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okujou_no_yurirei-san:1303

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阿野藤

だからさ、百合イコール同性愛ってわけじゃないと思うんだよねぇ~。

放課後の教室。特に差し迫ったお手伝いも今日はなさそう。

牧さんと相原さんはいつも通り。ちょくちょく様子を見てるけど、確かに少し、二人がよそよそしいかなって思えるけど、理由はわからなくて。

剣峰さんの作戦の方は、なかなか機会が訪れなくて。

そういうわけでちょっと暇だった私は、阿野と二人で教室に残って、特になんでもない話をしていた。はずなんだけど。

なんで今、私、阿野から百合について講義を受けているんだろう。

最初はなんの話をしてたっけ? 今日の授業のこと? 今度の夏休み前のテスト対策の勉強会やるかどうかだっけ?

阿野藤

仲のいい女の子同士が手をつないで歩いていたって、それは立派に百合になると思うんだ~。

阿野藤

あたしたちのギョーカイでは、百合とレズの間には、深くて暗い川があったりするのです。もちろん、どっちもいけちゃう人もいますが。

遠見結奈

そ、そう……。

それがなんで、こんな話になったのかな。もう思い出せないし、うん、どうでもいい。

そして、阿野の今の話も……、どうでもいいというには、最近、関わることが多いんだけど。

阿野藤

もちろん、百合はフィクションです! フィクションだからおもしろいんです!

最近の私はノンフィクションで困ってるんだけど。

阿野藤

まぁ、妄想遊びだよ。結奈もよくやるでしょ?

遠見結奈

やらない……、と思う。

阿野藤

え~、ちょっと考えてみようよ。あ、例えばさ。

阿野藤

あたしと比奈ちゃんだったら、どっちが好み?そういうとこからちょっと考えてみて?

遠見結奈

はぁ? う、うーん……。

<01>あたしと比奈ちゃん、どっちが好み?

<01>阿野の方かな?

<01>比奈の方かな?

遠見結奈

阿野の方かな?

阿野藤

きゃ~、やめて~。でもでも、どこが?

遠見結奈

なんの遠慮もしなくてよさそうだから。

阿野藤

え? それって好みとかそういう問題?

遠見結奈

なんでも言えるでしょ。気になったところをどんどん言えるし。

阿野藤

おおお。結奈ってば実はタチなの?

遠見結奈

なにそれ?

阿野藤

女の子同士のカップリングの時、攻めはタチ、受けはネコって言うんだよ~。

遠見結奈

攻め? 受け?

阿野藤

そこからか! えーと、男役が攻め、女役が受けってことだよ。

遠見結奈

つまり、私って男役なわけ?

阿野藤

結奈ってかっこいいからね~。

遠見結奈

……わけがわからないわ。

遠見結奈

比奈の方かな?

阿野藤

王道だね! 結奈と比奈ちゃんって、ほんとお似合いだもんね!

遠見結奈

お似合いかどうかわからないけど、小さいころから一緒にいるもの。

遠見結奈

一緒にいるの、苦にならないし。

阿野藤

時間が作った愛だねぇ。

遠見結奈

愛って……。そういうのじゃないわよ。

阿野藤

で、どっちがタチなのかな? ネコなのかな?王道なら結奈がタチ? でも、リバもありだよね?

遠見結奈

ごめん、阿野がなにを言ってるかよくわからない。

阿野藤

あ、ごめん~。リバはさすがに専門用語だよねぇ。

遠見結奈

その前からわからない。

阿野藤

ああっ! そんなオタクを見るような目で見ないでぇ!

阿野とそんな、よくわからないこと、話していた時だった。

教室の扉が開いて、そこから三山さんがひょこっと顔を出した。

三山音七

阿野、いる~?

阿野藤

あ、ねなだぁ。いるよぉ、どうしたの~?

三山音七

ちょっとかくまっとくれよ~。困ってるんだよ~。

阿野藤

ほうほう、どうしたのかね?

三山音七

羽美が追ってくるんだよ~。

一木さんが? 三山さんを?

三山音七

もう、うるさくってぇ……。ゆっくり寝られないんだ。ちょっとここで寝てていい?

阿野藤

いいよいいよ~。この席使って~。

遠見結奈

阿野、そこ、私の席……。

阿野藤

いいじゃんいいじゃん。

遠見結奈

まぁ、いいんだけど……。

三山音七

ごめんよ~。そんじゃ、ちょっとおやすみ~。

そう言うと、三山さんは席を譲った私の椅子に座り、机の上にぺたっと突っ伏した。

席を取られた私は仕方なく、もう帰ってしまった隣の子の椅子に座る。

三山音七

遠見さん、ごめんよ~。

遠見結奈

あ、いいの、気にしなくて。

三山音七

羽美がね、ちょっとね……。

三山さん、つぶやくようなちょっと小さい声。

三山音七

あたしとしては、今は沙紗のこと、気にしてあげればいいと思ってんだけどさぁ……。

遠見結奈

う、うん……。

阿野に聞かれないかなってちょっと心配したけど、阿野は自分のカバン、なにかかき回している最中。

三山音七

それで、ちょっと席を外すこと、多くしてんだけどね、あたし。

遠見結奈

そう……。

6月の雨の日、双野さんと一木さんを二人っきりにして帰らせようとした日。

その時に知った。双野さんの気持ちに、三山さんも気付いていたこと。それを私に教えてくれた。

だから今も、こういうこと、話してくれたんだろう。

三山音七

なんでか、羽美が急にムキになって三人一緒にいるように追っかけてくるんだよね~。

三山音七

おかげで、ゆっくり寝られやしなくってさぁ……。ふぁぁ……。

小さな欠伸をして、三山さん、机の上、くたっと突っ伏す。この様子だと、ほんとに閉口しているのがわかる。

私の席、使われちゃってるけど、特に困ることもないし。

そう思っていた時、校内連絡放送を告げるチャイムがスピーカーから鳴った。

『お呼び出しいたします』

あれ、これって一木さんの声?

『二年B組の三山音七さん、二年B組の三山音七さん、今すぐ放送室までお越しください』

『繰り返します。二年B組の三山音七さん、二年B組の三山音七さん……』

三山音七

うええええ~……。校内放送まで使う~?

呼び出されたのは三山さん。たぶん、いやきっと、呼び出しているのは一木さんたち。

私も三山さんと同感だった。うわ、放送で呼び出しまでするんだ。

遠見結奈

三山さん……、どうするの?

三山音七

うーん……、かなり本気で捜してるなぁ……。

三山音七

ここに隠れてても、見つかっちゃいそう。しかたない、逃げるかぁ……。

遠見結奈

そ、そう……。

阿野藤

すごいねぇ、ねな、指名手配犯だよ~。どんな悪いことやったの?

三山音七

なにもしてないよ~。部活サボってる以外……。

それは十分、呼び出されることだと思うんだけど。

三山音七

はぁ……、それじゃ、お邪魔しましたぁ。

阿野藤

がんばってね~。

三山音七

ん~……。

そう言って三山さんはふらふらと教室を出て行った。

阿野藤

ねなも大変だね~。

遠見結奈

そ、そうね……。

大丈夫なのかしら、あの三人……。

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okujou_no_yurirei-san/1303.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)