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atelier_no_koibito_tachi:s002
;//S002「アトリエの秘密……忍ばれる、愛の部屋」
#savetitle アトリエの秘密……忍ばれる、愛の部屋


;**教室
#bg bg04a
#wipe fade


;♂MP12
#bgm 0 bgm12


#mes on
#system on


#cg 1 tri07s 400 0
#wipe fade



#voice risa_0103
【Risa】「もう、美夜ったら……またいないわ」
昨日はお説教の途中で、エッチになだれ込んでしまったから、結局何の注意もできなかったのよね。


#cg 1 tri08s 400 0
#wipe fade



#voice risa_0104
【Risa】「でもあれはしょうがないわ、不可抗力よ……それに恥ずかしいけど、美夜とするの、好きだし……って、だめだめだめっ」
もう、何言ってるのよ、私っ!!
それはそれ、いくら恋人でも、言うべき時はちゃんと言わないといけないわ。


#cg 1 tri09s 400 0
#wipe fade



#voice risa_0105
【Risa】「今日こそは流されないで、ちゃんと言うんだからね……美夜、待ってなさいっ!!」
#voice mobjyoa_0004
【Girl A】「えっ、美夜さん?」


#cg 1 tri03s 400 0
#wipe fade



#voice risa_0106
【Risa】「あっ……ぁぁ……」
一人白熱してたせいで、声が大きくなってしまったみたい。
あわてて口を押さえたけど、時すでに遅し。
隣でお喋りしてたクラスメイトたちの視線が一斉に、私に集まってきた。
#voice mobjyob_0004
【Girl B】「璃紗さん……今『美夜さん待っていてね』と、叫びませんでしたか?」
#voice risa_0107
【Risa】「そ、それは……何というか、探しに行くための気合で……」
#voice mobjyoa_0005
【Girl A】「もしかして、これから待ち合わせですか?」
#voice risa_0108
【Risa】「いえ、そうではなくて……」
待ち合わせじゃなくて、乗り込むに近いんだけど……でも彼女たちは勝手に、良い方に解釈してしまっている。
#voice mobjyob_0005
【Girl B】「本当に仲がよろしいですわね、お二人は。イベント実行委員の仕事がない今、お二人一緒にいる時間も増えたのではありませんの?」
#voice risa_0109
【Risa】「それは……」
確かに増えたわね、確かに。
#voice mobjyoa_0006
【Girl A】「春休みはどこか、お二人でお出かけの予定でもおありですか?」
#voice mobjyob_0006
【Girl B】「私服姿の璃紗さんと美夜さんが歩いているところ、見てみたいですわ〜」
#voice risa_0110
【Risa】「春休みのことは、さすがにまだ……」
春休みの予定なんて、まだ美夜と話し合ってもいないのに。
彼女たちは勝手に、私たちの予定を立て始めてしまった。
#voice mobjyoa_0007
【Girl A】「今の季節は、どこに出かけても楽しいですよね……山の手公園でピクニックとか良さそうですわ」
#voice mobjyob_0007
【Girl B】「きっと璃紗さん、お料理上手でしょうし……ああ、私も食べてみたいですわ、璃紗さんの手作りお弁当♪」
#voice risa_0111
【Risa】「そんなに期待されても、大したものは作れないけれど……」
#voice mobjyoa_0008
【Girl A】「公園も良いですが、やはり大幅リニューアルした駅前のショッピングセンターも良いですわ」
#voice mobjyob_0008
【Girl B】「ああ、あそこはこの辺りでは今、一番の注目スポットですわね。特に極上スイーツ食べ放題の『魔法のスイーツランド』が新しく入ったんですのよ」
#voice mobjyoa_0009
【Girl A】「えぇっ、原宿で話題の、あの『マホスイ』が入ったのですか!? 今日の放課後、一緒に行きませんか?」
#voice mobjyob_0009
【Girl B】「是非行きましょう。喜んでお供しますわ\001 ああ、レモンカスタードケーキが食べたいですわ」


#cg 1 tri01s 400 0
#wipe fade



#voice risa_0112
【Risa】「………………ほっ」
どうやら自分達の好きな話題に話が流れて、私はターゲットから外れたみたい。
#voice risa_0113
【Risa】(でもみんな、こんな風に友達と出かけるのね……あぁ)
せっかくの春休み、美夜といろんな所に行きたいな……

;//SE:学校のチャイム音
;♀SE001
#se 0 SE001


そんなこんなで、休み時間なんてあっという間に終わってしまった。
#voice risa_0114
【Risa】「……私、急いでますので、失礼いたします」
#voice mobjyoa_0010
【Girl A】「あっ、璃紗さん……もっとお勧めしたいデートスポットがありましたのに……」
彼女たちの隙を見て、私は教室を飛び出した。


