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[Kurumi]
「ねぇ、お姉ちゃん。
>

外、出たいと思わない?」
>

[Mana]
「ふぇっ?」
>

[Kurumi]
「間の抜けた声だしてないの!
>

さっき言ってたじゃん。
>

外出たいなぁ~って」
>

それは、まぁ、もちろんですが。
>

[Mana]
「ふぇ~」
>

[Kurumi]
「もぉ、
>

なんなのその気の抜けた声は~」
>

なんというか。
>

青天の霹靂といいますか。
>

まさか今になって胡桃からその言葉が出るとは思わなかったといいますか。
>

[Kurumi]
「バカ宮と遊んでるのも
>

楽しかったんだけどね。
>

そろそろ家が恋しくなってきた、
>

っていうか」
>

[Mana]
「もう3泊もしちゃったもんね」
>

ロハだからいいものの。
>

これで請求は後日口座から……。
>

とかだったら恨みますけど、マジで。
>

[Kurumi]
「ここでお姉ちゃんの所有権をかけて
>

ケリをつけようと思ってたんだけど」
>

所有権って、あたしゃ物ですか。
>

[Kurumi]
「もういいかなって。
>

とりあえず、この別荘から出ちゃえば
>

お姉ちゃんは胡桃のものだし、ネッ」
>

[Mana]
「アハハ……」
>

また実妹に甘えられながら、
>

滲みだす劣情を抑える毎日が始まるお。
>

[Mana]
「じゃなくて……ですね」
>

[Inoue]
「お話は聞かせていただきました」
>

[Mana]
「きゃぁぁぁ!?」
>

[Inoue]
「おや、どうかなされましたか?
>

まな様?」
>

[Mana]
「い、いえ……なんでも」
>

どうもこうも、
>

あんなにいきおいよく登場されたら、
>

誰だって驚きますってば。
>

[Inoue]
「ふむ。もっとこうコミカルに。
>

掴みはオッケー、会場あっためといたぜ!
>

的な登場手法の方が、
>

まな様はお好みでしたか」
>

[Inoue]
「っく! 申し訳ありません。
>

不徳の致すところです」
>

[Kurumi]
「時々性格がわからなくなるよね……。
>

この人……」
>

[Mana]
「しっ! 聞こえちゃうよ!」
>

[Inoue]
「メイドの耳は地獄耳……。
>

メイド腕力は100万馬力……」
>

だっ、ダメだ!
>

このままじゃ井上さんのキャラが
>

崩壊しちゃいます!
>

早く違う話題を振らないと!
>

[Kurumi]
「それで、胡桃達が逃げ出そうと
>

しているのを知ったアナタは、
>

主人にそれを伝えるつもりかしら?」
>

そうでした。
>

井上さんに今の会話を
>

聞かれてたんでした。
>

うう、また鏡香が変な気を
>

おこさなければいいけれど。
>

[Inoue]
「いえ、そのような真似は致しません。
>

本来ならば、胡桃様が仰ったように
>

振る舞うことこそ、
>

私の務めなのかもしれませんが……」
>

[Mana]
「えぇっと、
>

井上さんは鏡香に密告しない?
>

じゃあどうして私たちの前に?」
>

[Inoue]
「それは、まな様と胡桃様に、
>

お帰り頂くためでございます」
>

[Kurumi]
「アンタの主人がそんなことを易々と
>

許すとは思えないけどね」
>

[Inoue]
「もちろん。
>

そのことは重々承知しております」
>

[Kurumi]
「だろうね。
>

その上で胡桃達をここから出す、
>

もとい、“逃がす”ってことは、
>

完全にアンタ一人の独断」
>

[Inoue]
「さようでございます」
>

[Kurumi]
「……疑わしくないわけじゃないが。
>

利用しない手はないね」
>

確かに、今の私達にとって、
>

この館の実質的な管理者とも言える
>

井上さんの協力が得られることは、
>

まさに渡りに船。
>

けれど……。
>

[Mana]
「一つ、聞かせてもらってもいいですか?」
>

[Inoue]
「はい、なんでしょう?」
>

[Mana]
「言い方は悪いかもしれないけれど、
>

どうして井上さんが鏡香を
>

裏切るようなことをするんですか?」
>

今までだってずっと
>

鏡香のために行動してきた井上さんが、
>

突然鏡香を裏切るような真似をするとは思えないのだけれど……。
>

[Inoue]
「…………」
>

井上さんは黙ったまま。
>

[Kurumi]
「答えられない?」
>

[Inoue]
「申し訳ございません。
>

上手く、言葉にするのは困難です。
>

ですが、お二方をたばかろうなどとは、
>

間違っても思っておりません」
