち、陸上部の人たちほど食べないからさ。

双野沙紗

ほんと、食事には期待してなかったしな。遠見のおかげで助かった。ほら、音七、自分で食べないと口に無理矢理詰め込むよ。

三山音七

あいあい~。

ほんとに三人とも、疲れてるというか、消耗している。特に。

三山音七

あ~、う~。

音七さんの疲れ具合がひどいみたい。とりあえず自分でご飯、食べてるけど、今にも寝てしまいそう。って!

遠見結奈

音七さん! お味噌汁こぼしてる!

三山音七

え~? あ、あー……。

慌てて雑巾をつかんで駆け寄る。

遠見結奈

大丈夫? ほんとに寝てないの?

三山音七

んー……。

一木羽美

いや、さぁ。わたしと沙紗で台本作って演出決めてるんだけどね。

双野沙紗

音七は編集担当だからさ、別にあたしらに付き合って徹夜する必要ないんだけどさ。

一木羽美

ほら、わたしたち、放送室で合宿してるじゃない? わたしと沙紗がずっと起きて話してるから、音七、なかなか寝付けないみたいで。

双野沙紗

羽美の徹夜テンション、うるさいんだよな。

一木羽美

沙紗だっていきなり笑い出したりしてたじゃない!

双野沙紗

羽美がくだらないこと言うからだろ!

遠見結奈

はいはい、それで音七さんもあまり寝てないわけね。

音七さん、半分寝ながらご飯食べてる。器用だとは思うけど、音七さんだけに、睡眠時間が少ないのって、相当つらいんだろうな。

遠見結奈

ねぇ、音七さん。

三山音七

ん~……?

遠見結奈

あのね、私の泊まってる部屋って、私しか使ってないの。もう一人くらいなら余裕で布団敷けるから、放送室で寝づらいなら、こっちにくる?

三山音七

ふぇ?

遠見結奈

一木さんと双野さんが遅くまで起きてる時とか、私のとこで寝ていいから。

三山音七

あ、あー……、いいの~?

遠見結奈

私は別にかまわないから。お布団だけ、持ってきてくれればいいわ。

三山音七

あー、それはもしかすると、すごく助かるかも~。

一木羽美

あー、遠見ちゃん、ごめんね? 今日の夜には、なんとか終わらせるからさ。

遠見結奈

二人もちゃんと寝た方がいいと思うんだけどね。

双野沙紗

わかってるんだけど、なんでか夜中って変なアイデアが出てくるんだよな。

遠見結奈

そういうものなの?

一木羽美

あるんだよねー、そういうの。

双野沙紗

まぁ、たいてい、後から見直すと、わけわかんなくて使えないんだけどさ。

遠見結奈

それじゃ、意味ないじゃない……。

合宿所の使わせてもらってる部屋に戻って、しばらくたってから。

扉が小さな音でノックされた後、音七さんがふらふらと入ってきた。

三山音七

こんばんは~、お邪魔するよ~。

夕ご飯の時、私からした提案を受けて、今日はこっちで寝るつもりみたい。

ほんとに睡眠時間をとれてなかったみたい。今にもその場で倒れて寝てしまいそうなほど、目をこすって、声も眠そう。

遠見結奈

あ、いらっしゃい。布団、持ってきた?

三山音七

ん、持ってきた。

遠見結奈

……掛け布団だけ?

三山音七

敷き布団、重たかったから、これだけでいい~……。

遠見結奈

ちょっと待って。座布団出してあげるから、せめてそれを敷き布団がわりにして。

三山音七

あ~、ありがと。ほんと助かる~。

座布団を並べて敷いてあげると、音七さんはすぐにそこに倒れ込んだ。

三山音七

ほんとはさ~、夏合宿中はラジオドラマの内容決めて、台本作るだけでさ~。

遠見結奈

うん。

三山音七

演劇部にお願いする収録と編集は、9月に入ってからやるんだよ~。

遠見結奈

そうなの。

三山音七

つまり、あたしはほんとは、合宿、参加しなくてもよかったんだけどね~。

三山音七

まぁ、羽美は当然、一緒に合宿しようって言ってくるわけでさ。

遠見結奈

ああ……。まぁ、一木さんなら、そう言うのかもね。

三山音七

まぁ、あたしも一緒に合宿するのはいいんだよ。同じ放送部なんだしさ。でも……。

三山音七

こんなに眠れないとは思わなかったさぁ……。

遠見結奈

そ、そう。

三山音七

二人っきりにしてあげたいからとか、そんなのもうどうでもいい……。あたしゃ、寝る……。寝させて……。

遠見結奈

はいはい、今日はぐっすり寝ていってね。って……。

三山音七

くぅ……、すぅ……。

遠見結奈

うわ、すごい……。もう熟睡してるみたい。

相当無理してたんだろうな。並べた座布団の上に倒れ込んだまま、音七さんは寝息を立てている。

私は、彼女の掛け布団を直してあげてから、自分の布団を敷く。

ちょっと消灯時間には早いけど、今日は私も寝てしまおう。明かりを消してあげた方が、音七さん、よく眠れると思うから。

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okujou_no_yurirei-san/1405.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)