#bg bg05a
#wipe fade


とてもじゃないけれど、付き合いきれないわ。
ベストカップルに選ばれてから、私たち二人のことを、聞きたがる人がかなり増えた。
でも……聞かれるのはほとんど、私だけ。


#cg 1 tri03s 400 0
#wipe fade



#voice risa_0115
【Risa】「ううう〜、まあ美夜の普段の態度をみれば、そうなるのは当然だけど」
やっぱり話しかけづらい雰囲気があるのよね、美夜は。
#voice risa_0116
【Risa】「そういうことも含めて、美夜にはもうちょっとクラスに慣れてもらわないといけないわ」
せめてこの苦労の半分くらいは、美夜に引き受けてもらいたい。


#cg 1 tri01s 400 0
#wipe fade



#voice risa_0117
【Risa】「でも、クラスメイトのみんなと愛想良くおしゃべりする、美夜っていうのも……想像しずらいわね、ふふっ」


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
#wipe fade



;**アトリエ
#bg bg29a
#wipe fade


#cg 1 tri03s 400 0
#wipe fade


#mes on
#system on


#voice risa_0118
【Risa】「……あら、この香りは……」
アトリエのドアを開けると、紅茶の良い香りが漂ってきた。


#cg 1 tmi02s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0062
【Miya】「あら、璃紗。いらっしゃい\001」


#cg 1 tmi02s 200 0
#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0119
【Risa】「せっかくのティータイムの時間をお邪魔して、ごめんなさいね」
ほんのちょっと嫌みをこめて言うと、美夜はにっこりと微笑んだ。
#voice miya_0063
【Miya】「璃紗が邪魔なことなんてないわ。むしろ璃紗を見ながらお茶をいただけるなんて、とても贅沢なことだわ」
そして一口、紅茶を飲む。


#cg 1 tmi01s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0064
【Miya】「璃紗もお茶を飲む? すぐに淹れるわよ」
#voice risa_0120
【Risa】「い、いらないわ……」
ここで美夜の誘惑に乗ってはいけないわ。
お皿の上のマフィンが、いくら美味しそうでも……よ。
今日はちゃんと、美夜を叱るんだから。


#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0121
【Risa】「美夜、昨日の早退はもう過ぎたことだから仕方ないけど、その分今日の授業はちゃんと出るべきじゃないかしら」
#voice miya_0065
【Miya】「璃紗、このマフィン、チョコ味で中に胡桃が入っているの。それがすごく香ばしいのよ」
サクサクッと、胡桃を噛むいい音がする。
うううっ〜、負けない、負けちゃいけないわ。
#voice miya_0066
【Miya】「璃紗、本当にお茶しなくていいの?」


#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0122
【Risa】「ごくっ……いらな……クッ」
本音を言えば欲しい、お茶とお菓子が欲しい。
でもでも、私は……


;++選択肢(1)
;『やっぱり……頂くわ』○
;『いらないったら、いらないわ』×
#select select01_1 select01_2
やっぱり……頂くわ
いらないったら、いらないわ


;『やっぱり……頂くわ』○
#label select01_1


#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0123
【Risa】「や、やっぱり……頂くわ、美夜」


#cg 1 tmi02s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0067
【Miya】「ええ、喜んで\001」
美夜の笑顔と、美味しいお茶とお菓子の誘惑。
ああ、やっぱり私って意志が弱いのかしら……
#voice miya_0068
【Miya】「じゃあもう、お説教は終わりということで……」


#cg 2 tri08s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0124
【Risa】「それとこれとは別問題よ」


#cg 1 tmi01s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0069
【Miya】「あら、それは残念。ではお茶とお菓子も、この話が終わるまでお預けね」


#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0125
【Risa】「うぅぅっ、負けないわよ……お菓子、今は我慢するわ」

#set f1 f1+1

#goto select01_end


;『いらないったら、いらないわ』×
#label select01_2


#cg 2 tri08s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0126
【Risa】「いらないって言ったでしょう、美夜」
#voice miya_0070
【Miya】「わかったわ……残念ね、美味しいのに」
いつもの私なら『ちょ、ちょっとだけ』ともらっちゃうところだけど、今日は我慢よ、我慢。


;++選択肢終了
#label select01_end


#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
#wipe fade



#bg bg29a
#wipe fade

#mes on
#system on


そしてその後も、同じようなやりとりが続いて。
誘惑に屈しない私の決心がやっと伝わったのか、美夜は大人しく、私の話を聞いてくれた。


#cg 1 tmi02s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0071
【Miya】「璃紗の言う事もわかるわ。確かにそれが正論だと思うし、どれだけ璃紗がわたくしの事を心配してくれているか……嬉しいわ」


#cg 1 tmi02s 200 0
#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0127
【Risa】「本当に……わかってくれているの?」


