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atelier_no_koibito_tachi:s003
;//S003「天敵で、初めての友達で、そして恋人で……」
#savetitle 天敵で、初めての友達で、そして恋人で…


;**アトリエ
#bg bg29a
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;♂MP17
#bgm 0 bgm17


#mes on
#system on


さっきの一本の電話で、不機嫌になってしまった私だけど。
その後、美夜が気を使ってくれて。
自分で調べた、歴代カップルの話を色々と聞かせてくれた。
最初は、ぼんやりと聞いていたけれど……やっぱりこの手の話は嫌いじゃない。
途中から、美夜の話にしっかり引き込まれてしまった。
特にアトリエを作るきっかけになった、美術部の天才の話は……私の好奇心を思いっきり、刺激してくれた。


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#voice miya_0161
【Miya】「どうやら相手の子も、同じ美術部に所属していた様ね」


#cg 1 tmi01s 200 0
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#voice risa_0210
【Risa】「はぁ〜……じゃあまさにここは、二人にとっての秘密のアトリエだったのね」
ロマンを感じる響きに、私はうっとりとしながら、話に聞き入る。
#voice miya_0162
【Miya】「恋人をモデルに、ここで絵を描いたりしていたみたいね」
恋人を見つめながら、絵筆を動かして。
恋人に見つめられながら、ポーズを取って。
時々話をしたり、笑いあったりして、同じ時間を共有して愛を育んだ二人の話を、私はドキドキしながら聞き続けた。
美夜と同じ、天才肌の人を恋人に持っていた女性。
彼女も私みたいに、その天才に振り回されていたのかしら……


#cg 2 tri02s 600 0
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#voice risa_0211
【Risa】「……フフッ」


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#voice miya_0163
【Miya】「何がおかしいの、璃紗?」
#voice risa_0212
【Risa】「ううん、何でもないわ……ふふふっ」
私は再び、アトリエをぐるっと見回して、過去の恋人たちに思いを馳せた。
#voice risa_0213
【Risa】「本当に……素敵な話だわ」
#voice miya_0164
【Miya】「璃紗……?」
二人が過ごした時間を、私はあれこれ考える。
今、私が座っているこの椅子だって、その恋人たちが使っていたかもしれない。
眺めの良いそこの窓から、二人並んで夕暮れを見たり。
そうね……たまには苦手な先生の悪口とか、言い合ったりしていたかも。
#voice miya_0165
【Miya】「璃紗、わたくしの声、聞こえている?」
#voice risa_0214
【Risa】「……一緒に、宿題もやっていたかも……」
#voice miya_0166
【Miya】「璃紗? もう、いつまでもそうしていると……悪戯するわよ」
そうそう、イタズラもしたり……


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0215
【Risa】「……んっ、イタズラ?」


#cg 1 tmi02s 200 0
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#voice miya_0167
【Miya】「そうよ……悪戯されたいのかしら、璃紗\001」


#cg 2 tri04s 600 0
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#voice risa_0216
【Risa】「わわわっ、美夜、急に何を言い出すのよ〜」
それにすっごく、顔が近いんですけど……
#voice miya_0168
【Miya】「さっきからずっと、ぼんやりしていたわよ、璃紗。わたくしの前でそんなに無防備でいるなんて、自分から悪戯して欲しいって言ってるようなものよ」


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0217
【Risa】「ち、違うわよ……たしかにぼーっと、していたけれど……」


#cg 1 tmi01s 200 0
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#voice miya_0169
【Miya】「目の前に恋人がいるっていうのに、何にそんなに心奪われていたのかしら」
#voice risa_0218
【Risa】「それは、その……笑わないでよ」
#voice miya_0170
【Miya】「………………できるだけ、耐えてみるわ」


