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limit_panic:event2a
2day/イベント2A.ks
Lines: 340
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[Mana]
「胡桃、大丈夫かしら……」
>

今夜もまた酷く怪我していないかしら。
>

[Mana]
「あぁっ、心配でしょうがない!」
>

しんぼうたまらずメールを送る。
>

するといつものように、
>

数分と待たずしてレスが届く。
>

[Mail]
『FROM:くるみ SUB:Re:大丈夫?
>

 ―――――――――――――――――
>

心配してくれてありがとうお姉ちゃん(><)
>

胡桃なら大丈夫! だけどちょっとケガしちゃったよぅ(TT)シクシク』
>

[Mana]
「やっぱり!
>

あぁもうあの子ったら、
>

きっと手当もまだ……
>

手当してあげるから、おいでっと」
>

メールの返信も待たずに救急セットを
>

取り出す。
>

こんな物まで備え付けてくれてるなんて、井上さん気がきくなー。
>

[Kurumi]
「おねぇちゃ~ん。
>

いたいよぉ~
>

びえぇぇ~ん」
>

入ってくるなりわざとらしい泣きマネ。
>

[Mana]
「はいはい。
>

分かったからそこに座る。
>

ケガ、見せなさい」
>

[Kurumi]
「はぁい」
>

気の無い返事をして、
>

胡桃は無造作に上着を脱ぎ始め――
>

[Mana]
「って、すとっぷすとっぷ!」
>

[Kurumi]
「んにゃ?」
>

[Mana]
「く、胡桃どこケガしたのよ?」
>

[Kurumi]
「んと、お腹の上の方。
>

服脱いだ方がいいでしょ?」
>

[Mana]
「へ? あ、あぁ。
>

そうね……」
>

私ったら何過剰に反応してるんだか。
>

胡桃の裸なんて何度も見てるじゃない。
>

そ、そうよ、胡桃のはだっ、
>

ハダカなんて……。
>

[Kurumi]
「お姉ちゃん?」
>

[Mana]
「はひぃっ!」
>

ああああダメだダメだ。
>

この別荘に来てから鏡香と胡桃に
>

変なアタック受けてるせいで
>

頭がおかしくなってるんだ!
>

きっとそう! 私は正常ノーマル普通!
>

[Kurumi]
「変だよ?」
>

[Mana]
「変じゃないですっ」
>

[Kurumi]
「ごっ、ごめん」
>

ハッ!
>

って、なにをやってるんですか私は!
>

[Mana]
「じゃ、じゃあ、
>

脱がなくてもいいから、
>

服めくっててくれる?」
>

[Kurumi]
「ふぁーい」
>

[Mana]
「ぶふっ」
>

勢いよく、がばちょ!
>

と服をたくしあげられたら、
>

あやうく豊かなバストのアンダーが
>

ってあわわわわわわ。
>

[Mana]
「くっ、くくくるみ!
>

ひょっとして……し、下着、
>

つけてない?」
>

[Kurumi]
「だってぇ、胸くるしーんだもん。
>

もう夜だし、つけなくてもいーじゃん」
>

苦しいとかうらやましいことを……
>

じゃなくて!
>

あからさまにアンダーなバストが
>

あらわになってますよ胡桃さんっ!
>

[Kurumi]
「どうしたのお姉ちゃん?
>

あれ? もしかして? 恥ずかしい?」
>

[Mana]
「なぁっ、
>

バカなこと言うんじゃないですよ妹よ」
>

[Kurumi]
「へぇ~
>

だったら、早く手当して欲しいなぁ。
>

ほらほらぁ~こっちをご覧あそばせ~?」
>

たくし上げた服をさらにひらひらと
>

上下させる胡桃。
>

そ、そんな挑発にこの私がっ!
>

[Mana]
「くまー」
>

あぁぁ、つい釣られて見てしまいました。いえいえ誤字ではなく。
>

[Kurumi]