#cg 1 tmi01s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0072
【Miya】「ええ、他の誰でもない、璃紗の事ですもの」
美夜は紅茶のお代わりをティーポットから、静かに注いだ。
私は黙って、その透き通っている琥珀色の液体を眺める。
そして……
#voice miya_0073
【Miya】「でもね、璃紗。璃紗にも分かって欲しいのよ、わたくしを」
#voice risa_0128
【Risa】「……何を?」
#voice miya_0074
【Miya】「わたくしには本当に、学校の授業は必要ないのよ……天才だから」
#voice risa_0129
【Risa】「美夜……ぁぁ」
また出たわ、美夜の『天才だから』発言。
結局はそれで、全部済ませてしまうんだから。
#voice miya_0075
【Miya】「自慢に聞こえると思うから、今まで言ってなかったけど……本当はわたくし、マサチューリッヒ大学の研究室から呼ばれているのよ、今でもね」


#cg 2 tri04s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0130
【Risa】「あ、あのマサチューリッヒ大学!? それって……すごすぎるわよ」
あの超有名な外国の大学の、その研究室から呼ばれているなんて、私とはスケールが違いすぎるわ。


#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0131
【Risa】「で、でも……勉強だけができても、頭でっかちな人間になってしまうわよ」
#voice miya_0076
【Miya】「そうくるのね……じゃあ璃紗にも分かりやすいこと言ってあげるわ」
そう言うと、美夜はわざとらしく腕組みしながら話を続けた。
#voice miya_0077
【Miya】「週末の夕方からやっている、某探偵アニメあるわよね?」


#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0132
【Risa】「それって……見た目と中身がちがう、例のちびっこの探偵ね」
それは私たちが小さい頃からやっている長寿アニメで、私も昔はよく見ていたわ。
#voice risa_0133
【Risa】「犯人が誰か、いつもドキドキしながら見ていたわよ」
#voice miya_0078
【Miya】「ふぅん……そういう見方もあるのね」
#voice risa_0134
【Risa】「そんな見方しか、ないと思うけど」
#voice miya_0079
【Miya】「わたくしはいつも、犯人がすぐにわかってしまったわ」


#cg 2 tri04s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0135
【Risa】「えええっ!? 子供の時からそうなの?」
#voice miya_0080
【Miya】「もちろんよ。その後、アニメは見なくなったけど、ドラマや映画のミステリーを見ていても、ほとんどすぐに謎が解けてしまうのよ」


#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0136
【Risa】「……それで?」


#cg 1 tmi02s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0081
【Miya】「どう、わかりやすいくらい、天才でしょう?」
確かにすごいとは思うけれど『天才』とは違うような気がする。


#cg 2 tri08s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0137
【Risa】「じゃあ、そこまで言うのなら……私の心の謎は解けるかしら、美夜?」


#cg 1 tmi08s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0082
【Miya】「………………」
沈黙した美夜は、その黒い瞳でじぃぃっと私の顔を見つめた。
ああ、吸い込まれそう……なんかキスされたり、抱きつかれそうな予感が……


#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0138
【Risa】「な、なんてね。違うのよ、今のはナシ、ナシだからねっ」
美夜の天才っぷりに言うことがなくなったせいで、つい変なこと口走ってしまったわ。
ああ、恥ずかしい……


#cg 1 tmi02s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0083
【Miya】「ふふふっ、璃紗って本当に面白いのね。確かに貴女のそういう所は、まだまだわからないところだらけだわ」
#voice risa_0139
【Risa】「もぉ、今のは忘れてよ」
#voice miya_0084
【Miya】「いいえ、こんな面白いこと、当分忘れてあげないわ♪」
#voice risa_0140
【Risa】「イジワルなんだから……美夜って」
#voice miya_0085
【Miya】「そうかもね……でもこんな天才が恋人だと光栄でしょう、璃紗?」
#voice risa_0141
【Risa】「べっ、別に……自慢ばかりする人は、ちょっと……」
その言葉とは裏腹に、本当は美夜の言う通りだった。
私は何でもこなしてしまう彼女を、心のどこかで尊敬していて。
そんな彼女が恋人であることを、とても誇らしく思っていて。


#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0142
【Risa】「――なんて事、絶対本人には言わないけれど」


#cg 1 tmi03s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0086
【Miya】「えっ?」
#voice risa_0143
【Risa】「なんでもないわ。話していたら喉が乾いちゃったわ。お茶、頂けるかしら」


#cg 1 tmi01s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0087
【Miya】「わかったわ。わたくしのも冷めてしまったから、入れ直すわね」