>

[Kurumi]
「だってさお姉ちゃん。
>

どーする?
>

信用してみる?」
>

[Mana]
「そうね……」
>

現状私たちがこの別荘を脱出するには、
>

井上さんの助けがあった方が断然有利。
>

なにより井上さんがこんなつまらない
>

ウソをつくような人だとは思えない。
>

[Mana]
「井上さんを信じましょう。
>

上手く、鏡香を刺激しない方法で、
>

ここから出してもらえますか?」
>

[Inoue]
「かしこまりました」
>

[Inoue]
「お茶がはいりました」
>

[Kyouka]
「ええ」
>

いつものように、
>

鏡香お嬢様は入浴後の夕涼み。
>

メイドたる私はそのおそばで
>

お茶をいれるのが習慣だ。
>

[Kyouka]
「井上」
>

[Inoue]
「はい。いかがされましたか」
>

[Kyouka]
「今夜の紅茶、少し甘いわね」
>

[Inoue]
「申し訳ございません」
>

[Kyouka]
「誰が怒っていると言ったの。
>

今夜という時間に丁度いい、
>

と言ったのよ」
>

[Inoue]
「ありがとうございます」
>

機微に鋭いお嬢様のことですから、
>

てっきり私がまな様達を逃がそうと
>

していることに感付かれたのかと
>

思いましたが……。
>

いえ、すでに気付いていると考えた
>

方が良い。
>

この方はそういう方だ。
>

[Kyouka]
「……」
>

[Inoue]
「……」
>

[Kyouka]
「…………言いたいことがあるなら、
>

はっきりとおっしゃい」
>

[Inoue]
「お嬢様、枝毛が1本ございます」
>

[Kyouka]
「えぇぇっ!? どこどこ!?
>

まなに見られたらどうするの!
>

早く処理なさい井上!」
>

[Inoue]
「かしこまりました」
>

やはり、感付いておられる。
>

[Kyouka]
「明日からコンディショナーを
>

別のブランドに変えようかしら……」
>

……お嬢様には言いだすべきだろうか。
>

――これ以上、まな様に依存しては
>

いけない、と。
>

[Inoue]
「お嬢様――」
>

[Kyouka]
「よしなさい、井上」
>

言いだそうとして制されてしまう。
>

全てお見通し、というわけですか。
>

[Kyouka]
「この三日間、まなとその妹と
>

過ごしてみて気付いたわ。
>

まなの中での優先順位は、
>

私よりも妹の方が上だということに」
>

そうと分かっていても、
>

今までのお嬢様ならば力づくで
>

その優先順位を逆転させてきたはず。
>

[Kyouka]
「そうね。
>

妹を殺してしまえば全て解決。
>

三日前はそう考えていたわ。
>

けれど、今は違う」
>

[Kyouka]
「そんなことをしても、
>

きっとまなは私に振りむいては
>

くれないのでしょうね。
>

むしろ遠ざかる」
>

[Inoue]
「お嬢様……」
>

[Kyouka]
「けれど、
>

そう簡単に諦めるつもりはなくってよ?
>

私は私のやりたいように動く。
>

それは変わらないわ」
>

[Kyouka]
「だから井上。あなたも、
>

あなたの思うように動いてみなさい。
>

ここは折角の、シンデレラ城なのだから」
>

[Inoue]
「……ありがとうございます」
>

この方は、本当にどこまでも思慮深い。
>

仕える者として、この上ない幸せ。
>

だからこそ、私はお嬢様を助けたい。
>

[Kyouka]
「あーあ。誰かがあの妹を消して、
>

傷心のまなを私がそっと慰める
>

ところから始まるラブラブルート……。
>

ねぇ、井上ぇ?」
>

[Inoue]
「ございません」
>

お夕飯も食べて
>

とりあえずお風呂タイム。
>

[Mana]
「んー! 良いお湯の温度です。
>

良い仕事してますねぇ」
>

[Mana]
「井上さんが脱出の話を持ちかけてくるなんて、驚きましたけど」
>

ま、こーんな良い暮らしさせてもらえるのなら、捕らわれていても
>

全然おーけーなのですがー。
>

全てがお嬢様仕様。
>

ああ、夢のようなセレブリティ。
>

イッツアドリームライフ。
>

頑張った自分へのゴホウビです。
>

スイーツ(笑)
>

[Mana]
「ん?」
>

今、浴場のドアが開く音が
>

聞こえたような?
>

誰か入ってきた?
>

もしかして、井上さんが掃除に来たとか?
>

まさか。
>

だって今は入浴OKタイムだもの。
>

そんな時間に井上さんが
>

やってくるワケない。
>

鏡香は最初に入っているはずだし、
>

と……いうことは……。
>

[Kurumi]
「とーっ!」