「あははっ!
>

お姉ちゃんってば、
>

妹の胸見て興奮するとか、
>

ヘ・ン・タ・イ、なんだ?」
>

[Mana]
「ぐさっ」
>

[Kurumi]
「きゃー! 胡桃ってばヘンタイさんに服脱がされて手当されようとしてるのねー」
>

[Mana]
「ぐさぐさっ」
>

[Kurumi]
「ひょっとしてぇ、
>

手当するっていうのも、
>

そのための口実だったりしてぇ?
>

きゃー! ヘンタイ! エッチ!」
>

[Mana]
「へ、へんたい……」
>

この私が……ノーマルで普通で正常でナチュラルだったこの私が、
>

ヘンタイとののしられるなんて……。
>

[Kurumi]
「きゃははっ!
>

今日のお姉ちゃんおもしろーい」
>

あぁ、もうどうにでもなーれな気分です。
>

妹にここまで遊ばれるなんて……。
>

ひとえに、ここに来てから狂い始めた
>

私の思考回路に問題があるのですが。
>

[Mana]
「うぉっほん!
>

おふざけはそこまで。
>

手当するからね」
>

さて気を取り直して。
>

うーん、やっぱりアザになっちゃってる。
>

鏡香とのケンカのせい、よね?
>

[Mana]
「ねぇ、胡桃」
>

[Kurumi]
「にゅ? なぁに、お姉ちゃん?」
>

[Mana]
「胡桃は、どうして……」
>

こんなこと、聞いちゃっていいのかな。
>

私に尋ねる資格なんてあるのかな。
>

胡桃の答えなんて、私には、
>

私にはとうの昔に――。
>

[Mana]
「胡桃は、
>

どうしてこんなになってまで――」
>

[Kurumi]
「そんなことを聞いて、
>

お姉ちゃんはどうするの?」
>

[Mana]
「……え?
>

どう、って。それは……」
>

[Kurumi]
「答えられないよ。
>

今のお姉ちゃんには」
>

[Mana]
「う……」
>

悔しいけれど、その通りでした。
>

胡桃が鏡香と戦う理由を知ったところで、今の私にはどうすることもできない。
>

[Kurumi]
「お姉ちゃんは、ただ黙って
>

胡桃に守られていればいいの。
>

わるいわるーい魔女は、この胡桃様が、
>

ぼっこぼこにしてあげるからね」
>

[Mana]
「でも……」
>

有無を言わせない胡桃の威圧感。
>

それを前に、私は情けないけれど、
>

それ以上なにも言えませんでした。
>

[Kurumi]
「ん♪ ありがと、おねーちゃん」
>

シップを張り終えた私の頭をぽむぽむと撫でてくれる胡桃。
>

私の対応しだいでは、
>

この手が私を襲うことだって……。
>

[Mana]
「い、いいわよ、
>

このくらい」
>

いや、そんなことはない。
>

私は何を考えているんだろう。
>

実の妹である胡桃が、
>

そんなことするわけがない。
>

[Kurumi]
「それでぇ、どうするお姉ちゃん?
>

この服……もっと上まで
>

たくし上げちゃってもいいんだよ?」
>

[Mana]
「なっ! い、いい加減にしなさい!」
>

[Kurumi]
「きゃははっ
>

おこられちゃったー。
>

でもホントわぁ、どうなのかな?」
>

[Kurumi]
「お姉ちゃん、今寂しいよね?
>

一人だよね?
>

孤独だよねぇ?」
>

[Mana]
「なに言って……」
>

[Kurumi]
「もし誘いを断って、
>

胡桃が怒りだしたら――
>

私に手を上げてきたらどうしよう」
>

[Mana]
「――――ッ!?」
>

[Kurumi]
「あはっ、図星だったんだ?
>

きゃははははっ、
>

あてずっぽうだったんだけどなぁ?
>

あはっ、あははっ」
>

[Mana]
「ちっ、ちがうの!
>

私、そんなふうに思ってたワケじゃ」
>

[Kurumi]
「ひどいなぁ、おねえちゃんは。
>

胡桃のことそんなふうに
>

思ってたなんて……」
