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2day/日常2.ks
Lines: 562
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…………。
>

……。
>

……うーみゅ……。
>

[Mana]
「んー……あと5ふん……。
>

……って、あれ?」
>

寝ぼけ眼をこすりながら上体を起こす。
>

見慣れない部屋。
>

いつもと違うベッド。
>

状況を把握するまでに数秒かかった。
>

……ああ、
>

そういえば、
>

鏡香の別荘に泊まってたんだっけ。
>

鏡香に半ば拉致同然に連れてこられて。
>

それから昨夜は――
>

[Mana]
「ふむ……」
>

あんなこと、ホントにあったのかな。
>

なんだか、悪い夢でも見ていたような。
>

[Mana]
「普段と全然違った……。
>

どうして、あんな……」
>

腕組みをして、むむむと唸る。
>

[Mana]
「やっぱり枕が違うとちょっと寝にくいねっ」
>

ぽむぽむと枕を叩く。
>

ふかふかで気持ち良いけど、
>

やっぱり自分ちの枕が一番かも。
>

まっ、枕は置いといて。
>

とりあえず、
>

いつ井上さんが呼びに来ても
>

いいように、着替えるとしますか。
>

[Mana]
「そういえば
>

今日はプールで
>

遊ぶって言ってたっけ……?」
>

パジャマを脱ぎながら窓の外を眺める。
>

快晴だった昨日とはうって変わって、
>

厚い雲が空を覆ってる。
>

[Mana]
「これじゃあ
>

今日はプールは無いかな?」
>

涼しい中、
>

プールに入っても寒くなりそうだし。
>

胡桃は楽しみにしてたみたいだから
>

ちょっと可哀相だけど。
>

[Inoue]
「おはようございますまな様。
>

朝食のご用意が出来ました」
>

[Mana]
「はーい、今準備していきまーす」
>

[Kurumi]
「納得いかないっ」
>

食後のコーヒーをすすりながら、
>

朝イチから膨れっ面の胡桃。
>

理由はもちろん、
>

プールが中止になったから。
>

[Kurumi]
「プール……本当にダメ?」
>

[Inoue]
「この涼しい中、
>

プールに入られて、
>

万が一お風邪でも召されても困ります」
>

[Kurumi]
「えー」
>

[Inoue]
「申し訳ありませんが、
>

お客様にもしものことがあっては、
>

白宮家の名誉にかかわりますので」
>

[Kurumi]
「ちぇっ……。
>

バカ宮家なんてどーでもいいじゃん」
>

[Mana]
「ほら胡桃、
>

あんまり井上さんを困らせちゃダメ」
>

[Kurumi]
「だって、だって、
>

お姉ちゃんだって
>

プール入りたかったでしょ?」
>

[Mana]
「うーん」
>

そうはいっても、
>

この天気じゃあ……ねえ。
>

[Kyouka]
「それじゃあ今日はプールはなし、
>

という方向で♪」
>

なぜか嬉しげな鏡香。
>

[Mana]
「鏡香はあんまり
>

残念そうじゃあなさそうだけど?」
>

[Kyouka]
「え? そんなことはありませんわ?
>

残念、ああまったく残念だこと!!」
>

そう言ってチラリ、
>

胡桃の胸元に視線を送る鏡香。
>

[Kyouka]
「……ふう」
>

ははぁん。そういうこと、ですか。
>

そりゃあ鏡香じゃなくても、
>

女性なら誰でもコンプレックスってものがありますからね。
>

[Kurumi]
「はん。おおかた、
>

そのヒンソーな体型を
>

さらしたくなかったんでしょ?
>

バレバレだっつーの」
>

[Kyouka]
「んぬぁっ!?」
>

おおっ、さすが胡桃。
>

鏡香の泣き所を容赦なくえぐったわね。
>

にしても鏡香、
>

花も恥じらう乙女が、
>

こともあろうに「んぬぁ」なんて。
>

[Kyouka]
「こ、こほん!
>

な、なにをおっしゃっているのかしらねぇ、胡桃さんは」
>

[Kyouka]
「こ、この私が……
>

ヒンソー、ですって?」
>

[Kurumi]
「うんっ♪
>

具体的に言えば胸が」
>

[Kyouka]
「げべぶっ!」
>

[Mana]
「鏡香、女の子がそんな擬音語
>

口にしちゃいけませんっ」
>

[Kurumi]
「フフリ。
>

図星だったみたいだね」
>

[Kyouka]
「むっきぃぃぃ!!
>

