User Tools

Site Tools


okujou_no_yurirei-san:1105

Place translations on the >s

テストも無事に終わって。まぁ、上出来の範囲。ひどい点数でもないだろうって出来でちょっと安心した。

最後の科目が終わって、ホームルームも終わり。やっといつもの学校に戻った感じ。比奈も今日から早速、部活で走ってくるって言ってた。

そして、私はあの連休明けから日常に加わってしまった、お手伝いに精を出していた。

遠見結奈

これで、だいたいいいかな。

榎木サチ

ええ、十分だと思うわ。結奈さん、お疲れ様。

遠見結奈

どうも。

この場所の掃除と整頓の最後の仕上げ。掃除というにはまだまだ汚いとこばかりだけど、あとは計画通り、牧さんたちにやってもらおう。

しかし、一人でやるのはちょっと疲れたな。荷物を動かすのとか、特に。

他の人と一緒だと、いちいち指示を出さないといけない、それがない分、気が楽ではあったけど。

一緒に掃除をする人はいなかったけど、一人ではなかった。ここの掃除中はいつも、サチさんが一緒にいてくれた。

もちろん、サチさんは幽霊だから、手伝ってくれるわけじゃないけど。ここに近づいてくる人がいないかどうかの見張りをしてくれて。

榎木サチ

これで、あとは牧さんにここを見つけてもらうだけね。

遠見結奈

ええ。

サチさん、声が弾んでる。牧さんたちがゆっくりできる場所を提供できるのが、やっぱりうれしいみたい。

私としては、掃除をしたりない気はするけど、やりすぎてもダメだし、まぁ、仕事の出来映えには満足していた。

その時。

窓に、その外側から、恵のあの血文字が浮かんできた。

「牧ちゃんがそっちに行ってるよ!」

鏡文字になってるじゃない。まぁ、読めるけど。

榎木サチ

あら。

遠見結奈

いいタイミングかな。私、ここから離れますね。

榎木サチ

ええ。あとはまかせてね。うまく、牧ちゃんをここに案内してあげるわ。

遠見結奈

お願いします。

うん、牧さんがここに来るかもって予想はしていた。この学校で秘密の場所を探すなら、この奥校舎を見逃すわけないし。

あとはサチさんにまかせよう。私は、資料室を出た。床のホコリに気をつけて。

階段を下りて、渡り廊下へと向かうその途中。

牧聖苗

………………。

牧さんとすれちがった。きょろきょろとまわりを見回しながら、歩いてる。私には特に注意も払わずに。当たり前か、牧さんは私のこと、知らないんだし。

永谷恵

あ、結奈!

奥校舎から外に出たら、恵が近寄ってきた。ああもう、さっそくにらみつけてきてる。

永谷恵

どう? ちゃんと掃除は終わったんでしょうね?

遠見結奈

大丈夫よ。

もう、あそこの掃除をする前から、恵の機嫌が悪くて仕方がない。

永谷恵

もー、掃除なんて一人でやりなさいよ! なんでサチさんを連れていくのよ!

遠見結奈

掃除なら一人でやったわよ。

サチさん、手伝いできないし。

遠見結奈

サチさんは勝手についてきてるの。

永谷恵

なによ、その言い方! サチさんに見守られて掃除ができるなんて、幸せでしょ! 感謝しなさいよ!

遠見結奈

どうしろって言うのよ……。

自分が奥校舎に入れないものだから……。掃除中、私とサチさんに置いてかれてるのがむかついてしょうがないらしい。

知らないわよ、そんなの。

永谷恵

ちゃんとうまく行くんでしょうね? うまくいかなかったら許さないんだから!

遠見結奈

大丈夫でしょ。あとはサチさんが牧さんをちゃんと誘導してくれれば。

永谷恵

あら、サチさんが失敗するわけないじゃない。なに言ってるの、あんた。

遠見結奈

恵がうまくいくかどうか、気にしてたんでしょう!

永谷恵

あんたが掃除を失敗してなければ、サチさんが成功するのは間違いないってことなの。

遠見結奈

はぁ……。

ため息をついて、恵を見る。

白いセーラー服の幽霊の女の子。

こないだの勉強会の日、サチさんのことをちょっと知った。生きていたサチさんの話。

この子は、どうだったんだろう。どんなふうに、ここで過ごしていたんだろう。

永谷恵

なによ、にらんできて。

遠見結奈

にらんでないわよ。

もう、なんでこう、私につっかかってくるのかな。まぁ、サチさんが私のこと、よく気にしてくれるから、嫉妬してるんだろうけど。

それが丸わかりだから、あきれることはあっても、なんか憎めない。鬱陶しいけど。そして。

恵のサチさんへの想いの強さに、時々、驚かされる。隠さない好意、そして、私への敵意。この子、こんなにもサチさんが好きなんだって。

ほんと、どこまでも真っ直ぐで。誰かが好きってこういうことなのかな。恵が特別な気もするけど。

永谷恵

あ、サチさーん!

恵の声に奥校舎の方を見れば、サチさんがこっちに来るところだった。

永谷恵

どうでしたぁ?

榎木サチ

ええ、ちゃんと案内してきてあげたわ。どうやら気に入ってくれたみたい。

永谷恵

やったぁ!

榎木サチ

あの場所で、牧ちゃんと美紀ちゃん、いろんなお話ができるといいわね。

永谷恵

はい!

榎木サチ

これで、作戦終了ね、結奈さん。

遠見結奈

ええ、そうですね。

榎木サチ

お疲れ様。

遠見結奈

どうも。

ああ、また恵がにらんでる。

榎木サチ

さ、一度、屋上に行きましょうか。少しだけ、今後のこと、話しましょう。

永谷恵

はぁい!

そう言ってふわふわと幽霊……、いや、百合霊の二人が屋上向かって、ふわふわと飛んでいく。

私は、二人についていくことはできないから、校舎へと向かう。

5月は今日まで。明日から6月。

いろんなことがありすぎた5月だった。あの二人に付き合ってたら、きっと6月もこんな感じなんだろうな。

ちょっと騒がしくて鬱陶しい二人の話を聞きながらのお弁当、放課後とかに不意に起こるアクシデント、走り回ったり、掃除をしたり。

それで知り合った人の意外な顔を見たり。そんな5月だった。

grpo

grpo_ef

grpo_bu0

grpo_bu0

grpo_bu0

grpo_bu0

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

grpo_bu2

grpo_bu1

grpo_bu0

okujou_no_yurirei-san/1105.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)