>

胡桃だ!
>

幸い湯けむりでまだお互いの姿は
>

見えていないはず!
>

どうしよう! どうしよう!?
>

逃げなきゃ!?
>

隠れなきゃ!?
>

[Kurumi]
「はぁ~いいお湯。
>

心が洗われるぅ」
>

っていうかなんで隠れるの!?
>

いやだってお風呂っていうことは、
>

私は当然裸なワケで、
>

ということは胡桃も布一枚まとわぬ
>

生まれたての姿なワケ――。
>

[Mana]
「ぶくぶくぶく……」
>

[Kurumi]
「あれ、誰かいる?」
>

ハッ! イケナイイケナイ。
>

ついつい妄想を……。
>

いやぁ、ええバストやった。
>

[Kurumi]
「……まさか、バカ宮のヘンタイ的な
>

罠じゃないでしょうねぇ」
>

違う違う!
>

断じてヘンタイ違う!
>

お姉ちゃんは妹の健やかな発育を
>

見守る権利がいやぁええバストやった。
>

[Kurumi]
「罠だったらしゃくだから調べておこう」
>

[Mana]
「~~っ!?」
>

マズイです!
>

胡桃がこっちに向かってくる!
>

どうする!? どうするの私!?
>

このままじゃ実妹の入浴シーンを覗き見ようとしてたヘンタイお姉ちゃん、
>

という重い十字架を背負ったまま
>

生きていかなくてはならないハメに!?
>

[Mana]
「ここは潜水して逃げるしか……!」
>

幸いお湯には
>

入浴剤が混ぜられているのか、
>

着色されている。
>

それにこの湯けむり。
>

そう簡単にはバレないはず!
>

[Mana]
「ぶくぶくぶく……」
>

胡桃に見つかる前に
>

私はブクブクと潜水開始。
>

そのまま胡桃から遠ざかる。
>

ホント、お風呂がプールみたく
>

広くて助かりました。
>

[Kurumi]
「あっれぇ? おっかしいなぁ。
>

たしかにこの辺で
>

音がしたと思ったんだけど」
>

フフフ。見つけられまい妹よ。
>

姉はいまお湯から顔の上半分を出して逃走中ですよ。
>

[Kurumi]
「無駄に広いお風呂だし、
>

自分の声が反響したのかな。
>

ま、いいや。
>

半身浴で疲れを落とすのですよー」
>

[Mana]
「ぶっ!」
>

湯船のふちに腰掛け、
>

下半身だけをお湯につける胡桃。
>

必然的に!
>

上半身はあらわになるワケでして!
>

私の血圧もうなぎ昇りの右肩上がり!
>

まさに天井知らずというやつでして!
>

いやぁ世の経済事情も見習って
>

欲しいほどの急上昇っぷり。
>

[Kurumi]
「良い湯だな~はははん♪」
>

熱気で上気した肌。
>

水滴がしたたる髪。
>

[Mana]
「あぁ……至福。
>

これぞ至高にして究極……」
>

姉には妹の健やかな発育を
>

見守る義務があるのです!
>

決してこれはいかがわしい気持ちではなく、純粋に妹を思う気持ちであって、
>

ああぷるるん卵肌触りてぇなどとは
>

微塵も思ってねぇのです!
>

[Kurumi]
「んぅ~っ!」
>

身体をほぐすように動かす胡桃。
>

動かすたびに際どい部分が湯けむり
>

からはみ出そうに……はわわわわわわ。
>

[Kurumi]
「最近足がむくんじゃうんだよねー。
>

よくほぐしておかないと」
>

[Mana]
「ぶぶふぅっ!!」
>

お湯から、その美しいおみ足を
>

お上げになられる胡桃サマ。
>

あぁ……そのすべすべむちむちな
>

お足でこのダメな姉めを踏んでください。
>

[Kurumi]
「お姉ちゃんにお願いしてマッサージ
>

してもらおっかなぁ」
>

オーケーマイシスター。
>

私が108つのワザをもって、
>

揉みほぐして差し上げましょう。
>

[Kurumi]
「なぁんて、
>

お姉ちゃんにそんなこと頼んだら、
>

怒られちゃうよね」
>

怒らないよー。
>

お姉ちゃんそんなことで怒らないよー。
>

むしろ泣いて悦ぶヨー。
>

[Kurumi]
「やっぱりお姉ちゃんみたいなキレイな肌になるのは大変だなぁ。
>

毎日スキンクリームも塗ってケアしてるのに」
>

私なんてカカトがさがさですよ。
>

私は胡桃のもちもちお肌が
>

うらやましいです。
>

[Kurumi]
「お姉ちゃんの使ってるメーカー、
>

教えてもらおっかなぁ。
>

それでそれでーお互いに塗り合いっことかしちゃって! きゃ~~っ!」
>

今すぐにでも飛び出していって、
>

クリームを塗りたくってあげたい。
>

切実に!
>

[Kurumi]
「真面目でノーマルで、
>

優しいお姉ちゃんが
>

そんなことするわけないっか。
>

あははっ」
>

あぁ……。
>

どうしてこんなにも心が痛いのか。