ちょっと……ちょ~っとバストが大きいからって調子にのってくれちゃって!」
>

[Kyouka]
「そんなものはね、歳をとったら
>

だらーんと垂れてきちゃうんだから!
>

万有引力を甘く見ないことね。
>

恨むならガリレオを恨みなさいっ」
>

[Mana]
「いやいや、ガリレオの前に
>

リンゴ落ちて来てないから。
>

まぁ鏡香らしいけど」
>

[Kurumi]
「ば、バンユウインリョク?
>

胡桃の分からない言葉を使うなぁっ!」
>

[Mana]
「そこは分かろう……わが妹よ」
>

……昨日の夜とは打って変わって、
>

と言うか、昨日の夜の事なんか
>

嘘みたいに日常(?)過ぎる目の前の光景。
>

そう……夢でも見てたのか、
>

と思うくらいに。
>

さっきした心配はどこへやら。
>

胡桃も鏡香もそれなりに楽しそうだし。
>

[Mana]
(でも、あれは夢じゃない……)
>

そう、目の前で繰り広げられた
>

胡桃と鏡香のケンカ。
>

ううん、あれはケンカなんて
>

生易しいものじゃありません。
>

[Mana]
(まるで……コ――)
>

と、
>

[Mana]
「え? え? 何の音?」
>

騒々しい物音と共に、
>

ドアが開いたかと思ったら、
>

[Gurasan]
「プールが中止って!
>

ホントですかお嬢!?」
>

[Inoue]
「一体何ですか?
>

お客様の前で騒々しい」
>

普段と変わらない井上さんの笑顔に、グラサンさんが妙にたじろぐ。
>

[Gurasan]
「あぁ、朝っぱらからお騒がせして
>

申し訳ありません。
>

けれど、今日のプールが中止と聞いて!」
>

[Inoue]
「そうですが。
>

あなた達にとって何か不都合が?」
>

[Gurasan]
「あ……っと、その……」
>

[Kyouka]
「私の決定よ?
>

お前は主に寒い思いをしろと?」
>

[Gurasan]
「お嬢、そういうわけじゃねえんだ、
>

ただ……昨日、あんだけ頑張ったからさぁ……」
>

[Kyouka]
「頑張ったからなんだと言うの?」
>

[Gurasan]
「いや……それは……」
>

[Kyouka]
「それで?」
>

[Gurasan]
「……なんでもねぇ」
>

グラサンさんがガックリと肩を落とす。
>

[Maccho]
「仕方あるまい。これも天命だ」
>

いつの間にかグラサンさんの後ろに
>

立っていたマッチョさんが
>

肩をポンポンと叩いて慰めていた。
>

[Kyouka]
「いいから二人とも下がりなさい」
>

[Maccho]
「その前にひとつだけ、
>

いいですかお嬢?」
>

[Kyouka]
「なにかしら?」
>

[Maccho]
「お嬢達を雨の中プールに入れる
>

わけにはもちろんいかない」
>

[Maccho]
「だが、俺達が雨の中プールで遊ぼうと、寒さで風邪をひこうと、
>

俺達の勝手、だろ?」
>

[Gurasan]
「な………お前」
>

[Maccho]
「雨に濡れるのも、
>

泳いで濡れちまうのも、
>

俺達にとっちゃ変わりねぇ、だろ?」
>

[Kyouka]
「まぁ、プールを汚しさえしなければ、
>

昨日掃除したホウビとして、
>

使用してもかまわないけれど」
>

[Maccho]
「さすがお嬢だ!
>

聞いただろ? さぁ行こうぜ。
>

どしゃ降りのプールサイドへ!」
>

[Gurasan]
「へへっ、かなわねぇな」
>

なんだか熱い視線で
>

お互いを見つめあっている二人。
>

え、なにこの展開。
>

[Maccho]
「おっと、ウカれてくれるなブラザー。
>

俺達は互いが互いのライフセイバー。
>

てめぇの命はセルフサービスでお願いするぜ?」
>

[Gurasan]
「言われなくても、
>

自分の足で立ってみせるさ。
>

産まれたての赤子にだって出来るんだ!」
>

なんかもう言ってることが
>

むちゃくちゃなんですけど。
>

人間の赤ちゃんは産まれたてだと
>

ハイハイでしょ、常識的に考えて。
>

[Maccho]
「オーケー。
>

ごきげんな回答だ」
>

ニカリ、と八重歯を光らせ合って
>

立ち去る二人。
>

作品のイメージと真逆なことしてくれちゃって……ふぇ? あぁいえいえ。
>

ヒトリゴトデスヨ?
>

[Mana]
「でも、ちょっと残念……かな?」
>

[Kurumi]
「あーあ。
>

水着も可愛いのあったのになぁ~」
>

[Mana]
(胡桃や鏡香はスタイルいいけど、
>

私は……)
>