>

[Kurumi]
「あはっ、かなしーなぁ。
>

胡桃、かなしーなぁ。
>

どうしようかなぁ、怒っちゃおうかなぁ?
>

あはっ、あはははっ」
>

[Mana]
「ちょ、ちょっと、あんまりふざけてると、お姉ちゃんいい加減に怒るからね?」
>

[Kurumi]
「あはっ、あはっ!
>

お姉ちゃん、怒るんだ?
>

あはっ、あははっ、あはははは!」
>

なに?
>

なんなの?
>

なにが起こったの?
>

胡桃……どうしたっていうのよ!?
>

[Kurumi]
「あはっ、くすす。
>

楽しいけれど、今はまだ、ね。
>

手当もしてもらわなきゃいけないもんね?」
>

あぁもぉ、調子狂うなぁ。
>

[Mana]
「とにかく!
>

手当するわよ!」
>

[Kurumi]
「ちぇー、もう胡桃の地肌にも
>

免疫できちゃったかな。
>

次はどんな手でせめようかな?」
>

[Mana]
「バカ言ってないで、
>

じっとしないと湿布貼れないでしょ」
>

[Kurumi]
「ふわぁい」
>

はぁ、
>

ようやく変なペースから脱出できました。
>

[Kyouka]
「まぁ~なぁ~ん☆
>

メール返してくれなきゃぁ~
>

きょーかさみちぃ~」
>

[Kurumi]
「………………」
>

[Mana]
「………………」
>

[Kyouka]
「ぁ……ぅ……」
>

あっちゃーなんてタイミングの悪さ……。
>

[Kurumi]
「なにか用か?
>

今、取りこんでるんだけど」
>

[Kyouka]
「あ、あぁら。
>

と、取りこみ中でしたの。
>

どうせまたくだらないことにまなを
>

巻き込んでいたのではなくて?」
>

鏡香はなんとかいつもの調子を
>

取り戻したみたいだけど、
>

今回ばかりは胡桃が強気。
>

[Kurumi]
「はっ、察しが悪い女は嫌われるよ?
>

今の私達の状況を見れば、
>

アンタでも分かるだろうに?」
>

[Kyouka]
「っ!?」
>

ベッドに腰かけた胡桃の服を
>

たくしあげている私。
>

誤解を生む状況証拠としてこれ以上のものはない。
>

[Mana]
「ちっ、違うの、鏡香!
>

これはただ、胡桃の手当を――」
>

[Kurumi]
「おねぇちゃ~ん。
>

あんなのほっといてさっさと、
>

い・つ・も・の、続きしよーよー」
>

[Kyouka]
「くっ!」
>

[Mana]
「鏡香っ!?」
>

ドアも閉めず走り去ってしまった鏡香。
>

私は、胡桃を一瞬だけ振り返って――
>

[Mana]
「すぐ戻るから、ちょっとそこで――」
>

[Kurumi]
「いかないでっ!!」
>

絞り出したような、
>

泣き叫んだような胡桃の声が
>

部屋に響いた。
>

[Mana]
「すぐ戻るから。ね?
>

お願い、ききわけて?」
>

[Kurumi]
「やだやだやだ!
>

あんなヤツのところに行っちゃヤダ!」
>

[Kurumi]
「お姉ちゃんはずっと私といるの!
>

私と一緒なの! 
>

お姉ちゃんと一緒にいていいのは
>

私だけなの!」
>

[Mana]
「胡桃……」
>

鏡香と対していた時とは、
>

まるで別人のように情けない声に、
>

一瞬とまどったけれど、私は――
>

[Mana]
「……ごめん、胡桃」
>

[Kurumi]
「――っ!?
>

おねえちゃ――!」
>

叩きつけるような胡桃の声を聞かず、
>

私は部屋を飛び出した。
>

聞こえなかった、わけじゃない。
>

聞かなかった、
>

だけなのかもしれないけれど。
>

[Kyouka]
「…………」
>

さて、なんて声をかけたものかしら。
>

[Kyouka]
「いつも……あんなことしてるの」
>

胡桃の言葉を信じちゃってる。
>

話せば分かってくれる、よね?
>

[Mana]
「違うってば。
>