#cg 2 tri08s 600 0
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#voice risa_0219
【Risa】「もう、沈黙が長いわよ。それに『できるだけ』って」
#voice miya_0171
【Miya】「努力はするつもりよ。それともわたくしに話せないくらい、エッチな妄想でもしていたのかしら?」
#voice risa_0220
【Risa】「そっ、そんなわけないじゃない! 私はただ、美夜が話していた恋人たちに感動しただけよ」
#voice miya_0172
【Miya】「感動……」


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0221
【Risa】「そうよ……いけないかしら?」


#cg 1 tmi02s 200 0
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#voice miya_0173
【Miya】「こういう話で感動するなんて、璃紗らしいわね、ふふふっ」
美夜はクスクス、笑っている。
#voice risa_0222
【Risa】「もう、笑わないって言ったのに〜……ぅぅ」
#voice miya_0174
【Miya】「わたくしは努力する、と言ったのよ。それに馬鹿にしているわけじゃないわ……微笑ましくて笑っただけよ」
#voice risa_0223
【Risa】「だから、それが……」

;//SE:チャイムの音
;♀SE001
#se 0 SE001


#cg 2 tri04s 600 0
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#voice risa_0224
【Risa】「あっ、このチャイムって……」


#cg 1 tmi01s 200 0
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#voice miya_0175
【Miya】「ええ……授業が終わった音ね」


#cg 2 tri10s 600 0
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#voice risa_0225
【Risa】「そんなぁ……うううっ、私まで授業、サボっちゃったじゃない」
#voice miya_0176
【Miya】「あらあら、大変ね」
もう、他人事だと思って。
美夜は全然、大変そうな顔をしていないわ。
#voice miya_0177
【Miya】「もう昼休みになってしまったけれど、璃紗は教室に戻る?」


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0226
【Risa】「もういいわよ。今戻ったらきっと、クラスの子達から質問責めに合いそうだし……」
美夜を探しに行ったまま、帰ってこなかった、私のことを。
クラスメイト達はきっと、あれこれ聞きたがるに決まっているもの。
#voice risa_0227
【Risa】「だから昼休みが終わるギリギリまで、ここでお茶しているわ」
#voice miya_0178
【Miya】「そう……じゃあ、お弁当食べる?」


#cg 2 tri01s 600 0
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#voice risa_0228
【Risa】「美夜のお弁当って、例のお重箱に入ってる豪華なヤツよね」
#voice miya_0179
【Miya】「ええ、以前わたくしが熱を出した時、璃紗がお弁当を分けてくれたわよね。今日はそのお返し」
#voice risa_0229
【Risa】「あ、ありがとう……」


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#voice miya_0180
【Miya】「あの時の、璃紗のミニおにぎり、とても美味しかったわ」
美夜と付き合う前、一緒に外でランチをしたことがあった。
その時、美夜は熱のせいで、自分のおかずを全部下に落としてしまって。
私がミニおにぎりを、彼女にあげたのよね……
#voice risa_0230
【Risa】「あれ、ごはんにふりかけまぶしたりしただけで、すごく手抜きなんだけどね」


#cg 1 tmi01s 200 0
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#voice miya_0181
【Miya】「そんなことはないわ。あれからわたくし、おにぎりに凝ってしまって」
そう言って、美夜はテーブルの上に重箱を置く。
#voice miya_0182
【Miya】「わたくしのお弁当、今はおにぎりばかりなのよ」

#se 0 SE016

パカッと、ふたを開けると、そこには――

;♀SE016


#cg 2 tri04s 600 0
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#voice risa_0231
【Risa】「お、おにぎりがみっしり……まさかと思うけれど、下の段も?」
#voice miya_0183
【Miya】「ええ、おにぎりよ。ほら璃紗と同じように、小さく握ってもらったのよ」


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0232
【Risa】「これ、一体何人分あるのよ……」
#voice miya_0184
【Miya】「もちろん一人前に決まっているじゃない」
#voice risa_0233
【Risa】「美夜……おにぎりばっかりで飽きないのかしら」
#voice miya_0185
【Miya】「飽きないわよ。これ全部、具が違うから」