>

すまないねぇ胡桃。お前の姉はこの
>

三日間でこんなにも汚れてしまったよ。
>

それでも!
>

ウォッチングは辞めませんがねっ!
>

[Kurumi]
「胸も……少しは大きくなったけど、
>

お姉ちゃん程は大きくなりそうもないし。
>

……はぁ~うらやましいなぁ」
>

[Kurumi]
「揉めば大きくなる、
>

ってよく聞くけど……」
>

ま、まさか……。
>

[Kurumi]
「三日間もご無沙汰だったし……。
>

こ、これは胸を大きくするために
>

するんだから!
>

別にやましい気持ちじゃないもん!」
>

こ、これは――!?
>

[Kurumi]
「だ、誰も……見てない、よね?」
>

キ、キタのね!?
>

ついにそういうフラグが立ったのね!
>

[Kurumi]
「ここなら、ちょうどいいし、
>

ちょっとくらい、なら……」
>

ふおおおおおおお!!
>

今ならこの邪魔な湯気共を腹式呼吸によって吹き飛ばせる気がする!
>

そういうシステム無いのコレ!?
>

[Kurumi]
「じゃ、じゃあ……。
>

ま、まっさーじ……」
>

そうして胡桃の手がゆっくりと、
>

まるでコワレモノを扱うように――
>

[Mana]
「ほわ~ん。
>

極楽浄土はこの世にあったのねぇ。
>

………………ふぇ?」
>

はれれ?
>

なんだか私の周囲だけ、
>

お湯が赤く染まってるよう、な……。
>

[Mana]
「あ……ハハ……。
>

わが一生に一片の悔いな――」
>

[Kurumi]
「~~~っ!?
>

や、やっぱり誰かいるなっ!?
>

出てこいヘンタイめっ!」
>

[Kurumi]
「ってお姉ちゃん!? ふえぇ!?
>

お湯が真っ赤に染まってるよ!
>

お姉ちゃんしっかり!
>

お姉ちゃんってば!」
>

今でも、たまに想い返す時があります。
>

のぼせて気絶した私を必死にゆさぶる胡桃の姿を見ていれば……。
>

そうすればきっと、
>

極楽死できたのに、と。
>

[Inoue]
「明日早朝、
>

お二人には別荘を脱出して頂きます」
>

切りだしてきたのはもちろん、
>

井上さんからでした。
>

いつになく真剣な表情から、
>

恐らく鏡香をうまく出し抜くことは
>

できなかったのでしょう。
>

[Kurumi]
「それで、
>

どういう手はずで脱出するつもり?
>

バカ宮が妨害してくることは
>

明らかだと思うんだけど?」
>

[Inoue]
「はい。お嬢様は必ずや我々の前に
>

立ちはだかるでしょう。
>

それもどのような手段で妨害なさって
>

くるのか想像もできません」
>

[Mana]
「そんな自信満々に……」
>

[Inoue]
「ですが、私も全力でお二人を
>

バックアップ致します。
>

どうかご安心を。お二人は、
>

この井上が必ずやお帰し致します」
>

[Kurumi]
「結局、明日のぶっつけ本番。
>

ってこと?」
>

[Inoue]
「申し訳ありませんが……」
>

[Kurumi]
「はぁ……。
>

なんだか不安になってきたかも」
>

た、たしかに。
>

鏡香が現れることは確実なのに、
>

頼みのつなである井上さんも
>

特に作戦無しっていうのは、
>

なかなかによくない状況かも。
>

[Mana]
「ま、まぁなんとかなるって!
>

ね! 胡桃もがんばろう?」
>

[Kurumi]
「そう、だね。
>

やるしかないっかぁ。
>

お姉ちゃんと一緒に愛の逃避行♪」
>

[Mana]
「あはは。
>

シンデレラ城から逃亡っていうのも、
>

案外悪くないかもね?」
>

鏡香には少し悪い気もするけれど、
>

私達は自分の家に帰らなきゃ!
>

[Inoue]
「それでは、明日は起床時間よりも
>

早い時間に参りますので。
>

ご支度を整えて、
>

お待ちになっていてください」
>

[Mana]
「はい。
>

なんだか、
>

ちょっと怖くなってきたかも……」
>

[Kurumi]
「そう?
>

胡桃はワクワクしてきたよ!」
>

[Inoue]
「フフッ、奇遇ですね胡桃様。
>

私も、何故だかワクワクしています。
>

悪いことをすると言うのに、
>

フフフ、私はダメな従者ですね」
>

[Mana]
「…………」
>

[Inoue]
「まな様?
>

どうか、なされましたか?」
>

[Mana]
「い、いえ……なんていうか、
>

そのー」
>

井上さんのこんなに子供っぽいところ、
>

初めて見たから、ちょっと意外でした。
>

……なんて言っちゃっていいものか
>

どうか。
>

[Mana]
「大切だと思います。
>

そういう気持ち」
>