あれは胡桃のケガの手当を
>

してただけで――」
>

[Kyouka]
「ックク……フフフ、あははは」
>

[Mana]
「ど、どうしたのよ、鏡香?」
>

[Kyouka]
「だって、ねぇ?
>

あはははは!」
>

ねぇ? とか言われても、
>

ぜんぜんわからないんですけど。
>

[Mana]
「状況証拠は十分だったかもしれないけど、ホントに、決してやましいことは
>

一切起こって――」
>

[Kyouka]
「わかってるわよ」
>

[Mana]
「はぇ?」
>

思わず間の抜けた声が出た。
>

[Mana]
「分かってるって、
>

じゃあどうして逃げ出したりしたのよ?」
>

[Kyouka]
「そんなの、
>

あの小娘からまなを引き離すために
>

決まってるじゃなぁい」
>

そん、な――。
>

[Kyouka]
「うれしいわぁ、まな。
>

あなたがアレよりも私を選んでくれて」
>

[Kyouka]
「やはり、まなは私を愛してくれている。
>

……そして今頃アレは一人で、フフフ。
>

これが笑わずにいられるかしら?」
>

[Mana]
「鏡香……それ、本気で言ってるの?」
>

[Kyouka]
「あん、そんな怖い顔しないで。
>

せっかくのかわいい顔が、だいなし」
>

[Mana]
「ふざけないでっ!
>

こんなことして、何がたのしいのよ!」
>

[Kyouka]
「なにが? 
>

楽しくて当然じゃなくて? 
>

好きな人と共に時間を過ごす」
>

[Kyouka]
「それだけで人は
>

幸せになれる生き物よ?」
>

[Mana]
「~~~っ!
>

帰ります!」
>

[Kyouka]
「あら、まだほんの少ししか時間を
>

共有していないのに、ダメよ」
>

[Kyouka]
「と、いつもなら力ずくでも
>

連れ戻すところだけれど、
>

今夜は私を選んでくれたお礼に、
>

特別に許してあげる」
>

[Kyouka]
「案外、戻らないほうが
>

まなのためになるのかも、
>

しれないけれど。
>

フフフフ……」
>

[Mana]
「ごめーん胡桃、
>

おまたせ……って、あれ?」
>

部屋には誰もいなくて、
>

胡桃の持ち物も全部消えてる。
>

[Mana]
「もう、自室に戻っちゃったのかな?」
>

どこかに隠れてる、
>

なんてこともないだろうし。
>

[Mana]
「っ! これって……」
>

今まで胡桃の姿を探していて
>

気付かなかったけれど、
>

シーツが何かで切り刻まれたように、
>

ボロボロにされていた。
>

[Mana]
「胡桃……なのかしら」
>

刃物なんて持っていたのかしら。
>

だとしたら……。
>

[Mana]
「電話しなきゃ!」
>

とっさにリダイヤルで胡桃にかけるも、一向につながらない。
>

なら、部屋に直接いくしかない。
>

[Mana]
「胡桃、いるんでしょ?
>

開けてくれない? ねぇ、胡桃!」
>

返事はなく、
>

部屋の中で人が動いている気配もない。
>

もしかすると、
>

部屋にはいないのかもしれない。
>

[Mana]
「胡桃っ! さっきはゴメンね!
>

だから、お姉ちゃんの話を聞いて?
>

ねぇ、胡桃!」
>

――ブルルルル。
>

[Mana]
「メール?
>

胡桃から?」
>

[Mail]
『FROM:くるみ SUB:無題
>

 ―――――――――――――――――
>

だまれ』
>

[Mana]
「っ!?」
>

思わず携帯を落としてしまう。
>

これ……ホントに胡桃から……。
>

[Mana]
「……胡桃」
>

私はそれ以上なにも言えず、
>

自室に戻ることしかできませんでした。
>
limit_panic/event2a.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)