[Kyouka]
「とにかく。
>

今日はプールは無し、ということで。
>

よろしいかしら?」
>

[Mana]
「まあ、しかたないよね」
>

[Kurumi]
「ぷう~」
>

[Mana]
「……ふう、またおなかいっぱい
>

食べちゃいました……」
>

お客様待遇だからなのか、
>

それともこれが白宮家のスタンダード
>

なのか。
>

夕飯も朝飯も全力全開、
>

容赦無しのガッツリ系です。
>

一流の食材と一流のシェフ
>

(鏡香も手伝ってるみたいですが)。
>

なら本気で食べないわけにはいかない!
>

……じゃないですか。
>

そりゃもーおなかもいっぱいなわけで。
>

[Mana]
「ううう、これで運動しないと……
>

太る……確実に!」
>

そう考えると、
>

やっぱり鏡香って奇跡の体型です。
>

これだけのカロリーが
>

いったいどこに消えているの?
>

[Mana]
「また少し運動しなくちゃ」
>

えっほ、えっほと腹筋を始めたけど、
>

すぐにおなかが痛くなったので中断。
>

[Mana]
「……そりゃそうよ。
>

食べてすぐ運動なんてできるかいなー」
>

一人ツッコミも
>

いつものキレが出ない。
>

[Mana]
「はぁ……」
>

ため息混じりに
>

ベッドに倒れこんで――
>

[Mana]
「ってわぁぁぁ! ダメ!」
>

[Mana]
「ダメ、ダメ、それじゃあダメ!!」
>

ガバッ、と起き上がる。
>

[Mana]
「ダメダメ、これじゃあ牛になる!
>

美味しい物食べて、
>

ふかふかのベッドで寝て、
>

高級牛肉も真っ青の霜降りになる!」
>

頭をブンブンと振って、
>

脳裏をかすめたおぞましい想像を
>

振り払う。
>

[Mana]
「やっぱり少し運動しなくちゃ」
>

――部屋をぐるぐると回ること、
>

十数分。
>

[Mana]
「……飽きた」
>

[Mana]
「そうだ」
>

気になることがある。
>

『それ』を確かめるために――
>

[Mana]
「……まあ、軽い運動もかねて、ね」
>

私は部屋を後にして、
>

お屋敷の探索にでかけた。
>

[Mana]
「昨日も思ったんだけど
>

このお屋敷……」
>

[Mana]
「……やっぱり、外との出入り口が、
>

玄関の一箇所しかない」
>

私たちが入ってきた(連れ込まれた)
>

玄関しか、このお屋敷には
>

外と行き来できる場所が無い。
>

思い出してみれば窓も
>

基本はハメ殺しで開かない。
>

勝手口なんてものも無いし。
>

まるで、このお屋敷自体が
>

ひとつの檻みたいに――。
>

[Kyouka]
「……そんなところで、どうしたの?
>

まな?」
>

不意に、横手から鏡香の声がかかった。
>

[Mana]
「きょ、鏡香……。
>

あ、ちょうどいいところに。
>

あなたに訊きたいことがあって――」
>

[Kyouka]
「あらぁ、奇遇ねぇまな。
>

私もまなを探していたの」
>

[Mana]
「え? 私を探してって――」
>

どういう意味?
>

と、口にする前に。
>

[Kyouka]
「さ、こんなところにいないで、
>

私の部屋へ行きましょう」
>

私の手を引っ張る鏡香。
>

[Mana]
「ちょ、ちょっと待って!」
>

[Kyouka]
「ほら、早く♪
>

だめよのんびりしてちゃ」
>

そのまますごい力で私をグイグイと
>

引っ張って歩く鏡香。
>

[Mana]
「あのね、鏡香、ちょっと、
>

ちょっと待って――」
>

[Kyouka]
「時間はたっぷりあるわ。
>

今日は何をして遊びましょうか?
>

ねえ、そうだ、
>

あれなんかどうかしら――」
>

[Mana]
「ね、鏡香、外に散歩に行きましょ?
>

プールはちょっとアレだけど、
>

雨も止んでるし散歩するにはちょうどいい気候なんじゃないかしら」
>

[Kyouka]
「そうそう、美味しい紅茶も入ったのよ?
>

本式のアイリッシュミルクティーを
>

ごちそうするわ」
>

[Mana]
「そ、外でお茶っていいと思うな!
>

たまには別荘の外に――」
>

[Kyouka]
「――そ、と?」
>

[Mana]
「そ、そう、外。
>

きっと涼しくて気持ちい――」
>

[Kyouka]
「まな。
>

なにを言っているの?」
>

[Mana]
「え――?」
>

[Kyouka]
「そと? そとって言ったの?」
>

[Mana]
「え、っと……」
>