[Inoue]
「大切……なのですか?」
>

[Mana]
「きっと井上さんが自分の気持ちに
>

正直になってるからです。
>

今までみたく、鏡香を言い訳にして
>

いない、正直な気持ちだからですよ」
>

[Inoue]
「……そうなのかも、
>

しれませんね」
>

[Kurumi]
「ま、昨日までのアンタよりは、
>

良い顔してるんじゃないの?」
>

[Inoue]
「ウフフッ、お二人にそんな風に
>

仰っていただけるとは、
>

思っていませんでした」
>

[Inoue]
「明日はなんとしても成功させます。
>

お二人は万全のご準備を。
>

では、
>

そろそろお休みになられますように」
>

[Mana]
「はい。よろしくお願いしますね。
>

胡桃も、ね」
>

[Kurumi]
「まっかせといて!
>

お姉ちゃんは何があっても
>

胡桃が守ってあげるからね! んー!
>

明日が楽しみになってきた!」
>

[Mana]
「それじゃあ、
>

明日は力を合わせて逃げ切るぞー!」
>

「おーっ!」
>

[Mana]
「いよいよ、ね」
>

緊張のせいか、
>

いつもより早く目が覚めました。
>

今日、私達はこの閉ざされた別荘を
>

脱出するんです。
>

そう簡単に脱出できるとは
>

思っていませんが……。
>

[Mana]
「けど!
>

もう鏡香の思い通りにはさせない。
>

私と胡桃はおもちゃじゃない!」
>

[Inoue]
「ノックもせずに申し訳ございません。
>

失礼します」
>

部屋のドアが開く音とほぼ同時に、
>

井上さんが私の目の前に、
>

いつもの姿勢で立っていました。
>

[Mana]
「いえ。それより、
>

状況はどうですか?」
>

[Inoue]
「現在、胡桃様に先行して頂き、
>

脱出経路の状況を確認して
>

頂いておりますが、今のところ
>

目立った変化はないようです」
>

胡桃が先行して――いや、
>

今はそれがベストかもしれない。
>

胡桃のことは心配だけれど、
>

私が出て行ったところで何もならない。
>

[Mana]
「わかりました。
>

支度はすでに済ませてあります。
>

私はいつでも出れますけど」
>

[Inoue]
「では、今すぐにでも。
>

最も安全な経路をご案内致します。
>

出来るだけ音を立てないように、
>

こちらへ!」
>

極力音を立てないようドアを閉め、
>

廊下を歩く。
>

いつもと変わらず静かな別荘の廊下。
>

私と井上さんの足音以外、物音がない。
>

見つかってはイケナイ――。
>

その観念があるだけで、
>

とてもいつもと同じ廊下とは思えない。
>

[Inoue]
「止まって」
>

突然目の前を腕で遮られる。
>

まさか、
>

鏡香が私達の動きにもう感付いた?
>

[Inoue]
「……胡桃様が交戦されているようです!
>

急ぎましょう!」
>

言うが早いか
>

音もなく走り出す井上さん。
>

[Mana]
「えぇぇっ!?
>

ちょっと待ってくださいよぉ~!」
>

[Kurumi]
「チッ!
>

こんな時にヘマをするなんて」
>

[Gurasan]
「ハッハー!
>

お前らのたくらみなんざ、
>

全てまるっとお見通しなんだよ!」
>

[Kurumi]
「フン。人のことをコソコソと
>

付け回していたストーカー風情が。
>

口だけは達者だな」
>

[Gurasan]
「だっ!?
>

誰がストーカーだ!」
>

[Kurumi]
「知っているぞ?
>

胡桃のことを日頃コソコソと
>

付けていただろう?」
>

[Kurumi]
「よくお熱い視線を感じると思えば、
>

アンタだったのか。
>

やれやれ、美しさは罪だねぇ」
>

[Kurumi]
「物は考えようだ。
>

今ここで見逃してくれるなら、
>

アンタのこと前向きに考えてやってもいいが?」
>

[Kurumi]
「ま、ストーカーを好きになれる程
>

心が広くないもんでね。
>

過度な期待はしないで欲しいけど」
>

[Gurasan]
「言わせておけば、
>

好き放題言ってくれるじゃねぇか!」
>

[Gurasan]
「だがお前のそういう分かりやすい
>

ところが俺は好きなんだよぉ!」
>

[Kurumi]
「ハハッ!
>

どさくさに紛れてコクってんじゃねーよ!」
>

[Gurasan]
「俺も男だ!
>

男らしく力ずくでテメェを俺のモノにしてやるよォ!」
>

[Kurumi]
「あぐっ!?」
>

[Gurasan]
「女は男に組み敷かれて、
>

悦んでりゃいいんだよっ!」
>

[Gurasan]
「んぐはっ!?」
>

[Inoue]