#cg 1 clear
#wipe fade


私が彼女の天才ぶりを認めてしまったことで、この件については一時保留となった。


#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0144
【Risa】「はぁ〜……だからって、そう簡単に諦めないわよ、美夜」
美夜が授業をサボる限り、私は何度だって彼女に注意をするんだから。


#cg 1 tmi01s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0088
【Miya】「はい璃紗、お茶をいれたわよ」


#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0145
【Risa】「ありがとう」
私は美夜がいれてくれてお茶を飲みながら、特にすることもなく、アトリエの中をぼんやりと見回していた。
私たち二人の恋の行方を、ずっと見ていたこの場所。
私と美夜にとっての、特別な場所。


#cg 1 tmi03s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0089
【Miya】「璃紗……急に静かになって、どうかしたのかしら?」
#voice risa_0146
【Risa】「ちょっと気になったのよ、ここが」
#voice miya_0090
【Miya】「ここって、アトリエのこと?」
#voice risa_0147
【Risa】「そうよ。あ、どうしてこんな絶好のサボりスポット、美夜はを見つけられたの?」


#cg 1 tmi01s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0091
【Miya】「ああ、それはね――」
美夜はこの『アトリエ』を見つけた経緯について、どこか楽しげに話し始めた。


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
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;**廊下
#bg bg05a
#wipe fade


;//※回想シーン、ここから美夜視点です
#cg 1 tmi03s 400 0
#wipe fade


#mes on
#system on

#voice miya_0092
【Miya】「……はぁ、ここまでくれば、あの委員長さんには見つからないわね」
授業をサボり、中庭で本を読んでいたわたくしの元に、クラス委員長である璃紗さんがわざわざ呼びに来た。
いつものように、適当にあしらおうとしたのに、今日の彼女は何故かしつこくて。
その場からわたくしは逃げだし、特別教室が並ぶこの階まであがって来た。


#cg 1 tmi01s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0093
【Miya】「さて、どうしようかしら……」
次の授業の始まりのチャイムがなるまで、ここでじっとしていた方がいいのかしら。
そんなことを考えていると、階段を上がってくる足音がした。
#voice risa_0148
【Risa】「美夜さ〜ん、ここにいるんでしょう?」


#cg 1 tmi03s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0094
【Miya】「委員長さんの声……ああ、ここにやってきてしまうわ」
このままここにいたら、きっと鉢合わせしてしまう。
#voice miya_0095
【Miya】「委員長さんったら……今日はどれだけ暇なのかしら」
どこかに隠れないといけないわ。
鍵のかかってない教室は……


#cg 1 tmi01s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0096
【Miya】「……うん、ここならいいかしら」
わたくしはとりあえず、近くの美術室に逃げ込むことにした。


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
#wipe fade



#mes on
#system on


今の時間、使われてないその教室は、カーテンが閉められて薄暗かった。
逆にその暗さが、自分をうまく隠してくれる。
璃紗さんの足音を聞きながら、部屋の一番奥のロッカーの陰に身を潜める。
#voice risa_0149
【Risa】「美夜さん〜、いるのよね? ちゃんと授業に出なさいよ〜」
廊下から聞こえてくる、璃紗さんの声。
それはまるで、厳しい先生みたいな口調だわ。
自分がいたずらな子供で、それを探しにきた璃紗さんが先生。
#voice miya_0097
【Miya】「……ふっ……ふふっ」
そんな想像をしていたら、なんだかおかしくなってきてしまった。
#voice miya_0098
【Miya】「でも、子供の時でもわたくしをこんな風に、一生懸命探してくれる先生なんていなかったわね……」
小さい時から、天才と騒がれ特別扱いされていた私に、面と向かってお説教する先生なんていなかった。
代わりにあるのは過度な期待か、無関心のどちらかだった。
そのどちらにも当てはまらない、クラスの委員長さん。
#voice miya_0099
【Miya】「委員長さんって……やっぱり、おかしな人よね」
小さくそう呟くと、足音が美術室の前で止まる。
#voice risa_0150
【Risa】「ここも一応、見ておこうかな」
#voice miya_0100
【Miya】「っ!?」


;……ガチャ……
;♀SE003
#se 0 SE003


#voice risa_0151
【Risa】「失礼します……美夜さん? いるんでしょう、出てきなさい」
#voice miya_0101
【Miya】「………………」
#voice risa_0152
【Risa】「あれっ、いない? ここじゃないのかしら?」


;**暗転

;**アトリエ
#bg bg29a
#wipe fade


#cg 1 tmi01s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0102
【Miya】「はぁ……美術室の奥にまさか、こんな部屋があったなんて……」
璃紗さんが美術室まで入って来たのは驚いたけど、奥にどこかへ繋がるドアを見つけて。
何も考えずに、奥へ奥へと進んでいったら……
そこには上に続く階段があり、この部屋へと行き着いた。