[Kyouka]
「なにをいってるのか、
>

よくわからないんだけど?
>

そとって、どういうことかしら?」
>

[Mana]
「…………鏡香?」
>

[Kyouka]
「そんなものはないわ。
>

だって必要ないじゃない。
>

ずっとまなと一緒なんだから――」
>

[Kyouka]
「だからね、まな。
>

私と一緒に来るの」
>

[Kurumi]
「そうだよ、お姉ちゃん」
>

[Mana]
「っ!?」
>

今度は背後から、胡桃の声。
>

ニコニコと満面の笑みの胡桃が
>

すぐ後ろに佇んでいた。
>

[Kurumi]
「せっかくここまで来たんだもん。
>

帰るなんてダメだよ?
>

もっとゆ~~っくりしてかなきゃ」
>

[Mana]
「――胡桃」
>

[Kurumi]
「もっといろぉんなことして、
>

思い出作ってぇ。
>

ねぇ、お姉ちゃん?」
>

[Kurumi]
「食事は美味しいし、お風呂は広いし。
>

せっかくのプールも入ってないし、
>

それに――」
>

[Kurumi]
「それに、
>

タイセツなコトをまだヤッてない」
>

[Kyouka]
「あら、胡桃さん?
>

いつからそこに?」
>

[Kurumi]
「アハッ、さっきからいたけど、ね」
>

[Kurumi]
「で、お姉ちゃんをどこへ連れて行こうとしてたのかな?」
>

[Kurumi]
「いいなあ、
>

私も一緒にいっていい?」
>

[Kyouka]
「……ふん」
>

[Kyouka]
「いいですわ、
>

二人ともこちらの部屋にいらっしゃい」
>

[Kurumi]
「わあ、嬉しい。
>

で、部屋で何をするの?」
>

[Kyouka]
「ゲーム、ですわ♪」
>

そう言うと背中を向け、
>

さっさと歩き出す鏡香。
>

それに続いて胡桃も早足でついて行く。
>

[Kyouka]
「あら、まな、どうしたの?」
>

[Kurumi]
「お姉ちゃんも早くおいでよ?」
>

言って、振り向いた二人の笑顔に――
>

どこか違和感を覚えましたが、
>

その違和感がなんなのか、
>

わからなくて……。
>

[Kyouka]
「ビン回し、
>

ご存じかしら?」
>

鏡香の手には、井上さんが持ってきてくれた透明の空きビンが1本。
>

[Mana]
「ビンまわし?」
>

[Inoue]
「かいつまんで申しますと、
>

不純異性交遊を目的としたゲームです」
>

おぉぉ……井上さんが口にすると、
>

途端に恐ろしいゲームに
>

思えてきました。
>

[Kurumi]
「テレビで見たことあるよ。
>

みんなで輪になって座って、
>

順に輪の中心でビンを回していく」
>

[Kyouka]
「そう。そしてビンの指した先に
>

座っていた人物と、
>

ビンを回した人物がキスをする」
>

[Mana]
「なっ!?」
>

いやっ、ちょっ、キスって!
>

なんだってそんなゲーム!?
>

[Kurumi]
「ククク……」
>

[Kyouka]
「フフフ……」
>

っていうかなんでアナタ達はそんなに楽しそうな顔してるんですかっ!?
>

[Kyouka]
「ですが、ただキスをする、
>

だけではつまらないというもの」
>

いや、いいです。
>

つまらなくないですっ。
>

むしろキス反対!
>

[Kyouka]
「ここは一つ、ビンを回す人物が、
>

望む行為を宣言することにしましょう」
>

[Kurumi]
「なるほど。
>

王様ゲームみたいなもの、か」
>

[Mana]
「あ、王様ゲームならわかるかも。
>

……って! なおさらよくないっ!」
>

[Inoue]
「せんえつながら、
>

私がジャッジを務めさせていただきます」
>

井上さん、何げにノリノリ?
>

[Kyouka]
「井上は、目視で誤差0.01度までの
>

角度を測定することができますの。
>

ビンの向きは、
>

井上が判断してくれますわ」
>

[Inoue]
「手なぐさめ程度の芸でございます」
>

こ、このメイド、はかりしれん!
>

[Kyouka]
「では早速。
>

私から回させていただきます」
>

[Kurumi]
「アンタのことだ、
>

どうせ鬼畜な行為をごしょもうなんだろ?」
>

鬼畜……あぅあぅ。
>

ビンが私に向きませんよーに。
>

無難に井上さんに向きますよーに。
>

……って井上さんも参加してる!?
>

[Kyouka]
「そうねぇ、まずは軽めに、
>

ぎゅ~っとハグ☆にしようかしら。
>

もちろん、まなが、私を♪」