「気に入らない台詞ですね。
>

白宮家に仕える者として、
>

そのような心構えを教えたつもりは
>

ありませんが」
>

[Kurumi]
「お姉ちゃん! メイド!」
>

[Mana]
「大丈夫胡桃!?
>

ここは井上さんに任せて!」
>

[Inoue]
「胡桃様、まな様の仰る通りに」
>

[Kurumi]
「やられっぱなしってのは、
>

性に合わないけど、仕方ないか。
>

お姉ちゃ~~ん。
>

胡桃ケガしちゃったよぉ~」
>

[Mana]
「はいはい。
>

後でたっぷり消毒液塗ってあげるから、
>

今は逃げようね」
>

[Gurasan]
「痛っててて……。
>

さすがだぜ井上さん。
>

気付くのが一瞬遅れてたら、
>

今頃泡吹いてたところだ」
>

[Inoue]
「次は泡さえ吹かさずに
>

消し飛ばして差し上げましょう」
>

[Maccho]
「相方がやられてるとあっては、
>

黙って見過ごす訳にもいかないな」
>

[Gurasan]
「お前!?
>

今回は手を出さないって……」
>

[Maccho]
「気が変わった。
>

それに……一度井上さんとは本気で
>

手合わせ願いたかったところだ」
>

[Inoue]
「鈴木……あなたまで」
>

[Maccho]
「どう解釈して頂いても構いません。
>

ですが、
>

この場は全力で行かせて頂く!」
>

[Gurasan]
「人の恋路を邪魔するヤツぁ、
>

馬に蹴られて死ぬんだぜぇっ!!」
>

[Inoue]
「まな様!
>

胡桃様を連れて早く!!」
>

[Mana]
「はいっ!
>

逃げるよ! 胡桃!」
>

[Kurumi]
「ラジャー!」
>

[Mana]
「はぁっ、はぁっ!」
>

[Kurumi]
「頑張ってお姉ちゃん!
>

もうすぐ外だよ!」
>

[Mana]
「うっ、うんっ!」
>

[Mana]
「はぁ、はぁ、はぁ……」
>

――長い間、
>

空気の味を忘れていた気がした。
>

[Mana]
「外……はぁ、はぁ、出れた?」
>

もう頭上に天井はないし、
>

周囲を取り囲む高い壁もない。
>

[Mana]
「出れたんだ……。
>

あははっ、やった!
>

やったよ胡桃!
>

私達脱出出来たよ!」
>

思わず胡桃に飛びついてしまう。
>

不満と悦びの入り混じった
>

胡桃の声……が上がると思って
>

いたのですが。
>

[Kurumi]
「……てっきり、高見の見物を
>

決め込んでるもんだと思ってたよ」
>

緊張感を含む胡桃の声。
>

その視線の先には――
>

[Mana]
「鏡香……」
>

[Kyouka]
「楽しそうじゃない?
>

私だけのけ者なんて、
>

あんまりだと思わない?
>

ねぇ……まな」
>

[Mana]
「っ!」
>

鏡香に目を合わせられただけで、
>

背筋が凍りそう。
>

この鏡香は、
>

私の知ってる鏡香じゃない。
>

[Kyouka]
「まなはそんなに私のことが嫌い?
>

私はこんなにまなのことが
>

好きなのに……」
>

[Mana]
「あ……う……」
>

反論したいのに、
>

上手く言葉を発せない。
>

[Kurumi]
「自分勝手が歩いているような女だね、
>

バカ宮!」
>

鏡香にのまれている私をかばうように、
>

割って入る胡桃。
>

[Kyouka]
「これはこれは妹君。
>

ならばちょうどいいですわ。
>

アナタでは私に勝てないと、
>

理解して頂くいい機会ですわね」
>

[Kurumi]
「土壇場だ。
>

もうごたくはいらない。
>

とっとと初めよう」
>

[Kyouka]
「えぇ。
>

けれどその前に――」
>

鏡香がすっ、と私達の背後を指さす。
>

[Inoue]
「お待たせいたしました」
>

[Mana]
「井上さん!
>

無事だったんですね!」
>

[Inoue]
「はい。おおむね無事でございます」
>

[Kyouka]
「主人に背く気分はどうかしら、井上?」
>

[Inoue]
「…………」
>

[Kyouka]
「答えたくないなら、
>

別にかまわないのだけれど。
>

答えも見つからないまま自分の意思を貫くというのは、辛いでしょう?」
>

[Inoue]
「…………」
>

[Kyouka]
「私が従者の心も読めないような
>

主人ではないことを、
>

あなたはよぉく知っているものね」
>

[Kurumi]
「うるさいねぇ。
>

アンタ、自分が不利な状況に
>

立たされて焦ってるんじゃないのか?」
>

[Kyouka]
「不利?
>

ックク……アッハッハハ!
>

それは違うわよ」
>

[Kurumi]
「こっちには井上さんもいる!