#cg 1 tmi03s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0103
【Miya】「これは……もしかして、アトリエなのかしら?」
人の出入りがないのか、少し埃っぽい。
窓際に行き、空気入れ替えの為窓を開けると、そこはとても良い眺めだった。


#cg 1 tmi02s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0104
【Miya】「ああ……気持ちがいいわね」
春の風が、さわやかに入り込んでくる。


#cg 1 tmi03s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0105
【Miya】「でも変だわ。こんな部屋、入学時にもらった学校案内の校内見取り図には乗ってなかったはずよ」
それに窓にも埃がたまっていたし、少し開けずらかった。


#cg 1 tmi01s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0106
【Miya】「ここは長いこと、使われてなかった部屋……ということね」
わたくしはあらためて、部屋の中を見回す。
以前、誰かに使われていた形跡はあるけれど、それは何十年か前のようだわ。
少なくとも、今は誰も使ってはいない。


#cg 1 tmi02s 400 0
#wipe fade



#voice miya_0107
【Miya】「使っていないのなら……わたくしがここを使ってもいいのよね♪」
こうしてその日から、わたくしはこのアトリエを自分の隠れ家とした。
掃除をして、必要なものを持ち込んで、自分好みに色々と改装していったわ……


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
#wipe fade



;**アトリエ
#bg bg29a
#wipe fade


;//※璃紗視点に戻ります
#cg 1 tmi03s 400 0
#wipe fade


#mes on
#system on

#voice miya_0108
【Miya】「卒業するまでは、自分だけのものだと思っていたけれど……まさか璃紗に見つかるとは思っていなかったわ」


#cg 1 tmi03s 200 0
#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0153
【Risa】「私も本当に偶然、見つけたのよね……」


#cg 1 tmi01s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0109
【Miya】「だから初めてここに璃紗が現れた時は正直、かなり驚いたわ」
美夜はアトリエを見つけた時の事を、ちゃんと話してくれた。
#voice risa_0154
【Risa】「でも私が初めてここに来た時、美夜はそれほど驚いているようには見えなかったわよ」
#voice miya_0110
【Miya】「動揺しているなんて、璃紗にあまり知られたくなかったから……だから虚勢を張っただけよ」
だとしたら、すごいポーカーフェイスだわ。
私だったら、とてもできそうにないわ。
#voice miya_0111
【Miya】「ええ、お人良しで正直者の璃紗には多分、無理ね」
#voice risa_0155
【Risa】「だから、勝手に人の考え読まないで」


#cg 1 tmi02s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0112
【Miya】「ふふふっ」


#cg 2 tri08s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0156
【Risa】「もぉ、でもそんな前に、もう美夜はここを見つけていたのね。あの時、私ももっとしっかりと美術室を調べていたらなぁ〜」
アトリエを見つけるまで、美夜を探しまわるのが毎回、大変だったんだから。
むくれる私に、美夜はまあまあと子供相手のようにあやす。


#cg 1 tmi01s 200 0
#wipe fade



#voice miya_0113
【Miya】「……あっ、そういえば、このアトリエに関して、璃紗の好きそうな話があるのよ」


#cg 2 tri03s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0157
【Risa】「私の……好きな、話?」
#voice miya_0114
【Miya】「ええ。以前……かなり昔、ここを使っていた方達のことよ」
美夜が見つける以前に、ここを使っていた人……
そう……美夜がここを見つける前にも、かつての恋人たちがここで密会をしていた……そんな話を彼女から聞いたことはある。
けれど、この部屋のなりたちそのものは、正直私もさほど気にしていなかったわ……


#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0158
【Risa】「でもそんな昔のこと、よくわかったわね」
#voice miya_0115
【Miya】「ヒマな時間はたっぷりあったから、ここを色々と調べていたのよ」


#cg 2 tri07s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0159
【Risa】「そのヒマな時間って……授業サボっていた時間でしょう!」
#voice miya_0116
【Miya】「そうだったかしら」


#cg 2 tri08s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0160
【Risa】「それしかないでしょう、もう……」
すぐ、しらばっくれるんだから、美夜は。


#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0161
【Risa】「それで、ここを使っていた方というのは……」
#voice miya_0117
【Miya】「その前に、何故こんなところにアトリエができたのかを説明するわ」
グルッとこのアトリエの室内を見回しながら、美夜は淡々と語り始める。
#voice miya_0118
【Miya】「璃紗、こんな見つけにくい場所に、こんな部屋がある……変だと思っていたでしょう?」
#voice risa_0162
【Risa】「ええ、思ったわ」
まるで人目を避けるように、ひっそりと存在するアトリエ。
いつ、誰が、こんなところに作ったのかしら?
私は少しずつ、美夜の話に引き込まれていった。
#voice miya_0119
【Miya】「ここはね……実は大正時代に作られたのよ」


