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limit_panic:event1a
1day/イベント1A.ks
Lines: 233
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[Mana]
「もう、なにがなんだか……」
>

分からないうちに、
>

夜中を回ってしまいました。
>

突然鏡香に拉致られて、
>

胡桃と鏡香がケンカ……
>

っていうレベルじゃないですよ、
>

アレ。
>

二人の悪ふざけ……だったと思いたい。
>

けれど……。
>

[Mana]
「この別荘の外には
>

出してもらえないみたいだったし」
>

やっぱり、これって……。
>

[Mana]
「『拉致監禁』なのかなぁ?」
>

一昔前によく耳にしたフレーズ。
>

拉致監禁及び殴る蹴るの暴行。
>

[Mana]
「あう、ぴったりだ……」
>

[Mana]
「このまま帰してくれなかったらどうしよ。夏休みの宿題、
>

やらないといけないのになぁ」
>

こんな状況なのに、
>

宿題とか夏季講習とか、
>

そんなことばかり浮かんでくる。
>

枯れてるなぁ、わたし。
>

[Mana]
「でも居心地のいい場所よねぇ」
>

ベッドはふかふかだし。
>

ご飯もおいしいし。
>

何よりやたらとなんでも豪華だし。
>

人生であと何回、
>

こんなところに泊まれるか、
>

きっと片手で数えれちゃいそう。
>

[Mana]
「こんなところでずっと生活できたら、
>

最高だけど。
>

このまま拉致られていようかな~」
>

専属メイドにお世話されて、
>

気ままなさまーばけぃしょんを
>

心ゆくまでえんじょいらいふ……。
>

[Mana]
「ほわ~ん」
>

はっ。いけないいけない。
>

よだれよだれ。
>

と、
>

まくらもとにおいた携帯に着信。
>

[Mana]
「胡桃からだ」
>

『FROM:くるみ SUB:。゜゚(>ヘ<)゚ ゜。
>

 ――――――――――――――――
>

お姉ちゃんさっきのことまだ怒ってる(ノ_・。)?
>

胡桃ハンセイしてます! ホント!
>

だからお姉ちゃんの部屋にいってもいい?(〃´・ω・`)
>

胡桃お姉ちゃんとじゃなきゃ眠れないよぉ(T_T)』
>

[Mana]
「もぉ、ホントに反省したのかな」
>

と言いつつも思わず笑いが
>

込み上げてくるあたり、
>

姉バカだなーと思います。
>

[Mana]
「しょうがないなぁ、
>

来てもいいよ、っと」
>

そしてしっかりとOKのメールを
>

返しちゃうあたり甘々だなーと思います。
>

[Mana]
「さっきはちょっと怒っちゃったし、
>

胡桃、気にしてなければいいけれど」
>

もんもんとしていると
>

ドアを控えめに叩く音。
>

[Kurumi]
「おねえ……ちゃん?」
>

ドアの隙間から伺うように、
>

顔だけ覗かせる胡桃がおかしくて
>

つい吹き出してしまった。
>

[Mana]
「くすすっ、いいから入っておいで」
>

[Kurumi]
「あっ……うんっ!」
>

まぁまぁそんなにうれしそうな顔で
>

飛び跳ねてきちゃって。
>

[Mana]
「げふっ!」
>

[Kurumi]
「ごっ、ごめんお姉ちゃん!
>

大丈夫!?」
>

[Mana]
「だ、だいじょうぶ。
>

でも、ジャンピングハグは、
>

今後控えようね……」
>

イタタタタ。
>

およそ乙女が出すとは思えない奇声をあげてしまいました。
>

[Mana]
「それで、あまえんぼの胡桃ちゃんは、
>

一人で眠れないのかな?」
>

[Kurumi]
「ぶぅーっ!
>

お姉ちゃん、イジワル」
>

[Mana]
「そんなんじゃ鏡香にだって笑われ――」
>

[Kurumi]
「アイツの名前を出さないで」
>

[Mana]
「て……え?
>

く、胡桃?」
>

[Kurumi]
「あんなヤツどうだっていいじゃん
>

それより胡桃とお話しようよ。
>

きっとその方が楽しいよ」
>

[Kurumi]
「そうだよ。
>

あんなヤツ死んじゃえばいいんだ。
>

あんなヤツがいるからいけないんだ」
>

[Kurumi]
「あぁーもぉっ!
>

考えれば考えるほど腹立ってきた!
>

あそこで殺してやればよかった!」
>

[Kurumi]
「せめて足の1本でも折ってやれば、
>

のこのこ出歩けなくなってたのに……
>

ちくしょう!」
>

[Mana]
「ちょ、ちょっと胡桃?」
>

なんだか口調まで変わって、
>

いつもの胡桃じゃないみたい……。
>

さっきもそうだった。
>

[Mana]
「ほ、ほら。
>

女の子がそんな物騒なこと言わないの。
>

鏡香だって――」
>

[Kurumi]
「だからあのメスブタの名前を
>

呼ばないでっていってるでしょう!!」
>

[Mana]
「あ……ぅ」
>

胡桃の気迫に圧倒されてしまう。
>

『怖い』
>

確かに今、胡桃のことを
>

そう思っている自分がいた。
>

[Kurumi]
「おねえちゃんわぁ、
>

胡桃とだけ遊んでくれればいいの。
>

他の女なんてどーでもいいのっ」
>