>

もうグラサンもマッチョも倒された!
>

アンタは一人だ!」
>

[Kyouka]
「井上は決して戦いませんわ。
>

主人を守ることこそ、そのメイドにとって絶対ですもの」
>

[Inoue]
「……ック」
>

[Kyouka]
「まして主人に手をあげるなど、
>

もってのほか。
>

つまり、私とアナタの一騎打ちは
>

変わりませんことよ」
>

[Kurumi]
「そうなのか、メイド?」
>

[Inoue]
「申し訳ございません……」
>

[Kurumi]
「フン。まぁいいさ。
>

むしろその方が望ましいくらいだ。
>

誰かに手出しされるなんて、
>

たまったもんじゃないからな」
>

[Mana]
「胡桃……また、戦うの?」
>

[Kurumi]
「相手が引かない。
>

こっちも引けない。
>

なら、どちらかを排除する他ない」
>

[Kyouka]
「――そう、ですわね」
>

[Kurumi]
「いつの間――ッ!?」
>

[Kyouka]
「あなたが悠長にお話ししているから、ですわ。
>

殺してしまってもいいのかしら?」
>

[Kurumi]
「なめるなぁっ!」
>

[Kyouka]
「そぉれっ!」
>

[Kyouka]
「やはり、
>

なんど戦っても同じですわね。
>

あなたは私よりも、弱い」
>

[Kurumi]
「ぐっ!」
>

[Mana]
「胡桃!?」
>

[Inoue]
「いけませんまな様!
>

巻きこまれてしまいますよ!」
>

[Mana]
「でも! だって胡桃が!」
>

一瞬のやりとりの内に、
>

胡桃だけがダメージを負っている。
>

もちろん私には何が起こったのか
>

分かりませんが、
>

鏡香の方が実力が上というのは
>

覆らない事実なのかも……。
>

[Kurumi]
「……ま、まだまだぁ!」
>

[Kyouka]
「ふぅ。やれやれ、ですわねっ!」
>

[Kurumi]
「――ッ!?」
>

[Mana]
「胡桃ぃぃ――っ!」
>

[Kyouka]
「これで気が済んだかしら?」
>

[Kurumi]
「ま、まだ……諦めるわけ、
>

には……。
>

おねぇ、ちゃ……と、
>

一緒に……帰る、んだ」
>

[Kyouka]
「うっとうしい。
>

もう、止めて頂きたいわ」
>

[Kurumi]
「ゲホッ! ぜぇ……ぜぇ……」
>

[Mana]
「胡桃……もう、いいよ……。
>

もう、やめてよ……。
>

胡桃がそんなになってまで……。
>

お姉ちゃん、逃げ出そうと思わないよ」
>

[Kurumi]
「え、へへ……。
>

お姉ちゃんは、優しい、な。
>

――ぅぐっ!?」
>

[Kyouka]
「もう立っているのもやっとですわね。
>

何も面白くありませんわ。
>

もう寝ていなさい」
>

[Mana]
「もう止めて鏡香……。
>

鏡香ぁっ!!」
>

[Inoue]
「……っ」
>

[Kyouka]
「…………。
>

これが、最後のチャンスよ」
>

無意識に目を閉じていました。
>

これ以上胡桃が傷付く光景を
>

見ていられなかったのでしょう。
>

けれど――
>

[Kyouka]
「ぁ……」
>

[Inoue]
「はぁっ、はぁっ……はぁ……」
>

乾いた音のあと、鏡香の手が胡桃に
>

振りおろされることはなく、
>

代わりに井上さんの平手がしたたかに
>

鏡香の頬を打っていました。
>

[Inoue]
「……なりません」
>

[Kyouka]
「……井上?」
>

[Inoue]
「大切なお友達を
>

悲しませるようなことをしては、
>

なりません」
>

[Kyouka]
「井上、今、私を……ぶった?」
>

[Inoue]
「は、はい。
>

申し訳ございません。
>

いかような処分も
>

覚悟の上でございます」
>

[Kyouka]
「…………」
>

[Inoue]
「…………っ」
>

それきり井上さんは
>

黙りこんでしまいました。
>

井上さんのあまりに以外な行動に、
>

誰も言葉を発することができなくて、
>

ただ皆固まったまま動けなくて。
>

[Kyouka]
「ふぅ……まな、行っていいわよ」
>

[Mana]
「へ?」
>

[Kyouka]
「帰ってもいいと言ったのよ。
>

また2学期に会いましょう。
>

そちらの妹君も、ね」
>

[Kyouka]
「次に会う時はいち友人として。
>

もう私達が拳を突き合わせることも
>

ないでしょう。気が向いたらいつでも
>

遊びに来なさい。歓迎するわ」
>

[Kurumi]
「え、あ、あぁ……。
>

そりゃ、どうも」
>

そうとだけ言って、
>

すたすたと別荘の方へ戻って行く鏡香。
>