#cg 2 tri04s 600 0
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#voice risa_0234
【Risa】「えええええっ〜、ここに入ってるの全部? すごい数なんだけど」
#voice miya_0186
【Miya】「璃紗が作ったみたいなので良いって、シェフに言っておいたんだけど……」


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一流シェフに、ふりかけおにぎりを作らせようとするのは……ちょっと。
#voice miya_0187
【Miya】「ほら璃紗、遠慮しないで食べてね」


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#voice risa_0235
【Risa】「う、うん……いただきます……あっ、これ鮭が入っているわ。おっ、美味しいー♪」
ミニおにぎりに入ってるから、具は小さいけどすごく美味しい。
スーパーで売っている鮭とは、大違いよ……きっと高級食材を使っているんだわ。
一個一個、違う具が入っていて、本当にすごい。
まさにこのお弁当は、食の宝石箱ね。


#cg 1 tmi02s 200 0
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#voice miya_0188
【Miya】「璃紗、どんどん食べてね」


#cg 2 tri04s 600 0
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#voice risa_0236
【Risa】「……って、言ってる側からもう、1段目がなくなっているわ」
#voice miya_0189
【Miya】「大丈夫よ。今日は全部で5段あるのよ。璃紗には3段目を全部あげるわ」
そう言って渡されたお重は、ずっしりと重かった。


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0237
【Risa】「む、無理よぉ、そんなに食べられないわ〜」


;**暗転
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#mes clear
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;**アトリエ
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#mes on
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#cg 1 tri01s 400 0
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#voice risa_0238
【Risa】「……ふうっ、ごちそうさまでした」
美夜のお弁当を頂いた後、またお茶をいれてひといき。
美夜がくれた3段目はもちろん、全部は食べきれなかった。
そしてその残りは、美夜がきれいに平らげてくれた。


#cg 1 tri03s 400 0
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#voice risa_0239
【Risa】「この細い身体のどこに、あれだけの炭水化物が……」


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#voice miya_0190
【Miya】「んっ、璃紗どうかしたのかしら? そんなに熱い目で私を見つめて\001」
#voice risa_0240
【Risa】「み、見ていないわよ……」
#voice miya_0191
【Miya】「校内一美しいわたくしの体を、たっぷり見たいって気持ちはわかるわ」
#voice risa_0241
【Risa】「だから、そうじゃないって……」
もう、どれだけ自信に満ちているのかしら、美夜は。
まぁ、確かに美夜の体が綺麗だっていうのは……私もよーく知っているけれど。
#voice risa_0242
【Risa】「あっ……も、もう……」
一体何を考えているのよ、私は。
さっきは恋人たちの話を聞いて、その美しく愛らしい恋愛に感動していたのに。
大した時間も経たないうちに、もう……エッチなこと、考えちゃっているんだから。
#voice miya_0192
【Miya】「ふふふっ、璃紗の表情がくるくる変わるのって、見ていて楽しいわ」
#voice risa_0243
【Risa】「ううううっ」


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#voice miya_0193
【Miya】「いいわ……いつまでも、見ていたくなるわ」


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#voice risa_0244
【Risa】「……美夜」
愛おしそうに、私を見つめている美夜。
穏やかな時間が二人の間に落ちてくる。
それはあったかくて、くすぐったいような不思議な気持ち。
過去の恋人たちも、こんな気持ちを経験していたのかしら……
私はまた、過去の恋人達のことを考えていた。
#voice risa_0245
【Risa】「………………」
#voice miya_0194
【Miya】「璃紗……また考え事?」
#voice risa_0246
【Risa】「ええ、ここを使っていた二人がね、羨ましいなって思ったの」
#voice miya_0195
【Miya】「そう……」
#voice risa_0247
【Risa】「友人であり、恋人であり、いつも一緒だった二人……本当に羨ましいなぁ」


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#voice miya_0196
【Miya】「なんでそんなに、羨ましがるの?」