じりじりと胡桃の顔が近づいてくる。
>

後退るも、トン。と背中が壁に当たる。
>

胡桃の手が私の首へとかかり……。
>

[Kurumi]
「ねっ? わかった?
>

分かったら……
>

返事しないといけないでしょ?」
>

[Mana]
「ぁ……ぅ……」
>

胡桃の手がギリギリと
>

私の首を絞め上げる。
>

その手に戸惑いもためらいもない。
>

純粋に私の呼吸を止めようと、
>

こめられた力が増していく。
>

[Kurumi]
「ほら、返事はどうしたの?
>

ホラァ!?」
>

[Mana]
「ぉ……ぁぐ……」
>

声を出したくても苦しさとパニックで
>

声の出し方が分からない。
>

[Kurumi]
「キャハハッ!
>

お姉ちゃんたらなんて顔!
>

でも……すごぉくかぁいぃ」
>

[Mana]
「ぐ……るみ……やめ……っ」
>

[Kurumi]
「あぁ……なんて良い顔するのよ、
>

お姉ちゃん。そんな顔されたら、
>

もう胡桃……我慢出来ない!」
>

[Mana]
「ぃぎっ!?」
>

胡桃の力がさらに強まる。
>

胡桃の爪がノドに食い込んでいく感覚。
>

早く! 
>

早く返事しないと本当に殺される!
>

[Mana]
「っ! っ!」
>

声を出すことをあきらめ、
>

必死に頭を上下に振る。
>

[Kurumi]
「分かってくれたんだね!
>

さっすがお姉ちゃん!」
>

[Mana]
「っくはぁっ!
>

はぁっ、げほっ、ごほっ!」
>

ようやく、解放、された?
>

まだ、上手く、息、できない。
>

空っぽの肺に大量の空気がなだれ込み、
>

今度は逆にむせかえる。
>

[Kurumi]
「あ……れ」
>

[Kurumi]
「あ……ご、ごめんね?
>

苦しかったよね?
>

胡桃、お姉ちゃんに、
>

ヒドイことしちゃった……」
>

胡桃、正気に戻った、の?
>

[Kurumi]
「ごめんね、ごめんねっ。
>

胡桃、つい、カッとなっちゃって……」
>

[Mana]
「けほっ、う、ううん。
>

お姉ちゃんなら、ごほっ、大丈夫」
>

[Kurumi]
「ひぐっ、っんく。
>

ごめ……んなさい……っく、
>

うわあぁぁん!」
>

[Mana]
「胡桃……」
>

目の前で泣いている胡桃は、
>

いつも通りのあまえんぼな胡桃なのに。
>

じゃあさっきまでの胡桃は?
>

[Mana]
「お姉ちゃん、大丈夫だから。
>

ね、泣かないで?」
>

[Kurumi]
「ホントっ!?」
>

[Mana]
「きゃあ!?
>

た、立ち直り早いわねぇ?」
>

[Kurumi]
「いつまでもウジウジしてるの
>

嫌いだもんっ☆」
>

だもんっ☆ って。
>

満面の笑みで断言されたら
>

溜息しかでません。
>

[Mana]
「って!
>

じゃあ今の、嘘泣きだったのね?」
>

コツン、と胡桃の頭におしおきです。
>

[Kurumi]
「はう……ごめんなさい」
>

うん。もういつも通りの胡桃ね。
>

[Kurumi]
「ごめんね、お姉ちゃん……」
>

私の腰にギュッとしがみついてくる胡桃。
>

胡桃だって、
>

突然知りもしない館に閉じ込められて、
>

気が動転していたのかもしれない。
>

……そう。
>

私達今、閉じ込められてるんだ。
>

こんな時に、
>

お互い気を立てている場合じゃない。
>

こんな時こそ私がしっかりしなきゃ。
>

[Mana]
「大丈夫よ。もう忘れましょ。
>

さ、今日はもう遅いから寝よっか。
>

一人で寝れるわね?」
>

[Kurumi]
「う、うむむぅ。
>

前向きにけんとう、いたしますです」
>

[Mana]
「うむ。よろしい。
>

では頑張ってくれたまえ、胡桃クン」
>

ひとしきりお互いに笑い合って、
>

おやすみをかわす。
>

[Kurumi]
「えへへ……お姉ちゃん大好き」
>

[Mana]
「ん?」
>

[Kurumi]
「ううん! なんでもないっ!
>

おやすみ~」
>

[Mana]
「??
>

うん、また明日ね」 
>

胡桃が出ていくと途端に部屋の中が
>

寂しく……ってイケナイイケナイ。
>

これじゃあ胡桃と同じじゃない。
>

ワケわかんない状況だけど、
>

私がしっかりしなきゃ、ね!
>

[Mana]
「ふぁ……色々あって疲れたぁ。
>

みなのしゅー、
>

睡魔がもうそこまで迫っておりますぞー」
>

なんて一人時代劇をしていると、
>

[Mana]
「あら?
>

また胡桃からメール?」
>

おやすみなさいのメールでも
>

送ってくれたのかな。
>

ホント、あまえんぼさんだなぁ胡桃は。
>

キスマークの絵文字とか入ってたら
>

どうしましょう?
>

おやすみのキッス……
>

なんて言って携帯のディスプレイに……。
>

[Mana]
「もうヤメてよばかぁ!
>

キャー!」
>

と、ひとしきり一人で身悶えした後。
>

『FROM:くるみ SUB:無題
>

 ――――――――――――――――
>

またアイツの名前を口にしたら、次は止めてあげないからね』
>
limit_panic/event1a.txt · Last modified: 2018/05/22 17:15 (external edit)