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okujou_no_yurirei-san:1307

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お手洗いをすませて戻ってくると、部屋には誰もいなくて。

窓が開いていたから、ベランダをのぞいてみると、そこに三山さんがいた。手すりにもたれかかって、眠そうな顔。

三山音七

あ、遠見さん。

遠見結奈

休憩中? 阿野と比奈は?

三山音七

ん~、ちょっとひと休み。阿野と比奈ちゃんは、飲み物買いに行ったよ~。

そうだったんだ。もう遅いから、外、歩いてほしくないんだけど……、二人ならいいか。

遠見結奈

言ってくれれば、買っておいたの、冷蔵庫から持ってきたのに。

三山音七

なんか、阿野が飲みたいのがあるんだって。買っておいたのに、家に忘れてきたって言ってた。

遠見結奈

阿野らしいわね……。

やっぱり、忘れ物はしてくるんだ、あの子は。

今日は、夏休み前テストのための勉強会。阿野と比奈、いつもの二人に加えて、三山さんも参加している。

場所は私の家。両親にはOKをもらってあるし、お父さんは今日も遅くなるって言ってた。お母さんは夜勤だから、気兼ねしなくていい。

お昼過ぎから集まって、夕ご飯をご馳走してあげて。そのあと、しばらくはまじめに勉強してたんだけど……、そろそろ息抜きしたくなるとこだったかな。

遠見結奈

三山さん、眠い? お布団しいてあげるから、先に寝てもいいよ?

三山音七

ん~、眠いけど、もうちょっと大丈夫かな。

遠見結奈

そう。

いつも眠そうな印象のある三山さん。でも、さすがに今日は飛び入り参加しただけあって、ちゃんと勉強につきあってくれた。

国語は苦手みたいだけど、理系はけっこうできるみたい。私にはさっぱりなところも、阿野と話しながら進めていた。

三山音七

遠見さん、いきなりお邪魔してごめんね~。

遠見結奈

え? ううん、それはいいんだけど。

三山音七

晩ご飯までごちそうになっちゃってさ~。あれ、遠見さんが作ったの? すごくおいしかったよ~。

遠見結奈

そう? ありがとう。でも、いつもやってることだから。

三山音七

いや、ほんとおいしかったよ~。

よかった。三山さんの好き嫌いとかわからなかったから、ちょっと不安だったんだけど。

三山音七

あたしらもね~、テストの前ってこういうこと、やってんだけどね~。

あたしらってことは、一木さん、双野さんのことかな。

遠見結奈

そうだったの? そっちには行かなくてよかったの?

三山音七

さすがに今回はね~。ちょっとパス。

遠見結奈

えっと、それは、その……、前に言ってた、一木さんと双野さんを二人にしてあげるため?

三山音七

ん~、それもあるし、そのつもりだったんだけどね~。

三山音七

もう、ここんとこ、それどころじゃなくってさぁ~。

そう言って、三山さん、ぐったりと手すりにもたれかかった。

三山音七

最近、羽美がちょっとひどくてさぁ。こないだのこともそうだけどさ。

こないだ。多分、私たちのところに来てた時、呼び出し放送がかかったこととかだろう。

三山音七

どうも、羽美、かんちがいしてるみたいなんだよね~。

三山音七

沙紗と羽美がくっついたせいで、あたしがさみしがってるんじゃないかって思ってるみたいでさぁ。

三山音七

それで羽美、いつにもましてかまってくるんだよ~。も~、たまんなくてさぁ。

遠見結奈

そう、なんだ……。

三山音七

沙紗も沙紗で、おんなじこと考えてるのか、羽美のこと、止めないしね~。

そうだったんだ。双野さんがちゃんと告白できたみたいで、一木さんも悪く思ってないみたいだから、もうあの二人は大丈夫と思っていたんだけど……。

三山さんを絡めて問題が起こってたなんて、気付かなかった……。

三山音七

も~、あたしゃ羽美と沙紗がどうなったって、なんとも思ってないのにさぁ~。

三山音七

それでさびしいと思うくらいだったら、最初っから気ぃ遣ったりしないってのに。

三山音七

どうすりゃいいんだか、もぅ。落ち着いて寝れやしない。

三山音七

まぁ、遠見さんにこんなこと、言っても仕方ないけどさぁ。ごめんよ、グチなんだ。

遠見結奈

あ、ううん、別に私は気にしてないから……。

三山音七

遠見さんにはうっかり話しちゃったからさぁ、つい、出ちゃったよ。

遠見結奈

そう、ね……。

なんだかんだ言っても、三山さん、一木さんと双野さんのこと、気にしているんだな。

気になって眠れないってきっと、三山さんにとって、すごい重要な問題ってことなんだろうし。

遠見結奈

ねぇ、三山さん。

こういうのも、お手伝い、かな。そう思った。三山さん、ちょっとほっとけなくって。

遠見結奈

その、三山さんがそう思ってるって、一木さんと双野さんに伝えてる?

三山音七

ん~、なんにも言ってないよ。

遠見結奈

言った方がいいと、思うな。三山さんが言ってくれないから、二人も心配すると思うんだし……。

言わなきゃ、言ってくれなきゃ、わからないんだから。誰が、どう思っているかなんて。

言ってくれれば、変えられるかもしれないんだから。変えられたかも、しれないんだから。

三山音七

そういうもんかなぁ……。

遠見結奈

ごめん、三山さんたちのこと、よくわからないのに、勝手なこと言って。

三山音七

ん~、いや、いいよ。そうかもしんないしね~。

三山音七

うん……、羽美にちゃんと言わなきゃかなぁ……。

三山音七

こんなの、あたしのキャラじゃないんだけどなぁ。仕方ないなぁ……。

三山音七

うん、まぁ、ありがと、遠見さん。なんか気ぃ楽になったよ~。

遠見結奈

そう。よかった。

三山音七

ごめんよ、遠見さんってもっと突っ放した人だと思ってたよ。そんな雰囲気だって思ってた。

遠見結奈

そ、そう? まぁ、あまり間違ってないと思うけど……。

三山音七

けっこう、面倒見よくて話しやすい人だったんだねぇ。まぁ、あの阿野に付き合ってるんだから、そうなるよねぇ。

遠見結奈

え、ええ……。まぁ、阿野はああいう子だから……。

三山音七

あれに付き合えるんだから、そうとう辛抱強くなくちゃだねぇ。ふあああああ……。なんか、気ぃ抜けてきちゃったよ。眠い。

遠見結奈

もう寝る? お布団、用意しようか?

三山音七

ん~、阿野たちが帰ってきたら、もうちょっとだけがんばるよ。でも、そしたら寝る。

遠見結奈

わかったわ。

結局、三山さんは、そのあと1時間ももたなかったんだけど。

布団に入ってぐっすり眠る三山さんを見て、ちょっとほっとした。

さっき話したことがお手伝いなのかどうか、よくわからないけど。

あれで三山さんが、ちゃんと一木さんたちと話、してくれたらいいなと思って。

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okujou_no_yurirei-san/1307.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)