#cg 2 tri04s 600 0
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#voice risa_0248
【Risa】「えっ!? だって……」


#cg 1 tmi01s 200 0
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#voice miya_0197
【Miya】「人間関係において、璃紗はわたくしより遥かに恵まれているじゃない」


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0249
【Risa】「そんなこと、ないわ……恵まれてなんかいないわよ」
私は首を振る。
今まで人には伝えた事のなかった、自分の本当の気持ち……それを思わず、美夜に話し始めた。
#voice risa_0250
【Risa】「私ね、ずっと友達がいなかったのよ」


#cg 1 tmi04s 200 0
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#voice miya_0198
【Miya】「璃紗……そうだったの……?」
美夜が驚いたように、目を見開く。
何か言いたそうだったけど、私はすぐに話を続けた。
#voice risa_0251
【Risa】「これまでの人生……っていうのも大袈裟かもしれないけど、美夜と出会う前の私はね、ひたすら努力するキャラだったのよ」


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#voice miya_0199
【Miya】「ええ、でもそれは今だって……」
#voice risa_0252
【Risa】「今だって、努力するのは好きよ。でもそのせいで、クラスメイトと遊ぶ機会は少なかったわ」
友達が遊ぼうと誘ってくれても、勉強があるからと断って。
誕生会に呼ばれても、塾があるからと断って。
そういうことが続くうちに、みんなから誘われなくなってしまって。
友達とは、薄いつきあいになっていった。


#cg 2 tri01s 600 0
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#voice risa_0253
【Risa】「もちろん、全然いないっていうわけじゃないけど……友達らしい友達は、少なかったのよ」
そう……友達といえるのは、昔お隣に住んでいたあの子くらいのものだったし……


#cg 1 tmi01s 200 0
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#voice miya_0200
【Miya】「そう……だったのね」
#voice risa_0254
【Risa】「それでも、人の面倒や世話を焼くのは好きだったから、いつも委員長はしていたわ」


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#voice miya_0201
【Miya】「ふふふっ、『委員長』はまさに、璃紗の天職ね」


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#voice risa_0255
【Risa】「天職って……でも、どこにでも美夜みたいな問題児はいるものね」


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【Miya】「どういうことかしら?」
#voice risa_0256
【Risa】「宿題をやってこなかったり、掃除をさぼったり、とにかく困った子よ」


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#voice miya_0203
【Miya】「困った子で悪かったわね」
#voice risa_0257
【Risa】「そういう子をしつこく注意したりして、追いかけまわしたら……余計に友達なんて、できなくなっちゃって……」


#cg 2 tri01s 600 0
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#voice risa_0258
【Risa】「だから追いかけまわして喜ばれたのは、美夜が初めてよ」


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#voice miya_0204
【Miya】「あれは喜んでいたのではないわ。そんな璃紗で遊んで、楽しんでいただけよ」


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#voice risa_0259
【Risa】「むううっ、そういうコト言わないのっ」


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#voice miya_0205
【Miya】「小さい頃の璃紗なら、余計面白そうよね。その場で地団駄踏んで、悔しがりそうね」
#voice risa_0260
【Risa】「美夜……やっぱりそんな事、言ってくれるのは美夜だけね」
子供の頃、美夜に会えたら……きっとあの頃でも、寂しくなかったのかもしれない。
でも……


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#voice risa_0261
【Risa】「現実には、こうるさい委員長だったわけ。だから友達もいなくて……実は結構寂しかったのよね」


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【Miya】「……璃紗、可哀想な子」


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#voice risa_0262
【Risa】「……そう、ね……昔の私、可哀想だったわね」
誰にも言わなかった、言えなかった寂しさ。
でも美夜ならきっと、わかってもらえるんじゃないかなって……私は思った。


;**暗転
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;♂MS
#bgm 0 stop 1000


;//END
#next2 S004

atelier_no_koibito_tachi/s003.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)