#cg 2 tri04s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0163
【Risa】「えぇっ、そんなに昔だったの!?」
せいぜい、戦後の話と思っていたわ。
ミカ女は歴史あるお嬢様学校だけど、まさかそんな前の話だなんて……
#voice miya_0120
【Miya】「ここはね、一人の天才画家と呼ばれていた、美術部の学生の為に作られたアトリエなの」


#cg 2 tri01s 600 0
#wipe fade



#voice risa_0164
【Risa】「一人の学生の為に……どれだけすごい方なのかしら」
#voice miya_0121
【Miya】「とても才能に溢れる方だったらしいわ……多分、このわたくしのように」
#voice risa_0165
【Risa】「はいはい」
#voice miya_0122
【Miya】「だから学校側としても、その才能を埋もれさせたくなくて、援助を惜しまなかったのでしょうね」
#voice miya_0123
【Miya】「在学中に、彼女にコンクールで賞を取らせてあげたい……だから空いていた屋根裏に、彼女専用のアトリエを作った、というわけなの」
#voice risa_0166
【Risa】「その子の為だけに、こんな広いアトリエを……でも、だったら別にこんな変な場所に作らなくてもいいのに」
#voice miya_0124
【Miya】「その子はね、他に人がいると、作業に集中できないタイプだったみたいね。だから……ね」
#voice risa_0167
【Risa】「はぁ、なるほどね。それでここは誰も来ない、彼女専用のアトリエとなったのね」
#voice miya_0125
【Miya】「……と、普通は思うかもしれないわ。でももう一人、この場所を使っている人がいたのよ」


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#voice risa_0168
【Risa】「誰? 美術の先生とか?」
#voice miya_0126
【Miya】「違うわ……彼女の恋人よ」


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#voice risa_0169
【Risa】「こ、ここここっ、恋人!?」
急に話が色めきたってきた。


#cg 2 tri03s 600 0
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ああ……悔しいけれど、美夜の言う通りになりそう。
この話、ものすごく気になってきたわ、私好みかも。
#voice miya_0127
【Miya】「璃紗……その子にはね、恋人がいたの。コンクールに出す絵はアトリエでちゃんと描いていたけど、その恋人との甘い時間も、このアトリエで過ごしたのよ」
#voice risa_0170
【Risa】「恋人と、過ごす……まさに秘密のアトリエだったのね」


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#voice miya_0128
【Miya】「ええ、そうね……なんだか、わたくし達と似ていると思わない?」
#voice risa_0171
【Risa】「………………」
瞳を覗き込まれるように尋ねられて、私は目を逸らしてしまった。
そういうことを言われると、何だかドキドキしてきちゃう。
#voice risa_0172
【Risa】「……あっ、でもこの部屋に飾ってある絵は、何か違うような……」


#cg 1 tmi01s 200 0
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#voice miya_0129
【Miya】「どういう事かしら?」
#voice risa_0173
【Risa】「うまく言えないけれど、今風というか……それに完成度も、なんというか……天才の絵とは言えないような」
このアトリエには何枚か絵が飾ってあるけれど、それらはヘタではないものの、凡庸な印象しか受けなかった。


#cg 1 tmi02s 200 0
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#voice miya_0130
【Miya】「そうね、確かに違うわ……璃紗、よく気が付いたわね」
そのうちの一枚の絵の前で、美夜はにっこりと微笑む。
#voice risa_0174
【Risa】「絵のモチーフも、大正時代というには新し過ぎるし……それに何より、そんな天才の描いた絵だったら、もっと何かを感じられそうだし」
私は絵を描く才能はないけれど、それくらいはわかる気がしたから。


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#voice miya_0131
【Miya】「ええ、その通りね。これは普通の、美術部の子の絵よ。それでもかなり昔のものだけど」
#voice risa_0175
【Risa】「ということは……じゃあその天才の後にも、ここを使っていた人がいたっていうの?」
#voice miya_0132
【Miya】「そうよ。わたくしは更に調査を続けたわ」