>

[Mana]
「いやいや、
>

まだビンは私を指してませんから!」
>

[Kyouka]
「じゃあ、回しますわよ?」
>

と、鏡香は何度も私の座っている方向とビンの先を見つめて……。
>

って完全に私を狙ってますよねぇ!?
>

[Kyouka]
「フッ!」
>

狙いすまされたビンは、
>

その場でクルクルと回転を始める。
>

[Kyouka]
「狙い通り」
>

もう確信しちゃってるし!
>

次第に回転していたビンの勢いが失われていく。
>

やがて止まろうか、というところで。
>

[Kurumi]
「させて……たまるかぁっ!」
>

ドオォォン!
>

[Mana]
「ちょっと、くるみ!?」
>

胡桃が物凄い力で床を踏みつけていた。
>

[Kyouka]
「ビンがっ!」
>

振動でビンは大きく回転を失し、
>

その先は――。
>

[Kurumi]
「うっげ。ミスったぁ……」
>

ビンの先は、
>

胡桃を真正面から指していた。
>

狙いすまされたビンは、
>

その場でクルクルと回転を始める。
>

[kyouka]
「狙い通り」
>

もう確信しちゃってるし!
>

次第に回転していたビンの勢いが失われていく。
>

やがて止まろうか、というところで。
>

[kurumi]
「させて……たまるかぁっ!」
>

ドオォォン!
>

[mana]
「ちょっと、くるみ!?」
>

胡桃が物凄い力で床を踏みつけていた。
>

[kyouka]
「ビンがっ!」
>

振動でビンは大きく回転を失し、
>

その先は――。
>

[kurumi]
「うっげ。ミスったぁ……」
>

ビンの先は、
>

胡桃を真正面から指していた。
>

[Inoue]
「では、胡桃様。
>

鏡香お嬢様をぎゅ~っとハグ☆
>

なさってくださいませ」
>

[Both]
「はぁ!?」
>

[Inoue]
「ルール、ですから。
>

従って頂かないと」
>

この二人にすごまれて動じないとは、
>

井上さん、強い!
>

[Kurumi]
「うぅ~……なんでこんなやつと
>

ハグしなきゃならないんだ……」
>

[Kyouka]
「それはこちらのセリフですわ!
>

アナタが手出ししなければ、
>

今頃私はまなの腕の中にっ!」
>

[Mana]
「二人のハグ、見てみたいなー」
>

[Kurumi]
「くっ、お姉ちゃんが、
>

そう言うなら」
>

[Kyouka]
「なら、しかたない、わね」
>

ぶつぶつ言いながらも抱き合う二人。
>

[Kurumi]
「いぎぎぎぎ!」
>

[Kyouka]
「ふぎぎぎぎ!」
>

[Mana]
「二人とも力みすぎ……」
>

[Mana]
「でも、こんなことでも、
>

きっかけになって――」
>

二人が仲良くなってくれれば、
>

いいんですけど。
>

[Kurumi]
「相手がアンタでよかったよ!
>

胸が苦しくなくてすむからねぇ!」
>

[Kyouka]
「はっ、バカ力で
>

締め付けないでくださる!?
>

暑苦しいったら!
>

ありゃしません!」
>

[Kurumi]
「おおっとそいつは失礼!
>

まな板みたいに薄いんで、
>

折っちゃうとこだったよ!」
>

[Kyouka]
「いたたたたたっ!
>

こっ、コイツ! 仕返しです!」
>

[Kurumi]
「っ!?
>

ひゃっ!? にゃはははは!
>

やめっ、脇腹ははんそくぅー!」
>

[Kurumi]
「にゃっはははは!
>

だっ、ダメ! だってば!?
>

脇腹……あひゃひゃっ!」
>

[Kyouka]
「そぉれそぉれ。
>

ええのんかーここがええのんかー」
>

ああ……我が妹が友人の手によって
>

汚されていっているような……。
>

[Kurumi]
「こっ、こんにゃろー!
>

仕返しだぁっ!」
>

[Kyouka]
「ひっ!?」
>

[Kurumi]
「わきわきわきわき」
>

[Kyouka]
「あっひゃひゃひゃひゃひゃ!!
>

たっ、タイム! あっはははは!」
>

[Kurumi]
「フッフッフ。
>

くすぐり技術で私に勝てるとでも
>

思ってるのかい?」
>

[Kyouka]
「あひゃひゃ……え? ウソ?
>

ひぅんっ!? な、なにこれ?
>

こそばゆいのに……あっ……」
>

ちょ、ちょっと!
>

なんだか鏡香の声がつやっぽくなってきたんですがががっ!!
>

[Kurumi]
「ククク……。
>

お嬢様はお肌が敏感であらせられる。
>

ほぉれ」
>

[Kyouka]