な、なにがどうなったの?
>

[Mana]
「あ、あのぅ……井上さん?」
>

[Inoue]
「…………」
>

[Mana]
「もしもーし。
>

井上さーん? 聞こえてますかー?
>

もしかして、
>

声が遅れて聞こえてますかー?」
>

[Inoue]
「はっ、はい!
>

お帰りに、なられるのですね」
>

[Mana]
「ええ。どういうワケか、
>

鏡香のOKが出たので」
>

[Kurumi]
「なんだかよくわかんないけど、
>

胡桃も友達になれたっぽい?
>

あははっ、ま、いーや。
>

お姉ちゃんの友達は胡桃の友達!」
>

相変わらず切り替えが早いですね。
>

胡桃は。
>

[Inoue]
「私は……。
>

お嬢様に試されていたのかも
>

しれません」
>

[Mana]
「ふぇ?
>

なにが?」
>

[Inoue]
「いえ。最後の最後でチャンスを
>

モノにできたようです。
>

ありがとうございました、まな様」
>

[Mana]
「い、いやぁ~それほどでもぉ~。
>

……で、私何したんですか?」
>

[Kurumi]
「調子いいんだからお姉ちゃんは。
>

よっと! 胡桃はケガしてるからぁ、
>

荷物はお姉ちゃんね♪」
>

[Mana]
「えー!
>

同じ血を分けた姉妹ではないか。
>

ここは平等に折半ということで……」
>

[Kurumi]
「フーン。お姉ちゃんはこんなボロボロになってる妹に、
>

重たい荷物を持たせるんだ?
>

へーそうなんだー」
>

[Mana]
「分かりましたよ!
>

持てばいいんでしょう持てば!」
>

[Inoue]
「庭の外に車を用意させております。
>

では、私はここで
>

お見送りさせていただきますね」
>

[Mana]
「井上さん!
>

色々ありがとうございました!
>

また遊びに来たらよろしくです!」
>

[Kurumi]
「またおいしいご飯食べさせてねー!
>

今度はプールもー!」
>

[Inoue]
「ウフフ、かしこまりました。
>

いつでもお待ちしております」
>

[Inoue]
「――よろしいのですか?
>

お嬢様」
>

[Kyouka]
「……なにがかしら?」
>

[Inoue]
「本当は、お二人ともっと
>

お過ごしになられたかったのでは?」
>

[Kyouka]
「バカなことを。
>

彼女達をこれ以上拘束しても、
>

何のメリットもないわ」
>

[Inoue]
「さようでございますか」
>

[Kurumi]
「ねーねーお姉ちゃん!
>

夏休みどこいこっかー!」
>

[Mana]
「やっぱり海かな?
>

それからかき氷!
>

あとスイカ割り!
>

海の家で焼きそば!」
>

[Kurumi]
「お姉ちゃんってば食べ物ばっかり~
>

そんなんじゃ、体型変わっちゃって、
>

2学期に白宮さんに誰だかわからない
>

って言われちゃうよー」
>

[Mana]
「ひぃぃ!? それは怖いけど……。
>

ダイジョーブ!
>

主食はCドライブ!
>

おやつはDドライブ!」
>

[Kurumi]
「なにそのご都合主義なたとえー」
>

[Mana]
「夏は短し、食べよ乙女です!」
>

[Kurumi]
「ま、お姉ちゃんと一緒なら、
>

胡桃はなんだっていいよっ」
>

[Mana]
「うれしいこと言ってくれるじゃない
>

ですかマイシスター。
>

じゃあこのカバン1個持って~」
>

[Kurumi]
「やーだよ♪
>

たくさん食べるんだから、
>

しっかり運動しとかなきゃね!」
>

[Mana]
「よよよ~ご無体なぁ~」
>

[Kyouka]
「フフ、あんなに嬉しそうにしている
>

まなを見たらそんな無粋なマネ、
>

できないでしょ?
>

それよりお茶が飲みたいわ」
>

[Inoue]
「お嬢様……」
>

[Kyouka]
「あぁ、そうそう井上。
>

明日は鈴木と田中に留守を任せて、
>

私達も二人で海へ行くわよ」
>

[Inoue]
「二人で……でございますか?
>

お言葉ですが、
>

ボディガードも無しに出歩かれるのは
>

不用心かと……」
>

[Kyouka]
「あぁもぉ! 頭がかたいわね!」
>

[Kyouka]
「私は井上と! 二人だけで!
>

海に行きたいって言ったのよ!
>

もういいから早くお茶を用意なさい!」
>

[Inoue]
「私とふたりっきり……。
>

あ? え? お、お嬢様?
>

い、今なんとおっしゃいましたか!?
>

お嬢さまぁ~~っ!」
>
limit_panic/kurumiend2.txt · Last modified: 2014/05/25 12:55 (external edit)