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okujou_no_yurirei-san:1104

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今日から試験準備週間に入った。

テストが終わるまで、原則、部活動、委員会活動は禁止になる。特別な理由がない限り、授業が終わったら学校に残ることはできない。

まぁ、図書室や教室で自習したりは黙認されるので、6時くらいまでは学校に残ったりはできるんだけど。遊んでたりしてるのが先生に見つかると注意されるくらい。

永谷恵

今日から試験準備週間なのね。

遠見結奈

あ、恵。どうしたの? なにか用?

永谷恵

ううん、別に~。

用もないのに教室に来るなんて珍しい。暇な時はいつもサチさんと一緒にいるんじゃないの? ちがうのかな?

永谷恵

大変ねぇ、テストなんて。

遠見結奈

大変でもなんでも、学校なんだから仕方ないでしょ。

永谷恵

わたしには試験なんてないも~ん。みんな、この時期になると急に勉強しだすのよね、見てておもしろくて。

遠見結奈

別に、この時期しか勉強してないわけじゃないわよ。みんながそうかは別として。

永谷恵

気楽でいいわよ~、幽霊は。試験もなんにもない!

一応、知ってるんだ、鬼太郎。本物の幽霊に言われると、説得力あるな。

永谷恵

あんたはちゃんと勉強しているの?

遠見結奈

してるわ、一応、ちゃんと。一夜漬けに頼らなくていいくらいは。

永谷恵

そんな感じね。つまんない子。

遠見結奈

悪かったわね。

そんな評価、聞き飽きた。いいじゃない、これで。成績はそんなに悪くないんだし。

永谷恵

あんたって、要領よさそうだけど、つまづいて転ぶと起き上がるのに時間かかりそう。

遠見結奈

! ……すっごい、余計な、お世話。

永谷恵

やだ、こわ~い。

……もう、相手にするの疲れるな、この子。

永谷恵

サチさんが今日からは勉強がんばりなさいってさ。

永谷恵

それを伝言しに来たの。

ああ、そう。もとからそのつもり。この前、サチさん自身からもそう聞いたし。

遠見結奈

わかったわ。テスト終わるまで、お手伝いは中断ね。

永谷恵

そういうこと。あ~、久しぶりにお邪魔虫なしにサチさんと二人っきり!

お邪魔虫って私のことよね? そっちから巻き込んだくせに……。

……まぁ、勉強もあるから、お手伝いなしってのは助かるかな。どうせみんなテストがあるから、なにか起こることもないだろうし。

昨日、牧さんに提供する場所の掃除と整頓をした。意外と順調に片付いたから、あとはもう二回くらい、時間がとれれば大丈夫。

テストが終わるまでに、なんとか時間を作ってもう一回、テストが終わった日に仕上げておしまい、だろう。

放送部の双野さんと一木さんについては……、双野さんがなにか行動を起こすまで見守るって決めてあるし。

問題ないかな。

遠見結奈

それじゃ、私、そろそろ帰るわよ。

今日、水曜はスーパーちゅー丸の特売日。絶対に見逃せない。朝、チラシもちゃんとチェックしてきた。

それに、もう一つ、今日は阿野がお泊まりで、比奈と一緒にお泊まりの勉強会。なんとかして、二人をちゃんと教科書に向かわせないといけない。

忙しくなりそう。比奈と阿野にご馳走する夕飯も、ちょっと手をかけてあげたいし。

永谷恵

それじゃ、わたしもサチさんのところに帰ろっと。

そう言って、恵が教室の天井に消えていく。便利だなぁ。

狛野比奈

結奈ねぇ、おまたせ。

入れ替わりに、比奈が教室に入ってきた。陸上部のクラスメイトに、お辞儀なんかして、私の机のそばまで来る。

遠見結奈

もう帰れる?

狛野比奈

ん。

遠見結奈

そう。それじゃ、阿野を起こして帰りましょ。帰りにちゅー丸に寄るからね?

狛野比奈

ん。

遠見結奈

阿野、起きて。比奈来たから、帰るわよ。

阿野藤

んあ~。

机に突っ伏して寝ていた阿野を起こす。また寝不足なのかな、この子。これで今日の勉強会、大丈夫なのかしら。

デザートの手作りパンナコッタを私の部屋に持ち込んで、勉強会を始める。

パンナコッタはブルーベリーとイチゴの二色ソース。パンナコッタ自体の甘さはちょっと控えめに。

ちょっとカロリーが気になるけど、勉強には糖分が必要だし、いいよね。

私もこのところはよく動いてるし、比奈は陸上部。阿野は……、ちょっとは腹についてしまえ。

狛野比奈

結奈ねぇ、ここ。

遠見結奈

はいはい。あれ? さっきまで英語やってなかった?

狛野比奈

ちょっと飽きた。だから、数学に変えた。

遠見結奈

もう……、それで頭に入ってるのかしら……。

そう言いつつ、比奈が指している問題集のページに目を落とす。

遠見結奈

うわ、ちょっとすぐにわかんない。阿野、ごめん、ちょっと見てあげてくれない?