「んやぁっ!?
>

ちょ、ちょっとアナタ!
>

やめなさっ、いぃっ!?」
>

ふおぉぉぉ!
>

なんだかよくわかりませんが、
>

我が妹よいいぞもっとヤレ!
>

あわよくば私も混ぜれー。
>

[Kurumi]
「ほぉら。
>

不自然に身をよじるアンタのこと、
>

お姉ちゃんがじっと見てる」
>

[Kyouka]
「え……や、ヤダ!
>

見ないで! 見ないでまな!」
>

[Mana]
「だが断る」
>

[Kyouka]
「バ、バカッ!
>

ふざけてるんじゃな……
>

あっははははは!」
>

[Kurumi]
「くすぐったさと快感のダブル攻撃は
>

どうかねー? んー?」
>

[Kyouka]
「わかったから!
>

あっひゃひゃひゃ!
>

ふひゃひゃひゃ!
>

や、やめれっ、ひゃひゃひゃひゃ!」
>

[Kurumi]
「そっかーこっちの方がいいのね?」
>

[Kyouka]
「んぁっ!?
>

ばっ、バカ! お止めなさいっ!
>

ひぁぁ!?」
>

[Kurumi]
「その反応いいねぇ。
>

それにその目だ。
>

恐怖におびえる羊の目。
>

たまらなくイイ」
>

胡桃言ってることがちょっと怖いヨ。
>

でもいいぞもっともっとヤレ。
>

[Kyouka]
「あぁもぉ!
>

止めなさいって言ってるでしょうが!」
>

[Kurumi]
「にゃっ!?
>

ぷひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!」
>

おおっと鏡香の反撃だ!
>

胡桃選手思わず大笑い!
>

[Kurumi]
「まっ、負けるかぁ~!」
>

[Kyouka]
「あはははは!
>

このっ! はひっ、
>

ひゃひゃひゃひゃっ!」
>

[Kurumi]
「にゃはははは!
>

どうだ、参った、うひゃひゃひゃ!」
>

二人で抱き合いながら、
>

お互いの脇をくすぐり合うという、
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まさしく地獄絵図。
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[Mana]
「いやぁ二人ともお盛んですなー」
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仲良きことは美しきかな。
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うんうん。
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やっぱりこうでなくっちゃネ!
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[Kurumi]
「ぜぇぜぇ……もう、こうなったら」
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[Kyouka]
「はぁはぁ……いっそ、二人で」
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[Mana]
「……にゅ?」
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[Both]
「まなをくすぐり殺すっ!!」
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[Mana]
「へ? ほへ?」
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[Kurumi]
「まなたんモエー……」
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[Kyouka]
「まなたんハァハァ……」
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[Mana]
「あはっ、ちょっ、おまっ!?
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いぃぃやああぁぁぁぁぁ!!?」
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limit_panic/nichijou2.txt · Last modified: 2014/05/25 12:55 (external edit)