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#voice risa_0176
【Risa】「すごいわね……探偵や歴史学者みたい」
美夜の好奇心に火がついたのかしら。
学校生活においては、やる気のない美夜だけど……こういうことには一生懸命なのね。
#voice miya_0133
【Miya】「例の天才の卒業後、このアトリエは閉鎖されて、物置代わりになっていたの……でも美術部では密かに、ここの事が語り継がれていたのよ、伝説のように」
#voice risa_0177
【Risa】「それはなんか、わかるような気がする……」
こういう話、女の子は大好きだもの。
使われないうちに、アトリエの場所がわからなくなったとしても。
そこで過ごした二人の素敵な恋人達のことは、きっと伝わっていくはずだわ。
#voice miya_0134
【Miya】「それでね、ある美術部カップルがその『伝説』を聞いて、ここを探し当てて……この場所を、二人の愛の巣にしたらしいのよ」
愛の巣、という単語で、美夜がじっと私を見る。
私はそこで初めて、美夜とここで体験した甘いひと時を思い出し、思わず顔を赤くする。
うううっ……昔も今もみんな、考えることは同じなのね。
#voice miya_0135
【Miya】「物置になりかけていたこの部屋に、その二人は色々なものを持ち込んだのよ」
#voice risa_0178
【Risa】「そう……それにしても美夜、よくそんな細かい事までわかるわね」
#voice miya_0136
【Miya】「ええ、だって彼女達はここにクロッキーノートを置いて、それに日々、愛の言葉やポエムを綴っていたんだもの」
#voice risa_0179
【Risa】「そこまで具体的なことまで………………あっ、もしかして」
#voice miya_0137
【Miya】「ええ、そうよ。そのノートをここで見つけたの」
#voice risa_0180
【Risa】「すごいわね、美夜……でも、いつの間に?」
#voice miya_0138
【Miya】「ここを掃除している時、部屋の奥にあった『宝箱』を見つけたのよ」


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#voice risa_0181
【Risa】「宝箱?」
美夜らしくない言葉に驚いて、思わず聞き返してしまう。
#voice miya_0139
【Miya】「その箱は彼女たちにとって、大事な宝箱のようなものだったと思うのよ……見てみる?」


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#voice risa_0182
【Risa】「ぜ、是非見たいわっ♪」


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#voice miya_0140
【Miya】「ふふふっ、期待で瞳がキラキラしてて、可愛いわ……璃紗」


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#voice risa_0183
【Risa】「はうぅぅっ」
だって、そんな風に言われたら、気になって仕方ないじゃない。
それと美夜は今、彼女達、って言ったわ?
それってどういうことなのかしら?
好奇心がドンドン、うずいてしまう。
期待しながら待っていると、美夜は奥からアンティークな木箱を出してきた。
薄れているけれど、英語で何か書いてあるわ。


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#voice miya_0141
【Miya】「多分、外国から送られてきた、フルーツか何かを入れていた箱を再利用したんだと思うわ」


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#voice risa_0184
【Risa】「へぇ……今ならインテリアとしても、使えそうな箱ね」
#voice miya_0142
【Miya】「璃紗が好きそうね。こういうの、ネットオークションとかでも売っているわよ」
#voice risa_0185
【Risa】「そうなんだ……じゃなくて、早く中を見せてよ」
#voice miya_0143
【Miya】「焦っちゃダメよ、璃紗……せっかちね」
じらすように、美夜がゆっくりとフタを開けると……そこにはクロッキーノートが入っていた。
それだけじゃなく、他にも色々な小物類も入っている。
以前、美夜に見せてもらった、レースのハンカチとイラストも入っていた。
そっか……この中に入っていたのね。


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#voice risa_0186
【Risa】「じゃあこの中にあるものって、もしかして……」
#voice miya_0144
【Miya】「歴代カップル達の、愛のアイテム……とでもいうのかしら。そういうものよね」
#voice risa_0187
【Risa】「歴代って……そんなにここを使っていた人、たくさんいたってこと?」
#voice miya_0145
【Miya】「そうよ。最初にクロッキーノートを持ち込んだカップルの後も、誰かが『伝説』を元に、あるいは偶然に……」
#voice miya_0146
【Miya】「わたくしの場合も、この偶然に該当するけれど、ここを見つけた学生が恋人との合い引きの場として、あるいは愛を語りあう場として使っていたのよ」


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#voice risa_0188
【Risa】「そういうこと、なんだ……」
可愛いぬいぐるみやカップ、髪留めなどが入っている、アンティークな木箱。
その箱は美夜の言う通り、彼女たちの思い出がたくさんつまった宝箱だったのね。
#voice miya_0147
【Miya】「そしてこのクロッキーノートに、歴代のカップル同様、みんな色々書いていたのよ」
#voice risa_0189
【Risa】「はぁ……なんか、素敵ね……」
私は美夜から渡されたクロッキーノートを、ぱらぱらと捲る。


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#voice risa_0190
【Risa】「君想いし夜、眠れず過ごす寂しさは、まるで冬の雪のごとく……あぁ、なんかドキドキしちゃうわ\001」
恋人に向けての、ポエムや愛の言葉。
それが途中途中から、違う人の筆跡に変わっていく。
次々と書き手が代わっていったことが、はっきりとわかる。
この部屋と一緒に引き継がれていく、一冊のノート。


#cg 2 tri01s 600 0
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#voice risa_0191
【Risa】「美夜……これ、今度じっくり見させてもらってもいいかしら?」
#voice miya_0148
【Miya】「璃紗ならもちろん、かまわないわ。それとね、引き継がれているのはこのノートだけではないのよ」