阿野藤

ほいほい~。

日頃からそれなりにまじめに、予習と復習はやっている。でも、どうしても得意不得意はできてしまう。

文系は、まぁ平気だけど、理系はちょっと苦手。

阿野は逆に理系の方が得意だから、こうして勉強会の時は、お互いの得意科目のノートを見せ合って、わからないところを教えあっている。

比奈は、私の勉強方法を見習ってくれてるのか、日頃からコツコツやってくれているみたいだけど……。

陸上部で毎日、練習をしているせいか、あまり夜は強くなく、どうしても机に向かっている時間が減っているみたいで。

城女に入学して最初のテストくらい、そこそこの点数とらせて、おじさんおばさんを安心させてあげたいんだけど。

まぁ、あまり比奈の成績には過度に期待してないみたいだけど。元気がいいって教育方針だし。

でも、だからこそ。試験準備週間くらいは、ちゃんと見てあげたい。

阿野藤

そう言えばひなちゃん、こないだは大人気みたいだったね~。

狛野比奈

ん~。

見てあげたいんだけどなぁ。早速脱線してそう。

阿野藤

みんなかわいいって言ってたよ?

ああ、こないだ、お弁当箱返しに、私の教室に来た時のことかな。

阿野藤

なんか、ちっちゃくてかわいくて、なでようとするといきなり噛みついてきそうだって。凶暴カワイイってさ。おねえさん、鼻が高いな~。

狛野比奈

ん~……。

ちょっとほめてるの、それ。

阿野藤

また、遊びにおいでよ。きっとみんな、またおかずわけてくれるから。

狛野比奈

ん。

比奈もごはんにつられるんじゃありませんってば。

狛野比奈

アノちゃんも、うちのクラスで話題に、なってた。

阿野藤

おお、マジデスカ! どんなどんな~?

狛野比奈

お姫様みたいで、おっぱい大きい先輩だって。

阿野藤

きゃ~、はずかしー!

ねぇ、ちゃんと勉強してる? そろそろ注意しようかと思ったけど、阿野のペンは比奈のノートになにか書き込んでるし。

阿野藤

他は? なんてなんて?

狛野比奈

んー……、あとは、最近、学校の怪談が流行ってる。

阿野藤

あれ? あたしの話題は?

狛野比奈

もうない。

阿野藤

あれれ~?

……学校の怪談か……。

阿野藤

まぁ、そういう話題ってもう定番中の鉄板だよね。ね、結奈?

遠見結奈

え? あ、ああ、そうね。うちの学校、古いからそういうのいっぱいありそうだしね。

阿野藤

そうそう。お化けの一人や二人、いるよね~。

遠見結奈

え、ええ……。

確かにいるわね、屋上に二人。実物を見た私としては、今さら怪談で怖がったりもできない。

阿野藤

でも、怖いお化けばっかりじゃないかもね~。

狛野比奈

ん?

阿野藤

すっごいかっこいい人もいたんだよ、この学校。すっごい昔の人なんだけどね。せんそー前の学生さんなんだけどさ。

阿野藤

屋上から落っこちそうになった友達を、我が身を投げ出して助けた人がいたんだって。もちろん、その人は死んじゃったんだけど。

阿野藤

とつじょ! 崩れ落ちる屋上のフェンス! 宙に身を投げ出される親友! それを見た彼女は、ただ、反射的に駆けだした!

阿野藤

自分がどうなるかなんて考えなかった! ただ、親友を救いたかったのだ! 落ちかけた親友の手をつかみ、引き寄せる!

阿野藤

なんとか、親友を屋上に引き戻すことに成功した、しかし、その代償に……。

阿野藤

彼女自身が身を投げることとなったのだ。ゆっくりと、彼女に地面が近づいてくる……。

阿野藤

最後に彼女が見た光景は、屋上から自分を見下ろす親友の顔なのであった。ああ、親友が無事でよかった……。

阿野藤

なんてね。以上、脚色は阿野藤でお送りしました。

狛野比奈

おお~。

阿野藤

そして、彼女のその勇気と献身を讃え、その死を悼んで植えられたのが、星館校舎の横の榎の木なのでした。

え……。

阿野藤

ここ、ほんとみたい。榎、植えてあるしね。

それって……。

サチさんのことかな……。きっと、そんな気がする。

阿野の話がどこまで本当かわからないけど、サチさん、自分は事故で死んだって言ってた。

遠見結奈

ね、阿野……、その屋上ってどこ?

阿野藤

え? 星館校舎でしょ?

遠見結奈

星館って新しく建てられた校舎でしょ? 戦前だったらなかったんじゃないの?

阿野藤

建て替えたんでしょ? 昔の星館校舎じゃない?

遠見結奈

あ、そ、そうか……。

きっと、サチさんのことなんだろう。あの人にも、学校に通っていた時代があったんだ。当たり前だけど。

そして、恵にも。二人の服、黒と白のセーラー服、あれは、昔のこの学校の制服。初めて会った時は知らなかったけど、あの後、調べて知った。

あれが、あの二人が生きていた時の姿だったんだ。その時の制服だったんだ。

どんな……、学生時代を過ごしていたんだろう。なにをしていたのかな。

そのうち……、そんなこと、話してくれたりするのかな……。

阿野藤

めずらしいね、結奈がこんな話に入ってくるなんて。

遠見結奈

あ……、そ、その……、そろそろ注意しようと思ったんだけど、無理に中断させるのも悪いでしょ。

阿野藤

ねぇ、結奈、もっとツンデレっぽく言って?

遠見結奈

なに言ってるのよ。ほら、ちゃんと勉強に戻りなさい。比奈もよ。

狛野比奈

ん。

阿野藤

は~い。

うん、まずはテスト勉強、しなくちゃ。今はこっちに集中。

いつも通りの学校生活はまもらなくちゃ。それでなくても、最近、ペース乱されてばっかりなんだから。

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okujou_no_yurirei-san/1104.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)