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0192
【Risa】「えっ、まだ他にもあるの?」
#voice miya_0149
【Miya】「ええ、この部屋そのものよ。璃紗はここにある私物、ほとんどわたくしが持ち込んだと思っているでしょう?」


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0193
【Risa】「ええ、初めて見た時は、そう思ったわ」
校内で優雅にお茶をする美夜を見て、一体何をしているのかと驚いたもの。
#voice miya_0150
【Miya】「ティーカップや、お湯を沸かすポットは別だけど、大半は歴代カップルがコツコツと持ち込んだものよ」
#voice risa_0194
【Risa】「これが……歴代の……」
#voice miya_0151
【Miya】「このアトリエは、みんなの愛で作られているわ。愛の結晶……とでも呼べばいいのかしら」
#voice risa_0195
【Risa】「愛の結晶……あぁ」
そう言われて、私はアトリエ内をぐるっと見回す。
歴代カップル達が作りあげた、この秘密の部屋。
その部屋に今、私と美夜はいるんだわ。
なんだかしみじみとしてしまう。


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#voice miya_0152
【Miya】「わたくし達も、その愛を受け継いで行きましょうよ、璃紗\001」


#cg 2 tri02s 600 0
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#voice risa_0196
【Risa】「美夜……\001」
美夜がクロッキーノートの、新しいページを開く。
#voice miya_0153
【Miya】「ここに一緒に、愛の言葉を書きましょう」


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0197
【Risa】「そ……それは……」


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#voice miya_0154
【Miya】「あら、どうしたの? わたくしと書くのはイヤなの?」
#voice risa_0198
【Risa】「そうじゃないわ。ただ……なんだか、緊張しちゃって」


#cg 1 tmi02s 200 0
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美夜はくすっと笑い、ペンをもつ私の右手を包み込む。


#cg 2 tri04s 600 0
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#voice risa_0199
【Risa】「あっ……」
#voice miya_0155
【Miya】「普段、璃紗がどんな風にわたくしを好きだと想ってくれているか……それを書くだけでいいのよ」


#cg 2 tri05s 600 0
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#voice risa_0200
【Risa】「美夜……ぁぁ……\001」
暖かい美夜の手に包まれると、何だかすごく安心できる。


#cg 2 tri02s 600 0
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#voice risa_0201
【Risa】「わかったわ……照れくさいけど書くわ。でも絶対、笑わないでね」
#voice miya_0156
【Miya】「ええ、笑わないわ」
二人して手を重ねて、ノートの上に書こうとした……その時。

;//SE:携帯の音
;♀SE004
#se 0 SE004


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0202
【Risa】「あっ……」
タイミング悪く、ポケットに入れていた携帯が鳴った。


#cg 2 tri01s 600 0
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#voice risa_0203
【Risa】「美夜、ちよっと待ってて……」
携帯を出し、誰からの電話かを確認した。


#cg 2 tri08s 600 0
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#voice risa_0204
【Risa】「……もう、こんな時に……」


#cg 1 tmi01s 200 0
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#voice miya_0157
【Miya】「璃紗……誰なの?」
#voice risa_0205
【Risa】「ママ、よ……」
平日の昼間、こんな時間にかけてくるなんて……
どうせ仕事の合間、休憩時間だわ。
自分の都合ばっかりで、私のことなんて全然考えてくれない……今が授業中だとか、考えもしないのね。
#voice risa_0206
【Risa】「………………」
私は電話には出ず、そのまま電源を落とした。


#cg 1 tmi03s 200 0
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#voice miya_0158
【Miya】「璃紗……いいの?」
#voice risa_0207
【Risa】「いいのよ、別に……」
目の前に広げられたノート。
このアトリエを使ってきた幸せな恋人たちの、歴史の象徴。
でも……今の電話のせいで、気持ちが少し落ちてきてしまった。


#cg 2 tri03s 600 0
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#voice risa_0208
【Risa】「美夜、ゴメン……これを書くのはまた、今度でいいかしら」
#voice miya_0159
【Miya】「……ええ、いいわ」
少し考え込むようにしてから、美夜が答える。


#cg 1 tmi01s 200 0
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#voice miya_0160
【Miya】「その代わり、次回までに書くことをちゃんと考えておいてね」


#cg 2 tri01s 600 0
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#voice risa_0209
【Risa】「ウン、考えておくわ……」


;**暗転
#mes off
#mes clear
#system off
#bg black
#cg all clear
#wipe fade



;♂MS
#bgm 0 stop 1000


;//END
#next2 S003

atelier_no_koibito_tachi/s002.txt · Last modified: 2013/06/01 22:49 (external edit)